—————ああ、神様。自分が一体何をしたのでしょうか。と、一人の若きハンターが目の前の現実から逃避するかのように神への恨み言を心の中で零した。
しかしそんな事をしても状況が好転するわけもなく、地響きと共に巨大な影が揺れている。
青年はその光景に身体を震わせ気配を殺す事しかできない。
いつ自分の命が消えるか分からない状況。時は数時間前に遡る———————
彼は新米のハンターであり、今日が初めてのクエストだった。
内容は採取ツアーであり、モンスターを狩猟するわけでは無いのだが、これが自身のハンター人生の第一歩なのだと、まだ少年とも呼べるような年頃の彼は、逸る気持ちに押されるように広い大地へと歩みを進めていったのだ。
……だがしかし、そのワクワクは数十分後に吹き飛ぶことになる。
森を歩いて薬草を採取し、そろそろキャンプに戻ろうとした時、突如として空が暗くなったのだ。
何だろうと思って空を見上げてみると、どうやら何かが太陽を覆い隠していたようだった。
だったのだが……その何かがこちらに向かって落ちてくるのが分かると、少年は慌ててその場から脱兎の如く逃げ出した。
やがてズゥゥゥンッと凄まじい衝撃音と共に何かが地面に墜落した。
その何かというのが、『空の王者』とも称される火竜リオレウス……の死骸だった。
何故、それが死骸だと分かったのか。
何故なら、そのリオレウスの身体は……半分以上無かったからだ。
それはまるで、何かに喰い千切られたかのような姿だった。
「————————」
その凄惨な姿に少年は絶句する。
そもそもリオレウスは強力なモンスターだ。それをこうも蹂躙されてしまうなど、そんな強いモンスターがこの近くに生息しているなんて—————
「……まさ、か」
少年の脳内である一つの考えが浮かんだ直後、森の奥から木々を薙ぎ倒しながら、『ソレ』は現れた。
緑の巨体を揺らしながら、首まで避けたような口。
顎には無数の棘が生えており、その姿を視認しただけで恐怖で体が震えあがってしまう。
「————イビルジョー……!?」
イビルジョー。通称『狂暴竜』と呼ばれるそのモンスターは凄まじい力と食欲を持っている。
常に飢えと空腹に苦しみ、獲物を求めて暴れ回り、強靭な肉体を生かしてどんなモンスターでも喰らい付く。
その脅威は古龍にも匹敵すると言われ、ギルドからも遭遇したら実力の無い者は即撤退の命を出す程である。
このモンスターの厄介な所は特定の住処を持たず、何処にでも姿を現すことである。例え初心者向けの狩場であったとしても、こうして乱入する事があるのだから。
そして目の前にいるイビルジョーも、何度も死闘を繰り広げてきたのか全身に古傷が刻まれており、しかも口にはさっき仕留めたであろうドスジャギィが咥えられていた。
そのドスジャギィを強靭な交合力でグシャッ、と嚙み砕き、胃袋の中へと収めていく。そして、あっという間にドスジャギィを食べたイビルジョーはリオレウスの元へ向かい、今度はリオレウスを捕食していく。
さっき落ちてきたと思ったリオレウスは、このイビルジョーが投げ飛ばしたものだったのだ。
そんな状況の中、少年はその場から動かずにイビルジョーがリオレウスを喰っていく光景を見ていた。
……より正確に言うならば、恐怖で体が竦んでしまい、指先一つ動かせなかったのだ。
「はっ……はっ……っ、あ……ふう、ふう……」
—————逃げなければ。
少年の思考が導き出した結論。しかし恐怖で彼の体は脳からの指令を受け付けない。
