ふかふかな世界の甘々ヒーラー 作:カタナちゃん
白から始まり、白に終わる。
自分の人生はそれを繰り返す様になった。
不運だった
説明すれば在り来たりな話にはなってしまうかもしれないが、所謂
輪廻転生を果たす事無く、自我を保ち、意識を保ちつつ、神々しさを纏うその存在の前で、状況、原因、その全てを語られた。
そして上位種の手違いとは、その更に上から超特大の雷を受ける羽目になるレベルのやらかし。……との事で、全身全霊、全力でなかった事にしたいらしい。
とんでもない熱意? に混乱の渦中だった頭も冷えてきて(頭があったかどうかは定かではないが)結果魂の契約を果たしたのである。
冷静には慣れたので、多少は殺された事に対する想いは有ったが、苦しまずいつの間にか逝けた事と、現実では良い思い出が無かった、と言う事もあった事もあって受け入れる事にしたのだ。……と言うより、ここでゴネて得する事なんて何もないと思った、と言うのもある。
何せ、元の身体には戻れないらしいから。原型も留めていない程グチャグチャのバラバラになってしまっているから。
そして契約お内容はお察しの通り、異なる世界への渡航。
つまり【異世界転生】である。
本当にそんなものがあるとは思っても無かった、と言うのが素直な感想だった。
基本的に無神論者。少なくとも、死ねば生まれ変わる———程度には考える程度に思っていたのだが、いざ我が身に降りかかれば、いざ目の前にそんな存在が降臨すれば……これ以上ない。これは事実であると認める以外何も出てこない。
恐らく、現在世の中に溢れている異世界転生モノの作品を描いた最初の作者は、実際に転生を果たし、再び地球へ、日本の地へと生まれ変わり、その作風を、自身の実体験として描いたのだろう、と思えた。
そうでもなければ、ここまで鮮明に、正確に、似たような展開など起こる訳がない、……と。
これから起こる事を考えて、少しだけゲンナリしつつも直ぐに持ち直す。
「でも、どうせなら一度だけじゃなくて沢山転生したい~って、自分が欲張った結果だし」
これはある意味では自分が望んだ事でもあったからだ。
自分が知る範囲内ではあるが、少しだけ違う点があるとすれば、異世界に転生を果たした後も、更にその後も面倒を見てくれると言うのが斬新だった。異世界にたどりつき、そこで天寿を全う……いや、普通に死んだとしてもその世界の上位種? が魂を取り扱うモノだと思っていたのだが……、どうやらそれも管理してくれるとの事だった。
更によくある
心と体をリセットする事で、魂に過剰な負担がかからない様にしてくれている、と言う仕様との事だ。
まさに、手厚い処遇。……それ程までに、上司に怒られるのはキツイのだろう、と邪推してしまう。
そしてここからが本番。21番目の世界へ飛ぶ際に、白に包まれる。
白に包まれ、新たな世界へ向かう。
そして、向かった先。
白を超えた先で見る光景が、
ここでも少し説明をしようか。降り立つ次の世界に付いて。
「………
それは完全にランダム仕様であると言う事。
大まかな説明をすると。
◇ 容姿はある程度固定されている
◇ 年齢はかなりばらけた状態になっている。
◇ 世界の何処に降り立つかは目覚めるまで解らない。
だろうか。
1度目が文字通りの転生だった。
つまり、赤子からスタートで両親の元で過ごす異世界生活だった。
でも2度目ではいきなり5歳の状態。3度目で、10歳。
実は、異世界を渡り歩くにつれて、年齢が+5ずつ上がっていく、その分寿命も少なくなってくる仕様なのでは? とも思えたが、そうではないらしい。
4、5度目は
つまり0~20歳くらい? の中で無作為に選ばれいる様だった。
赤子の時は当然親が存在する訳で、普通? の人生を歩む事が出来るのだが、それ以外はそうはいかない。
異なる言語だろうが、世界だろうが、独自に生きていかなければならないと言ういわば鬼畜仕様。無能力だったら、
