※この作品はR-18です。

真剣で肉欲に溺れなさい!IFルート【完結】   作:寝坊助

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モブルート2

 

 

 

 

 ……胸に違和感を感じる。

 たわわに実った、自慢の乳房が。愛する男を振り向かせるために大きく育てたそれが、何者かに好き勝手に扱われているような気がする。

 誰だ?この手つきは?ユウのものじゃない。あいつと比べてその手はいやらしく、ネチネチと弱いところをイジるようにじっくりとした揉み方だ。

 さらに、胸の谷間に熱い棒のような感触が当たる。左右からおっぱいを掴まれ、シコシコと前後にパイズリさせられる。

 時折聞こえてくる何者かの息遣い……『おっ、おふ、ふぉおっ……』と、なにやら気色悪い、というか音を漏らしながら腰を振っているようだ。

 

「はぁ!はぁ!射精(で)るぞッ……うけ止めろぉ、百代ぉ〜!」

 

 ッ……顔に何か熱いものがかけられた。

 多分液体、それに妙な匂いだ。だが嗅いだことがある。嗅いで、飲んで、味わったことのあるものだ。

 しかし私の記憶にあるそれは、これよりも匂いは脳が撃たれるほどに強く、吐き気がするもクセになる苦味を持ち、熱湯の様に熱く、量は溺れるほどあった。

 今かけられたそれは、匂いも味も薄く、生暖かく、一口でちゅるんと飲み込める程度のもの。同じものだが、大好きなあれとは全く違う。

 意識が覚醒するとともに、感じる違和感も強くなる。目を開くと、そこにいたのは私が知っている愛しいあいつの姿ではなかった。

 

「あ、気付きました?川神先輩」

 

「お、まえ……だれ……だ……」

 

「川神学園1年C組、田中ケンです……今、あなたの身体を使わせてもらってまーす」

 

 軽々と自分の個人情報をバラす、田中と名乗った後輩。同じ川神学園生徒ならば、私が誰かわかるはずだ。

 わかっていながら、こんなことをしているのだ。

 

 見渡すと、今私がいる場所は学園の保健室じゃなかった。どこかの家の小さな個室らしき場所、目立つのは机とベッドと漫画が並んだ本棚ぐらいで、なんの彩りもないつまらない普通の部屋だ。

 ベッドの上で私は倒れ、田中とかいうやつはその上に乗っている。己の肉棒を私の自慢の胸に挟み込み、パイズリしてやがる。

 

「ここ……どこだ……ユウ、は……?」

 

「ユウ?……あ、やっぱ相手は水城ユウ先輩だったんですね?ま〜、あの人しかいませんし」

 

 ってゆーか、と……田中はニヤリと笑った。

 とても人を不快にさせる顔だ。

 

「こんな極上の女ほったらかすなんて、あの人も何考えてんでしょうね?殆どの男子生徒が川神先輩を狙ってるっていうのに、寝取られないことを考慮してないなんて!」

 

「あ゛……?」

 

 侮辱の言葉として受け取ろうじゃないか。

 もしそうじゃなくても、そうとして受け取る。

 見たところ武道なんてやっていないヒョロイ肉体、逃げ足だけに関しては中々の大和にすら劣るだろう。そんなやつが長年好意を抱いてきた男をバカにしただけに飽き足らず、寝取るなどとふざけたことを抜かした。

 さてこいつをどうやってぶち殺してやろうか、頭の中はそれだけでいっぱいになった。

 

 とりあえず殺気を放つ。人間をショック死させられる程の強烈な殺意の波動をこいつに向けて放ってやる。

 普段はセーブしているが、こんな男には容赦など必要ない。直ぐにでも穴という穴から血を吹き出し、発狂して倒れることだろう……しかし、

 

「ううッ!……ふぅ、死ぬかと思った」

 

「な⁉︎」

 

