※この作品はR-18です。

男の子が欲しい夫婦の話。   作:XX(旧山川海のすけ)

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転載までに原作とのズレが発生

でもま、我ながらココの元鈴木の思考はらしく書けたと思うんですけども


谷家の嫁として振舞う奥さんの話。

★★★(みゆ)

 

 

 悠介さんを食卓に導こうを思ったときだった。

 

 突然、猛烈な吐き気に襲われた。

 

 まずい! と思った私は、ワタタタタとトイレに駆け込んで。

 便器の蓋を開いて、吐いてしまった。

 

 吐きながら、思う。

 何? 何なの?

 食中毒?

 

 私、何か変なもの食べたっけ……?

 

 そのとき、ふと思い出した。

 

 ……そういえば、今月生理が来ていない……!

 

 ということは……?

 

 吐き終わってから、トイレの水を流して。

 吐瀉物を流してしまう。

 

 立ち上がりながら、私はそっとおなかを撫でた。

 

 ……正式には病院に行かないと分からないけど。

 きっと、そうだ……!

 

 とうとう、出来たんだ。

 悠介さんの赤ちゃんが。

 

 意外でもなんでもない。

 悠介さんに抱かれるときに、避妊具をつけたことなんて一回も無いから。

 

 どうしよう……なんて思う訳ない。

 嬉しい、一択だ。

 

 ここにいる……私たちの愛の結晶……!

 

 おなかに当てた手を見つめる。

 

 私が喜びを噛み締めていると。

 悠介さんが……いや、悠介が……私をそっと抱きしめて来た。

 

 だから、私は彼に伝える。

 

「……悠介。私、お腹にあなたの子供が出来たみたい」

 

 喜んで。

 私たちの赤ちゃんだよ?

 

 私たちの間に、子供が出来たんだよ?

 

 悠介さんは、そんな私に。

 

「これからは君一人の身体じゃないから、気をつけて」

 

 そっと耳元で囁くと、キュッと私を抱きしめて

 

「何かして欲しいことがあったら言って欲しい。みゆ」

 

 

 

 ……これからの事を考える。

 彼の腕の中で。

 

 う~ん……。

 

 産休、育休ってシステムどうだったかなぁ……?

 はじめての妊娠だから、産休は最大限使わせてもらうとして……

 

 私のおなか、これからどんどん大きくなるんだよね……?

 

 おなかが大きくなるにつれ、動きにくくなるだろうし……

 

 そうなった場合、悠介さんは私を助けてくれるだろうか……?

 

 私を抱きしめてくれる悠介さんを見つめる。

 

 悠介さんのことは信じてる。

 だけど……

 

 気持ちだけで全てが上手くいくと考えるほど、私はバカじゃない。

 

 悠介さんはものすごく忙しい男性だ。

 会社の拘束時間が半端ない。

 

 きめ細かい助力は期待しない方が良い。

 

 だから、他の手段を考える必要がある。

 

 私は考えた。

 

 ……真っ先に考えたのは、実家のお母さんを頼ることだ。

 お母さんなら、経験者でもあるし、助けてくれると思うんだ。

 

 じゃあ、産休を取得したら、実家に帰る……?

 実家だったら、楽だろうなぁ……

 ご飯を作らなくてもいいし。

 掃除も洗濯もしなくて良さそう。

 久々に、お母さんの子供に還れるよ……

 

 ……ん。これがいいのではないかな?

 

 そう、私は頭の中で結論をつけようとして……

 

 口に出すその寸前に。

 

 駄目だ!

 

 頭の片隅で、警告が鳴った。

 

 その案は駄目だ、と。

 

 多分、潜在意識的なものが警告を出したんだ。

 

 そこで、ハッと気づく。

 

 ……駄目だ!

 私が実家に帰って出産したら、悠介さんの立場が無い!

 

 私の家だけで完結しちゃうじゃん!

 

 私たち夫婦なんだよ!? 二つの家が関わった関係なんだよ!?

 

 そんなの絶対に良くないよ!

 

 だったら……!

 

「悠介さん」

 

 私は言った。

 考えたことを。

 

「……私、谷の家に身を寄せたいんだけど、頼めるかな?」

 

 

★★★(悠介)

 

 

 ……みゆの言葉を最初聞いたとき。

 真意がよく理解できなかった。

 

 何故僕の家?

 

 ……いや。

 迷惑だからやめて欲しいという意味ではもちろん無い。

 何故、自分の家じゃないんだろう? という気持ち。

 

 実家の方が伸び伸びできるのではないかと思うんだけど……?

 

 だけど

 

 続いた言葉を聞いたとき、僕は彼女の気づかいに感謝した。

 

「谷のお義母さんのところでこの子を産まないと、この子に谷家が関わらない!」

 

 あ……

 

 自分の実家に帰って、実家で僕らの子供を産んだら。

 生まれた子供が谷家の子供じゃなくて鈴木家の子供になる。

 

 そこを、気にしてくれたのか……

 

 さすがだ……!

 

 僕は、改めて自分の奥さんの頭の良さを感心することになった。

 

 

★★★(みゆ)

 

 

 悠介さんは、さっそく谷のお義母さんに電話を掛けてくれていた。

 私が妊娠したことと、私が産休に入ったら世話をお願いしたいということを。

 私はそれを横目で見ながら……

 

 自分は自分で、自分の家に電話した。

 

 電話番号を呼び出し、掛ける

 

 プルルル……

 ガチャ。

 

「もしもしお母さん?」

 

『……みゆ。夜遅いわね。何かあったの?』

 

 お母さんは私の妊娠をどう思ってくれるかな?

 

「私、悠介さんの子供を妊娠した!」

 

 電話の向こうで、驚いた雰囲気があった。

 

 ……正確には病院に行かないと分からないけど、多分間違いないし、良いよね?

 

『……で、予定日はいつなの?』

 

「それはまだ分からないけど」

 

 それより、本題。

 私は一拍置いて

 

「産休を取ったら、谷の家のお世話になることにした」

 

『え?』

 

 お母さん、困惑。

 私は続けた。

 

「悠介さん、仕事が忙しいし休めないから」

 

 この子の誕生に谷家の関係が欲しいの、と。

 

 お母さん、少し悩んだようで。

 少しの間があった。

 

 そして。

 

『……ウチと違うんだからね? ハメ外すんじゃないよ?』

 

 うっ

 

 ……息子の嫁はとんでもない女でした。

 そんな風に思われないようにしないと……!




原作だとすでにいつ嫁入りしても問題ない状況になりつつあるんよな。
コレも書いたときと今のギャップ
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