過去の、前世までの自分を振り返るのはここらで止めにして、まず目の前の光景、繰り広げられているコレを……【胸糞悪い光景】をしっかりと認識する事にしよう。
胸糞悪い光景。他の世界でもあった。
それは、槍や剣、弓矢の武器を構え鎧に身を包まれている人間(恐らく)と、その餌食になっている女子供(異種族?)の光景。
異種族同士の争い、戦争……と言えるのならまだ良い方だ。
ただただ一方的に嬲られている、殺し尽されているのだから。
肌の色が違ったり、四肢の形状が違ったり、耳が尖っていたり、足が鹿の様な足だったり、と目算で解る範囲は2種類の種族が一方的に人間の様に見える方に残虐に殺されて行ってる光景。
それも、殺されていってるのは男じゃない。凡そ戦えない女と子供。……無抵抗な赤子までも無慈悲にその刃を振るって命脈を断たれている。悲痛な叫びが絶叫へと代わり、場に怨嗟が渦巻いている。母を殺された子の、子を殺された母の、……でも現実は変えられない。ただただ絶望し最後の時を待つだけだった。
そして、その中で、時折届いてくる声は恐らく人間のもの。まだ言語翻訳は出来てないが、光景から見るに、殺す側に発破をかけていると推察できる。
刃を振るう者達の中には、震えている者、目に涙を溜めている者も居た。四肢や肌の色が違うだけで見た目は人間と相違ない種族を殺すのだ。精神の1つや2つ、死んでもおかしくない。
でも、その中でも明らかに殺戮を楽しんでいる連中も確かに居た。
手本を見せる~と言わんばかりに、腰が引けている人間に対して笑いながら腹に槍を突き立ててる男。腹が膨らんでいるところを見ると、恐らく妊婦だろう女も。腹目掛けて突き刺し、腹を斬り中を抉り出す、更に全身に矢を射り、最後は首を飛ばし掲げる。………見るに堪えない凄惨な光景。人の所業とは思えない、まさに悪魔だと感じるのは一番色濃く影響が残る前世の体験からだろうか。
今はもうどこにもないその世界では分け隔てなく、全ての種族が手を取り合っていたから……。
もしも、これが初めて生まれ変わる最初の世界だったら、嘔吐し発狂していたかもしれない。
いや、
だからこそ即行動。
「胸糞悪い」
指をパチンっ! と鳴らせると途端に、当たりが閃光で包まれた。
突如発生した目も眩む光源に対し、断末魔の悲鳴以外の悲鳴も合わさってくる。
強烈な光源に晒されたら、人間であれば本能的に身を屈めて、防衛反応を獲る。それが狙いだった。そして、無残にも殺されていく2つの種族の者達は夫々目隠しをされているので好都合だ。
視界を不能にした所で、行動開始。
あまり時間は長く無いので手早く己自身を確認する。姿形は勿論の事、様々な能力を駆使して、頭で自身の
そして、両手を掲げて殺戮を繰り返す眼下へと光を叩きつけた。
「
そう唱えると、異種族らの地面がまるでぽっかりと穴が開いたかの様に黒い円が形成された。当然目隠しされている事もあって、何が起きているのか理解する間もなく、見える範囲の全ての異種族たちはその闇に包まれ、消失していった。
光が止み、潰れていた目が慣れてきた頃には……場が今度は違う意味で騒然とする。
当然だ、今の今まで殺していた、殺そうとしていた者達が文字通り消えてしまっているのだから。
何が起きたのか皆目見当もつかない人間たちは、ただただ混乱した後、警戒心を強めたのか防衛体制に入っていった。
「ん」
光をその手の中に宿すと同時に、空を駆けた。
見た所、空を駆ける人工物、空を飛ぶ人類は存在しない様子。恐らく飛行技術はまだ備わっていない、そして飛行魔術等もひょっとしたら存在しない文明レベルは低い世界。
ならば、移動するには空が最適だろう。勿論、警戒する事に越したことはない。ここら一帯を見ただけで、世界を知るには早計過ぎる事を知っているから。……そう、知っていると言うのは生きていく上でこの上無い武器になる。
ひょっとしたら、数多の
向かうは一先ず安全な所、誰も居ない場所。出来れば、本当の意味で誰も居ない孤島の様な場所が好ましい。
