※この作品はR-18です。

男の子が欲しい夫婦の話。   作:XX(旧山川海のすけ)

17 / 43
原作と違うぞと言わないでね。
これ書いたときはまだ、鈴木が谷家の家族に紹介されてなかったんよ


産休に入った奥さんの話。

★★★(みゆ)

 

 

 病院で検査して。

 私の妊娠が確定した。

 

 会社で産休の手続きをしないと。

 

 総務で産休についての会社の規定を確認し。

 その手続きを行った。

 

 産休……

 ついに来たか、って感じ。

 悠介さんと結婚したときから、この日が来ることは分かっていたけど。

 

 ほぼ3年社会人をやってきたけど。

 会社内で産休を取ってる人はちょくちょく見かけたことがある。

 

 中には産休明けにそのまま会社を辞める人も居た。

 

 私の未来の姿と思って、よく観察していた。

 

 ……自分の場合はどうなってしまうのか?

 

「谷さんさぁ、産休に入る前に引き継ぎ書書いておいてね」

 

 上司の営業課の課長が、そんなことを言った。

 

 谷。

 

 私は悠介さんと結婚したとき。

 私は旧姓で仕事することを選択しなかった。

 

 旧姓で仕事をする制度がちゃんとあったんだけど。

 

 でも。

 

 苗字が変わったことが、悠介さんの奥さんになった証。

 そう思っていたから、仕事上不利になるのを知っていたけど、敢えて旧姓を選択しなかった。

 

 名刺も作り直したし。

 かなり、大変だった。

 

 で、今度は産休。

 

 ……評価、かなり落ちるかもしれないなぁ。

 

 まぁ、解雇はされないと思うけど。

 妊娠したから解雇、なんて話は聞いたことないから。

 大体、そんなのがまかり通るなら、産休の制度も無いはずだし。

 

 私は自分のデスクで、お客さんの名前やら、抱えている案件やらをノートパソコンを使って書類にまとめながら、今後の私のキャリアを考える。

 

 ……私、およそ1年、いや2年は職場から離れることになるんだろうか。

 

 営業部に配属されて。

 私の才能を発揮できる仕事はこれだ、と思ったんだ。

 

 だから、一生懸命仕事したし。

 それで、ボーナスの査定が良くなったときは、本当に嬉しかった。

 

 でも、2年……

 私は、営業の職場から離れる。

 

 私の今やってる仕事は、他の人が引き継ぐ。

 

 産休と育休が終わって。

 私が職場に帰って来たとき。

 

 ……果たして私の席は残っているのかな?

 

 気持ちが、沈む。

 

 ……勘違いして欲しく無いんだけど。

 私は別に、悠介さんの子供を身籠ったことを後悔しているわけじゃない。

 それは嬉しい。望んでいたことだし。

 

 でも、それとは別に、自分が好きだった仕事ができなくなる。

 それが悲しい……

 

 ……ここでふと、子供が出来ても働き続けられる悠介さんの顔が頭に浮かんだ。

 

 私は別に、女に生まれたことを後悔したことは無かったけど……

 このときは少し、男の人が羨ましいと思ってしまった……

 

 

 

「……谷家の嫁としてありえないとか言われないようにしないと」

 

 私は地味目だけどみすぼらしくないワンピースの服装で、スーツケースを後ろ手に引き摺りながら。

 大きな家の前に立っていた。

 

 和風の立派な門構え。

 立派なお庭。

 駐車場には立派な日本車。

 

 谷家。悠介さんの実家。

 卑しく聞こえるといけないから、確認したことは無かったんだけど。

 

 ……絶対にお金持ちだよね。

 たらー、と汗が流れて来た。

 

 私は汗を拭う。

 ……冷や汗だろうか?

 

 一般家庭の私が、こんな門構えの家の嫁になるなんて。

 

 ……これはちょっとした冒険だよね!




進めボウケンジャー
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。