※この作品はR-18です。

人妻ライブ配信 -Sex or Money-   作:Scorcher

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序盤に登場した同僚以外では、ヒロインが初めて遭遇したサイト内の配信者。そんな人物と正式な初対面となります。

おそらく本作一番のファンタジー要素です。こんな身近に配信者がいる可能性なんて低いでしょうからね。実際書いていながら「こんな偶然ないだろ」と思う程度には自虐しています。

次回からは初のコラボ配信回。女同士では最初で最後となります。


Scene37:悪魔の誘い

食後のカフェで連絡先を交換しようとした理由を問い詰められている私。眼前の紋子は、まるで全てを見通すかのように私を見つめていた。

 

「そ、それは……」

「ん?どうしたの?」

 

観念するしかなかった。決して悪いことをしていたつもりはなかったけど、隠し事をしていたことは事実であった。そして私は、彼女に対して白状する。

 

「見ちゃったから……あなたの配信を。紋子ちゃんやっている配信を、全部見ちゃったから。」

「私の配信?どんな配信のことかしら?」

「ええっと……だから、その……なんていうか……」

 

とぼけるような様子もなく、紋子は平然とした様子で私に問いを返してくる。どうやら、18禁サイトで配信をしているということを知られても、彼女にとっては些細なことのようであった。

 

「ねぇ……千鶴さんはどんな配信を見たのかしら?詳しく教えてほしいんだけど。」

「そ、そんなの……こんなところで言えるわけないでしょ!?だってあんなに……あんなすごいことを平気で……!」

 

真面目な顔付きだった口元に微かな笑みを浮かべて、紋子は狼狽える私を見つめていた。その真っ直ぐと見つめる彼女の眼は、まるで私を弄んでいるようでもあった。

 

「そんな大したことなんてしてないわよ。あいつとは大体、カメラがない時だってあんな感じなんだから。」

「や、やっぱり……紋子ちゃんがあの……アヤっていう配信者なんだ。」

「そう、私がアヤよ。そして配信でマーくんって視聴者から呼ばれていたのが柾希。私の……まぁ、彼氏と呼んでいい感じの相手ね。」

 

一致してしまった。紋子自身が認めたことで、あの過激な配信をしていたアヤと呼ばれる配信者と、私の目の前にいる紋子と呼ばれる女が同一人物なのであると、完璧に一致してしまうのであった。

 

「それで千鶴さんは視聴者……いえ、きっと同業者として、私に近づいてきたってことでいいのかしら?」

「同業者って……うぅっ!?そ、それは……そういうことになるの……かも。」

 

同性のサイト利用者である以上、単なる視聴者でないことはすぐに判明してしまった。そして私自身、彼女のサイト内での活動を知っていると明かしてしまった以上、自分の活動に関して隠す気も一切失くしてしまっていた。

 

「別に隠す必要はないでしょ。悪いことをしているわけじゃ……って、そういえば、人妻だったのよね。」

 

彼女はすぐに私の立場を理解してくれた。既婚者、人妻が18禁の配信をしていることは、サイト内で名の知れているはずの彼女にとって珍しい存在のようであった。

 

「案外割と近くにいるものなのね。視聴者ならともかく、配信する側の人間がこんな感じで……もしかして、他にも身近にいたりする?」

「え、ええ……ちょっと前までは、パート先の人がやってて……というか、その紹介でサイトを知ったって感じだから。」

「興味を持ったきっかけはそんな感じなのね。でもその口ぶりから察すると、あなたは元じゃなくて、現役の配信者……つまり私のライバルってことになるのよね。」

「うぅっ……!?」

 

紋子の言葉に再び緊張感の溢れた空気が流れようする。紋子の競合相手であり、既婚者であることまでも知られてしまった私の立場は非常に危うく、私は彼女がどんなことを考えているのか恐れていた。

 

「心配しないで。別に誰かに言ったりするつもりはないから。むしろ、同じサイトで配信をしている仲間だと思っているから。」

「ほ、本当に?」

「ええ。ただそうは言っても、実際にあなたの配信を私は見たことがないんだけど。」

 

人気配信者であるためなのか、やはり紋子には余裕が見受けられ、全てが発覚をしても私には友好的な態度を示してくれていた。そして彼女はテーブルに頬杖をつくと、どこか虚しさを漂わせながら話を続ける。

 

