※この作品はR-18です。

男の子が欲しい夫婦の話。   作:XX(旧山川海のすけ)

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ジャンプネタ。


鈴木を辞めた奥さんの話。

★★★(みゆ)

 

 

 そして春がやってきた。

 無事、悠介さんは大手化学工業企業に入社し、彼はそこから1か月、新入社員教育を受けて。

 1か月後、配属先が決まり、彼は運よく私の生活圏内の研究所勤務が決まったので。

 

 晴れて入籍の運びとなった。

 

「悠介さん……鈴木ってのは社会的扱いに限界があるなぁ……私が短い人生で学んだことは……鈴木はどう頑張っても谷家の一員になれないってことだ! ……鈴木を超えるものにならねばな……」

 

「……何を言ってるのみゆ?」

 

 困惑する悠介さんに、私は仁王立ちで自分の欄を記入済みの婚姻届けを突き出した。

 

 こう、叫びながら。

 

「私は鈴木をやめるぞ! 悠介さーん!!」

 

 私の心からの宣言。

 

「私は鈴木を超越するッ! 悠介さん、あなたの欄の記入でだァーッ!!」

 

 と、力強く宣言したにも関わらず、悠介さんは無反応だった。

 顔に疑問符が浮いている。

 

 ……悠介さん。

 

 そんな私の顔を見て、悠介さんは少し困ったような表情を浮かべた。

 

「……〇ョジョ読んだことない?」

 

「名前だけは知ってるけど」

 

 なんてことでしょう。

 ジョ〇ョを読まない日本人がいるなんて。

 

 駄目だよ悠介さん?

 北〇鮮の工作員だと思われるよ?

 

 私の秘蔵の名作少年漫画を、これは履修してもらわないといけないかも。

 私がそんなことを思案していると。

 

「はい」

 

 悠介さんは、とっとと自分の欄の記入を終え、判子まで押してくれて。

 完成された婚姻届けを私に渡してくれた。

 

 あとは、これをお役所に提出するだけ。

 

 そして私は、法的にも悠介さんの奥さんになり。

 私の名前はその日から「谷みゆ」になった。

 

 

 

 結婚式。

 

 実はあの後……あの、お母さんたちにお金を出してもらうことになった後。

 鈴木家と谷家の顔合わせを手近なホテルの一室を貸してもらってやったんだけど。

 

 そこで、結婚式の費用については鈴木家と谷家の親が出すことになってしまった。

 ウチのお母さんたちは、全額鈴木家から出すので構わないと最初は言っていたんだけど。

 谷家の義両親も、全額ウチが出すと言ってきかない。

 

 どうも、両家とも、子供の結婚式の費用を貯めてたようで。

 そのお金に関しては「結婚式に使われる限り、惜しくない」って思ってるみたいだった。

 

 ……こういうことがあったんで。

 私は自分の貯金を使うのは諦めた。

 何故って、まだ悠介さんは、お金を稼いでいないから。

 自分たちの親がお金を出して、そこに私までお金を出したら。

 それはもう、悠介さんの立場が無い。

 

 そこは理解してあげないといけないよね。

 

 そして話し合いの結果。

 両家で折半して、結婚式の費用をもつことになった。

 

 

 

 そして結婚式がやってきた。

 

 純白のウエディングドレスを着て、バージンロードを歩く私。

 お父さんにエスコートされながら。

 

 先に待つのは悠介さん。

 悠介さんが、お父さんから私を引き継ぐ。

 

 そして。

 

 神父様の前で、私たち二人がいついかなるときも支え合い、慈しみ合う夫婦になることを永遠に誓って。

 キスを交わし。

 

 私たちは、神様の前で夫婦になる宣言をした。

 

 

 

 披露宴がはじまった。

 

 友人代表のスピーチでは、私の側からはサトが出た。

 

「……新婦の中学からの友人の、佐藤葵と申します。悠介さん、みゆさん、結婚おめでとう……」

 

 さすがサト。

 落ち着いた感じで、淡々とこなしている。

 サトは優等生だもんね。

 

 高校時代では、学業成績はトップクラスだったし。

 物怖じしない性格。素敵だと思うよ。

 

 今は大手商社でOLしてるんだっけ?

 きっと大活躍してるんだろうね。

 

 私は友達をいっぱい式に呼んだ。

 呼ばないと失礼だから。

 

 で、悠介さんだけど……

 

 式に来てる悠介さんの友達。

 主に、高校のときのクラスメイト、大学時代の研究室の仲間、そして職場の上司……。

 高校以前の人が居ない。

 

 その様子に、私が悠介さんを変えたんだという事を自覚して、少し喜びを感じてしまった。

 でも、この喜びはちょっと口外しづらい喜びだと思う。

 別に私は悠介さんを導いてやろうと思って、変えたわけじゃないし。

 もしそうであるなら、それは思いあがった考え方だと思う。

 私と一緒にいることで、自然にそうなったんだ。

 

 だけど。

 

 私はそうなってくれたことが純粋に嬉しい。

 

 ……あ。

 サトのスピーチが終わった。

 

 サトが一礼をし、退場していく。

 続いて登場したのは……

 

「ど、どうも。新郎の高校時代からの友人……」

 

 180センチを越えるくらいの高身長。

 整えられた爽やかな髪型。

 

 なのに、少し目つきが卑屈。

 

 平だった。

 

 サトが落ち着いていたのに比べ、彼は少し落ち着きがない様子。

 

「平(ピー)と申しま……」

 

 スピーチをはじめた彼が自分の名前を言った時。

 ちょうど名前の部分に謎のハウリング音が鳴った。

 

 平のスピーチが止まる。

 

「平(ピー)」

 

 また鳴った。

 

 その後も、何度か平は自己紹介をしようとしたんだけど。

 何故か、名前を言おうとするとハウリングするんだ。

 

 ……一体どうなっているんだろうか?




現在、下の名前が分からんの、タイラズマだけなのよな。
(これを書いてるときは山西、ホンちゃんも分からなかったけど)
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