 田中は倒れるどころか耐えきった。流石に一瞬だけ白目を剥いて身体がぐらりと揺らいだが、それでもなんとか意識を保っていた。

 バカな……本気で放ったぞ⁉︎割と殺す気で、加減なんて一切しなかった。

 なのにどうして……驚愕に表情を歪めると、田中はニヤニヤと不快な笑みを浮かべた。

 

「あの川神百代が……僕に対してそんな顔をするなんて……へへ!」

 

 嗤いながら、そいつは私のおっぱいを鷲掴みにしてきた。力加減なんて一切しない、乱暴に扱う腕の力によって乳房はぐにゅう❤︎と歪む。

 

「や、やめ……はぁん❤︎」

 

 ッ!なんて声を出してるんだ私は⁉︎

 直ぐにでも起きて殴り飛ばしてやろうとしたが、何故か身体は動かなかった。それどころが、胸を握られてピリピリと走る快感によってとろけた声を上げてしまう。

 そんな私の醜態を見て、田中はこれが分かっていたかのようでその笑みをより一層深いものにする。

 

「目を覚ますまで、めちゃくちゃにヤッたんでね!もう先輩の弱いところは、全部知ってるんですよ!ホラ!」

 

「んひぃ❤︎⁉︎」

 

 今度は乳首をつねられる。引きちぎれてしまうかもしれない力で捻られるそれによって、更に感じてしまう。

 私の胸、おっぱい、乳首……ユウだけが触る権利があるそれを田中は面白半分に責める。指の中で激しくこねくり回し、時には指でピン!と弾く。

 

「乳首でしょ?乳首が弱いんでしょ?知ってるんだからな?ホラホラホラホラァ!」

 

「や、やめッ……ろ……おほぉ❤︎」

 

 私はようやく自分の肉体の異常に気付いた。身体が感じてしまって、力が出ないんだ。

 気持ちいいのが麻痺のような作用をして、反応する身体が上手く動かないんだ。それによって精神まで弱っているため、殺気も大した威力にはならなかったんだ。

 なんてこった、一生の不覚だ……!

 いつもならこんなやつ秒で殴り飛ばせるのに!

 悔しさに歯を食いしばり、せめてもの抵抗として田中を鋭い瞳で睨みつけた。

 

「こ、ころす……おま……ころひて……やる……」

 

「死ぬ覚悟なんてできてんだよ!」

 

 今ままで私の脅しに屈しない奴はいなかった。だが、こいつは違っていた。ビビることなく、激昂とともに胸の谷間に顔を埋めてきた。

 もみもみ❤︎ぐにゅぐにゅ❤︎とおっぱいをまるでおもちゃのように好き勝手に弄ぶ。その感触を顔面で味わっている。

 谷間から見えるやつの目は覚悟に決まっていた。

 

「保健室からあんたを家まで運ぶのにどんだけ苦労したと思ってんだ!やっと、やっと手に入れたんだ、お前を僕のちんぽ無しじゃ生きられなくしてやる!」

 

「あ、んん……❤︎」

 

 さらに身体を押し付けてくる。逃げようにも両腕でガッシリと固定されて、互いに密着した状態で激しく絡み合う形となってしまった。

 肌が擦れる度に私達の汗と愛液が混ざっていく。身動きが取れずいいように扱われる中で、膣口に何か硬い物が当てがわれたことに気づいた。

 

「や、やめ……!」

 

 ———問答無用でソレは挿入された。

 ユウのモノと比べればそれは小さく矮小だ。普通なら感じることもなかっただろう。

 しかし、今の私は全身敏感になっており、絶頂とはいかぬまでも確かに感じていた。しかも、こいつの腰使いは的確に私の弱いところを攻めまくる。

 

「イケ!イケイケイケ!僕のちんぽを美味しそうに食べやがって!このビッチまんこ武神が!」

 

「あッあッあッあぁ……や、やめ……はなせ……くそ、こんなやつにぃ〜……‼︎」

 

 目を覚ますまで、めちゃくちゃにヤッた……犯されながら田中の言った言葉を思い出す。

 おそらく私が覚醒するまで田中ケンという男は、この身体を好き勝手に犯していたんだろう。その反応を観察して、的確に弱い部分を探し当てたのだ。

 