「私はああいうサイトなんて知らなかったわ。でもあいつが……柾希が使っているのをたまたま見て、面白そうだから誘いに乗ったの。」

「えっ……それじゃあ、元々は彼氏が始めたことだったの?」

「そうよ。配信の機材や撮影の環境も、全部柾希が揃えているの。一応カメラの使い方や撮影技術についてはそれなりの男だし。ついでにアカウントや収入の管理も全部押し付けちゃってるけど。」

 

面白そうだから。別にお金が欲しいわけでもなく、彼氏に誘われたからという理由だけで、彼女は過激な配信をしていた。しかも、それによって得られる知名度やお金についても無頓着のようであった。

 

「すごいな紋子ちゃん……私なんて、あなたには絶対勝てないよ。」

「勝つ?別に勝ち負けのあるような場所じゃないでしょ。そんなことを言い出したら、私より数字の良い連中だっていくらでもいるんだから。」

「そうじゃなくて……なんていうか、紋子ちゃんがすごく自由に配信を楽しんでいるような気がするから。」

「千鶴……さん。」

 

何者にも囚われることなく、自由な配信が出来ている紋子。過激さや人気なんかよりも、私はそんな彼女に羨ましさを感じてしまっていた。

 

「ねぇ……あなたさえよければ、私と一緒にやってみない?」

「えっ?紋子ちゃんと?」

「そうよ。配信のチャンネルはあなたものでいいわ。いわゆるコラボってものかしらね。私は柾希以外と一緒にやったことは一度もないんだけど。」

「わたしが……初めてのコラボ相手でいいの?」

 

突如として差し伸べられた救いの手。ただ、その手は今の私が見ても悪魔の手にしか見えなかった。

 

相手は異性ではなく同性。それでも、私の中では躊躇いが芽生えようとしていた。眼前にいる小柄な美少女が、私の理解が及ばない存在だと囁いているのであった。

 

 

 

◇

 

 

 

「へぇ……結構広くて良い家ね。」

「夫と2人だけだと広すぎると思うこともあるけどね。あ、機材とかはソファーの傍に置いていいから。」

 

これはただ友人を家に招き入れているだけ。決して如何わしいことではない。そう自分に言い聞かせながら、私はコラボ配信のために紋子を自宅へと招き入れていた。

 

「そういうものかしら。まぁ、あいつの家に比べたら居心地は全然よさそうだけど」

「あいつって……柾希くんのこと?」

「ええ。狭いし、物で溢れ返っているし。キレイとも言えない部屋だからね。」

 

恋人相手に対しては散々な言い草の紋子。むしろ、彼女が彼氏を褒めていることなどほとんどなかった。私なんかいつも、夫の良い所を見つけたり考えたりしているっていうのに。

 

そんな夫がいつも通り家を空ける日の午後、こうして紋子が私たちの家に足を踏み入れているのであった。

 

「よいしょ……っと。ん?このシミ……何かしら?」

「ああっ!?ええっと……それは……!」

 

ソファー近くに荷物を置いた紋子が、足元のフローリング床に存在する不自然なシミに目を向ける。夫には飲み物を溢してしまった跡だと言い訳をしていたが、彼女には正直に言うしかなかった。

 

「その……そこでオモチャを使ったオナニーをしていたら、お汁が零れちゃって……」

「零れたって……ずいぶんと範囲が広いんだけど。」

「うん……いっぱい出ちゃったら。」

 

私と出会ってから、これまでずっと平然としていた紋子だったけど、そのシミの広さには少しだけ驚いたというか、引いている様子を見せていた。

 

「そういえば、紋子ってその……今までも女の子と一緒にそういうことってあるの?」

「ええ、あるわよ。女同士でのセックスでしょ。男とする前にしちゃったし。」

「ええっ……!?さ、最近の10代って……そんな常識が……」

「常識なわけないでしょ。私がおかしいだけなんだから勘違いしないでよ。」

 

至極真っ当なツッコミを入れられてしまう私。ただ、女同士での性行為なんて少し見聞きしているだけで、いくら見知った顔の紋子が相手とはいえ、かなり緊張をしてしまっていた。

 

「そういう千鶴は、まだ一度もしたことないんでしょ。あなただってコラボ配信は初めてでしょうし。」

「は、はい……お、お手柔らかにお願いします。」

「大丈夫よ、私だって経験が豊富すぎるってわけじゃないから。ただ、いつもの相手が相手だから、少しやり過ぎちゃうかもしれないけどね。」

「……えっ?」

 

ちょっとだけ怖いことを言われたような気がした。もしかすると、もう普通の世界には戻って来られないのかもしれない。それでも、私の下半身には確かな疼きがあり続けるのであった。

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