少年は震える体を拳で叩き、必死で体を動かそうと試みる。
鈍い痛みと、死から逃れようとする生への渇望が、ようやく恐怖で固まっていた肉体を動かし始める。
……しかし、それは数秒遅かったようだ。
何せ、リオレウスを喰い尽くしたイビルジョーが、こちらを振り向いたのだから。
「————う、ぁ」
喰われる。
そう思った瞬間、動き始めた肉体は迫りくる死を回避しようと全能力を発揮する。
少年はその場から全速力で逃走する。恐らく、今まで生きてきた中で一番速く走れている気がした。
それは間違いなく火事場の馬鹿力とも呼べるものであり、生にしがみ付こうとする人間が持つ力だった。
しかし悲しいかな、モンスターと人間。彼らの間には隔絶した力の差があった。
イビルジョーは逃げ出した少年を視認すると、地面を蹴って瞬きの内に追いついてしまう。
こちらは必死で逃げているというのに、一瞬で距離を詰められてしまう。そして、イビルジョーは少年を喰らおうとその大きな顎を開く。
その瞬間、少年は石に躓いてこけてしまう。しかしそれによって体勢が低くなり、幸運にも頭蓋を嚙み砕かれることは無かった。
しかし、それでも顎まで覆われた棘のように発達した牙が少年の頭を軽く掠めてしまった。
軽く掠めたとしても、少年からすれば十分致命とも成り得る一撃。
彼の頭から鮮血が飛び散り、額から血が流れて視界を奪ってしまう。
「う、ああ……」
痛みと恐怖、そして全力疾走による疲労も相まって最早立ち上がる力すら無い。
少年が身に纏っている防具はレザーシリーズと呼ばれ、初心者向けの装備だ。
故に、イビルジョーの攻撃をまともに喰らってしまえばその時点で少年の人生は終了である。
「グルルルル……」
地の底まで響くような重い唸り声を上げ、健啖の悪魔がこちらへ一歩一歩近づいてくる。
………もう、駄目だ。どう足掻いても、少年がイビルジョーに対抗できる術は無い。
少年は自身の数秒先の未来が死という結末を迎えることに絶望し、彼の身体は抵抗するための気力を失う。
そして同時に、少年の脳内には今までの人生の記憶が走馬燈として駆け巡っていた。
せめて、一瞬で痛みが終わりますように……と、そんな事を祈るしか今の少年に出来る事は無かった。
——————狂暴竜は飢えていた。
イビルジョーという種族は、甚大なる力の代償として常に飢えと空腹に苦しむことになる。
その狂暴竜も、生まれて初めて感じたのは己を蝕む強烈な『飢え』だった。
——————足りない。
——————足りない。足りない。足りない。
——————足りない。足りない。足りない。足りない。足りない。足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない————————————
幾ら食べても決して満たされない己の身体。
肉を噛み千切り、骨を砕いて血を啜る。
味わう余裕などない。只飢えを凌ぐため、生きる為だけに獲物を喰らい続ける。
それが、狂暴竜として生まれた、イビルジョーの宿命でもあったのだ。
そして今、狂暴竜は地面に倒れ伏したままこちらを見る小さな人間を喰らおうと牙を向ける。
小さいし食べがいもなさそうだが、何も食べないよりはマシだ。
そんな事を考えながら少年を眼下まで見下ろせる位置まで来た時、狂暴竜の肉体に異変が起きた。
この人間の匂いを嗅いだ時、下腹部に僅かな疼きが生じた。
それは空腹とは違う飢え。熱を帯びたその飢えは全身を蝕み、息は荒くなる。
何だ、この疼きは。空腹とも違うこの飢えは一体—————?