「はぁ、はぁ……最高だわマジで!あの川神百代が、僕のちんぽでイッてる……‼︎」

 

「イッてなん……かぁ゛〜〜❤︎」

 

「だったらさぁ、そのアヘ顔はなんだよ!水城先輩とのセックスも、そんな下品な顔晒してアンアン言ってたんだ……ろぉ!」

 

 強く腰を叩きつけて、ちんぽが一番奥までくるように押し込まれる。そのギリギリのところで、子宮目掛けて精液を中出しした。

 

「あ゛⁉︎……や、やめ……ユう゛いがいの……が……あ゛ぁ〜〜❤︎‼︎」

 

 愛する男以外のものを許してしまった。

 なんという屈辱だろうか。感じながらも、そうなってしまった現状と自分に向けて憎たらしくギリリと歯を食いしばった。

 

「もう何度も射精したからね……!受精してるんじゃない?そうなってほしいな……ふふ、川神百代が僕の子供を産むんだ」

 

 ……このクソ野郎が、動けるようになったら覚えておけよ……!屈辱だが、今はいいように使われるしかない。

 耐える時だ。そしてそれが終われば反撃すればいい。この川神百代にはまだ、この子宮に張った結界という切り札がある。流石に在学中に妊娠はマズいから、受精を防ぐ為の処置。これさえあれば、いくら射精されても孕む事はない。

 そう、たかを括っていたが……

 

(あ、あれ?結界が……まさか!)

 

 子宮部の感覚に違和感を感じた。集中して調べてみると、結界が張られていないことに気づいた。

 待て、そんなバカな……。そんなことはあり得ないと、何度も確認しても結界はなかった。

 一線は超えないという余裕がなくなり、私の心に焦りが生まれ始める。田中による絶頂によって意識が不安定になったことによって、結界はとうに消えていたのだ。

 つまり、このまま中出しされ続ければ待っているのは……

 

「へへへ、まだ反抗的だからな……ご主人様が誰かわからせてやるよ、百代」

 

(マズいマズいマズいマズい‼︎)

 

 直ぐにでも逃げなければ、孕まされる。

 しかし、身体は言うことを聞いてくれない。

 まるでラブドールのように、田中の性欲を受け止めることしかできなくなってしまっていた。

 

 そんなこと知らずに、知ったところでさらに興奮するであろう田中は私の身体を動かしてうつ伏せに寝かせた。

 ぷりん❤︎と、おっぱいと同等の弾力とツヤのハリを持つケツがやつの前に突き出される。それを鷲掴みにして、乳にしたように揉みしだき顔を埋め始めた。

 

「すぅーはー!すぅーはぁー!あ゛〜百代のケツの匂いすげぇいい!」

 

「やめッ、くそ……きもちぃわるい‼︎はなせぇ!」

 

 あまりの気持ち悪さに鳥肌が立つ。もうこいつに肌を触らせたくない、見せたくもない。

 殺すのは後、とにかく安全を確保しないと何もかも終わってしまうと頭から警告が流れる。

 

「うるさいなぁ、お仕置きだ!」

 

 身を捩って逃げようとするが、それにイラついた田中は、大きく振りかぶった手を私の尻目掛けて振り下ろした。

 パァン!小気味良い、乾いた音が部屋にこだまする。

 

「んひぃ⁉︎」

 

「ケツ叩かれただけでイッたよ、この淫乱……ほら、ほらほら気持ちいいのか?」

 

 さらに両手でリズミカルに、尻を楽器に見立てて叩き続ける。力加減によって鳴る音が変わり、尻はぷりんぷりん❤︎揺れる。

 それが面白いらしい、ノリに乗ってきた。

 

「あ゛が……⁉︎ああ!」

 

「さぁて、ちんぽも回復したし!」

 

