【完結済】眠れる師匠のわて様を好きに使っていい日 作:あいいろ ののめ
―――わて様の正直なガジュに対する最初のイメージと言えば、愉快な小動物くらいのものだった。
「うぅん…貴方、そんなに熱心に手を噛まれてもわて様、すぐに治るわよ……?」
本当に、その生物に手を噛まれながら眺めている様は野生の動物を観察しているみたいだった。
幼い人狼はわて様の腕の中から抜け出すと興奮と恐怖の入り交じった様子で館の中を駆け回り、ようやく部屋のひとつに追い込んだと思ったらこれなのだもの。
満月の夜に最も強大な力を手にする吸血鬼と、その対極に位置する聡明な新月の魔術師。
偶然見つけ、気まぐれの向いた幸運からわて様に拾われたその小さなケダモノの、耳を尖らせて威嚇の唸り声を上げながら噛み付いた手を全く離さない姿は愉快であれど、わて様が知る人狼の聡明な印象とはかけ離れた存在に見えた―――
―――中でも特に愉快なのは…お風呂の時間かしら。
いつもガジュはわて様がお風呂に入れようとするのをどこからか察知して逃げてしまうの。
でも今日はよほど急いでいたのね、わて様がいつも使う蔵書室の扉が空いていたからそこに逃げ込んだのがすぐに解った。わて様は蔵書室に入ると後ろ手に扉を施錠し、部屋に響く声で話し掛ける。
「ふふ……ガ〜ジュ〜?」
蔵書室の中から返ってくる返事は、無い。
「何処に隠れているの、本棚の裏側?」
わて様は靴音を立てて蔵書室を歩いて、棚の後ろに素早く顔を出すとそこにはわて様の読み終わった本が横積みにされていた。
あの高さじゃ、さすがにガジュが小さくても隠れられなさそうね。
「じゃあ…机の下?」
わて様がいつも読書のときに使う席の下にあるスペースを覗き込むけど、残念ながら今日はここに居ないみたい。
「それとも……まさかここじゃ無いでしょう?」
蔵書室の更に奥へと続く扉。わて様がそれを開いて秘蔵書室に踏み込むと、そこは一見誰も居ないようだった。普通ならこんな奥まった部屋に隠れようなんて自ら逃げ場を失っているようなものだけれど……まさか、ね。
「そう。まさか…こんな所に隠れたりなんてしないわよね。
……たとえば…此処みたいな……
……袋小路になんてっ!!」
秘蔵書室の暗がりの中で跳ねた、部屋の隅で灰色の毛玉のように縮こまったガジュが振り返ってわて様をわなわなと肩を震わせながら見上げる顔は愉快だなんてものじゃなかったわ。
物凄くゆっくりこっちを見上げたガジュはわて様の顔を見て固まって、数秒後にハッとしてわて様と本棚の隙間からようやく逃げ出した。
その後ろ姿はとたとたと歩幅の小ささのせいか遅すぎるもので、わて様はついつい彼の逃走を見送りながら笑ってしまった。
「フフ…フフフフ…ガジュ? そんな足取りで今度は何処へ逃げるつもりなのかしら……?」
抱き枕はフカフカな方がわて様は良いのだけれど、お風呂を察知するとこんな風に逃げられるせいでかなりの手間なのよね。
わて様だって暇じゃないもの、毎回毎回ガジュの遊びに付き合わされる身にもなって欲しいものだわ……ええ、本当にね―――
最初の頃はそんな風だったガジュとの『遊び』は、彼の成長と共にエスカレートして行く。
ガジュは文字が読めるようになるとわて様と同じように蔵書室で過ごす時間が増え、それから関心がわて様の様々なところに向くようになるまでの時間はそんなに掛からなかった気がする。
それからは、わて様がそう言ったイタズラをしたことが無いと言ったらそれはウソになるけれども……その始まりはほんの偶然に過ぎないものだった。
わて様には毎年、診療所がある街からは少し離れた帝都の学園に健康診断として用事がある。
そこは吸血鬼の御令嬢達が通う学園で、吸血鬼の医者で女性という理由からその健康診断の白羽の矢が立った……勝手に人の居ない場所で話を進めないで欲しいのだけれど。
とはいえ報酬よりも断るのは
―――街の診療所を長い間空ける訳にもいかないので代わりの医者を呼び付けて前後1週間くらいはその医者に街の人を診て貰うのだけれど。
それでも日程はかなりギリギリなのでわて様は帝都から帰ってくるとすぐに昼寝をしていた。
「はぁ…っ」
そんな時に聞こえたのが、その息遣いだった。その時はわて様も疲れていたから、うるさい訳でもないものには大して気に留めず再びの眠りについた。
「ふぁ…あ…」
そして再び目覚めて起き上がったわて様が思ったのは、果たしてその光景は現実だったのかしらという疑問だった。
(ここ数日はそんな暇も無かったのだから…そう言った夢だった、というのも充分有り得るような気も…するものね……?)
