ふかふかな世界の甘々ヒーラー 作:カタナちゃん
「(転生し続けてきて……歴代最速初体験に加えて、回数もトップに躍り出た気がする……)」
「んっ♡ あむっ、あむっ、ちゅっっ」
「んっ、んっ、んっ」
「ちゅっ、れろっ、はむっ、ちゅ、ちゅ」
帰ってくる度に、裸の女性たちが飛び掛かってくる。
この世界の人間は、彼女らを人類ではなく、モンスターと呼んでいるらしい。当初は思いっきり否定してやりたい気持ちだったのだが……現在、性欲モンスターではないか? と思い始めてもいる。
性交に加わってない面々は等しく順番待ちしていて、皆等しく陰部を濡らしている。
自分の姿を見るや否や、顔を更に赤く染め上げ、まるで蛇口をひねったかとと思わせる程愛液を流して発情しつつ、目を輝かせながらこちらの下腹部を凝視しながら飛び掛かってくる。セックスレスと言う概念はこの世界には無い様だ。
それと、心底惚れられている……と言うより、これは野性的な考え、本能なのだろうと解釈した。
つまり雌は優秀な雄の遺伝子を欲する、と言う事なのだろう。
見た目人間と大差無いし、何ならもれなく全員が美女・美少女。こちら側の世界に来て間もない、生まれて間もないとはいえ、そんな光景見せられたら嫌でも反応すると言うのが男として生まれてきた為か。
後は自身の身体は不能ではない事の確認も次いでに確認出来て良かった……と取るべきだろうか。
因みに例え自分の子を宿したとしても、この
最初は自分の種族に最強の戦士を得る為だけだと思っていたので、真相を聞くと諦めるだろう……と思っていたんだけど、一向に止む気配がないので【避妊魔法】を自分に仕掛けているから子が生まれる心配は無い。
「あっ♡ あっ♡ あっ♡」
「んっ………あんっ♡」
それと……取り合えず邪険にしたり、乱暴に振り払ったりまではしないから、彼女らが満足するまで~とも思っていた。つまり、彼女らの事を軽くみていた、と言う事なのだ。それが大きな間違い。逆襲にあった気分。
なので、もうそろそろきつくなってきた。
だからこそ、モンスターだ、と思ったのである。
「はぁ………取り合えず一息……」
この場も大所帯になりつつある。
これまでに助けて連れてきた数が多くなってきているから。
「旦那旦那!」
「……その旦那、って言うの止めて欲しい。と言うか、キミ達が何とか彼女らを説得してくれても良いんだよ? 一緒の場所に居たんだし、嫁だったり彼女だったりしないの?」
当然、助けた中には男のゴブリンも居る。何ならオークも居る。
女子供は殺さないし、目の届く範囲では殺させない~と宣言したけれど、だからと言って男は助けない! 見捨てる! と言う訳ではない。
今日まで収容所、処刑場、訓練所等いろいろと回ったが圧倒的に女の方が多かったのだ。
恐らくだが……抵抗出来ない女子供を優先的に連れてきて、殺す、殺させる事によって殺す事に対する心理的なハードルを下げる、耐性を持たせる、と言うのが狙いではないだろうか。
男のゴブリンやオークは女たちに比べて圧倒的にデカい。まだまだ初心者な訓練兵なら逆に反撃され、返り討ちにされる可能性だってある。
捕虜にされている人数は極めて少ない。それでいて『殺しの練習』に欠かせない貴重な資源。当然、それが脱走されたとなれば大事件。
そんな大事件を何度か起こして今に至る、と言う訳だ。
「旦那は旦那だよ。いや、ほんとは旦那様! って呼びたいし、敬愛の精神で言葉遣いも変えたい。つーか、崇め奉りたい! 神様! って」
「やめてくれ。いやほんと、マジで。分け隔てなくが心情で、人間か亜人か、どっかに肩入れする気は更々無いから、崇められても困る。神様も止めて」
