人妻ライブ配信 -Sex or Money- 作:Scorcher
そして勤務先の同僚であり、配信者としての先輩はおそらく今回限りの登場となります。一方でその同僚から受け取ったグッズが今後は大活躍をする予定です。
「んんっ……んぅぅぅぅ……んんぅ?」
目を開けると、そこは自宅の寝室だった。夫がいない、私だけが寝ている寝室のベッド。彼はいつものように泊まり込みで家を空けているのだから。
「んんんぅぅぅ……夢?んんっ……そりゃそうよね。夢に決まっているわよね。」
とんでもない夢を見てしまっていた。配信で私は多くの視聴者の前で、見せてはいけない場所を全て曝け出していた。そして、オナニーを何度も繰り返して絶頂をしていたのであった。
「あんなに気持ちいいオナニーが出来たっていうのに……どうしてこんな夢を見ちゃっているのよ。」
なおも欲求不満を解消できていないかと、自分の身体に嫌気さえも差してくる。そんなことを考えながら私は下半身に手を伸ばし、ショーツ越しに自分の股間に触ってみる。
「んんんっ!?やだ……わたし、こんなに濡れて……!」
手で触れたショーツは、愛液でぐっしょりと濡れてしまっていた。しかも失禁をしたかのような濡れ方ではなく、下着の中では滑り気を感じているのであった。でも、それ以上に怖かったのは、股間から全身に広がっていた心地良さであった。
「わたし……イっちゃったの?寝てたのに……夢を見ていただけなのに……イっちゃった?」
自分を信じることが出来なかった。寝ている私を誰かが襲い、絶頂をさせたと思いたいくらいだった。でも、ショーツの中に手を滑り込ませ、膣内を指で確かめても、粘性のある愛液以外は出てこないのであった。
「なにをしているのよ……!?こんな……こんなことになるなんて……!んんぅぅっ!!!」
焦燥に駆られる私を冷静にしたのは、濡れたショーツの不快感であった。股間だけではなく身体を冷やすような冷たさ。一刻も早く下着を穿き替えたいという欲求が、私の身体をベッドから起こすのであった。
「はぁ……本当に、最悪。どうして、あんな夢なんて見ちゃうのよ。私はもう……満足していたはずなのに。」
そう自分に言い聞かせていたものの、身体は間違いなく求めてしまっていた。一人で得られる快楽ではなく、自分以外の誰かがもたらしてくれる快感を。そして、それが出来る唯一の存在は、今日ここにはいないのであった。
◇
結局、初めてプレミアムチャットを配信した翌日は夫が帰ってくるまで何も身が入らなかった。念のためパートのシフトは入れていなかったため、十分な休息は取ることが出来ていた。
「ふわぁ……あぁぁぁぁ~」
「ずいぶんとお疲れなようね。」
「んんぅっ……あー……ごめん。普段と違う宿泊先でさ。ベッドが違うだけで睡眠の質も違ったみたいだ。」
「そういうものなのかしら?」
いつもと変わらない夫婦の会話。夕飯の支度だけはなんとか済ませて、私は夫と一緒に食事をしていた。
「ねぇ……この毎週の泊まり込みってさ、これからもずっと続くの?」
「えっ?うーん……まぁ、そうだな。今の会社にいる以上は避けられないだろうな。」
「そう……あまり無理をしないでほしいのだけど、仕方ないわね。」
特別な寂しさを感じているわけではなかった。むしろ、この生活習慣にも2年で慣れてしまっていた。私が気にしていたのは、この習慣がいつまで続くのか。終わることがないのかという点であった。
「俺なんかまだマシだと思うぞ。部署によっては不定期だったり、週の半分が出張だったりするからな。特に独身の連中なんかは、家庭がないのをいいことに外に飛ばされ放題だ。」
「ふふっ……わたしと結婚しておいて、よかったんじゃない?」
「まぁ……そういう面もあるかな。」
さすがに今以上に彼が家を空けることは、私としても不安のほうが大きくなりそうだった。もしそうなったとしても、配信の頻度を増やすことはないだろうし、何よりも夫婦としての関係、既婚者として自覚が薄らぎそうで怖くも感じていた。
「そうよね……今くらいの感じが、ちょうどいいのかもね。」
そう、私はこの生活で満たされていた。ほんの少しの刺激、配信という刺激があるだけで、私は満足することが出来ていた。今はまだこの距離感、夫との距離感を楽しみながら、少しずつ縮めることが出来ればいい、そう考えることが出来るのであった。
◇
夫が出張先から返ってきた日の翌日。私はいつも通りパート先へと出勤して、体調がほぼ元通りのなった身体で仕事に勤しんでいた。
「ありがとうございました。」