現在、明らかに人間にケンカを売った形にはなっているが、それでも顔は観られておらず、秘密裏に処理をしたので問題は無いだろう。
世界を渡った後、親が居ない状態の場合の
ただ、いきなり行動をするのは20度の世界でも片手で数える程度ではあるが。
ある程度飛んでいると海が見えてきた。そして更に海を進み、おあつらえ向きの小さな小さな島も見つけた。暮らしていくには頼りなく、資源も少ない小規模の島。
でも、それが良い。
まだ、解放はしないが、取り合えず安全に外へ出られる場所は確保できたから。
「さて……と」
自身の収納魔法の中に入れたのは、全部で30人程か。
最初は何が起きたのか解らず、ただただ辺りを見渡し、絶望の表情を見せていたが、軈て生き残った者達がそれぞれ身を寄せ合って固まっていた。
「■■■■、■■■■!●●●■!!」
そんな時に、他の誰かが……それも人間が現れたら当然警戒心を剥き出しにするのは仕方がない事だ。
耳が尖って長い方の種族は子を抱きしめ、夫々が抱き寄せ震えていたが、足が鹿の様な種族の者はそうではない。
武器は一切ないが、鋭く目を見開き、睨みつけ、いつでも飛び掛かれる様に臨戦態勢を取っている。
「ちゃんと説明するから落ち着いて。でも、その前に急いでしなきゃいけない事があるから」
「■■■■!! ■■■■!?」
「あ、翻訳を……いや、それよりもこっちが先だ」
言葉が通じなければ意思疎通と言うモノは非常に難しい。ボディーランゲージで通じる事もあるにはあるが限られている。
でも、この状況では後者でも十分に相手に伝える事が出来た。
両手を上げる。そして指をさす。指をさした方に居るのは子供。それも手足を射られ、顔色も最悪。今にも命が尽きてしまいそうな子供だ。
それを改めて見て……鹿の足を持つ少女らは顔を青くさせた。
「助ける」
相手の目を見て、ゆっくりと頷く。
言葉は伝わらないが、ある程度の意図は察する事が出来た様だ。これまで殺戮を繰り返していた人間たちと眼とは全く違うから。
だからと言って警戒を解く様な真似は絶対にしない。
油断した所で、何かをされる可能性だってあるから————と言う彼女らの考えは、次の光景で全否定された。
「
淡い粒子が束となり、子供らを優しく包み込んだ。そして、その光は子供だけに留まらず、他の負傷している女たちも分け隔てなく包み込み、慈愛の光を持って身体を癒していく。
刺さったままの矢は抜け落ち、傷口は完全に塞がる。
苦痛に歪む顔が、途端に安らかになり、寝息をたてるようになった。
「ッ流石に近づかなきゃダメ、か」
そう言うと、目の前の男は今度は立ち上がった。
でも、こちらは動けない。このあまりもの超常的な光景に、警戒していた身体はまるで金縛りでも起きたかの様に動けなくなってしまったのだ。
そして、そんな事はまるでお見通し、と言わんばかりに男は顔を覗き込んできて言った。
「―――そっちの子はもう殆ど死にかけてる。今のだけじゃ無理だ。それにもう猶予も無いから、問答無用で近づくよ」
先ほどの光を浴びて小康状態———とはならず、未だに瀕死の重傷なのは頭に矢を受けた子供だった。即死していなかったのは奇跡の一言。当たり所が良かったのだろう。……いや、或いは悪かった、とも言えるかもしれない。あの状態で回復出来る術が無かったのなら悪戯に苦痛を長引かせるだけだから。
母親か、若しくは姉だろう少女がギュっ、と抱き寄せている。子供を奪わせない、と言う所作かもしれないが、それに構う事なく近づきその額に手を当てた。
「
一際濃い光が赤子を包み込むと……ゆっくり、ゆっくりと頭部の矢が抜けていく。通常、矢が抜けたなら血が噴き出てしまう。矢が刺さる事によって傷口の蓋の役割も果たしていたのだが、それを取り除かれれば勢いよく吹き出すのが通常なのだが、そんな事にはならない。
抜けると同時に、恐ろしいとまで思う程の速度で傷口が修復され続けているから。
そして数秒、十数秒後には他の赤子同様、顔色は元に戻り、他の子同様に寝息をたてて始めた。
