※この作品はR-18です。

終末世界であべこべ   作:ピザ暇膝

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アルビノ×天才×脳破壊×ロボット
1


 

「やるなら、全員が助かる作戦──そっちの方が、有意義じゃない」

 

 小柄な少女だ。

 日光を拒むアルビノの肌。ブレザーを羽織った制服の立ち姿。

 色素の薄い短髪。唇を細く吊り上げ、血色の瞳を輝かせて俺を仰ぐ。

 

「久(・)し(・)ぶ(・)り(・)。感動の再会ね」

「あ……ごめんわからない。俺、多分記憶が変だ」

「……そう。それは、しょうがないわね」

 

 事態を把握しきれないけど、おそらく、元々の体の持ち主と彼女達は旧知の仲らしい。

 彼女にとっても俺の存在は期待外れだろうに、感傷など見せずに淡白な視線で見つめてくる。

 そのドライさが、この状況では好印象だった。

 

「名前はわかる?」

「ハル、だけど」

「いいえ十分。あなたはハル。それだけでいい」

「レティ、なぜ持ち場を離れたのですか」

 

 そう問う黒髪の少女の声は、凪いだ湖面のように静かだった。 

 ふたりが目を合わせると、妙に空気がぴりついた。 

 挑むような視線で、レティと呼ばれる少女が薄く胸を張る。

 

「敵もわたし達の正体をつかめなくて対応に迷っている。戦況の膠着をみて技術支援を自律式に切り替えたの」

 

 校庭を見やれば、断続的な沈黙が漂っていた。

 夜影に蹲る二足歩行のシルエット。

 絵本の怪物のように影絵で切り取られた姿は、遠目でもおどろおどろしい。

 即席の遮蔽物(バリケード)から抵抗の銃火が灯る度、ロボットは威嚇射撃で反応している。

 薄闇に響く散漫なリズム。

 なにをするかわからない不気味な機械は、相手にとって難敵であろう。

 

「すっげえ、物騒だけどかっこいいな!」

「え……! そ、そうでしょ! わたしの作ったオートマタ、あの子!」

「メタルギアに出てきそう」

「……? 何かの文献かしら、わたしも勉強不足ね……」

「レティちゃん、だよね。同い年くらいだろうにすっごいな」

「む、無防備ね、あなたって」

 

 目を輝かせていると、レティちゃんが細い線の顎を突き出し、勝ち誇った笑みで黒髪の少女と向き直る。

 

「冷静になりなさい。わたし達はすでに目的を遂げているの。わたし達にとっての制限時間は彼の手術が終えるまでだった。一度状況を整理する必要がある、そう思わない?」

「状況は明白です。輸送用のヘリとの連絡が途絶した以上、優先すべきは退路の確保です」

「潜伏や籠城、ほかの選択肢の有効性も評価すべきよ」

「ここはまだ敵地です。ハル様を拠点まで送り届けるためにも、私が囮にならなくては」

「やけに捨て鉢ね。若君──ハルと向き合うのが怖い?」

「違います。作戦上の問題です」

「だったら尚更よ。あなたの陽動に全てを賭けた作戦なんて、あまりにも確実性に欠けるじゃない」

 

 黒と白。正反対の少女が向き合い、視線が火花となって散る。

 仲介しようにも、どちらに理があるのか不明である。

 黒の少女が、さっきまで雨色の瞳だったのに、強い意思を眼差しに宿す。

 

「ハル様の安全が最優先です。若を救うためならば、私の生は捧げられます」

「時代錯誤もいいところね。あなたは結局、自分の理想的な死に様を求めてるだけ──ハルの幸せを考えられてるとは思えない」

「あなたこそ身勝手な意見です。スタンドプレーで状況を乱すなど」

「外部からの支援が絶たれた以上、陽動で脱出するのは困難よ」

「元より脱出のみに支援を要していました。代替手段まで絶たれたわけではありません」

 

 議論はあまりにも平行線を辿る。

 突破と耐久。どちらをとるにしても、人命を賭けることになる危険な内容なのだろう。

 というか、俺を話題に挙げるなら俺の意見も反映してもらいたい所存だ。

 

「俺を交渉材料(いけにえ)にして敵側に引き渡すのは──」

「なりません」「だめよ!」

「──だめかぁ」

 

 提案は、据わった視線に晒されて霧散した。

 まあ、俺を助けに来たという彼女達の立場にとっては本末転倒だもんね。

 生き死にの中心に居るのは俺なのに、彼女達は頑なに俺を天秤からハズそうとする。

 弱々しくため息をついたときに、校舎の方から騒然とした足音が近づいてくる気配。

 

