しかも結局分からずじまい(情弱)
ともかく沢山の方々に見てもらえてる事は間違い無いはず。とても嬉しいです、ありがとうございます
これからも自分の性癖に正直に書いていきますので皆様どうかよろしくお願いします
ということを伝えたかったのでエロ無しだけど単体で投稿することにした
潜入
「お二人とも、お忙しい中来てくださりありがとうございます」
「いえ!クヴィチ様にはお世話になりましたから!」
「困ってる人がいたら助けるのが冒険者ですから、気にしないでください」
Dランクの冒険者へ昇格してから二ヶ月が経ち、毎日新しい依頼に奔走していたリョシーセとベケスの二人は久しぶりに大聖堂の司祭長の部屋を訪れていた。事の経緯はクヴィチ司祭長から二人に極秘の依頼を頼みたいと伝えられ、依頼───しかも極秘と聞いたリョシーセが二つ返事でそれを了承し、まずは詳しい内容の説明を聞いてからとベケスが提案してきた事により、呼び出されたのが始まりだった
「頼もしいですね。それでは依頼の内容ですが───こちらの二組の貴族を名乗る男性の情報を探ってきて欲しいのです」
渡されたのは男の姿が描かれた二枚の絵だった。一人は気弱そうに笑っているの人当たり良さそうな青年、もう一人はくたびれた様子だががっしりとした体格の中年の男だった
「騎士団やお二人のような冒険者の助力により、治安が改善されこの街にも別の街や村から移り住む人が増えてきました。その貴族の方々もそうなのですが⋯」
「もしかして、物語によく出てくる黒い噂が立ってる貴族様だったり?」
「いえそういう訳では⋯寧ろ逆なんです、この二組は貴族としての記録が無いんです」
「記録が無い⋯てことは自分達は貴族だって偽ってるかもしれないって事ですか?」
ベケスの言葉に頷くクヴィチ。まず最初に気弱そうな青年の方を指さして説明を始めた
「騎士団に探らせたところ、こちらの青年の方は同じ苗字の家系が見つかったのですがその貴族の方々からはそんな奴は知らない、と門前払いされてしまい⋯それ以上の情報は得られませんでした」
「うーん⋯縁を切られた、とかかな?」
「その可能性は考えました。しかしだとすれば何故未だに貴族を名乗っているのか、という疑問が残り今度はそれを調べなければなりません。厳しい物言いになりますが⋯貴族で無い者が貴族の名前を利用する行為は犯罪です。それは追放された貴族も同様ですので」
次にがっしりとした中年の男の方の絵を指さした
「次にこちらの男性ですが、こちらも出身はわかっています。ですが⋯⋯その出身というのが『ルイワ聖王国』だそうなのです」
「「!?」」
出身国を聞いたリョシーセとベケスは目を見開いて驚いた。それもそのはず、ルイワ聖王国は聖王国とは名ばかりで世界中の悪人が集まり、ありとあらゆる犯罪が蔓延る超がつくほどの無法地帯と言われている場所だ。遠く離れたこの街の孤児院でさえ「言うことを聞かないならルイワの孤児院に送り付ける」という脅し文句があり、これを言われた子はどんなに悪い事をしていても即座に辞めるほど恐ろしい事で有名な国だ
そんな場所が何故国として世界から認められているのか⋯それはルイワ聖王国を創り、魔王を退けた『女神セラーカ』を崇めている荒くれ者達が、世界の中心に開いた大穴から這い出てくる凶暴な魔物の処理を今も積極的に行っているからだ。その範囲はなんと穴の大きさの半分にも及んでいる