血色ももとに戻り、何事も無かったかの様に回復し、眠る我が子を見た彼女らは目に涙を溜めながら思いっきり抱きしめた。抱きしめる、と言う行為と言うものは、ひょっとしたらまた傷を開かせ、悪化に繋がるかもしれない———とほんの少しばかり思ったが、この時ばかりは我が子を抱きしめたい欲求が勝った。
大声で泣き、嗚咽を漏らし、それが伝染していく様に場は感涙と歓喜で包まれていく。
「●……、■■、●●、■……」
警戒を露にしていた下半身が鹿の足の彼女は、目の前の光景に、何を言って良いのか、どうしたら良いのか解らず、ただただ唖然としていた。……だからこそ、目の前の男が直ぐ傍にまで来ていた事に気付けなかった。
「!!」
ドサッ、と腰を下ろしたその音で気付き慌てて向き直す。
すると、男は首元をとんとんっ、と叩く仕草をすると、淡い光が再び現れ———その光が場を包み始めた。
「
何秒———経っただろうか。
「聞こえるか?」
「!!」
今の今まで通じなかった言葉が。
これまででも聞いた事が無かった言語がハッキリと伝わってくる。
「一先ず、誰も死ななくて良かったな。色々と説明しなきゃいけない事も多いし、聞きたい事も多いし、取り合えず時間はあるから落ち着くまで——————」
と、会話を交わそうとしたその時だった。
「「「「「うあああああんっっ!!」」」」」
「ぅぉっ!!?」
泣いていた彼女らに、突撃されてしまったのは。
先頭に居たのは、頭に矢が刺さって死にかけていた子の母親だろうか。警戒心をあらわにしていた鹿足の彼女と同じ種族だとは思うが、警戒心は一切なく、ただただ顔面に抱き着いてきた。まだ着替えをしてないから、その豊満な二つの巨峰でまるで窒息でもさせる勢いで。
続いて、彼女と同じく子を持つ者達は皆一斉に飛び掛かってくる。
これが悪意ある、敵意ある者であれば迎撃の1つでも反応するんだろうが、そう言う訳ではない。ただただ感謝を、想いを伝える勢いのままに、跳び付いてきたから強引に振り払う事が出来ず、成されるがままになっている。
「ぷはっっ!」
ただ、流石に息が出来ないのは苦しいので胸からは顔を出した。
——すると、眼前には涙で覆われた彼女らの姿が映った。
これらは想定していた事でもある。
そりゃ、命を救われた。この世界に来たのは初めてではあるが、子を想う親が居ないとは言いたくない。どの世界であっても同じだと思いたかった。そして実際そうだった。
小さくても生きているその命の火が尽きようとした絶望の最中に見えた希望の光。
それを齎したのが眼前の存在である、と言うのなら警戒心が吹き飛び、この様な場面になるのは想定の範囲内。これで、ある程度の信用を得てスムーズにこの世界の事を知る事が出来る————と安堵をしていたのだが、ここからが想定外。
「貴方は、貴方様は、私達の命の恩人ですっ!! 助けて頂き、ありがとうございます!! ありがとうございますぅぅぅ!!」
「あ、いや、その、これは成り行きで……。いきなり驚かせてアレかな、って思ったけ……どぉぉ!??」
下腹部が、下半身が熱くなってきたのだ。
と言うより、いつの間にか着ているモノを脱がされてしまっていた。
いつの間にか、周囲に居る彼女らは顔を物凄く赤くさせて、目を爛々と輝かせて、ただ一点を見据えて順番待ちしていた。
数多の世界を巡ってきた記憶が受け継がれているが……、初手でこの展開は初めて。
「いやいや! ちょっと待って待って!!」
「ちゅぱっ、れろっ、んっ、んっ、んっ…… あむっ」
見た目は確かに色違いだったり、身体の一部が違ったりして、人間ではないのは明らかだが、その容姿や身体は紛れもなく美女、美少女に分類される者達ばかり。
そんな彼女らから、下半身を、生殖器を必要に責められてしまえば当然反応してしまう。
一気にそそり立つ生殖器は、生れ落ちて最速で種の繁栄を求めているかの様にそそり立った。
