「佐世保教育隊から参りました香取です。よろしくお願いします。」
「基地司令の北山です。こちらこそ、よろしくお願いします。」
目の前に、官給品の白いショルダーバッグを掛けた女性が立っている。眼鏡の奥に光る眼光は鋭く、口も真一文字に閉じられている。
そしてなにより、その姿勢。敬礼の角度はきっちり45度。伸ばした手はそのまま手刀で何かを切断できそうなまでに鋭い。
ぴったり揃えたつま先から頭のてっぺんまで、体にも一切の揺るぎがない。一時停止したかのように見える。
あまりにも完璧な敬礼に逆にこちらが緊張してくる。私が敬礼で上げている右手、震えてないだろうか。
こちらの緊張を感じ取ったのか、目の前の女性、香取は姿勢を変えずにそのままニコリと笑った。
「ご緊張なさらなくてもいいですよ。私の事も、気軽に香取とお呼びください。」
彼女が敬礼を解き、腕を下ろした。肩の力を抜き、前でお淑やかに手を組んでいる。
さっきまで気高き軍人だったのが、笑顔の素敵な美女に早変わりだ。
「しかし、あー、香取…さんは大尉と伺ってますが。階級は私の方が下ですよね?」
「その通りですが、私は艦娘ですし所属も違います。タメ口でも構いません。それに私は文化教育のためにここへ来ているだけなので、階級の上下はありませんよ。」
そう、彼女は教育のためにはるばる佐世保からここへ来てくれている。教育内容というのはここに所属しているアメリカ艦へ向けてのものだ。
あの子達は一応日本の艦隊に所属しているが、その権利は結構制限がある。鎮守府の中で過ごす分には問題がないのだが、鎮守府の外は別だ。
人間の軍人と同じ用に基地内では自由に過ごせるが、外に出るには色々申請やら許諾やらが必要になってくる。
さらにあの子達はただの軍人ではなく、艦娘だ。日本の常識以前に、まず現代人の常識と食い違う点も多々ある。
艦娘が鎮守府の外で過ごすにはまず一般社会の常識と法律に慣れてもらう必要があり、それを教えてくれるのが彼女というわけだ。
「ええ、それはわかっているんですが…」
やりにくい。いくら相手がそう言っていたとしても、階級が上の相手にタメ口は抵抗がある。候補生時代の癖は中々抜けない。
「ふふっ、わかりました。かえって緊張されるなら敬語のままでも構いませんよ。そういう方、結構いらっしゃるんです。」
「ええ、助かります…。」
微笑みながらそう返してくれる。流石は教育のプロといったところか。
「本日の対象者は2名と伺ってますが?」
「ええ、もう待機させてます。一階の第一会議室に居ますが案内は?」
「こちらの部屋に伺う前に通りかかったので大丈夫です。」
「わかりました。同席した方がいいですかね?」
「同席、ですか? 初めて聞きますが何か心配ごとでも?」
不思議そうな目で見つめられる。まあ、それはそうだろう。ただでさえ激務の艦隊司令が、わざわざ部下の教育を見守る理由などない。
心配ごとは、ある。あるのだが…彼女には言えない。
「いえ! 私の部下が受けるのは初めてだったもので、必要なのかなと…」
「そうでしたか。司令のお手を煩わせる事はありませんのでご心配なく。終わったら私の方からまたご報告させて頂きます。」
「あー、はい、わかりました。では二人をよろしくお願いします。」
「はい。では失礼します。」
香取は軽く一礼し、執務室を出ていった。廊下を歩くヒールのカツンという音が聞こえなくなってから、ようやく緊張が解ける。
「はぁ…」
深くため息をつく。私が心配しているのはサムだった。
今日、香取から文化教育を受けるのはサムとジョンの二人。フレッチャーは以前の所属先で既に受けていたらしい。