そんな血の気の多い者たちの功績と、女神セラーカの「やりたいことはとことん自由に好きにやれ。俺が許す」という教えにより、ルイワ聖王国は世界一危険で自由な国とされたのだ。そんな国からやって来た貴族を名乗るこの男──────
「十中八九貴族じゃない⋯ですね」
「ええ。先程貴族で無い者が貴族の名を騙るのは犯罪だと言いましたが⋯この国では名を騙って得た収入の一部を貰うというのを交換条件に、貴族から名前を貸しているそうです」
「で、この男もその可能性が高い⋯と。あの、こっちの青年の方はともかくとして、こちらの男の方は騎士団の人達を使っては?」
「貴族は地位としては騎士団より上ですので、犯罪を犯したりしていない限り貴族相手に動かすのは難しいのです」
「だとすればわたし達でも難しい気がしますが⋯」
「うーん、やってみますがそんなに探れないかもです」
「待ってください!実はそうでもないのです」
あのルイワ聖王国からやってきた人物を探るには、さすがにバレた時のリスクが高い。そもそも騎士団でもどうにか出来ないのに、Dランク冒険者といえど10歳と11歳の子供でしかない自分達が何かできるとは思えなかった。そんな疑問を持った二人にクヴィチは慌てた様子で今度は二枚の紙を差し出した。二人はそれぞれ紙を手に取り内容を確認する
「何々⋯『住み込みで働いてくれるメイドさん募集中!年齢は10歳前後!食事も出ます!お金も貰えます!』⋯ベケスちゃん、そっちは?」
「こっちも似たような内容よ。これってつまり─────」
「はい、偶然にもその二組は全く同じ条件のメイドを募集していました。なのでお二人にはメイドとしてそれぞれ貴族の屋敷で働きつつ、情報を集めてきて欲しいのです。その条件を満たし、実績もあって信頼出来るのはお二人しかいません。どうか、頼まれてくれないでしょうか?」
クヴィチ司祭長の言葉に目を輝かせるリョシーセと再び紙を睨むベケス
「面白そう!これって潜入任務ってやつだよね!女の子がある組織の男に大好きな兄を殺されて、復讐の為にその組織に入るんだけどそこには兄に似た人が居て、その人の事を次第に好きになるんだけど実はその人が兄を殺した人物で、さらに兄の弟で女の子の生き別れた双子の片割れだったことが判明する物語で見た!」
(何ですかその悲しみしかない複雑な関係性の物語は⋯⋯)
「何それ複雑過ぎでしょ。どういう結末迎えるのよ⋯⋯って気になるけどそうじゃなくて。リョシーセ、あんたこの依頼やる気なの?」
「え?うん。私はいざとなったら気配消せるしこっちの危険そうな方のメイドさんやるね。ベケスちゃんは比較的安全そうなそっちお願い」
「⋯⋯ハァ、こうなったら聞かないわよね。いいわ、こっちは任せなさい。先に終わった方がもう片方を手伝いに行くって事にしましょ」
「いいよ!どっちが先に終わるか勝負だよ!という訳でクヴィチ様、極秘の潜入任務受けさせて頂きます!」
「功を焦ってボロ出すんじゃないわよ」という相棒からの忠告を右から左へ受け流しつつクヴィチ司祭長に向き直るリョシーセ。その言葉に司祭長はホッとした様子で胸を撫で下ろし笑顔でお礼を返した
(ん⋯?)