ある時期が来たら、不能じゃない、勃起不全じゃない事を確認するつもりでもあったが……、手間が省けた。
「あ、んっっ、いや、ちょ———んんっっ」
この人数に必要以上に責められる。生殖器の竿部分を2人以上が代わる代わる舐め回し、子種を作る元である精巣部も優しく温かく弄りまわして来る。頬にキスし、唇を求めてキスされ、折角胸の中から脱出できたと言うのに、口内まで侵入されてまた酸素が不足し始めた。
「――――――………」
顔を赤くさせて、小さく悶えている目の前の男を見た。
自身の陰部が、生殖器がジュンジュンッと鳴ってるのが解る。子種を欲しくて欲しくてたまらないと、声を上げてるのが解る。
先ほどまで警戒し、どれだけ強大な相手であっても、この命を使って、命を捨てて攻撃をしようか、と覚悟を決めていた筈なのに、その覚悟の気持ち、敵意の気持ちは一気に霧散。
目の前の男は強大で、超常的、この世の何処にも見た事がない様なバケモノ、得体が知れないバケモノだった筈なのに……顔を赤くさせて悶えている姿を見て、可愛らしい雄である、と。……いや、力を考えたら魅力的過ぎる雄であり、その子を欲する雌となったのは自分である、と実感した。
何より、顔立ちが整っている。幼さが残るが凛々しいその姿。チラリと見えた生殖器の一部は、その顔に似合わない程凶悪なモノで、口で、膣で、包み切る事なんて出来ない! と入れる前から解る程。
不意に涎が出てきた。
「貴方が……欲しい」
「!!?」
先ほどまで警戒して、今にも飛び掛かってきそうだった彼女が、今度は違う意味で飛び掛かってきたのだった。
アレから、どれくらい経っただろうか。
何度も果てて、代わる代わる果てさせられて、口で満足したら膣内で子種を、精子を欲して腰を振り続けて————、ある程度発散したら男の方は賢者タイムに入る。
でも、彼女らは万年発情期! とでも言わんばかりに只管腰を振り続けて……あまりにも会話にならないので、一先ず体力は減ったが、魔力は残ってるのでそれでどうにか引きはがした。
引きはがして、取り合えず軽くチョップをかます。
「強姦されたのは初めてじゃないが、それでも、これは最速記録だよ………」
「す、すみません……我を失ってしまって……」
代表者だけが前に出てきて会話となった。
他の女たちは、まだ下腹部を狙ってるかの様に、黄色い声や熱い視線を向けてくるが………、取り合えずは大人しくしてくれてる。
「取り合えず、服を調達してこようかな……。そのままの格好は嫌だろう?」
「あ、いえ。別に大丈夫ですが」
「……………」
胸部は勿論、陰部も丸出しなスタイル。
奴隷として、その様な姿にさせられている———と思っていたのだが、どうやらそれが標準設定らしい。
この世界は、完全なるR18世界だな、と遠い遠い記憶の中の人格の1つ。覚えている最初の世界の人格が呟いたりしたとかしなかったとか……。
「解った。オレの成り立ちも教えるから、そっちも色々と教えてくれ。―――この世界について」
先ず言い出した方から先、と言わんばかりに、話を始めた。
転生してやってきた別の世界の者だと言う事。
超常的な力に驚いている所と、実際一頻り見た程度だから100%とは言えないが、魔法は存在しない世界だ、と言うのも解っていたので、自分の使える力に付いても説明。
本来なら半信半疑———どころか、世迷言の類だと一笑に伏され、その後実演して事実である、と言う事を認識してもらうのが流れなのだが……、今回はそう言った手順とは違うのでスムーズに信じてくれた。
目の前で奇跡を起こし、傷を治し、子を救った現実を目の当たりにしているので、今更信じられない訳がない、と言うのが正しいが。
「私達は、暗黒大陸からこの大陸へ。……人間どもが暮らす大陸へ連れてこられました。奴隷等ではなく、殺処分をする為に。……殺し方を後々の人間どもに教え込む為の教材として」
全ての歴史を知る訳ではないし、この世界の全てを知る訳ではないのだが、取り合えず身の内の話は聞けた。