 休憩を挟んだことにより、田中の肉棒もムクムクと勃起している。尻を掴んで強引に引き寄せると、突き出された膣口に向けて一気に突き刺した。

 

「ホント名器だよこれ!吸い付いてはなさねぇ!」

 

 尻を掴まれて腰を打ち付けられる。肌と肌がぶつかり合う音が反響し、そいつの腰使いの激しさは次第に強くなっていった。

 もっとこの雌の味を貪りたい、俺の所有物だという証明を刻み込むために。そんな欲望を身体で表している。

 やがて、腰がブルリと揺れる感覚が伝わってきた。金玉から肉棒にかけて精液が昇ってくる、あの感覚だ。

 

「うおおおおお!射精(だ)す!これで全部射精(だ)すぞ!」

 

「やめ……やめろぉぉお゛ぉぉお‼︎」

 

「孕め!僕の子供を孕め百代ぉ〜……‼︎」

 

「あ゛がッ⁉︎……あ、あぁ〜〜……‼︎」

 

 全て、金玉からくる性液を一滴残らず膣内に流し込む。絞り込むように、今日一日出る全てをまんこに注ぎ込んだ。

 快感が迸る私の身体はピンッと張り詰めて、絶頂に負けたことで舌を伸ばしてイッた。

 

「はぁ、はぁ……もう……死んでも、いい……」

 

 全てを出し切った田中は、完全に萎えたちんぽをまんこから引き抜き、ふらふらと揺られて私に重なるよう倒れ込んだ。

 その顔は幸福を表しているかのように、満足そうだった。

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーー

 

 

ーーー

 

 

 

「げふ⁉︎」

 

 腹に響き渡る激痛。胃の内容物が一気に吐き出されかねない程の一撃によって、田中ケンは強制的に覚醒させられた。

 数秒前までは、幸福と快楽の中で気持ちの良い眠りについていたはずなのに。起き上がり、目を開けるとそこには目を覚させたであろう川神百代が仁王立ちしていた。

 裸だった姿が、既に制服に着替えている。その顔はまさに修羅の表情で、獣の如き鋭い眼光でケンを見下ろしていた。

 

「よう、目が覚めたか?」

 

「か、川神先輩……」

 

「さっきは散々私のこと呼び捨てにしてただろうが。あの威勢はどうした?」

 

 放たれる殺気。それはさっきまでの弱った気ではなく、れっきとした人を殺せる程に回復した殺意の波動だった。

 セックスの最中には身体を麻痺させていた快感は完全に消え、もう彼女の動きを邪魔するものは何もない。そして当然、それに抗う術をケンは持ち合わせていない。

 

「お前、私に何をしたか言ってみろ」

 

「動けない川神百代先輩を……家に連れ込んで……犯しました……」

 

「じゃあ、覚悟はできてるよな?」

 

「ええ勿論!」

 

 大きく返事をして、両手を広げて抵抗はしない、寧ろ受け入れる姿勢で百代の前に立った。

 調子には乗ったが、このようなことになる前提で百代を犯したのだ。男のサガに従った罰だと、ケン自身も理解していた。

 

「殺るなら殺れよ!こうなることは分かってたんだ!さぁ、いっそ一思いに殺せ‼︎」

 

「じゃあ、遠慮なく!」

 

 強烈な一発がケンの顔面に突き刺さる。

 拳はめり込んで、身体は風に飛ばされた紙の如くふわりと浮かび、家の壁に激突した。家全体が大きく揺れる。その勢いは窓を破り、壁に大きな亀裂を走らせる程だった。

 時間差で襲いくる激痛。覚悟をしていたのだが、想像以上の痛みに意識が遠のきかける。鼻を中心にじんわりとした熱を感じる、恐らく、鼻血が流れているのだろう。それも大量の。

 だが、それだけだった。

 

「い、いぎ……で……る゛……?」

 