「まずい、ここがバレるぞ……!」

 

 彼女らが用意した車は物陰に潜んでいるとはいえ、所詮はカモフラージュでしかない。見つかるのは時間の問題だ。

 じっと車に視線を向けていると、車内の人物と目が合った。薄暗くて人相は窺えない。

 へるぷみー。そう目で訴えてみる。

 やや逡巡あって。

 窓を開いて桃髪の少女が顔をひょっこりと覗かせてきた。

 

「ほんとに男の子だ……」

「キミ、2人の仲間だよね。俺じゃ手に負えないから仲裁してほしい!」

「は、話しかけられちゃった! ひゃー!」

「ひゃーじゃなく!」

「はいはーい、今行くよー!」

 

 髪のみならず頬まで紅潮させ、少女は能天気な仕草で車から飛び出てきた。

 上品なブラウスと、針金を通したように瀟洒なスカート。

 一見すると令嬢の佇まいだけど、彼女は暴力的なまでに肌を露出していた。

 あどけなさを残した肩、黒のレースで着飾った太もも、あと謎に谷間をひらけさせてる。くそ! 目のやり場がねえぞ! あまりにもギャルギャルしい!

 彼女のチョーカーとピアスの金属が揺れ、粒子を跳ねさせるみたいに光を跳ね返した。

 近づくたび、嗅いだことのない鮮烈な少女の匂いがして自分の胸の奥の衝動を持て余してしまう。

 砂糖菓子みたいな少女が放つ笑顔の名乗りを、真っ正面から受け止めるのは難しかった。

 

「あたしマツリカ! はじめまして!」

「ハル、っす」

「ハルくんか〜! 会うの初めて!」

「うん、マツリカさん初めましてだ」

 

 びくりと、笑顔のまま固まる彼女。

 なに? 妙な挙動に首を傾げる。

 

「……うれしすぎて吐きそう、名前呼ばれちゃった」

「えぇ、はしゃいでるなよ」

「念願だったしぃ……」

 

 彼女は大粒の涙をポロポロとこぼしていた。

 あっぷあっぷとなりながら涙を拭う。

 みっともなさすぎてドキドキが虚空に飛んでいく。

 マツリカ(自然と呼び捨てになった)はもっと話したそうに、舌をもつれさせた。

 

「あの、あ、好きなご飯なに? あたし給仕も担当してるから、あ、アレルギーってなかった?」

「唐揚げが好き。アレルギーは調べないとわからないや」

「お裁縫! あとお裁縫も得意! 王子様みたいに仕立てられるよ!」

「祀りあげるの間違いだろ、そのテンション的に」

「DIYもできるよ! 元々は大工の娘だったから!」

「わかった、わかったから」

 

 手のかかる後輩を相手にしているみたいで、自分の頬が綻ぶのを感じる。

 状況を一瞬忘れていたが、固い足音が現実に引き戻した。

 

「そうだ、マツリカ、2人を納めないと──」

 

 途端。表情が強張った。

 青と赤。異色の双眸が、じっと俺とマツリカの会話を静観していたのだ。

 人形の無機質さと血色の病的な有機質さが──俺を捕らえて離さない。

 彼女達の瞳に、嵐のような激情を見た。

 奥義を繰り出す目つきしてるな。

 薄闇に隔てられ、彼女達との距離が引き離される感覚に陥る。

 背筋に通されたチューブへ氷水が通される気分だ。

 

「わ、ぁああ……!」

 

 隣でマツリカも無様に泣いちゃった!

 獣に睨まれた心地で、冷たい脂汗が服を張り付けるのを感じた。

 固い表情のまま声をかける。

 

「呑気に話してて怒ってる……?」

「いいえ、まさか」

「飼い猫に噛まれる気分ね」

「ええ、まさしく──」

 

 冴え冴えとした空気があった。

 バイクを茂みに隠し、淀みのない足取りで少女が近づいてくる。

 澄んだ目で、黒髪の少女が俺を見上げた。

 

「若、車両に退避します。しばしの辛抱を」

「オッケー。じゃあ、君が命を捧げるってのもナシ?」

「いいえ、必要な時に必ず消費します。全てはあなたのために」

 

 視線に射抜かれて閉口する。

 同年代だろう少女は、こ(・)う(・)せ(・)ず(・)に(・)は(・)自(・)分(・)自(・)身(・)を(・)保(・)て(・)な(・)い(・)とばかりの強い信仰を瞳に灯していた。