「ありがとうございます。こちらの方で募集はやっておきますので、お二人は知らせを受け取るまで他の依頼を受けずに待機して下さい。それと冒険者だとバレないよう、偽名を使って欲しいのですが何かありますか?無ければこちらで勝手に決めますが⋯」
「じゃあ⋯私は『リーシュ』で!ベケスちゃんは?」
「え、ええ⋯ならわたしは⋯⋯名前の一部を取って『ユミナ』でお願いします」
「リョシーセがリーシュ、ベケスがユミナですね、分かりました。それではまた後日連絡します。今日はありがとうございました」
「はーい!成果の方、期待して待っててくださいね!」
「それでは失礼します」
二人はクヴィチ司祭長と挨拶を交わし司祭長の部屋を後にした
◇◆◇◆◇◆
「⋯⋯⋯⋯はぁ~~~良かったぁ。何とか受けてくれました」
二人が去った後、クヴィチは机に突っ伏すほど安堵していた。確かにあの二人に持ってきた依頼はあの二人にしか頼めない物だったが、クヴィチにはもう一つ別の目的があった。それは───────
「お疲れ様~クヴィチちゃん♪ちゃんと出来たみたいで良かったよ。依頼もそれぞれ受けて欲しい方に上手く別れてくれたね。よく出来ました、えらいえらい」
「!?ご主人様っ!来ていたのですかっ⋯!」
耳元で囁かれた聞き慣れた声に机に突っ伏していた身体を起こすクヴィチ。すると天井から垂れてきた液体が自分のすぐ左側で人型になり、腰に手を回され頭を撫でられる。そうしたのはリョシーセとベケスによって生み出された人型スライムのキスメだった
そう、このキスメから二人にしか出来ない依頼を回すよう頼まれていたのだ。今のクヴィチにとってこのスライムの言う事を叶えることが何よりも重要だった
「うん、最初から見てたよ?途中受けてくれてホッとして違和感持たれたところもね。気付いてた?ママがそれ見て一瞬訝しんでたんだよ?ママは勘が鋭くて疑いやすいんだからバレないようにって言ったよね?」
「あっ⋯♡ご、ごめんなさいっご主人様ぁ♡」
クヴィチの顎を優しく掴み、笑顔で問い詰めるキスメ。しかしその目は笑っておらず冷たい目でクヴィチを見据えていた。神と魔物─────本来相容れず文字通り吹けば消し飛ばせる存在から、そんな目を向けられたクヴィチは怒りを見せるどころか悦びの声を漏らし、媚びへつらう様な謝罪をしていた
「まっ!ちゃんと受けてくれたしいいよ!許してあげる」
その様子を見たキスメはクヴィチの顎から手を離し、両手を広げていつもの柔和な笑顔に戻る
「ありがとうございます⋯♡しかし、これで良かったのですか?こちらの中年の貴族を名乗る男⋯本当に危険な可能性がありますが⋯⋯」
「いざとなったら僕が助けに行くから大丈夫だよ。それに危険って言ってもえっちな方の意味で、でしょ。知ってて黙ってた情報があるよね?まあ君の口から下品な情報言わせる訳にはいかないし、僕がそうしろって言ったんだけどさ。最終的に丸く収まるようにするから、クヴィチちゃんは何も心配する必要無いって」
「分かりました⋯それでっ、あの♡ご褒美の方は⋯♡」
目にハートを浮かべながらキスメを見上げるクヴィチの頬に、キスメは両手を添える
「いいよ♡たっぷりシてあげる♡クヴィチちゃんはどうされたい?」
「でっでしたらあのっ⋯!胸っ♡胸弄られながらおちんぽ嗅ぎたいですっ⋯!♡♡その後おまんこして♡♡その⋯中に、スライムおしっこを⋯⋯♡♡♡」
「ふふ、すっかりハマっちゃったね。分かった、仕事が終わったら全部してあげるよ♡朝までたっぷり、ね⋯♡」
「ふひっ⋯♡はい♡よろしくお願いしますっご主人様♡♡♡」
◇◆◇◆◇◆
三日後─────
「どうやら互いに通ったみたいだね」
「そうね」
リョシーセの泊まる宿に集まった二人の前には、今日の正午に屋敷を訪れる旨の書かれた手紙が置かれていた
