※この作品はR-18です。

褐色マゾ肉便器リョシーセ♡   作:ミダレウチ

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潜入捜査編オマケ回
二話連続投稿。こっちは一話目
長くなったから導入部分とえっちパート分けたよ



潜入捜査編 その後の話
親友の幼なじみと出会う話


潜入捜査の依頼を終えてから一ヶ月後─────

 

「リョシーセ、誕生日おめでとう」

 

「ベケスちゃん、ありがとー!」

 

リョシーセは11歳の誕生日を迎えていた

太陽が真上に来る時間帯、街は祭りのような賑わいを見せていた。この街では魔物や山賊に村を襲われ、親を失った孤児や、育てられず捨てられた子が多く住んでいる。その内の約半数が幼さゆえに両親から祝われた事を覚えていなかったり、そもそも自分の誕生日など知らない子だった

そのことを憂いた司祭長が、今年から一年に一度、対象の子全員を祝う為の祭りを開催すると宣言したのだ。そして今日が、その記念すべき一回目のお祭りの日だった。街のあちこちで、騎士の人たちからお菓子を貰って喜ぶ子どもの声が響いている

 

「孤児院でのお祝いは終わったの?」

 

「ううん、まだ続いてるよ。でも大丈夫!事前に途中で抜けるって院長先生には言ってたからね。問題はないよ」

 

「そう、悪いわね。無理言っちゃって」

 

「いいのいいの!私の孤児院はお祭りが無くても毎日騒がしいからね、いつもとそんなに変わらないんだ」

 

そしてリョシーセもこの祭りの対象者だった。朝早くから元いた孤児院に帰り、他の子達と貰ったお菓子を広げちょっとしたパーティーを行っていたのだ。しばらく談笑した後、ベケスから誕生日会に誘われていたリョシーセは約束の時間になったと伝え抜け出し、今に至る

 

「それでどこでやるの?」

 

「この前あんたが買ったあの家よ」

 

「あ、てことは⋯改装終わったんだ!」

 

あの家とは、かつてリョシーセとベケスの二人でロキリスという男とセックスした時に使っていた隠れ家の事だ。ロキリスが街から去った後リョシーセは空き家となった隠れ家を買い取り、ベケスと二人の活動拠点にするつもりだった

しかしタイミング悪く騎士団による街全体の改装工事の対象にひっかかってしまい、今まで使えなかったのだ

 

「食事ももう用意してるわ。さっそく行きましょ」

 

「うん!誕生日会、楽しみだなぁ♪」

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

「おおー、綺麗になってる!」

 

目的地に着いたリョシーセは隠れ家を見上げる。外見は新しく建てられた家と遜色が無いと言っていいほど綺麗になっていた

 

「中も見違えるほど綺麗になってるわよ。これが全部無償だっていうんだから、凄いわよねぇ」

 

「じゃあさっそくその中身とやらを見せてもらおっかな。たっだいまー!」

 

格安で買い取った家が新築同然となって戻ってきたリョシーセは、テンション高めに扉を勢いよく開ける。予想通り、家の中も大きく様変わりしていた。すきま風の無い壁、埃一つ無い綺麗な床、テーブルに並べられた豪勢な料理、そして────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

料理をテーブルまで運んでいる、一人の少年の姿がそこにはあった

 

「ベケス、おかえ────お前誰だ?」

 

「あれ!?ジャックくんがいるー!初めまして!」

 

「は?なんで俺の名前知って──────」

 

「紹介するわ、ジャック。この子がいつも話してた、冒険者仲間のリョシーセよ」

 

知らない女の子の登場に困惑する少年─────ジャックに、後から入ってきたベケスが二人の間に立ち手のひらをリョシーセに向けて紹介する

 

「冒険者仲間⋯⋯って⋯⋯⋯⋯

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────────はぁあああああああ!?」

 

少女の正体を教えられたジャックは、新築同然の丈夫な家を揺るがす程の大声で、驚くこととなったのだった

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

「あっはははははは!見た?あの時のジャックの顔⋯最高だったわね!あはははは!」

 

「いやー、まさかジャックくんが私のことを男の子だと思ってたなんてねぇ」

 

「だってベケスの奴が不安にさせるような事ばっか言うから⋯!ていうかそこまで笑うことないだろ!」

 

互いに自己紹介を終えた三人は、一緒に雑談しながら食事を取っていた。先程のやり取りを思い出したベケスが笑い、ジャックが不貞腐れる

 

「確かにリョシーセの名前と性別にはわざと触れなかったけど⋯ここまで綺麗にハマってくれるとは思わなかったわ。あー面白かった」

 