 その覚悟の源泉を知らない以上、下手な言葉はかけられなかった。

 

「あなたは慈悲深いですね。どうか気負わないで。私は一度、あなたを見捨てています」

「じゃあ、名誉挽回?」

「ええ。必ずここから救います」

 

 遠い後悔を洗うように、彼女は呟く。

 

「たとえ奈落の底であろうと、必ず」

 

 まだ事情の全容は窺い知れないけど、この真摯な響きには耳を傾けたいと思えた。

 薄闇の中、彼女の横顔に後ろめたさは感じなかった。

 

「レティ、作戦の再調整を行います。オートマタでどれだけ堪えられますか」

「弾薬が尽きる10分後まで──現状の相手の編成からして、校庭の部隊はこっちまで突破できない」

「では、包囲編成の分析から再度行います。並列してランデブーポイントへの同調も継続しましょう」

 

 レティは端末を操作し、

 

「機械に人間は勝てない──」

 

 そう嘯いた。

 

 ◆

 

  アリスは、自分を主人の剣だと定義している──本人が、自身の忠誠をそう言語化していたのを思い出す。

 常に油断なく己を律し、忠義に務めてきた彼女は、たった数回の絶頂で失禁してしまった。

 玉石の肩。鍛えていても、女体の柔らかさを保ったハリのある肌。

 研ぎ澄まされた刃の鋭さを宿す肢体は、俺が腰を打ちつけるたびに快感の響きで痙攣していた。

 臀部をまさぐり、彼女の尻穴に親指をこじ入れると、不自然に背筋が跳ねた。

 

「んぉっ……あぁ……ぇあ」

 

 意識のない無防備な喘ぎが、未知の背徳感を生む。

 本能のまま発する声は、いっそ獣の息に近い。

 はだけた制服は水気を吸って彼女のボディラインを浮かび上がらせる。

 後ろから突くほど、彼女が普段から鍛錬で築こうとしていた従者の姿が崩れていくようで、俺の動きを執拗に激しくさせる。

 深い黒髪。蕩ける妖気。

 糸の切れた人形として、俺の欲望の限り蹂躙される無垢な肉体。

 怒張を包む快感は、彼女が無意識下で甘イキに達する度、その精を搾り取ろうとキツく締め付けてくる。

 

「レティ、アリスの膣内(なか)きもちいいよ……! 気を張ってなきゃ、すぐに射精しちゃう……!」

「だめ、だめ! ハル……ハル……!」

 

 打ちつける腰の速度を緩め、股の間で悶えるレティを見下ろす。

 飛沫を顔から浴びてるのに、煩悶と満悦をない混ぜにした表情でみっともなく舌を出していた。

 言葉で拒絶を示しているが、興奮で息を股間に吹きかけてくる。

 レティは自分のも(・)の(・)を慰めるのに夢中だ。理性の欠片もない仕草で快楽に沈んでいく。

 だけど、切なそうに媚びるだけで一線を越えようとはしない。

 触れたいけど、自分の倫理に反する──

 そのあどけない惨めさが、俺の子どもじみた嗜虐心を刺激する。

 

「眺めるだけでいいの?」

「ぇ……」

「舌で奉仕して」

 

 短く言い、促すように腰をゆっくり引いた。

 アリスの尻を下ろし、レティの端正な顔を股間の下敷きにした。

 金玉の裏を撫でる体温の息。

 ややあって、レティは俺の股間を舌先で舐り始めた。

 

「ん、ちゅ……あ、ぇれろ……」

 

 レティのざらりとした舌が俺の恥部を丹念になぞる。

 感じたことのない官能にうめく。

 普段の澄ました顔からは想像もつかない媚びた相。

 眉をくもらせ、不安そうに尋ねる。

 

「ひもちいい? わらし、ひゃんとやれれる?」

 

 舌を酷使しながら、なんとか言葉にしているようだった。

 アリスの股間から垂れてくる精液に鼻先を汚しながら、レティは窺った視線で俺の反応を待つ。

 元々アリスの具合が良すぎて、腰が抜けそうな快感だった。小さな刺激が断続的に加わったことで、すぐにでも果てそうな緊張が下半身を襲う。

 みっともなく腰を振って快楽を貪り、余裕なく頷いた。

 

「アリス、ああ、アリス……!」

 

 眠ったままのアリスを好きなように犯しながら、レティから奉仕を受ける──2人とも天女と思わす美しさを持つだけに、悦びは至上のものだった。俺はもうこの快楽を手放せないと本能的に察する。