 田中ケンは生きていた。

 殺されるかと思っていた。頭を粉砕されるだけではなく、上半身全部を吹き飛ばされ股間を引きちぎられる……そんな最後を予想していた。

 そうなって当然のことを自分はしたのに、百代は死ぬ程の激痛は与えるものの死に至らしめるような一撃は打たなかったのだ。

 キョトンとした目で見ると、彼女は心底不服そうにそっぽを向いていた。

 

「……これで全部チャラだ」

 

「は?」

 

 空いた口が塞がらない。

 まさか、レイプしたというのに拳一発で全て許すというのか。力の化身、傍若無人という名を体で表すあの武神、川神百代が。

 まさか肉体面の仕置きはこれだけで、後はとんでもない要求をしてくるのではないだろうか。一生奴隷として扱われるのではないだろうか、そう思っていると……

 

「仕方ないだろう。お前を心の底からぶっ殺したいのは間違いないが……こうなったのは、私の自業自得なところもあるしな……」

 

「え?」

 

 なにやらしおらしくなっていた。

 何から何まであの川神百代らしくない。その姿はまるで、ショックを受けた年頃の小娘のように弱々しかった。

 頭をガリガリとかき「まぁ、お前なら話していいか……」と、口ごもりながら語りだす。

 

「フラれたんだよ、私は……ユウに……」

 

「水城先輩に?川神先輩が告白して……フッた⁉︎ありえねぇ!こんな美女をフルなんて、もしかして不の———」

 

 言葉を発する前に、拳が腹に減り込む。

 

「ご⁉︎……ぉ゛……」

 

 さっき顔に食らったのと同等……それ以上の一撃によって膝をついた。ズンズンと内臓に響く痛みを手で抑え、それをゴミを見るような目で百代が見下ろす。

 

「私の前であいつへの侮辱は許さん。今でも私は、ユウのことを愛してるんだ。お前みたいなカスに比べたら、ちんこのデカさも比べ物にならないぐらいな!」

 

 どうやらかなり込み入った話のようだ。

 百代はぽつりぽつりと呟くように語り始める。

 

「私はあいつのことが好きだったが、あいつは私を女として見てなかった……あいつにも、好きな人を決める権利はあったんだ……」

 

『俺にも初めての相手を決める権利はある‼︎』

 

 貞操を奪ったあの日。最初の行為の時に、彼が口にした言葉を百代は思い出していた。

 はっきりと面と向かって言われたあの言葉。だが、百代は聞いて聞かぬふりをした。

 

「だが、私は是が非でもユウを手に入れたかった。愛して欲しかったんだ……お前らみたいな遠いところでキャーキャー言ってる連中とは違って、真正面からぶつかってくるあいつが愛おしくてたまらなかった……」

 

 その声は、やがて震えて涙声になっていく。

 

「だから襲った。あいつの純潔を奪って、好きなように貪ってな。私の魅力で落とそうとしたが……それが嫌だったんだな。ようやく分かった、バカなことしたって……それで保健室に放置されたって訳だ」

 

 大雑把だが、大まかな経緯は理解できた。確かに自業自得に他ならない、嫌がる相手を無理矢理犯したのだ。

 モテない男なら夢にまで見たシチュエーションなのだろうが、当の本人からしてみれば好きでもない相手との行為などトラウマだろう。

 百代は仁王立ちから、腰を下ろして胡座をかく。その顔は実に自虐的だった。同じ犯された立場となって、ようやく自分のやらかしたことに気づいたのだ。

 それ棚に上げて、自分だけを正当化しようなどと彼女は思えなかったのだろう。

 

「笑える話だろ?武神なんて呼ばれた私が、男一人モノできないなんて……はぁ、この初恋は諦める。もうユウは、私の顔なんて見たくもないだろうしな」

 

 田中ケンはこの時、ほんの一端ではあるが初めて川神百代という“少女”を理解したのかもしれない。

 目の前にいるのは、武神でも世界最強の武道家でもない……ただの失恋した女子高生だった。

 そんな弱々しい彼女を見て、ケンも今自分がやってしまった罪の重さに気づいた。ある意味、死ぬより辛い重さだ。

 それでも何とか百代を元気付けたいと思い、

 

