同じ曜日に初体験から3Pを所望するとんでもないヒロインがいましたが、みゆは身持ちが硬いのです。
★★★(みゆ)
「結婚、かぁ……」
私は、社宅の狭いお風呂に入りながらそれを考える。
お風呂は考え事に適してる。
湯船のお湯の中で、膝を抱えて座りながら、私はこれまでの事を考えた。
悠介さんと結婚したら。
確実に変わることがある。
それは、彼とセックスして、子供を産まなければならない、ってことだ。
セックス、ということで思い出すのは。
高校の修学旅行のとき、大部屋で悠介さんとの仲について、クラスメイトに質問攻めされたときのことだ。
あのとき、クラスメイトは「どこまでいった?」って聞いてきた。
あのときは、ハグくらいしかしてなかったけど。
あのときの私は、どう転んでいてもあのときのクラスメイトたちが求めていた「谷くんとはもうエッチした」って言葉は言えなかったと思う。
何故って、赤ちゃんが出来てしまうと困るから。
どうあっても、それは無かったと思う。
実は考えないようにしていたけど、悠介さんが迫ってくる可能性は考えてた。
悠介さんは、あまり積極的に迫ってこない男性だけど
それでも、やっぱり男性なわけで。
友達のアズから
「俺の事を本当に愛してるなら、身体を許してくれてもいいだろ、なんて言われたら拒否しなよ?」
って、負のオーラを纏わせた表情で言われたことがあるので。
アズ、言われた事あるのかな……?
彼との仲は、キスまでしか行ってない。
そして、キスまで進んだ後。
私はずっと、そこから先はどうなるのかを考えていた。
積極的に手を出してこない悠介さんだけど。
キスまで行ったから、そこから先も行けるはず。
この際だから、ここから先は強引に行ってみよう。
そう思わない可能性、ゼロとは言えないはず。
だって男性だから。
だけど悠介さんは、変わらず、恋人同士のスキンシップにキスが加わっただけで、一向に手を出してこなかった。
悠介さんの誠実さだ。
私の愛情を盾にとって、私を脅すようなことは絶対にしない人なんだ。
「アズ……」
友達の名前を呟く。
アズ。
高校二年からの私の友達。
彼女はすごい美人なのだけど、まともな恋愛をしてこなかったので、とても発言がスレていた。
でも、色々と学ばせてもらったと思う。
誠実でない男性って、どういうものなのか。
勉強させてもらったよ。
お風呂から上がった。
浴室前の姿見で、私は自分の姿を確認する。
髪。
わりと長め。
本当はサラサラストレートヘアが良かったんだけど、悲しきくせ毛のせいで、ウェーブがかかっている。
色は黒。高校の時はピンクに染めていたけど、就職するときに黒に戻したんだ。
顔。
悠介さんは「可愛い」って言ってくれるけど。
釣り目と、八重歯が実はちょっと気に入ってない。
体型……。
うん、太ってはいない……と思う。
まだ20代だけど、これから年をとっていくと、どうなってしまうのかな?
胸……。
お世辞にも大きいとは言えない。
貧しい乳と書いて、貧乳。
アズは大きいので、正直あれは羨ましい……。
改めて自分と言う存在をチェックした。
自分の事を悠介さんは愛してくれているけど。
結婚して、彼と結ばれるとき。
彼は私の裸を見て、ガッカリしたりはしないだろうか?
じーっ、と私は自分の身体を見下ろした。
特に毛深くもないし、肌の色も特に変でもない。
乳首の色も、そんなに悪くない……ハズ。
……大丈夫だよなぁ?
腕を組んで考える。
この身体を彼に差し出すときが来たら。
果たして私は劣等感を感じないでいられるだろうか?
ただでさえ、自分は色気が足りないのではないかと思うのに。
んん~。
……まぁ、とりあえず、今できることは。
これ以上、私という存在のスペックを落とさないようにすること。
でないと悠介さんに申し訳ない。
結婚は春。
それまでに……
スポーツジムに通って、身体づくりを頑張ってみようかなぁ……?
だからまあ、あれなのよ。
法的には子供作る気無いなら結婚してはいけないことになってるのよね。
(実際、セックスの拒否は離婚理由になるから)
こういう視点で法律を読むと面白いですよ。