 切れ切れの息。視界がチカチカと明滅する。

 自分を支えるだけの力を保てない。

 体を倒す。マットレスに、ふたりして沈んだ。

 アリスの柔らかい背中に隙間なく密着し、腰の動きだけでストロークを繰り返す。

 彼女は無意識の中で耐えきれない快感から逃れようと、手を虚空にさまよわせていた。

 その両手を無理矢理握り込み、両足を足で挟んで固定する。

 何もわからず、蹂躙される少女の姿。

 

「ぉお、んぁ、ほぉ」

 

 アリスの品性もない喘ぎが枕に沈んでいく。 

 心を騒がせる支配欲。

 彼女の首筋に吸い付き、マーキングを施す。

 

「でる、もう、イク、ああぁ」

 

 絶頂を予感し、腰を奥まで押し当てる──

 彼女の奥で吐き出す。

 溶岩のような熱。全身の血流が注ぎ込まれていく感覚。

 目が裏返るかのような強い電流で、体が弓なりに反っていった。アリスは肉体的な反応で、膣の収縮を硬直させていた。

 

「はぁ……ぁ」

 

 熱っぽいため息と共に、チンコをそのまま抜いていく。

 絡みついてくる粘着質な精液。

 ごぽりと、泡音と共に、レティの顔に愛液と精液が注がれる。 

 

「いやぁああああ、や、ああああぁあぁ」

 

 内臓を引き出すような悲鳴で、レティが喉を震わせていた。

 怯えたように目を見開き、美しい眉を歪ませる。

 大粒の涙と汗を眦に溜め、駄々をこねる子どもみたいに首を振る。

 

「ザーメン、嫌だった?」

「わたしのハルが、穢されて、あぁあ」

「まだ言ってるの」

 

 この期に及んでなにを。

 どう見ても俺が自発的にアリスを犯していたのに。

 流石に罪悪感がある。

 なんだか倒錯した理想像を俺に懐いてるみたいだ。

 彼女の想いすら踏み躙るようで、俺はどうしようもない背徳へ誘われた。

 

「レティ、なめて」

 

 レティの胸に馬乗りになりながら、彼女の顔にペニスをあてがう。焦点の定まらない瞳で、ぼんやりと眺めていた。

 

「汚れちゃったから、綺麗にして」

「…………」

 

 無言のまま頷き、チロチロと舐めていく。

 他人の愛液だろうと、構わず口内に収める。

 頼んでもないのに、彼女は俺の精液を舌先に絡め、苦しそうに嚥下している。

 彼女が飲む度、小さく胸が上下する。

 レティを内側まで犯しているみたいで、ひどく興奮した。

 

「きもちいいよ、レティ。もっとなめて」

 

 促すと、光を失っていた彼女の大きな瞳が少し輝いた。

 鈴口へ恐る恐る舌を伸ばし、今も出てくる精液を小ぶりな唇で吸い出す。

 泥の心地よさだ。倦怠感の中でまだ絶頂を探している。

 

「レティ、君も俺をけがしたい?」

 

 彼女の言を借りる。

 禁忌を囁く蛇になった気分だ。

 レティは煩悶と葛藤を表す。

 彼女の純真な部分が、憧れが、俺への執着で上書きされていくのを見つめた。

 

「俺はレティとこういうことしたいよ」

「だめ……あなたは、わたしのせいでこうなったのに、わたしまで加担したら、あなたは清らかなところがなくなっちゃう……」

「素直になってくれないね」

 

 息を吐いて、ナイトテーブルの引き出しを探る。

 取り出したのは、陰茎を模した玩具。バイブである。ローションを垂らし、挿入部分をコーティングする。

 不吉を予感したレティが、マットレスの上で身じろぎする。

 

「だ、だめ! そんなの、どうかしてる!」

「じゃあどっちがいいか選んで」

 

 彼女の体液でびしょびしょのスパッツに触れ、股を開くよう促す。ほとんど抵抗なく、彼女は受け容れる体勢を整えようとしていた。

 口とは裏腹の行動がおかしくて、もっといじめたい気持ちが膨れる。

 押し黙るレティは、じっと俺とバイブへと視線をさ迷わせている。じれったくて、バイブをあてがった。

 

「は、ハル! 痛い、痛い!」

「人間は機械に勝てない、だよね」

 

 バイブで蜜口を抉じ開け、根元まで挿入した。

 背面のスイッチを操作すると、モーター音と共に円運動をなぞり始めた。

 腰を浮き上がらせ、レティは潮を噴いていた。

 

