人妻ライブ配信 -Sex or Money- 作:Scorcher
第3部ラストの事後パートです。なんかふわふわとした話が続きますが、気にしないでください。一番ふわふわしているのは筆者ですので。
本作における紋子の出番はここまでです。次回からは一皮剥けた千鶴の話へと戻ります。
Scene47:受け継がれる意思(ミーム)
「うーん……気持ちよかったぁぁぁ……」
「ずいぶんと元気そうね。さっきまでは私と一緒にぶっ倒れていたのに。」
配信終了後。一応の片付けを済ませた私と紋子は一緒にお風呂へと入っていた。湯船に浸かった紋子を尻目に、私はシャワーで身体を洗い流している。
「そういう紋子だって、あんな激しいことをしても元気じゃない。やっぱり、日頃から身体を鍛えている賜物かしらね。」
「だからこそあんたが異常だって思うのよ。まぁ……欲求不満だってことは聞いていたから、少しでも解消出来たならいいんだけど。」
私の性欲解消はもちろん、配信の成果に関してはこれまでで最も多くのプレチャ視聴者を記録したため、私のチャンネルに入る収益はとんでもない額になろうとしていた。
「稼いじゃった分は、しっかり紋子に分けてあげないとね。」
「私は別にいらないわよ。コラボを持ちかけたのは私なんだし。今回はあなたのチャンネルでの配信だったのだから。」
「えぇっ!?いや、さすがにそれだと私の立つ瀬がないというか……何かしらのお礼をさせてくれないと、気が済まないんだけど……」
「この前言ったでしょ。私はただ、面白そうだから配信をしているだけだって。私が十分に楽しめたんだから、利益なんていらないのよ。」
慈善事業をやっているつもりはないみたいだけど、紋子の価値判断はあまりにも極端に思えた。面白いか、そうではないか。分かりやすいことは確かなのだけど、何か裏があるのではないかとさえ感じてしまうのであった。
「ねぇ紋子。あなたは本当に、面白いから、楽しいからって理由だけで配信をしているの?」
「………」
湯船に浸かっていた紋子は、しばらくのあいだ沈黙を貫いていた。そんな彼女の横顔は、どこか虚ろさを漂わせながらも、美少女として申し分のない魅力を醸し出していた。
「私にとっての配信は、ただあのバカと一緒に楽しむための道具よ。普通に男たちとするセックスに飽きそうだった私にとって、柾希はちょうどいい遊び相手だったわ。」
「お、男たちとって……」
やっぱり紋子は、私が想像する以上に男性経験が豊富。それどころか異常ともいえる経験を重ねているようだった。経験人数なんて怖くて聞けない。もし聞いたとしても、きっと紋子は覚えていないと言いそうだった。
「千鶴は自分以外の女の彼氏……人の男が好きになったことはある?」
「えっ!?い、いや……さすがにそれは……真面目にそんなことを考えたことは……」
直近だと紋子の彼氏であるマーくん、柾希くんが羨ましいとは思ったけど、それは単純にチンポが大きいからという理由であった。そんな人のモノを取ろうと思ったことなど、私の人生では一度たりともないといえた。
「私はあるわ。よくよく考えてみれば、そんな大した男でもなかったのに。ムキになって取ろうとしたのよ。」
想像以上にヤバい女だった。もし夫が紋子に目を付けられでもすれば、きっと私から奪おうとするかもしれない。ただ、その可能性はかなり低いとも思うことが出来た。主にチンポの大きさが理由で。
「でも結局、私が奪うことは出来なかったわ。ただ、その男を女から奪おうとすること……それが楽しいってだけの話よ。」
「結果よりも、過程を楽しみたい……ってこと?」
「そういうこと。私にとっては配信で得られるお金も、視聴者の数も、配信者として人気も、全てはただの結果。過程が面白くないのだったら、勝ち負けだって面白くないでしょ。」
現役の陸上部員、アスリートとは思えない思考と言動。ただ、そんな生粋の享楽的な思考の原因が何なのかは分からなかった。ただ気になったのは、紋子が奪おうとした男の彼女。紋子にとってはその女こそが、一番面白い存在なのではないかと感じた。
「ねぇ……その、紋子が奪おうとした男の人の彼女って、一体どんな人だったりするの?」
「………」
再び沈黙をしてしまう紋子。でも、その沈黙が彼女と対峙する存在の大きさを物語ってもいた。敗北者、ミスキャンくずれ。自らをそう称する女の真実に、私は触れようとしていた。
「どうしても……知りたいのかしら?」
「えっ?うーん……そうでもない……かな。私は紋子のことだって、十分すごいって思ってるから。」
「ふっ……ふふっ!全然そんな風に思ってないように聞こえるわよ。でも、千鶴のそういうところ、嫌いじゃないわ。」
呆れたような笑みを浮かべて、私の顔を見つめてくる紋子。小柄ながら年不相応に大人びた美少女が見せる、等身大の笑みに私は惹かれようとする。
「それじゃあ、教えてあげる。私が今まで、どんな女と一緒に過ごしてきたか。退屈だった私の人生を、めちゃくちゃにしてくれた女の話を……ね。」
紋子が語り始める少しだけ昔の話。彼女の人生を変えた女の話。そして、その話をする紋子もまた、私の退屈だと思っていた人生を変える女なのであった。