そんな風に考えていたせいかお腹の奥で疼く感覚がして、座ったまま手をゆっくりと下に伸ばした。
(あ、あれ…わて様、思ったよりもなんと言うか、欲求不満……)
下着の上からでも分かる濡れた布地の感触に自分でも驚きが隠せず、少し触るだけでたぶん下着の上からでも解るくらいになってしまったクリに触れ続ける。
「ん…っふ……」
その時は寝ぼけていたせいか、下着の上から触っているだけで頭がふわふわと普段とは比べ物にならないくらいの幸福感で頭が満たされていたような気がして。
結局そのままわて様は意識を失うように眠りにつこうとした…のだけれども……。
眠りそうだった瞬間に部屋の扉の閉じる音がして、誰かが歩いてくる気配がする。
その気配はすぐにガジュだと解ったけど、いつもなら抱き枕にしているはずの彼がいつの間にか部屋にいなかった理由を考える間もなく、ベッドに登ったガジュはわて様の傍に顔を近付けると声を掛けてきた。
「師匠…オレが少し離れた隙に一人でオナニーしてるなんて……」
み、見られてた……。
「まぁ、それほどへんな話じゃないんだけどさ。師匠って普段は薬品に使う植物を育ててるせいか、草木の香りしかしないから…少しだけ、意外だ。」
目を瞑っているわて様の脚が掴まれ、ガジュによって脚を開かせられる。さっきまで虐めていた場所に、下着越しで獣みたいな息遣いが当たる。
そこはさっきまで自ら慰めていた所為で下着が濡れているのが明白であり、わて様は身体中が火照っていく感覚とともにさっき落ち着いたはずの場所がまた疼き始めた。
「せっかく師匠の身体は『調教中』だったのに……あんな焦らしもなくイクなんて、今からちゃんと教え込んでやらないと。」
ガジュは何を言ってるのかと思った。
でもガジュの手が瞬く間にわて様から下着を奪い去るとわて様の秘部に今度は直接ガジュの息が当たって…わて様は今までに感じたことの無い恥ずかしさに苛まれる。
「師匠のここ、ヒクヒクしてる……」
ガジュが喋るたびに当たる息はそれだけ間近でわて様の身体が見られているという事実を裏付けるもので、わて様の様子をこと細かに喋りながら観察するガジュはまるでわて様が起きていると解っていて辱めているような邪推までしてしまう。
「ほら師匠、オナニーはこうやってするんですよ……」
そう言って触れてきたガジュの手は、想像よりも指が太い。わて様が知っているガジュの手はもっと小さくて、指も注射器よりもずっと小さくて可愛らしいものだと思っていたのに、いまわて様のクリトリスに軽く触れているガジュは…男の手つきをしていた。
ガジュの指はすごい優しく触れている筈なのに秘部からは自分でも信じられないような量の愛液が溢れてくるのが自覚できて。さっき自分で触れていた時とは比べ物にならない、下半身のずんと重くなっていく感覚があった。
「師匠が普段から薄着でオレのことからかったり……眠る時もそのデカ乳を押し付けてくるから……オレだって男なんですから、これでも我慢してる方なんですよ……」
ガジュはそう言ったきり、わて様のクリトリスがぴんと立っているのが解っているはずなのに手を離してしまう。
そしてガジュの指が今度は膣の肉を押し退けて膣中に入ってこようとすると、わて様の身体はすんなりとそれを受け容れてしまったことでまた顔が熱くなった。
「ほら…っ、師匠の身体は毎晩のように教え込まれてるから……ここ触られると、いつも締め付けて来るんですよ……」