「くそぅ⋯⋯いつか絶対仕返ししてやる⋯!」

 

「まあまあ。ジャックくんは好きな人が自分の知らない男の子と冒険してて、しかも取られるのかもしれないのが不安だったんだよね?わかるよ」

 

「そ!?⋯⋯⋯⋯うだよ。時々こっちに帰ってくる度、ベケスがお前の事をすごいすごいって笑顔で話すから⋯⋯」

 

「うぇっ!?め、面と向かってそういうこと言われると⋯なんか⋯⋯本当に申し訳なくなってくるわね⋯」

 

リョシーセの言葉を素直に認めると思ってなかったのか、ジャックの予想外の反応にベケスは顔を赤くする。そんな親友とその幼なじみの初々しいやり取りを、リョシーセは生暖かい目で眺める

 

「良いねぇ惚気けてるねぇ⋯ちなみに私と話す時も半分くらいがジャックくんの話だよ」

 

「ちょっ⋯!?」

 

「⋯そうなのか?」

 

「そうだよ!ジャックくんのかっこいいところとか可愛いと感じる仕草とか⋯後は好意を真っ直ぐ伝えてくるのが恥ずかしいけど嬉しいとか、そりゃもう満面の笑みで色々とむぐっ!?」

 

リョシーセの軽い口に、ベケスが料理を突っ込み黙らせる

 

「リョシーセ、あんたちょっと黙りなさい!違うのよジャック、今のはリョシーセの冗談で⋯⋯!」

 

「お前、俺といる時すっげぇすました感じでからかってくるのに⋯裏ではそんな感じだったのか⋯⋯」

 

(あ、ジャック君の前ではカッコつけてたんだ、ベケスちゃん。ちょっと悪いことしちゃったかな?⋯⋯ていうか料理おいしっ)

 

口に突っ込まれた料理を味わいながらちらりと親友に視線を向けると、案の定耳まで真っ赤にしてプルプルと震えていた

 

「ちが⋯!?だからそれはリョシーセの冗談で⋯⋯あーもう!なんでバラしちゃうのよリョシーセー!」

 

「もむもむもむ⋯⋯ごくん。そもそもなんでカッコつけてたの?」

 

「う⋯⋯それは⋯⋯⋯ジャックが、魔法を学んでる時の私の姿がカッコよかったって褒めてくれたから⋯」

 

リョシーセの純粋な疑問に、ベケスは指先を合わせもじもじと動かしながら、消え入りそうな声で答える。その顔は頭から湯気が出ているのかと錯覚するほど真っ赤に染まっていた

 

(会話が進むとそれに合わせてベケスちゃんがどんどん真っ赤に染まっていく⋯)

 

「そうだったのか⋯でも俺はベケスがどんな態度取ろうが、好きな気持ちは変わらないからな」

 

「うっ!?」

 

(わお、どストレートに言うねぇ♡)

 

素直な気持ちを伝えられたベケスはゴンっ、と額をぶつけテーブルに顔を埋める。リョシーセが耳を澄ますと「そういうところよ⋯」や「好き⋯」などの呟きが聞こえてきた。ジャックは言ってから恥ずかしくなったのか顔を真っ赤にしたまま、誤魔化すように料理を食べ始める。リョシーセも二人のその様子に和みつつ料理を口に運ぶのだった

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

その後復活したベケスを交え、三人は楽しく語り合った

 

 

────────

 

 

「え!?この料理ジャックくんが作ったの!?」

 

「ああ、前にベケスの好物を作った時にハマってな。時々ウチの院長先生に教えてもらってんだ」

 

「そうなんだ、すっごく美味しいよ!ね?ベケスちゃん!」

 

「え?えぇ、そうね!まあ?わたしに言わせれば、まだまだこれからだけどね?」

 

(わたしが作るのより美味しいわね⋯)

 

 

────────

 

 

「⋯⋯やっぱり魔法の実験に使われたりしてるの?危なくない?」

 

「身の危険を感じる時もある。でも火に触れても熱くなかったり水の中で呼吸できたり⋯割と楽しい時もあるぞ」

 

「やっぱりって何よやっぱりって⋯それに使ってるんじゃなくて協力してもらってるのよ。第一、人に向けて危険なのは試してないわ」

 

(⋯俺に防御系の魔法かけて色んな属性の魔法を何度もぶつけてきたり、耐性調べるとかで毒とか痺れ薬振り撒いてきたのは割と危なかった気が⋯⋯)

 

(たまに魔物相手にえげつない魔法実験を平然とやってのけてるベケスちゃんの危険ラインかぁ⋯⋯どの辺りなんだろう⋯)