「俺は……川神先輩のこと、好きです……」

 

 素直な気持ちをぶつけた。

 少しでもこの人の気が良くなるように。

 だが当然というべきか、当の本人は親の仇のような目でギロリと睨む。

 

「その想いを真正面からぶつける勇気もないクセに、一丁前なこと言うなよ。そんなので私がときめくと思ったか?」

 

「うぅ……!」

 

 ど正論である。真正面から反論のできない言葉を叩き込まれて、ガクリと落ち込む。

 我ながらなんて情けない姿なのだろうか。女の子一人慰めることもできないなんて、やはり自分は何の取り柄もないモブだと思い知らされる。

 同時に、水城ユウという男の大きさも。

 誰もが川神百代を持ち上げる中、彼だけは真正面からぶつかってきたのだ。同級生の中には、何度も武神に負けてる情けない奴、などと笑っている者もいたがそれは違うと理解できた。

 そんな彼だから、彼女も惚れたのだろう。

 それに比べたら自分なんて…

 

「しかし、受け入れるしかないんだろうな……」

 

「え?」

 

 顔を上げると、百代は己の腹をさすっていた。

 その位置は丁度、子宮のある位置だ。

 それを見たケンは、まさか!と目を見開く。

 

「感覚でわかった……お前の子だ」

 

「ええええええええ……うげぇ⁉︎」

 

 そして拳。次は顔面だ。

 

「なに驚いてんだ!孕ませる気で犯したクセに!まさかヤルだけヤッて、死んで逃げるつもりだったのかクソ野郎‼︎そう言うところが嫌いなんだ!ユウ以外の男って奴は!」

 

 顔を抑えて蹲るケンをこれでもかというほど罵倒する。その顔は心底……心底に不服そうだが、グッと押し込めて特大のため息を吐いた。自業自得とはいえ、自分の人生を呪っているかのように。

 

「こうなったら仕方ない、子供に罪はない。お前も、責任とってもらうからな!」

 

「責任って……まさか……」

 

「———私の婚約者になれ」

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーー

 

 

ーーー

 

 

 

 

 あれから五年後———川神院。

 練習場の中心で、二人の夫婦が組み手を行っていた。

 

「おおおおおお‼︎」

 

 夫が咆哮と共に連続で拳を打ち出す。まるで増えたかのように見えるその拳の群れに、妻はつまらないものを見るような目で軽々と受け止めていく。

 そして突きが止んだ瞬間を狙って、正拳突きが夫の顔面に炸裂した。小さな悲鳴を上げて、口から血を吐きながら夫は練習場の床に倒れ込む。

 我が夫ながら、弱い……そう思いながら妻はぼりぼりと髪をかいた。

 

「はぁ゛ーっ、はぁ゛ーっ……きっつい‼︎マジできついぃー!」

 

「この程度で根を上げるなよな……はぁ〜、全く。ユウなら私に一発かませられるのに」

 

「夫の前で別の男の名前出さないでくれます?」

 

「じゃあ私から及第点ぐらい取らせてみろ、ケン」

 

 あれから、二人は結婚した。

 妊娠してしまったからには仕方ないと百代は受け入れ、ケンもそれを承諾した。せめてそれぐらいしなければ、それがケジメというものだ。

 その事実が報告された時は、世間はもう大騒ぎだった。あの川神百代が、何の取り柄もない一般人と結婚するのだから当たり前だろう。

 てっきり、彼女は水城ユウと結ばれるのだろうと、誰もが思っていた。でなくても百代の隣を狙う大勢の男を押し退けて、彼女を手に入れたのは武道家ですらない後輩。

 世間も、世界の武道家達も、川神学園も、何より風間ファミリーの反応が凄まじかった。

 彼らによって一悶着起きたのだが、百代の説得によってなんとか鎮静化できた。

 その後、田中ケンは川神百代の夫として川神ケンとなり、門下生となって武道の世界に足を踏み入れた。

 しかし、やはりというべきか才能のさの字もないため、こうして百代がつきっきりで稽古をつけてもめぼしい成長は見せていなかった。

 