ジョンはまあいいとして、問題はサムだ。あの子は基本真面目でいい子だ。天然なのとドジなのを除けば。
あの子に悪気が無いのはわかる。わかるが、こういった公の場で何かしでかしてしまうのではないかという心配が常にある。
それに…私とサムの関係もある。ジョンやフレッチャーにも秘密にしているが、サムがつい口を滑らせてしまうのではないかという心配が今は増えた。
サムとは別に、香取の存在そのものも私を不安にさせていた。
教育隊は名前の通り、艦娘やそれに指示を出す私達への教育・教導を担っている。しかしそれとは別の任務を請け負っている、という噂もあった。
教育という体で鎮守府に来て、抜き打ちの監査や艦娘からの聞き取り調査などを行っているのではないか、というものだ。
軍隊においてパワハラやらセクハラ、風紀の乱れなどが問題になるのは常であり、そういった対策を水面下で行うのもまた常だ。
候補生時代からそういう噂を聞いてはいたのだが、実際私も結構核心をついた話なのではと思っている。
文化教育とは言うが、別に動画や冊子レベルの内容で構わないだろうし、外出に際して必要という事なら初回の外出時にすればいい話。
それを、わざわざ艦娘を派遣するという著しく非効率的な手段でやっている。
監査はともかく、艦娘からの聞き取りであれば同じ艦娘同士の方が容易になるのは確かで、理に適っている。
もしも、香取の本来の目的がそっちであり、サムが口を滑らせてしまったら…?
肉体関係は…最悪、私の名誉が地に落ちるだけだ。しかし入れ替わりの件はマズイ。
そもそもが未報告な上、良くて精密検査のフルコース、悪くて再現実験。確実に面倒な事になる。
「サム…お願いだから無事に乗り切って…」
思わず両手で祈りを捧げる。あの子達が出撃する時ですら祈りなんてしなかったのに。
執務室の扉が、小さく3回ノックされた。私は時計を見る。現在16時…香取が退出してから4時間ほど経っていた。
「どうぞ。」
「失礼します。」
執務室のドアを開け、入ってきたのはやはり香取だった。私の机の前で歩みがぴたりと止まる。
その表情はにこやかなままだが、またあの毅然とした軍人面に戻り、何か糾弾されるのではないかと、私は内心怯えている。
「お疲れさまです、北山司令。本日の文化教育は2名とも完了しました。こちらの書類に確認の署名をお願いします。」
そう言って香取は2枚の書類を差し出した。文化教育講習完了書…要するに受講後に書かされるやつ。
サムとジョンでそれぞれ一枚、管理指導欄に自分の名前を書き、彼女に返す。
「はい、これで文化教育は完了です。これからは彼女達も外出申請が可能になりますので、出来るだけ希望に沿ってあげてください。」
「ありがとうございました。しかし…遠路はるばる来て頂いたのに、たった2名しかいないのはなんだか申し訳ないですね…」
「いえいえ、いいんです。私もこうして他の所属の方々とお話するのは楽しいですから。」
お話、と聞いてさっき考えていた事が浮かぶ。艦娘からの聞き取り調査。ない話ではない。
「サミュエルさん、司令と一緒にお出かけがしたい、なんて仰ってましたよ。仲がよろしいようで何よりです。」
「えっ?」
サムが?私と?全く聞いていない。初耳だ。
「はい。外出するとしてどんな所に行きたいかという話の流れで。」
「ああ、そう、そうだったんですか…」
冷や汗が出てくる。確かに最近のサムは、割とひと目を憚らず私に懐いてくる。
フレッチャーとジョンは入れ替わりの件を知っていたから、それを切っ掛けに仲良くなったのだと思っている。実際そうだ。
が、外部の人間から見たらどうなんだろう?そこまで距離が近いと不審がられるのではないか?