「……っ!?…っ♡…ふ…ぅぁ…っ♡」
ガジュの指がぐりぐりと腟内の一点を押してくる。言葉にすればそれだけのはずなのに、わて様は我慢のし切れなかった息が口から漏れてしまう。
ガジュが言う『毎晩』とか『いつも』とか、他に問い詰めたいことは沢山あったのに、ガジュの指の動きに翻弄されるはわて様はそれ以上何も考えられないよう頭の中をかき混ぜられているみたいだった。
「っふ……♡……んん…ふ……♡」
「あれ、今日の師匠…まさか起きてます?」
「………!!」
「…な訳無いですよね。だって師匠って、小さい頃にオレをお風呂に入れようとした時…猛禽類みたいな目を見開いて迫って来たから……あの師匠にバレたら何も言われないなんて、想像つかないな……」
なにか、ガジュはわて様の事を勘違いしているみたいだけれど……今はとにかく、バレずに済んだみたい。
ガジュはわて様の脚を思い切り開かせるとその指を腟内に挿れたまま、彼の明らかに声色の上がった声が聞こえてきた。
「じゃあそろそろ…調教を始めましょうか、師匠?」
その声に覚えたのは半分が困惑、もう半分は興奮に近い感情だった。
今まででも自分でするよりもずっと気持ちよくされていたのに、これから何をされてしまうのか。その興味心は想像を掻き立て、より身体が興奮を深く覚えさせられているのが自覚できてしまったばかりに、わて様は羞恥心でヘンになってしまいそうになる。
ガジュはさっきまでみたいに指を腟内に突き入れると、今度はクリトリスの方に指が当たった。その刺激はわて様が目を閉じていたせいで突然来たので、思わず身体がビクンと小さく跳ねていた。
「いま凄いビクって……師匠の身体、思った以上に調教されてきているみたいですね……?」
「………♡♡」
調教。
本来なら家畜を訓練することに宛てがわれるその言葉をぶつけられるのはこちらが人では無いと言われているようなものであり、普段のわて様が他の誰かにその言葉を言われたのなら激昂したに違いない。
でも元々は偶然拾っただけの、野生動物みたいだったガジュにその言葉を言われるのは皮肉じみた屈辱であると同時に、とても退廃的で背徳的な興奮を呼び起こしていた。
「ほら、師匠の身体……こうやってクリを爪でカリカリされるの、期待してたんですよね…♡」
寝ているわて様の脚が無様ながに股に広げられ、単なる生理現象の結果でしかないクリトリスの膨張と充血を言葉で辱められる。
男の爪が何度かクリトリスの先端を行き来すると陰核が触れられるたびに脳が痺れるように鋭いような、後にはふわふわと漠然としないような多量の快楽で満たされ、その弱点を滑稽な姿で無防備にオスの前で晒している行為がどれだけの愚行なのか、それを自らの肉体で徹底的に教え込まれた。
ガジュに何度も弄ぶように弾かれこれ以上なく勃起をさせられたクリトリスはそれが弱点である自覚を教え込まれたのにも関わらず、また男の指でカリカリとされることを…ましてや人の眠り時に付け入る不躾者の慰みものとして扱われることをすっかり望んでしまっていた。
そんな邪念を見透かしたようにまたクリトリスが弾かれ、不意に訪れた刺激にわて様は吸血鬼らしくない生娘のような小さな悲鳴をあげさせられる。
その間ずっと腟内にある指をわて様の身体は勝手にきゅうきゅうと締め付け、その指の形と共にオスに媚びへつらう身体の本能的な快楽をわて様は認識させられた。