……少年自身は気付いていなかったが、彼の体にはある秘密があった。
実は彼の匂い、または体液にはモンスターを発情させる性質を持つ特異体質だった。
今の少年は全力疾走と恐怖によって大量に発汗しており、匂いが強まっている。
更に頭部からは出血しており、先程の攻撃でイビルジョーの牙には少年の血液が付着している。
その部分の血を舐めたその時、狂暴竜は全身が沸騰したような衝撃に襲われた。
匂いに充てられただけで体が反応したのだ。それを直接摂取したとなると……
「………ッ!?」
本来、イビルジョーの繫殖はイビルジョーが満腹となり、その状態しか分泌されないホルモンが出た状態で、同じ状態である雄雌が出会う事で交尾を行う。
だが今の狂暴竜は、少年の体液を接種したことによって強制的に発情してしまったのだ。
種としての本能である食欲を、生物としての本能である繫殖欲が上回る。
狂暴竜の中に潜んでいた『雌』が顔を出し、尻尾の付け根の割れ目が開き、そこから艶やかな肉が密集した生殖器官が姿を現した。
「う……!?」
むわりとした熱気と共に、湿った甘ったるい匂いが少年の鼻を突いた。
イビルジョーの陰部から漂う濃い雌臭に、少年の肉体は彼自身の意思に関係なく反応してしまう。
彼の股間にある肉棒がその存在を主張し始め、大きくなっていく事で防具を内側から押し上げるような形になってかなり苦しい。
そこへ、イビルジョーの口の端から涎が零れ、少年の防具にかかる。
ちなみにイビルジョーの唾液は強酸性であり、下位の防具であるレザーシリーズはみるみるうちに溶かされてしまうのだから、少年は焦りに焦った。
「えっ、ちょっ、うわぁっ!?」
防具どころかインナーまで溶かされてしまうも、幸い皮膚にまで唾液がかかる事は無かった。しかし、それでも防具は失ってしまい、彼は丸裸になってしまう。
「グルルルルッ……♡」
地の底まで響く唸り声。その唸り声に、少し艶が混じる。
ボドボドと、陰部から大量の愛液が滝のように漏れ出ており、地面に染みを作っていた。
粘度の高い液体がドロドロと流れ落ちていく様は、まるで透明なマグマのようだった。
——————下腹部が疼いてむず痒い。
空腹よりも、この疼きをどうにかせねばならない。
イビルジョーは疼きを解消しようと少年の顔面に秘所を擦り付けた。
無論、陰部からは大量の愛液が垂れ流されている為、顔どころか全身に狂暴竜の分泌液を浴びる羽目になった。
「ぐっ!? ごぼっ、んぶっ……!?」
———————物凄い量の愛液が顔にかかって溺れそうになり、呼吸しようと口を開ければ愛液が口の中に入って飲み込んでしまう。
熱い。煮え滾った油でも飲まされているようで、喉が灼けそうだ。粘度が高いせいで喉にへばりつき、中々胃まで落ちていかない。
必死で嚥下しようとするとゴクン、と何か塊でも飲み込んだような音がした。
そこへ追い打ちをかけるように、顔にぐちゅり、とイビルジョーの陰部が押し付けられる。
加減をしているのか少年の顔が圧し潰されるという事は無かったが、熱い肉に顔面を擦られ、間欠泉の如く噴き出す愛液が口内へ流し込まれる。
息ができない。顔が熱い。口の中一杯に仄かな酸味と甘い味がする。
舌を伸ばせば、何かに引っ張られるように舌が吸い込まれる。吸い込まれた舌が味わったのは何重にも折り重なったような肉のヒダヒダと、うぞうぞと蠢く触手のような感触。
瞬間。ぎゅち、と舌が肉壁に包まれる。収縮された肉壺に舌が囚われ、ヒダと触手が彼の舌を弄ぶ。灼けつくような熱に包まれ、ザラリとした肉が吸い付き、ヌメヌメとした触手が舌に這いまわる。
舌が犯されている。そんな表現が、酸欠で意識が遠のく頭の中で浮かんだ。
