※この作品はR-18です。

男の子が欲しい夫婦の話。   作:XX(旧山川海のすけ)

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パンダのいる動物園。


家族で動物園に行く話。

★★★(みゆ)

 

 

 今日は日曜日。

 悠介さんが、休みなのに休みを投げ捨てて、家族で動物園に行こうと言ってくれた。

 毎日大変なのに、ありがとうございます!

 

 

★★★(悠介)

 

 

 先日、娘の悠子が妹への指導をやり過ぎて、母親に殴られてしまった。

 可哀想だった。

 内訳を聞くと、母親の言いつけを守っただけなんだよね。

 みゆが謝るのがいいのかとちょっと思ったけど。

 美子を暴力で制裁したのはやり過ぎだから。

 父親の僕が行った方がいいのかなと判断した。

 

「悠子」

 

「ぱぱ」

 

 駆け寄って来たので抱き上げて。

 言ってあげた。

 

「ママに聞いたけど、テレビを壊さないように、美子に注意をしたんだってね?」

 

 注意、という言い方にしておいた。

 ……覚えてるのか。

 ちょっと身体が強張ってる気がする。

 

 ……通じるかな?

 

「偉いぞ。お姉ちゃんだね」

 

 暴力を振るった、という言葉は出さない。

 僕は暴力を振るったという事は知らない。その上で、悠子を褒めている。

 ……この年齢の子に伝わるだろうか? 少し、疑問だ。

 

 だけどな。

 

 母親の言いつけを守ったのは事実なのに、褒められないのは絶対に可哀想だから。

 

 どうしても、褒めてやりたいんだ。

 これが教育として正しいのかは少し分からないけど。

 

 すると、悠子がみゆに似た顔で笑った。

 褒められたことが伝わったのかもしれない。 

 

 

 

 で。

 ご褒美ということで。

 家族総出で、自宅マンションから一番近い動物園に行くことにした。

 

 たまにはこういうこともしておかないとな。

 

 おめかしする娘二人。外に出ても恥ずかしくない服を着せてやる。

 悠子は歩くのがメインだが、疲れてきたら抱っこしてやらないと。

 美子はみゆの抱っこメイン。

 こんな感じで一家4人で動物園。楽しみだ。

 

 ……そういえば。

 

 付き合いはじめた最初の夏休み。

 みゆと一緒に行ったのは動物園デートだった。

 

 そのときみゆは「カワイイ」を連呼していたが。

 

 ……僕にしてみれば、可愛いのはお前だ。

 そういうツッコミを内心入れていたものだ。

 

 今日のみゆは頭をあのときみたいなまとめ方をしておらず。

 頭の後ろでポニテにしていた。

 ……これはこれでよく似合ってると思うんだけど。

 

 服装は肌色の上着と黒のズボン。

 動きやすい感じのコーデだった。

 

 僕は藍色縦縞のシャツに黒のズボン。

 涼し気なコーデで決めておく。

 

 みゆもそういう意識を結婚しても失わないで持ってるし。

 だったら僕も最低限、そういう意識は持っておきたい。

 

 そして最寄り駅から電車を乗り継いで……

 

 やってきた。

 動物園。

 

 規模としてはそこそこ。

 

 動物園の他にも、レストランも併設されてる。

 なかなか楽しい。

 

 

 動物園に入って、見にいったのはまずレッサーパンダだった。

 

「ギャワイイイイイ!」

 

「ギャワイイイ!」

 

「キャアアアア!」

 

 ……同じ顔3つが、ほぼ同じ内容の発言をしている。

 どうなの、この状況。

 

 まぁ、いいけど。

 

 僕はレッサーパンダに群がっているみゆ、悠子、美子を後ろから眺めていた。

 そしてひとしきり興奮した後。

 みゆと悠子が会話していた。

 

「まま、どうしてパンダはパンダって言うの?」

 

「それはね、竹を食べるもの、という意味なんだよ」

 

 ……そういえばそうだっけ。

 あのときの動物園で仕入れた知識だったよね。

 

 その次は大きい方のパンダを見に行って。

 キリン、象と大きい動物も見に行った。

 

 ライオンの檻の前に連れて行ったら、美子が怖がっていた。

 ……この子、この動物の本質を見抜いているのかな?

 

 僕は娘の知性の片鱗を見た気がして。

 少し嬉しくなった。

 

 その他にも、派手な姿をした猿だとか。

 ど派手な姿をした鳥だとか。

 

 色々見て回っていたら正午になったので。

 

 僕ら家族はレストランに入った。

 

 娘たち二人に、お子様ランチを注文。

 僕はコーヒーを注文した。

 

 みゆは美子にお子様ランチを食べさせるのに、自分の食事が出来ないだろうから。

 自分だけ食事するのは何だか嫌だし。

 

 眺めているだけで十分だ。

 

 悠子はひとりで食事できるようになってるけど。

 美子がそうなるのに、一体いつまでかかるのやら。

 

「まま、美味しい」

 

 お子様ランチを食べて、プリンに取り掛かっている悠子がニコニコ顔でそう言う。

 みゆはそれに対して

 

「良かったねぇ」

 

 と、笑顔で応えた。

 フッ

 

 ……今、思わず笑ってしまった気がする。




単行本2巻の話だよ。パンダは
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