「そう。それ。旦那が本気で嫌がってる感じがするから、敬語と神様と、それと様付け自体止めにした。……だから、この辺りで許して貰えないか?」
「はぁ……まぁそれで」
ゴブリンとオークを助けた時、当然ある程度の敵視はされた。
最初に助けた皆とまったく同じだ。
人間とは絶対敵であり、怨敵であり、今は殲滅戦争中。待ったなしな状態。
なのにも関わらず、見た目人間に救われた。混乱する以上に目と鼻の先に憎き仇が居るのなら命賭してその首を掻き切る! と迫ったのだが……格付けが決まった瞬間でもある。
この世界では存在しえない魔を使う男に対し、腕力・技術だけで相対するのは無理がある。
仮に、戦闘能力を数値化するとすれば、桁が3~4は違う。
千切っては投げられ、負傷しては回復させられ、何度も何度も繰り返していく内に音を上げた。女たちは笑顔で接して事の次第を説明して……そこからはあっと言う間に打ち解けた、という訳だ。
無論、彼の信念の件も話してある。
助けたからと言って、味方になると言う訳じゃないこと。
あの強大な力を人間に対して向けて殺戮を尽くして貰ろうだなんて思わないこと。
助ける。そこまでだ。
助けるだけで攻撃はしない、無抵抗主義者と言う訳じゃないからある程度の反撃もやむなし。その過程、命も時と場合によっては奪う側にも回ることもあるだろうことも。
唯一絶対の不文律が種族問わず、女子供は殺さないと言う点。
なので戦争をするのであればどちらかに肩入れをする事は無いが、女子供を巻き込む惨事を見かけたなら問答無用で割り込む。それだけだ。
肩入れをすればした方が勝利するのは明白だが―――どちらかを勝たせた結果、良くなった試しが殆どない事を嫌と言う程知っているから。
強過ぎる力を持つ男は流浪の戦士になるくらいが丁度良い。
いや、魔法を使うから魔導士、と言った所か。
「……漲る力、湧き上がれ。
そして、これだけの数の女の相手が出来るのも、魔の力のおかげである。
思いっきり自身にバフを掛け続けて、重ね続けているからだ。
これなしだと、干乾びてる~と言っても過言じゃないくらいは吸い出されているから。
……尽きる事がない精力、精子だからこそ彼女らは嬉々としてやってくるのかもしれないが……それはそれ、これはこれ、である。
「いや、絶対ドラゴン退治とかをする方がよっぽど楽だよ、これ……」
不意に呟いた彼の言葉。
華やかな乱交パーティーな場が一瞬で静まり返った。
艶やかに、余韻に浸って喘いでいた女たちも、休憩~と言われても我慢が出来ない! と言わんばかりに精を求めて只管陰部濡らしていた女たちも、ピタリとその動きを止める。
まるで、世界が静止したかの様……。
ただ、彼女らの顔やら口やらから白濁とした液だけは、《たらぁ……》 と流れている。
そこだけを見ると、バフを重ね掛けしている身だから更に下腹部が反応しそうになるのだが、それよりもこの時間が止まったかの様な空気、雰囲気の方を優先させる事としよう。
まぁ、この場は異空間。
世界とは隔絶した空間だから、ある意味世界は止まっているも同然なのだが。
「……旦那。ドラゴン倒した事、あるんで?」
静寂の中、ゴブリンの男がポツリと呟く様に聞いた。
「? ああ、この世界とは違う世界で、だが……。街や村で悪さをするドラゴン退治を引き受けた事はあるよ。……ひょっとしてこの世界にもドラゴンがいたりするのか?」
不意に呟いてしまったのは少々不覚だ。
前世、前々世、前々々……と、数多の世界を生きてきた身。ドラゴンどころか、神族と刃やら魔やらを交えた事が有る……けど、それ以上は空気を読み何も言わないでおこう。
「ええ。……居ます。正真正銘の