「ひ、ぁぃぃいい」

「変な声、もうとっくに限界だったんだ」

 

 暴れるバイブをレティのパンツで固定する。

 快感からの逃げ場を失い、レティは目を白黒とさせていた。

 横たわる彼女の服をはだけさせる。手のひらに収まる薄い胸。硬く尖った乳首は、誰も触れたことない純粋な桜色をしている。

 胸に手を滑らせ、風船の表面を触れるかのような感覚を味わう。

 レティの幼い体。不躾に触れていく。

 幼い腰。薄い布地の裏に感じる彼女の火照り。

 

「ぁあ、あぁああ」

「レティ、乳首弱いんだね」

 

 微笑みながら、指先で乳首を弾く。

 シーツをかきむしり、レティは奥歯を軋らせていた。

 どこかを刺激するたび、彼女は新しい快感へ目覚めていくようだ。

 涎で糸を引き、レティは剥き出しの情欲を叫ぶ。

 

「ひらない、こんなの! だめ、もう、いく、いく、あぁああぁ──」

 

 何度目の絶頂か。

 ぷしゅ、ぷしゅ。

 下腹を張り詰めさせ、堰を切ったような勢いの潮でシーツを濡らした。 

 モーターの駆動音が虚しく響く。

 湿り気を帯びたバイブは、実直な動きでレティの蜜を掻き回す。

 目まいのする甘い空間で、アリスの寝息だけは酷く穏やかに抜けていた。

 

「あなたは、なんで、こんなことを……」

 

 緩慢な刺激の渦にもがいてるようで、レティの声は震えていた。

 彼女の問いは、乾きを宿した。

 失望の捩れを受けて、何かが剥がれ落ちてた。

 

「レティにもっと俺のことを知ってもらいたい」

「あなたを、誰よりも理解してる……」

「勝手なイメージだよ。ほら、レティの痴態でこんなに興奮してるよ」

 

 怒張をレティの口元に運ぶと、彼女は凝視しながら口を開いた。

 小さな頭を持ち上げ、餌を求める小鳥のように俺の肉棒を求めた。

 涙を浮かべながら、レティは精を吸い上げようと貪欲に唇を窄めていた。

 稚拙な奉仕。固い歯がゴツゴツと肌を削って不快な痛みを生む。

 バイブの挿入された股の付け根を指先でたぐる。

 ほとんど夢うつつで、彼女の花芽を愛撫し続ける。

 絶頂は静かに導かれた。

 

「おご、ぁ、え」

 

 引きつった喉に精液を流し込んでいく。

 配慮もなく、喉奥に。

 低いうめき声。抜こうとすると、レティは献身的に舌を絡ませてくる。

 呼吸も十分にできないだろうに、狂おしげに嚥下を繰り返す。

 血の色の瞳で見上げられて、動悸が激しくなる。

 

「俺、レティをこんなにしても興奮してる」

「…………」

「レティが俺の立場をどう受け止めてるかはわからないけど、レティが気負わないで。ありのままを曝け出して」

 

 変な神聖視をやめて、等身大の俺を相手にしてほしい。

 愛しさを込めて白髪を撫でた。

 指に頬を寄せ、彼女は茫洋とした視線で仰ぐ。

 精液を舌に載せ、狂信的な懺悔を告げるのだ。

 

「ごめんなさい……ほんとうは、ずっと……あなたが犯されちゃうのを想像して、ずっとこの部屋でオナニーしてたの……」

「このバイブで?」

「うん……アリスが、マツリカが、カナデが……あなたの尊厳を、メチャクチャにするところを想像するだけで、我慢できなくなるくらい、興奮しちゃうの……」

 

 バイブのモーター音と荒く発情した吐息とのハーモニー。

 高揚とした表情。焦点を定めた瞳で、彼女は俺の瞳を覗き込んできた。

 

「他の娘(こ)ばっかじゃいや、わたしも見て……」




人物紹介

・ハル
 童貞捨てて調子に乗ってる。次の次くらいに逆レイプされる。
・アリス
 涅槃の夢を見てる。起きたら足腰が立たなくなってる。
・レティ
 脳破壊ウィルスの犠牲者。本編が全て前フリの女の子。がち恋勢。
・マツリカ
 良妻賢母系のギャル。一緒にいる男をダメにする。
 行為をモニターしながら、気を鎮めるためにゴーヤを刻んで無心になってる。愛情が最もジメジメしてる。
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