「そんなんじゃ、いつか私のファンに背中刺されるぞ?」

 

「もう刺されてるよ!何度も、何度も……‼︎」

 

 成果はないわけではなかった。認めきれない川神百代ファンの闇討ちに何度もあったが、付け焼き刃の川神流で何とかその窮地を脱出する日々を送っている。

 

 あの川神百代と結婚できたのは嬉しいが、心休まる日など殆どない。

 朝から晩まで血反吐吐くまで鍛錬。

 武道家達からは「何であんな奴が…?」「水城ユウの方が相応しいのに」と陰口を叩かれる毎日。

 肉体も精神も擦り減っていく。正直なところ、過去をやり直せるならやり直したいと、時々思うほどに。

 まぁそんな事を口にすれば、妻が本気で自分の命をとりにくるだろう。愛する子供だっている、だから喉の奥でグッと堪えるのだ。

 

「もう一本!お願いします!」

 

「ふ、ちょっとはいい顔つきになったな!」

 

 小さな変化でしかないが、夫の成長を見た百代はニヤリと笑い、構えを取った。

 そしてまた、夫は空を飛んだ。

 

 

 ———夜、寝室。

 

 

 川神ケンにとって唯一、体と心が休まる時間。

 敷かれた布団の上で、夫婦と営みが始まる。

 

「ほら、今日一日頑張ったな。ご褒美だ」

 

 百代は着物をはだけ、風呂上がりの熱った身体を夫に見せつけてた。元々美女だったが、子供を産んで結婚してから百代の美貌はさらに美しくなっていった。

 それを目にした瞬間、今日一日の疲労が全て吹き飛んで肉棒を沸らせて愛する妻に飛びかかる。

 

「ああ〜百代ぉ〜……!僕の百代ぉ!」

 

「んん!……くふ、このおっぱい星人め……❤︎」

 

 まるで乳飲み子のように、ケンは妻である百代の大きな乳房を鷲掴みにして顔を押し付ける。手で包みきれぬそれを、顔全体で味わい披露を癒す。

 百代もそれを嫌がらず、寧ろ好意的に受け止める。五年の夫婦生活で夫の性癖に慣れたこともあり、呆れながらも笑みを浮かべて抱きしめた。

 

「んッ、ちゅ❤︎はぁ……あん!れろ……ぷは……あぁん❤︎!」

 

 胸に指を押し込んでぐにゅぐにゅと感触を味わいながら、二人は口付けをして舌を絡めあい涎を交換する。

 行為が進む程に体の火照りは大きくなっていき、性欲が高まり、互いを求める気持ちが大きくなっていく。

 やがて百代はケンの首に手を回して、二人の体は激しく絡み合う。

 

「はぁ、はぁ……百代、イクぞ」

 

「ふ、さっさとしろ旦那様❤︎」

 

 やがてギンギンに硬くなった肉棒を、百代の膣に力一杯押し込む。

 辛いことが多かったこの五年。それでも、幸せだと思うことは確かにある。これまでの性行為によって、ケンは百代の気持ちよくなるところを熟知していた。

 

「あ❤︎はぁッ……く、おま……!セックスだけ、んん❤︎……はぁ、うまくなりやがっ……てぇ❤︎」

 

 とろけきった百代の表情は色っぽく、喘ぎ声の混ざった嬌声を上げる。ちんぽに貫かれる度に、快感に身を震わせて。

 それがケンの欲情をさらに引き立てる。この極上の雌を自分一人のものにしている。それが何よりも幸せに感じるほどに、独占欲も高まっていく。

 

「はぁ、はぁ、マジ気持ちい!僕の、僕だけの百代!誰にも渡さない!」

 

 膣内を遠慮なくピストンで犯していく。打ち付けるような抽送は、先ほどまでの正常位での交わりと違い、様々な角度で打ち付けるため、百代の身体にも様々な快感を与えていく。