 

「⋯⋯二人とも、何か言いたげね?聞いてあげるから言ってみなさい」

 

「「ナンデモナイデス⋯」」

 

 

────────

 

 

「はいどうぞ。わたしが特別に用意したデザートのゼリーよ。食べてみなさい」

 

「いただきます!⋯⋯ん!甘ぁい!」

 

「本当だ、すげー美味い⋯」

 

(口に含んで味わおうとしても、気が付いたら既に飲み込んじまってる⋯⋯)

 

「これ、どこで見つけたんだ?材料は何を使ってるんだ?俺にも作れるかな⋯」

 

「ふふ、秘密よ。ま、後で説明するわ」

 

「?」

 

 

────────

 

 

───といったような話題に花を咲かせながら楽しんでいた三人が、ふと窓の外に目をやると、いつの間にか外は日が傾く時間帯になっていた。タイミングを見てジャックが口を開く

 

「わるい、俺そろそろ門限だから帰らないと⋯」

 

「そっか。じゃあちょうど一段落着いたところだし、そろそろお開きにしよっか。ジャックくん、料理ありがとう!二人とも、今日は楽しかったよ!」

 

「あ、待って!二人にいくつか大事な話があるの。それを話させてちょうだい」

 

立ち上がろうとする二人を止め、ベケスは真剣な表情を見せる。いつもと違う雰囲気に、二人は顔を合わせると、座り直してベケスの方に体を向ける

 

「大事な話って?」

 

「実はわたしね───────ホウマ聖王国に行って魔法の資格を取ろうと思ってるの」

 

ホウマ聖王国────────この世界に魔法を創り出し、そして広めた女神ポトジスの治める国で、ほぼ全ての住人が何らかの魔法魔術を扱う事ができる。ありとあらゆる魔法をここで学ぶことができ、世界中から魔法を扱う者、魔法に憧れる者が必ず一度は訪れるという王国だった

この国では数年に一度、魔法に関する検定試験なるものが一斉に行われる。各属性魔法はもちろん、治療魔法や魔法薬学、龍脈に流れる魔力の乱れによって自然に発生する魔法災害の研究などやれる事によって資格は様々だ。そんな中ベケスが目指す冒険者魔法使いの資格は、その者の実力を示し国から正式に認められる事で周りから一定の信頼を置かれるという非常に分かりやすい代物だ。ベケスはその試験に参加するという事を二人に説明したのだった

 

「確かベケスちゃんって一番下の階級の資格持ってるんだっけ?」

 

「ええ、見習い級の資格ね。これは国じゃなくても街や村で申請するだけで貰えるわ。魔法を扱いますっていう周りへの証明みたいなものね。私が取りたいのは四級⋯Cランク冒険者の魔法使いが持ってる資格の中でも最高級の資格よ」

 

「⋯取りに行くって事は、この街を出るんだよな。いつ出発するんだ?」

 

(あ、そっか⋯⋯)

 

ホウマ聖王国はこの街から魔物が湧く大穴を挟んだほぼ反対側にある。そこに向かうとなると数ヶ月、試験の結果によっては何年もベケスと会えなくなる可能性があった

 

「試験が始まる二ヶ月前くらいには向こうに着きたいから⋯出発は一ヶ月後よ」

 

「一ヶ月後か、早いな⋯」

 

「伝えるの、遅くなっちゃってごめんなさい⋯でも安心しなさい!速攻で合格して速攻で戻ってくるから、一年もかからないわ!」

 

落ち込むジャックにベケスはすぐに戻ってくると笑顔を見せて励ます。それを見た少年は首を横に振り同じく笑ってみせる

 

「しばらく会えないのは寂しいけど、嫌じゃない。それに聖王国には魔物を寄せ付けない結界があるからな。俺、そこで安全に魔法を学べるならそれに越したことはないって、前に言ったしな。望んだ形とはちょっと違うけど、それでもお前が行ってくれるなら⋯応援するよ」

 

「⋯⋯ふふ、そうだったわね。ありがとうジャック」

 

「うぅ⋯うぅうぅ~~~⋯!」

 

しんみりとした雰囲気になったところで、唸るような泣き声が部屋に響く。見るとリョシーセが歯を食いしばり、鼻水と涙とヨダレを顔から溢れさせながら大号泣していた

 

「ちょっとちょっと!どうしたのよ?リョシーセ」

 

「だっで⋯っ!ベゲズぢゃんどっ、じばらぐっ、ひぐ⋯会えないんだもん!ごんなにがなじいごどっ、ないよぅ~⋯!う゛ぅぅ~⋯じげんがんばっでねぇ~⋯!」

 