ここで、ある程度の説明もして貰った。
ドラゴンとは、発達の方向性が人類と比べて全く違うが、そのレベルは極めて高い同等以上の知能の持ち主。罠を張ろうが武器を構えようが、全てを正確に理解し、対処して覚えてくる。特に頂点故の自覚があるのか、戦闘や狩りに関連する知的能力は圧倒的に上。
圧倒的な強さに加えて、知能までも同等以上となれば、まさに死角なし。難攻不落の存在なのだ、と。
「だから、ドラゴンは刺激しない、縄張りを犯さない、が鉄則で。遭遇すれば即離脱。……それと特に火を扱う時は恐らく人間も、オレ達も最大限注意を払います。……
「ふぅん……」
知能も同等以上にあり、世界の頂点に位置する、と言う事ならその思考は凡そ察する事が出来る。似たようなモノだ。人間を害虫の様にしか見ていない、と言った所だろうか。
無論、こっちから仕掛けたりすることはしないが、もしも遭遇して駆除対象の様に見てきたなら……こちらも狩りをする感覚で、ドラゴン退治も面白そうだ、と表情を緩ませた。
「マジ、っスか? なら味方になってくれ旦那! とは言いませんが、旦那についていったり~とかは?」
「……火事場泥棒的な考えか?」
「いやいや、滅相も………」
ドラゴン撃破! した後に得られるモノ。彼らからすれば相応の資源となりうる事だろう、と言うのは容易に想像が出来る。
その生態調査もそうだが、以前の世界でもドラゴンからとれる素材は全て重宝されていた。皮、肉、骨、牙、内臓……血の一滴まで余す事無く貴重で最上級の価値が付いていた。
「ばか、そんな顔しなくて良いよ。普通だ普通」
「旦那様っ♡」
「んっ!? ………
いつの間にか再び始まる吸い尽くし。今の今まで固まっていた筈なのに、気を取り直したのか、或いはドラゴンを倒した~と言う話に触発されて、より発情してしまったのか、休憩と言っていたのにそれを忘れて陰部を加えてくる。より強く、より舐る。バフで精子製造能力を更に上げているけれど、それをも吸い尽くさん勢いで。
「外も結構大変だったけど、やっぱこっちの方が一番大変か」
「あむっ♡ んんっ、だ、だんな様が大変、なんてそんな…… んんっっ!」
口から離し、今度は性器と性器の結合が始まる。
幾度となく交わってきた筈なのに、その膣内は何時も何時でも狭く畝って最上級の刺激を与えてくる。これだけ使っていたら多少は緩くなったり……いやいや、がばがばになってもおかしくないと思うのだが、その辺りは彼女らの特性なのだろうか。
「お外、やっぱり大変なんですか? んちゅっ」
「……話すか舐め回すのか、どっちか1つにして貰いたいんだけど。まぁ大変だったよ。外でちょっと別格な女の子が居て、追いかけてきたから」
はぁ~~、と違う意味で盛大な長いため息を吐くのだった。
少しだけ、思い出してみようか。
それは、3度目の収容所から亜人達を救出した後のこと。
基本的には盛大に魔法を使って攪乱させた上に、一瞬で(の様に見える)回収をしているから、人間側は天変地異? 怪奇現象? が起きたと勘違いして混乱の渦中にいる……筈だったんだけど、今回はどうも違った。
『!』
変装は問題ない。姿を消す事も考えたのだが、やはり社会に溶け込む方が効率が良いし、幅もある程度広がる。専守防衛を基本としている以上はこの世界の人間社会相手に秘密裏に動く~と言うより、その人間社会にも馴染む方が全然良い。
―——と、思っていたんだが。
『――――ひょっとして、キミが犯人なのかな? 亜人モンスターたちを攫って回ってるって言う』
何の前触れも無く、看破されてしまった。
見た目短髪赤髪の少女。
周囲に笑顔を振りまき、その周囲もまた笑顔になる。