 

「ん…❤︎んはぁ…❤︎あん…❤︎んああ…❤︎‼︎」

 

 部屋には結界を張っているため、思う存分喘ぎ声を叫ぶことができる。卑猥な水音も、部屋中に響く。

 

「っく!ふぅ、ふぅ!き……来た!来たぞ百代ぉ、射精そうだ!注ぎ込んでやるよ!」

 

「こ、こい❤︎こいこいこい、きてくれケン❤︎」

 

 ラストスパートに向けてどんどん激しくなるケンのハードピストン。

 深く奥底まで貫いて……

 

「で、射精る!受け止めろ‼︎」

 

「あ゛ッ……い、イクうううううううう❤︎❤︎!」

 

 恍惚の顔で激しく絶頂する百代。彼女のこんな姿、風間ファミリーすら見ることができないだろう。

 独占欲からくる優越感に浸りながら、ケンは腰を振り続ける。

 

 ———僕のものだ、この雌は。

 

 ———誰にも渡さない。

 

 ———僕だけが、この体を好きにできる!

 

「愛してるよ、百代———」

 

「ふん、末長くな……あなた❤︎」

 

 

 

 翌日、再び夫婦の稽古が始まる。

 

 そんな二人を遠目から見ていたユウは、その光景を目にして

 

「なんだ、結構幸せそうだな」

 

「ですね」

 

 妻の由紀江と共に、川神院を去るのだった。

 

 

 







●田中ケン→川神ケン
川神学園1年C組。→川神院門下生。
武道も運動もしてない一般家庭で生まれた一般人。
モブ、通行人A、何の変哲もない男。
取り柄といえば、おっぱい星人なぐらい。
そんな平凡な人生を変えたいと思いながら毎日を過ごしていたところ、保健室で放置された百代を発見して犯す。
その後、手放すのが惜しくなり、自室に連れて帰って更にめちゃくちゃに犯す。その末、百代を受精させることに成功する。
死を覚悟したが、百代が子供に罪はないとまさかの強制的に婚約者となる。
その後は百代と結婚、川神院の門下生となり、厳しい鍛錬にヒィヒィさせられる。しかし、そのお陰でマジ恋のモブ程度なら瞬殺できる強さを手に入れた。
夜の方は夫として百代という極上の女を手に入れたことにより、ハッスルしている。
息子はピストル。普通。


●川神百代
川神院総代。
ケンの妻。
最強のチート女にして、無敗の女。
大和、翔一、ユウを含めた4人の修羅場を勝ち抜いた絶対の勝者……だったのだが、ユウの我慢の限界が来て保健室に放置された。
快楽によって動けないところケンに発見されて、犯されて受精してしまう。最初は殺そうとまで思ったが、子供に罪はないと不本意だが彼と結婚する。ユウにフラれたのもあり、初恋も仕方なく踏ん切りがついた。
その後は門下生となったケンを鍛え、なんやかんや生まれた子供と幸せに暮らしている。
結婚から美貌はさらに磨きがかかっており、夜はケンと熱く激しくハッスルしている。


●子供
百代とケンの子供。
性別は男の子。
この世界線における百代の子供。
母親の遺伝子を濃く受け継いでいる。
扱うのは母と同じく、拳。


●黛ユウ
本来の世界では百代と結婚している男。
ここではあまりの理不尽に我慢の限界が来たことにより、百代を保健室に放置した。
百代が妊娠したことは少し罪悪感を感じていたが、意外と幸せそうにしていたからよしとした。

妊娠によって百代が武道家としての活動を休止したことにより、打倒百代ができなくなってしまった。
目標を失ったことで武道家を引退。勉学に励んで、安定した職についた。川神院とは今も交流を続けている。

この世界線では、由紀江と結婚している。


●黛由紀江
この世界線における、真の勝者。
憧れの水城ユウと添い遂げることができた。
彼が剣士なのもあってか、黛家も快く迎え入れた。
夜の方は夫と激しく愛し合っている。




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