嗚咽まみれの鼻声で泣き散らしつつ、しっかりと応援も挟み込みながら、リョシーセが床に座り込む。恥も外聞も気にせず豪快に泣き続ける少女に、ベケスは頬を掻きながら目を逸らし、申し訳なさそうに告げる

 

「⋯⋯⋯⋯⋯あー⋯すっごく悲しんでるとこ悪いんだけど⋯⋯⋯リョシーセ、あんたには付いてきて貰うわよ」

 

「ずびびっ⋯!ぅ゛ぇ⋯???」

 

「二つ目の大事な話をするわね?わたしとリョシーセはこの街で冒険者として力をつけてきたわ。それこそ「この街で有名な冒険者は?」と聞くと候補に上がるくらいにはね」

 

「俺も聞いた事ある⋯若くして多種多様な魔法を自在に扱う少女と暗闇の中に溶け込み自在に姿を消したりできる、正体不明の人物のコンビだって⋯」

 

(今思えば正体不明の人物って、こいつ(リョシーセ)の事だったんだよな⋯)

 

「そう、世界中に名を轟かせたいというわたし達の夢は順調だった。でもそこで一つの壁にぶつかったの⋯それはこの街ではCランク冒険者になる為の依頼が受けられない事よ」

 

「あー⋯」

 

冒険者のランクを上げるには様々な条件がある。依頼を沢山こなす事はもちろん、ギルドが提示している困難な任務や長期的な任務を達成する事で認められ、ランクを上げることが出来るのだ

しかしこの街は魔物が湧く大穴からは遠く、ランクを上げられるような難易度の依頼や任務は滅多にないというのが現状だった

 

「その事をギルドに相談して話し合った結果、わたしは「ホウマ聖王国の試験に合格すること」がCランク冒険者になる条件になったのよ。そしてリョシーセ、あんたのCランク冒険者に上がる条件は「わたしをホウマ聖王国まで護衛する事」よ」

 

「おぉおー!?」

 

「そんな勝手に決めていいもんなのか?昇格試験って」

 

「言ったでしょ?この街の冒険者として候補に上がるくらい有名になったって⋯つまりそれだけ依頼もこなしてきたし、実力も十分認められてるのよ。多少の融通は利くわ」

 

「日々の積み重ねのおかげだね!」

 

「そうね。ランクを上げるのに足りてないのは、長期的な任務を一つこなす事⋯それで試験の話をしたら今のこの形に落ち着いたってわけ。あと、リョシーセを連れて行くのにはもう一つ理由があって⋯⋯⋯」

 

「なになに?何か他にやったっけ?」

 

目を輝かせ親友の次の言葉を待つリョシーセに対し、ベケスは呆れた眼差しを向けて言い放った

 

「⋯⋯わたしがいなくなると、あんたの手綱を握る人がいなくなってこの街から依頼が消えるって言われたわ。だから是非とも、必ず、絶対に!連れて行って欲しいって念を押されたのがもう一つの理由よ」

 

「あーっとぉ、やらかした話かぁ⋯⋯!」

 

リョシーセは思い当たる節があるのだろう、露骨に目を逸らし冷や汗をダラダラと流しまくっていた

 

「ったく、新人冒険者が経験積めないから程々にしなさいって毎回言ってるのに。いつか本当に出禁にされるわよ」

 

「いやでもぉ⋯最近はちゃんと「困ってるけど依頼出す程じゃない問題」を中心に解決するようにしててぇ⋯」

 

「それが二十四時間常にどこかしらから、あんたから助けてもらったって報告が届く受付の人の気持ちも考えなさい。向こうはあんたの体調も心配してるのよ」

 

「はい⋯本当にすみませんでした⋯⋯⋯ベケスちゃんの護衛、しっかりと務めさせていただきます⋯えへへ」

 

しゅんとした顔で頭を下げたリョシーセ。しかし再び上げた顔はにっこりと微笑んでいた

 

「なによ、急に笑い出して」

 

「だって、しばらくの間ベケスちゃんとパーティ組めなくなるから寂しいな~って思ってたんだもん!それが無くなって、一緒にホウマ聖王国まで冒険するんでしょ?嬉しいんだよ!」

 

「⋯ふふっ!ええそうね、わたしもよ」

 

「しかも冒険者ランクも上げられて一石二鳥!そうなればもっと沢山の依頼を⋯⋯えへへへへふふふふひひ」

 

リョシーセの言葉に同意したのもつかの間、続けて呟いた内容と変な笑い声を上げる彼女を見てベケスは何も言えなくなった

 