このままだとイビルジョーの愛液で溺死か、陰部に顔を塞がれての窒息死か、それとも両方かもしれない。
そう思った時、イビルジョーが少年の顔に陰部を押し付けるのを止め、少年はやっと解放された。
やっとの思いで少年は呼吸する。口から粘液を吐きながら、必死で酸素を取り込んだ。
全身は粘液に塗れ、鼻は濃い雌臭のせいできかなくなってしまった。
少年がやっと息を整えて見上げると、狂暴竜と目が合った。
その瞳は明確に、つい先刻まで餌でしかなかった少年という『雄』を明確に認識していた。
————むず痒さを解消しようとイビルジョーは人間に擦り付けたがそこまでの効果は無かった。
仕方なく陰部をどけ、改めて地面に倒れている人間を見る。防具が溶けて裸となった人間の股間には反り立つ肉棒があった。
その時、下腹部の疼きが激しく本能に訴えかける。
————アレだ。早く、アレを寄越せ。喰わせろと、身体を蝕む熱は急き立てる。
種族の違いなど最早どうでも良い。一刻も早く、あの雄を喰わねばならぬ。
—————ああ。胎が、減った。
イビルジョーは再び腰を落として位置を調整する。垂れ流される愛液が逸物を濡らし、粘膜が触れる。
「うっ……!」
熱された鉄板の如き凄まじい熱さに少年は呻く。
舌で味わったイビルジョーの膣内。ほんの一瞬ではあったが、その内部は荒れ狂う竜巻の如き様相だった。
あれを舌よりも遥かに鋭敏な逸物で味わえばどうなってしまうのか—————そんな彼の不安が渦巻く内心などイビルジョーにとってはどうでもいい。
イビルジョーが腰を落とすと、少年の逸物は狂暴竜の肉洞へと飲み込まれる。
そして、腹を空かせた猛獣のように容赦なく逸物を嬲り始めるのだった。
じゅっぷ! ぐぶっ! じゅぶんっ!
余りにも違う体格差だというのに、イビルジョーの竜膣は生娘の膣内のように人間の肉棒をギチギチに咥え込み、体を揺すって粘膜同士を擦り合わせる。
肉体がぶつかると接合部から愛液が弾けて粘ついた水音が立てられる。
イビルジョーという種族は先程も書いたように、繁殖するにはかなりの運要素が関わってくる。
故に、その時に確実に孕む為に、その膣内は極上の名器と化しているのだ。
狂暴竜の膣肉が蠕動し、先程とは比べ物にならない程の動きで逸物を舐めしゃぶる。肉壁が締め潰すかのように収縮し、微細な肉の触手がねっとりと絡みついてくる。イビルジョーの体温が逸物を通して伝わり、まるで煮え立つ窯に放り込まれたようだ。
それに加え、イビルジョーの筋肉は凄まじい密度を誇っている。
人間……否、並みのモンスターを遥かに凌駕するその筋肉量は膣内でも遺憾なく発揮され、グニュグニュと分厚い肉が躍動し、ズリュズリュと揉み込みながら逸物の細かい凹凸まで扱いていく。
「う、あ、ああああっ!」
万力の如き膣圧で圧搾されながら灼熱の愛液を纏ったヒダが擦り付けられ、ヒダにびっしりと生え揃っている触手が裏筋や亀頭、カリ首や浮いている血管まで舐め回してくる。
おまけに大小様々な肉のイボイボが直接粘膜を撫で、柔らかかったりコリコリしていたりと複数の異なる感触が逸物を襲った。
ギチィ……と根元が引き千切れそうな凄まじい締め付け。狂暴竜の膣内は常に人間の絶頂時よりも何倍も強烈な締まりであり、それを強靭な筋肉で抽送運動を行う。
それによって淫肉に引きずられ、強烈なバキュームによる肉の吸い付き。
余りの吸引力に、膣内の粘膜がめくれ上がる。
四方八方から肉壁に吸い付かれ、締め付けられ、舐め回される。
狂暴竜の肉穴から齎される異次元の快楽に、少年は呆気なく精を吐きだすのだった。
びゅぐっ! びゅるるるっ! びゅーっ!