「状況を纏めるわよ。まず相手にはわたし達はこの街に来たばかりの孤児で、どの孤児院にも所属してない事になってるわ。恐らくだけど、こんな条件で募集したこの貴族達はそんな孤児達を狙ったものだと思う」
「まだ荒れてた時期の街でさえ、孤児院に所属してない子どもなんて殆ど居なかったからねぇ。治安の良くなった今じゃ尚更だよね。それをこの街に来たばかりのこの人達は知らなかったんだね」
「ええ、おかげですんなりメイドになることが出来たわね。次にわたし達の変装よ。嬉しい事にこの街で冒険者としてそこそこ有名になってきたわたし達だけど、今だけはバレないようにしなければならないわ。という訳でわたしは杖を宿に置いていき、魔法を使えない読書好きの大人しい子を演じることにしたわ」
(読書好きは元からなんじゃ⋯あ、魔導書を持っていく口実か)
そう言って普段のツインテールを解き伊達メガネをかけたベケスがメガネをクイッと上げる
「おお!気合入ってる!でもそのメガネどうしたの?」
「変装したいって言ったらクヴィチ様が色々貸してくれたの。なんかあの人色々と尽くしてくれるのよね。頼りにしてくれるのは嬉しいけど、少し怖いわ⋯」
「いいな~私も変装しようかな」
ベケスはリョシーセの全身をじっと眺めた後大きく頷いた
「うん、あんたはそのままでいいわ。余計な事をせず自然体が一番よ」
「えーひどい!これでも昔は寡黙な喋り方してたんだよ。ロキリスさんに調教されてこんな風になっちゃったけど」
「なら尚更ダメじゃない。失敗してるんだから」
「うぐっ⋯⋯」
ベケスの鋭いツッコミにぐうの音も出ないリョシーセ。そんな彼女にベケスは近付くと互いの額を合わせボソボソと何か呟いた。少ししてベケスが額を離して遠くに立つ
『次はこれよ。どう?わたしの声が聞こえるかしら?』
するとベケスの口が開いてないにも関わらず、彼女の話す声がリョシーセの頭の中に響いた
「え?えー!何これ!?」
『わたしが新しく開発した頭の中で互いに話せる魔法よ。想いで語る“想語魔法”とでも名付けようかしら。これなら遠くにいても話せる筈だから今回の依頼にうってつけよ』
『んーと、こう⋯かな?聞こえるベケスちゃん』
「聞こえるわ!今日初めて使ったんだけど、どうやら成功みたいね。繋いだ相手の顔を思い浮かべれば会話出来る様になってるわ。今回の場合はわたしとリョシーセね」
「すごいよこれ!ベケスちゃん前々から凄いとは思ってたけど、本当に魔法の天才だね!」
リョシーセから勢い良く抱き着かれたベケスの頬が赤くなる
「いや⋯複数の魔法を組み合わせて無理やり繋いだだけで、心から信頼してる親しい相手にしか使えないし、複数人同時には使えないし⋯⋯まだまだ発展途上の魔法よ」
「だからだよ!複数の魔法組み合わせて新しい魔法を作るなんてまるで女神ポトジス様みたい!きっとベケスちゃんはポトジス様の生まれ変わり⋯いやそれすら凌駕する大天才に違いないよ!魔法界の歴史もこれから大きく変わること間違い無しだね」
「わ、分かったから⋯!言い過ぎよ⋯⋯あ、ありがと」
これでもかという勢いで褒めちぎられ顔から火が出るくらい真っ赤になったベケスは無理やりリョシーセを引き剥がしてそっぽを向いた
「ふふ、親友の可愛い照れ顔も拝めた事だしそろそろ行こっかな!じゃあねベケスちゃ─────じゃなかった、ユミナちゃん!」
「もう⋯⋯油断して名前間違えたりするんじゃないわよ、リーシュ」
二人は互いに別れの言葉を告げると、それぞれ自分の仕える貴族の屋敷へと歩き出した
2ルート迷った挙句二人いるんだし手分けさせて両方書こうという暴挙に出る事にした。前半はソフトな展開のベケス視点で後半はハードな展開のリョシーセ視点で書いていく予定
前回長いの書いたから今回は短くまとめていきたい