(⋯⋯どっちにしろ近いうちに街を出る必要があったわね⋯この子が変な方向でやらかす前に⋯⋯)

 

「さて、これで二つ目の大事な話は終わりよ。それで三つ目の⋯最後の大事な話だけれど⋯⋯」

 

気を取り直して今度はジャックへと視線を向ける。最後の大事な話、まで言いかけたところでベケスが沈黙する。言葉を選んでいるのか、目を伏せて左右に泳がせている

 

「どうしたんだ?何か言いにくいことなのか?」

 

「あのねジャック⋯一ヶ月後にはこの街を出てしばらく会えなくなるでしょ?でもね⋯わたし、一つだけ心残りがあって⋯⋯その⋯ジャックの事、まだ一度も満足させられてないなって⋯⋯⋯」

 

「満足って?何の話だよ」

 

「だからその⋯!⋯⋯⋯⋯⋯せっ⋯⋯⋯⋯くす⋯のことよ」

 

「「!?」」

 

ジャックの問いに意を決したかのように答える。しかし言葉尻がどんどん小さくなり、最後の方はほとんど聞き取れない程だった。それでも言葉の意味を理解した二人に動揺が走る。特にジャックはリョシーセがいるこの場でそんな話題を出すとは思ってなかったのか、リョシーセとベケスの顔を交互に忙しなく見返していた

 

「ベケス、今その話は⋯!ほら、リョシーセも聞いてるしさっ!」

 

「私は別に気にしてないよー。確かに話題の内容にびっくりはしたけど二人の関係は知ってたしね。お構いなく」

 

「リョシーセは大丈夫よ。というか、リョシーセがいる今だからこそ話したの」

 

「どういう事だよ?それに俺は⋯別にお前に不満なんて⋯⋯」

 

「嘘よ。だってシた時は、いっつもわたしが先に音を上げて終わるじゃない」

 

「な⋯!?」

 

「うわぁお⋯⋯噂には聞いてたけどそんな凄いんだ、ジャックくんって⋯♡」

 

リョシーセはジャックが絶倫だということはベケスの口から聞いていた。初めての時からその片鱗があり、最近は特に凄いらしくベケスはすぐに限界を迎えてしまうらしい。その事を伝えた時の、ジャックのほんの一瞬だけ見せる満足してなさそうな顔と、お礼を言いながら頭を撫でてくる彼の優しさがつらいとつい最近相談されたばかりだった

 

(それに読めてきたかも。私がいるのにそんな話をするってことは⋯♡)

 

「だからね、旅立つ前にあんたをちゃんと満足させてあげたいの。でも色々立て込んでて⋯長く時間を取れそうなのは今だけなの。だからお願い!今からリョシーセも交えて、3人でヤりましょう。あんたが⋯満足するまで」

 

「⋯⋯⋯はあぁぁっ!??いや、でも─────」

 

「あ、先に言っとくとベケスちゃんが良いなら私はオッケーだよ!なんなら相談受けてたからベケスちゃんが言わなかったら提案するつもりでした♪」

 

自分がいるから遠慮されるだろうと先読みしたリョシーセが即座に逃げ道を潰す。親友の悩みを解決出来る&セックスも楽しめるこの状況に、少女の脳はフル回転で稼働していた。こうなったリョシーセから逃げるのは不可能だ

 

「リョシーセ。一応聞いとくけど─────」

 

「大丈夫!まだ来てないよ!中に射精されても問題なーし!」

 

「そう、だったらいいわ⋯⋯あと、院長先生にも今日は帰らないって伝えてるから、門限の心配はしなくていいわよ」

 

「え!?じゃあ朝まで出来るじゃん!やったね、ジャックくん!」

 

完全に退路を塞がれていた。逃げられないと悟りつつも、ジャックはそれでも逃げ道が無いか考えを必死に巡らせるが⋯トドメとばかりに二人から手を握られベケスは真剣に、リョシーセは獲物を見る目でジャックを見つめる

 

「う⋯あ⋯⋯ぅ⋯⋯⋯わ、分かった?」

 

結局、勢いに押されたジャックは、混乱した頭を落ち着かせる前に了承の言葉を呟いてしまったのだった

 

「やったー!それじゃあさっそく始めちゃおっか♡」

 

「待ちなさい、リョシーセ。色々準備してきたから⋯少し、話し合いたいの。ジャック、悪いけど先に二階に行って待っててくれない?」

 

「⋯⋯⋯⋯⋯おう」

 

「すぐに向かうから。それじゃあ、また後で」




というわけで次の章から主人公達が故郷から旅立つよ。えっちなシチュエーションの幅が広がるよ。ついでに世界観も広げていきたいね
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