「ぐっ! ううあぁっ……!」
狂暴竜の膣内で少年の逸物から精液が勢い良く噴き出した。
肉棒が大きく跳ね、脈を打ちながら白濁した子種を放ち、イビルジョーの肉洞を汚していく。
「グォ……♡」
自らの内で跳ね、暖かな熱が内部から広がる。
初めての行為にイビルジョーは今まで生きてきた中で一番の充足感を得ていた。
ギュゥゥッと、肉壁に強く抱擁され、尿道まで絞め潰される。狭くなった尿道から精液が流れていくのが良く分かった。
脈を打つ度、肉壁がうねってヒダと触手が根元から先端まで揉み解す。
それが刺激となって陰嚢から精子が徴収され、イビルジョーへと注がれる。
「あ、ぐっ……!」
意識が明滅する。
目の前が白い。星が明滅しているようだ。
精液が搾り取られているのが分かる。それだけじゃない、何もかもが吸い尽くされている。射精して行く度に体から力が抜けていく。元々抵抗など出来なかったというのに、もう少年にできる事は何も無い。
「グルゥアァ……♡」
—————何と心地好い。
子種が胎の中に流し込まれ、イビルジョーは得も言われぬ快感と満足感を感じていた。
飢えが満たされていくこの感覚。何と好いものか。
ああ、もっと欲しい。一回だけでは到底足りない。一滴残らず全て欲しい。
底無しの食欲を持つイビルジョー。
それが性欲に変換されれば……勿論、それはとんでもない事になるのは、当然の事であった。
狂暴竜の膣は肉棒を咥え込んだまま激しく蠕動し、獰猛な竜膣は『食事』を続ける。
にゅちっ、ぐちゅっ、じゅぷ……
「あああっ! うあっ!」
鋭い牙ではなく、柔らかい肉が肉棒を咀嚼し、喰らい尽くす。殺傷力を持たないヒダと触手が、無防備な雄肉をひたすらにしゃぶり尽くす。
自身の形に密着し、うぞうぞと蠢いてヒダが揉み込み、粒が擦れ、触手が絡みつく。
一定のリズムでぐちゅっ、ぐちゅっ、と小刻みに収縮し、圧がかけられ粘液を塗り付けられる。
優しく、乱雑に、丁寧に、荒々しく。
ヒダと触手が、少年の逸物を隅々まで舐め回し、鈴口に触れると、その奥にまで触手が押し入り、犯そうとざわめく。
味わわれている。自分の生殖器が、あのイビルジョーに。
「ああ、ぐ、あああ」
灼けるような熱が股間から全身に巡る。
脳が、神経が焼き切れそうな快楽に、肉体は意識を飛ばす事すらできない。
逃げ場の無い快楽。天上にも登るような極上の拷問に、少年は頭を振り乱す事しかできない。
上の口で喰われれば痛みは一瞬で終わるのかもしれない。
しかしこの食事は、痛みが無い代わりに凄まじい快楽が延々と続くのだ。
雌肉による逸物の捕食。それは底無し沼のように少年の精神を快楽の奈落へと沈めていく。
一瞬の痛みと延々と続く快楽。行きつく先はどちらも死なのかもしれない。
生命の危機に肉体は子孫を残そうと何度も異種のモンスターの膣内へと子種を注ぐ。
孕む事の無い人間の精子を、イビルジョーの蜜壺は飲み干していく。
もう肉棒の感覚が無い。何なら勃っているのかどうかすら分からない。
感じるのは己から吐き出される精液の勢いと、イビルジョーの煮え滾るような熱と、じゅるじゅると這いまわる肉質の異なる膣肉。
そして……繋がっているのが分かる、絞め潰されるような膣圧だった。
相手はイビルジョーだ。人間ですらないモンスターだ。
異性との経験などないというのに、初めての相手がイビルジョーなど思うべくもない。
だというのに、少年は今の狂暴竜がとても魅力的に思えて仕方なかった。