鹿足を持つ者達は【レッドキャップ】と呼ばれる種族。
薄緑色の肌を持ち、耳が尖っている者達は【ゴブリン】と呼ばれる種族。
他にも見た目が違う種がおり、それらを総じて亜人と呼ぶらしい。
更に言うならば、人間からすれば【亜人モンスター】だと総じているらしい。
だから、女子供関係なく皆殺しが通常。赤ん坊さえも焼き殺す。見た目人と変わらない容姿であっても、それが人間側からすれば普通なのだと言う。
人間らは【神の眷属】であると疑っておらず、【思想汚染された病気猿】だとの事。
神の眷属である事と同時に、自分達より身体的に勝っている亜人らを滅ぼさなければ滅ぶのは自分達だ、と言う大義名分の元、種の根絶に動き今があるとの事。
自分らが助けたあの場所は、思想教育の場。教材たる身体を、生きた身体を使って殺戮する精神を正義である、と歪んだ精神に仕上げられた。
ああいった施設は至る所に存在するとの事。
生存の為に万全を期す、求めた様に見えて———歪んだ精神性はこの殲滅戦争と言う獲り返しがつかない場所にまで来てしまったとの事。
「はぁ————なるほど、ね」
「驚かない、のですね」
「ああ。言っただろう?
目の前で死にそうになる亜人を、その子供を何の見返りも無く、ただただ助けたいと言う精神で手を貸した彼からすれば、この世界の人間は受け入れがたいモノだろう。
彼女はそれを想い、全てを話した。
この本当の意味で、神に近いとさえ思う存在が、
そう言った思考を読まれてしまったのだろうか。男は首を横に振った。
「悪いが、味方になってやる事は出来ない」
そして、その返答と仕草は、折角助かったと言うのに、地獄に叩き落とされる様な感覚にも近い。
この強大な男が……今度は敵に回るかもしれない、と考えたら………。必ず人間どもを根絶。駆逐してくれると信じて疑ってない精神が、足元からガラガラと崩れてしまいそうになって———、でも、踏みとどまれた。
「それと、助けた事から解る様に、敵にもならない。オレはオレの信念の元動くともう決めている。……人間と亜人の対立。どちらに与するなんて事は無い」
そう言って、男は指をさした。
「オレの信念。……女子供は、目が黒い内は、この手が届く中では、絶対に殺させない。それだけだ。それはお前達だけじゃない。人間側にも言える事だ」
そう言って腕を組んだ。
「色んな所で嫌なモノ、沢山見てきたから。……そうやって培われてきた俺の信念。敵味方無い。交戦しようとするならどちら側であっても撃退する。女子供は亜人だろうと人間だろうとどっちも救う。絶対殺させない」
強い強い信念を、その瞳に見た。
どうにか懐柔しようと考えを張り巡らせようとしたが———全てが無駄になる、と悟ったので、何も口を挟まない様にした。
「戦場では女子供は関係ない、と言う考えもあるが、それを真っ向から否定する。どんな世界であっても、子は未来を生きる宝だ。理不尽に奪って良い訳がない」
そう言って立ち上がった。
「この辺りに、似た様な施設がある、って言ってたよな?」
「―――っ、は、はい」
「解った」
これまでの世界で幾度も有った。
加担した方を勝たせてしまう程の強大な力を有している。それが、こういった魔法の無い世界なら猶更だ。亜人に付けば必ず亜人が勝ち、人間に付けば必ず人間が勝つだろう。
そして、負けた方の悲惨な運命も何度も見てきた。何度も自問自答してきた。自分が正しかったのか? と。
だからこそ、最終的に導き出したのがこの自分のルールである。
こうして、それ以上は何も言えず、ただただこの空間内に同胞らが増え続けた。
増え続けては説得し、そして彼に感謝をする日々。隙あらば子種を貰おうと襲い掛かり———何度か性交に成功。その甘美を心行くまで味わい、彼の子種で戦力強化を~~と思っていたが、即座に《オレだけが特殊》と否定されてしまったり。
こうやって、死地で死を覚悟した毎日から解放されて、食料まで持ってきてくれて……連日宴が、酒池肉林が続くのだった。