いつも通りの会計担当。まるで一昨日の配信が嘘であったかのように、私は日常生活に戻っていた。
「……ん?」
そうして仕事に従事していると、向かい側のレジを担当していた同僚から何かのサインを送られる。ポケットに入ったスマホを少しだけ出して、それについての話がしたいようであった。
「うっ……!?」
きっかけ、もしくは元凶ともいえる同僚。私に配信サイトの存在を教えてくれた彼女の顔には、中々にあくどい表情が浮かんでいるのであった。
◇
「いやぁ……まさか千鶴が本当に配信をやっちゃうなんてねぇ。」
「うぅぅ……そ、それじゃあ……全部、見ちゃったの?」
「有料分に行くことの前まではね。お金は使いたくなかったし。」
「そ、そう……」
休憩時間に入り、私は同僚とあまり人前ではするべきではない話題で話をしていた。
「でもやっぱり……あなた、すっごいデカかったわね。」
「もしかして……あの出しちゃった瞬間も見てた?」
「もちろん、ピンク色のキレイなB地区が……」
「いやぁっ!もうっ……あれは本当に見せる気なんてなかったんだからぁっ!」
「でも、プレチャに入ってからは全部出しちゃったんでしょ?」
「そ、それは……うん、まぁ……お金を貰っちゃったから。」
特別親しい関係ではなく、こうしてパート先で顔を合わせる程度の間柄。でも、やっぱりこうしてリアルで顔を合わせる人間に自分のあられもない姿を見せることは、たとえそれが同性であっても気恥ずかしいものがあった。
「そういうあなただって、まだやっているんでしょ。私は見たことないけど。」
「あー……それが、色々と不味いことになっちゃって。今日はそれについても話がしたかったのよ。」
「えっ?不味い……こと?」
私の言葉にバツの悪い表情となる同僚。そして彼女は、現在の家庭についての話を口にし始めるのであった。
◇
「えぇっ!?旦那さんにバレちゃったの!?」
「声が大きいわよっ!まぁ……家の共用ノートPCで配信をしてたから、履歴を消しておけば問題はないと思ったんだけど……」
痕跡を完璧に消すことには失敗をして、旦那から疑念を掛けられる事態になってしまったとのこと。どうにか言い訳に言い訳を重ねて疑いは晴れたらしいものの、彼女自身はずいぶんと懲りている様子だった。
「それなりに稼がせてもらって楽しい思いもさせてもらったし、ここら辺が潮時かもね。最近は視聴者も増えなくなっちゃったし。」
それが一番の理由じゃないの?などと思ったけど、私は口には出さないでおくことにした。私だって、いつ自分がそうなるかなんて分からないから。
「そんなわけだからさ、これをあんたに渡しておこうと思ったの。ウチで処分するのも割と面倒だったから。」
「ん?何?」
そう言うと彼女は大きめの紙袋に入った、一見するとどこかへ旅行へ行ったお土産のような袋をテーブルの上に置く。
「あ、今は絶対に取り出しちゃダメよ。あと、家に帰っても旦那には見られないように。」
「う、うん……」
「あとそれから……そんなに使っているモノじゃないから安心して。一応キレイに掃除もしておいたから。」
「……んっ?」
そう言った彼女の顔は、少しだけ恥ずかしそうに赤くなっていた。私はそんな彼女の譲ってくれた紙袋の中身が、決してロクでもないものだと理解しつつも、その行為に甘えて受け取るのであった。
◇
「うっ……またしても、結構な額の臨時収入が……」
自宅で一人、通帳に振り込まれた報酬の額を見て、私は以前と同じように引き気味となっていた。プレミアムチャットで配信したことによる収入は想像以上で、少なくともパート勤務の給料よりは多いものであった。
「これじゃあ……バレでもしなければやめられないわよね。」
勤務先の同僚の気持ちがようやく分かるようになってきた。不特定多数の人間にオナニーを見せて気持ちよくなるだけではなく、こうして利益が出てしまうことで、私も彼女もサイトの術中に嵌っているのだと実感出来た。
「別に……悪いことをしているわけじゃないんだし……」
犯罪なのか?と聞かれれば言葉に詰まるくらいのは怪しいところではあった。一応運営会社もサーバーも海外にあるらしく、国内の法律は適用されないと聞いていた。そうであったとしても
「申し訳ないとは……思っちゃうのよね。」
どれだけの不満をぶちまけ、快楽が満たされたとしても、最後に残るのは夫に対する罪悪感だけだった。ただ、この思いさえも私にとっては配信を続けるための免罪符、伴侶を愛する心だけは忘れないという意思が、配信を続けている理由とすることへ目を背けてもいた。