少年の体質やイビルジョーが雌であった事。
その他様々な運が重なり、彼らは一線を越えた。
その事実と、齎される快感が、少年の心に変化を与えていた。
「グォアア……♡ ゴルルッ♡」
そしてそれは、狂暴竜も同じだった。
満たされる事の無かった生涯。だが今、狂暴竜の心は満たされ、幸福を感じていた。
その幸福を与えてくれた人間に、狂暴竜は愛おしさすら感じていた。
膣内で存在感を主張する、小さな肉棒。締め付けたりヒダや触手でしゃぶれば、ピクンと震えて悦んでくれているのが分かる。そして、彼の肉棒が擦れれば、甘やかな刺激がイビルジョーを襲い、子種で腹の中が満たされる事で飢えすら上回る幸福がイビルジョーを包み込んだ。
「グルルルルッ♡ ゴアァァッ♡」
「うっく! うあっ! また、出る……!」
互いが深く繋がり、感じ合っている今の彼らに言葉など必要ない。
求めるは互いの存在。全て愛し尽くそうと、己の全存在を目の前の相手へとぶつけた。
びゅぐくっ! びゅるるるっ! びゅーっ!
「あっ! ぐぅっ……!」
「ゴァッ♡ グルルァァッ♡」
狂暴竜と人間は同時に絶頂した。
肉棒は今日一番の勢いでイビルジョーを孕ませようと子種を放出する。
白く濁った精液がイビルジョーの奥底に流し込まれ、彼の遺伝子が胎の奥まで染めていく。
「グルゥ……♡」
イビルジョーの竜膣がゴキュッ、ゴキュッと音を立て、少年の精を啜っていく。外から見ても分かるぐらい、膣が脈動している。
ヒダがニチニチと搾り、触手が丹念に精を味わう。
ビュルッ、ピュッ、ピュ……
射精の勢いが衰え、少年の逸物が萎えていく。
途端、少年の意識が暗く沈んでいく。
とうに限界を超えていた肉体。逸物が萎えたことで、遂に彼の体は精魂尽き果ててしまったのだ。
「あ、あああ……」
抵抗する間もなく、少年の意識は途切れていく。
それでも、ギュウギュウと締め付ける肉壺から、イビルジョーの存在を感じたまま、少年は意識を手放したのだった。
——————数分後。
イビルジョーは少年が意識を失った事に気付き、逸物を膣内から引き抜く。
ヌポ……と肉棒が引き抜かれれば、精液が膣穴からドロリと零れた。
彼の子種が胎の中にある。満ち足りている。こんな穏やかな気分でいられるのは生まれて初めてだ。
—————ああ、何て愉しい一時だったのだろう。
可能であれば何時までも彼と交わっていたかった。だがそれは彼も自分も無理だと分かっている。
それに、そろそろ餌場を変えなければならない為、彼とは離れることになる。
だがしかし、自分がもし飢餓状態だったとしても、彼を喰らう事は無いだろうと狂暴竜は確信していた。
自身の奥底まで、彼という存在が染み付いている。彼の全てを、この肉体が覚えている。
もし彼にまた相対する事があれば、自分は即座に彼を求めるだろうと感じていた。
また、彼に逢う事があれば良いが。
そんな未来の愉しみを抱きながら、イビルジョーは去っていったのだった。
それから数時間後、少年は意識を取り戻し、拠点としている村へと戻った。
村ではイビルジョーの出現で大騒動となっていたため、皆からは心配されてしまった。
ただ、あの一件以来、少年の性癖は見事に歪み、彼はすっかりモンスターの虜となってしまった。
イビルジョーの強大さ。そして交わった時の、人間では得る事の出来ないであろう極上の快感。
その体験が強烈に刻み付けられた少年は、それから体を鍛え上げ、あらゆるモンスターと交わるようになるのだが……
それはまた別のお話である。