しかし、ガジュはその行為だけを徹底して繰り返した。
最初は与えられる快感ばかりに気が向いていたけど、それが十分も二十分も続くと身体は段々と蓄積する快感がいつまでも発散されない不快感が現れてくる。
「は…っ♡は…っ♡」
「師匠……、そんな様子じゃどっちが犬が解りませんよ……」
わて様の身体は恥を忍んでこんな姿勢のままクリを立ててオスに媚びているのに、ガジュは変わらずにクリトリスをカリ…カリ……。
いっその事起きてしまおうかと思う度、わて様は少し前に自慰している所を見られたという恥ずかしい事実を思い出すことで辛うじて行動を踏みとどまっていた。
「よく我慢出来ましたね、師匠…と言っても我慢させたのはオレの方なんですが。」
膣の中にあった指が完全に抜かれ、また指を突き入れようとするガジュの行動は…何か変だった。
「んお゛ぉ……っ!?♡」
違和感の正体に辿り着く前にさっきまでとは段違いの快楽によって脳が埋め尽くされ、膣中に押し込まれたモノがオスの男根なのだとようやくわて様は理解した。
「師匠そんなにクリを勃起させて、そんなにイジめて欲しいんですか?」
先ほどまでは僅かに固い爪で触れるしかされなかった箇所を、今度はつねるように摘まれる。
もちろんつねると言っても力はかなり加減したものだったように感じたけれど……それでも寸前までいじめられることを渇望していた肉体は呆気なく絶頂を迎えさせられた。
その呆気なさとは裏腹に今まで焦らされ続けた快楽の一気にこみ上げる絶頂は、これまで知っていたはずの同じ現象とは全く違っていて……。
「おーー…♡師匠の身体、もう完全にちんぽから精液を搾り取るつもりですね……♡」
それからは完全に、わて様の身体はガジュの気持ちよくなる為の玩具として『使われている』のが、言葉無しに理解出来てしまった。
徹底的で容赦のない、こっちが絶頂中でもお構い無しに陰茎を打ち付けられ、わて様の意志と関係なくオスに媚びさせられる肉体はガジュ専用のオナホと言っても過言じゃない浅ましい姿を、他でもないわて様自身の意に反して晒し続けた。
「師匠…♡師匠……っ♡」
っぐ♡また…♡ ガジュのオスちんぽに負かされ……♡♡
わて様がそう思ったとき。心の片隅に現れた小さなプライドがこれまでの素直な絶頂を拒み、歯を食いしばって本能に逆らおうとして一気に膣が締まる。
それをガジュは気持ちがいいと思ったのか、さっきまでよりも更にペースを早めて膣の奥底の壁を何度も力づくで押し上げてくる。
「…ん゛♡ふ…ぅ゛っ♡♡っ゛…ぃ…っ゛!!♡♡♡」
わて様の些細な抵抗は簡単にねじ伏せられ、ガジュの徹底的な調教による肉体の屈服は寸前だった。
「ごめんなさい、師匠……♡」
「……っ?」
「こんな、こと…っ師匠にしちゃダメだって解ってたのに…もうずっと、こんなこと……♡
っ! 出る……っ!!」
ガジュの必死な声が聞こえたとともに、お腹の上を中心に生暖かい液体のようなどろりとした感触が拡がる。
下半身から上半身にまで飛び散った精液に、わて様の心臓はまだドクドクと行為中と変わらない緊張状態のまま。ガジュが濡れたタオルか何かで体に着いた精液や愛液を拭き取るこれまでとは別人と思うような優しい手つきに、わて様はようやく現実味のない深い絶頂の余韻がじんわりと湧き上がっていた―――
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