ムードメーカーなのだと言う事は一目見ただけで解った。一種の才能だ。行動の1つ1つが周りを笑顔にしてくれる。そして、絶対彼女の周囲で何人かは苦労している、と言うのも解る。
一対、と言うモノだ。
特に今は人間側からすれば異常事態連発だ。各場所から捕虜……と言う名の殺処分を待つ亜人らが一斉に姿を消したのだから、厳戒態勢であると言って良い。
何が起きたか解らない、理解不能な事が起きれば人は恐怖すると言うモノ。そう言う場面で彼女の明るさに救われるのだろう。
……これが亜人達の作戦であり攻撃で無くて良かったな、と何処となく苦笑いをした。
「(————さて、取り合えず粗方回ったし。もう大丈夫そうだ。そろそろ彼らの故郷って所にでも行くか)」
「!」
踵を返す直前に、目が合った気がした。
笑顔だった少女は突然真顔になる。たったそれだけだったのだが、今し方まで賑やかだった少女が突然黙りこくってしまったら周囲も何事か、と思う事だろう。
「ごっめーん! ちょっとボク、用事を思い出したから! マユリちゃんとリリィちゃんが来たらいつもの所で待ってる~って伝えておいて?」
周囲にそう告げると、彼女は駆け出した。
そして、勿論駆け出したのは解っているし、こっちに迫っているのも解ってるので取り合えず人気のない場所、路地裏に入る。
本来なら空を飛ぶなり、姿を消すなりして、彼女を撒くのだが……少しばかり気になった。
彼女は恐らく何かを確信して、こっちに向かってきている。変装は完璧なのにも関わらず、直感なのか何なのか……、兎にも角にも、あの一瞬で彼女は何かを掴んだ。それに興味を持ったのだ。
「――――ひょっとして、キミが犯人なのかな? 亜人モンスターたちを攫って回ってるって言う」
そして、彼女はこういきなり聞いてきた。
「何を思って、犯人だと判断したのかな?」
「んーーー、なんとなく? そんな考えしてる様に見えただけで」
「……一応、兜かぶってるんだけど、それでも顔が見えた?」
「あっはっはっは! 見えた見えた! こう見えてボクってば、結構凄いんだよ! 何せ、勇者! って呼ばれてるくらいだからね。心の声読むな~~~! ってマリエちゃんにはいつもめちゃ注意されちゃうんだけど」
陽気な声で笑って、表情は笑顔なんだが、その眼は笑ってない。
臨戦態勢、と言って良い。
「それで、どうなのかな? 今大変な騒ぎになっちゃってるから、犯人だとしたら看破出来ないんだ。それとあと、どうやってあれだけの数の亜人モンスターたちを解放して回れてるのか、っていう所も気になるなぁ。ちょーさしてきて、って頼まれてるし」
「ん………
「ん?」
これまでの世界で、思考を読んでくるタイプの術者、能力者とは対峙した事はある。
彼女の言う心の声を読む、と言う技術は一体どういうものなのか解らないから、一応効果がありそうなのを試してみたのだ。
兜をゆっくりと脱いで、顔を露にした。
「ふぅ。変装も楽じゃない。――――それで? キミは心の声が読めるらしいんだけど……聞くより、読んだ方が早いんじゃないかな?」
「うーん……あれ? あれれ??」
笑顔だった表情が強張っていく。
何だか焦っている様な感じになっていく。
どうやら、これで防げるようだ。心を読まれると言うのはどの世界でも厄介な事。自身のライフスタイル的にも早めの対策が必要だと思っていたから、ある意味僥倖だと言える。
勇者と名乗る以上は、この世界においてかなりの上位に位置する存在だと思えるから。
「お兄さん、一体何をしたの? さっきまで聞こえてたんだよ。なのに、こんなの初めてだ。……なんだろ? 突然周囲から『音』が一切なくなっちゃった~みたいな。お兄さんの心の声、全然聞こえない」