「司令は今まで働き詰めでろくに休暇も取れていない、とお二人も心配されてましたし、これを切っ掛けに休暇を取るのもいいのではないでしょうか。」
香取の反応からして、そこまで珍しいというわけでもないようだ。
「え、ええ。考えてみます。」
「はい。よろしくお願いしますね。随行者が居たほうが理解も早いですから。」
香取は受け取った書類をバッグに仕舞うと、あの厳格な敬礼を再び見せた。
「では、私はこれで失礼します。」
「はい。道中、お気をつけて。」
正面口から出ていく香取の後ろ姿を、二階の執務室の窓から見届ける。
特に寄り道をするわけでもなく、鎮守府を出ていくようだ。監査だの調査だのは杞憂だったかもしれない。
安心していると、執務室のドアが大きく開いた。
「提督!いる? あ、居た!」
「サム…ノックぐらいしなさい。」
部屋に勢いよく入ってきたサムは私にパンフレットを見せてきた。近隣の観光地のものらしい。
「これ、香取さんに貰ったの!今度一緒にお出かけしようよ!」
彼女の瞳はキラキラと輝いている。イエス以外の答えはなさそうだ。
「まあ…連れてってあげてもいいわ。それはそうとー」
「やったー!提督、大好き!」
パンフレットを持ったまま、私に抱きついてくるサム。ああ、これはまずい傾向だ。
「それはそうとサム、香取さんに何か言ったかしら?」
「何かって、何?」
「その、私達の関係の事とか、入れ替わりの事とか…」
「All right!なんにも言ってないよ!わたしが提督を好きなのも秘密にしてる!」
秘密にしてる、というのはこの子がそう思っているだけで、実際はバレているのでは?サムの底抜けな陽気さが逆に不安になる。
「ま、いいわ。どこ行くかは決めておきなさい。」
「うん、わかった!」
そう言うと、サムは部屋に備え付けのソファに座り、パンフレットを見始めた。
外出できるようになったのがよほどうれしいのか、足をブンブンと子供のように揺らしている。実際子供だが。
揺れる足の間に、違和感があった。
「…サム?」
「なぁに?」
「パンツ、履いてる?」
サムは基本的に良い子だ。天然とドジを除けば。が、もう1つ欠点を忘れていた。この子はノーパンが慣習になっているのだ。
私がそれを知ったのはサムと体が入れ替わった時。すぐに備品で下着を発注して、それから一ヶ月経っている。
下着はもう十分な量が届いたし、サムにも付け方を教えた。最初の数日はチェックしていたが、最近は全くしていない。
「………」
珍しく、サムが私をシカトしている。私はサムの目の前に立つと、彼女の両足を思いっきり広げた。
「サム、履いてないわね?」
「う、うん。」
そこにあったのは、一本の縦筋。可愛らしい少女の女性器が何の保護もなく空気に晒されている。
「なんで履いてないの!下着はあげたでしょ!?」
「だ、だって…めんどくさいし…」
「いつから履いてないの?」
「えっと…2週間ぐらい前から?」
思わず頭を掻きむしる。よりにもよって今日に気がつくとは。
「香取さんにはバレてない?」
「バレたらまずいの?」
ああ、この子は文化教育で何を学んだのだろう。風紀とかそういったものは無いのか。
香取にはバレてしまっただろうか。いや、ノーパンの指摘なんて現行犯以外に立証のしようがない。証拠など残そうものならそれこそセクハラだ。
少なくとも、今日は奇跡的にバレなかったと考えていいだろう。だが次に同じような機会があったら?外出先でもノーパンだったら?そう考えると恐ろしい。
「とにかく!パンツ履いて!ブラジャーも!じゃないと外出許可出さないからね!」
「ええ~!」
サムは見るからに不服そうな顔をしている。流石にここまで言えば従うだろうが…結局の所、この子はそもそもの価値観が違う。
ここで強制的に履かせたとして、またしばらくしたら履かなくなるのは目に見えていた。
深い溜息をつく。この子に常識をわからせるにはどうすればいいのか。
いや…わからないなら…教えてしまえばいい。ノーパンというものが、どれほど恥ずかしいものなのか。
「ねえ、サム。話は変わるんだけど。」
「え?なに?」
「えっちな事の続き、教えて欲しい?」
「えっ!」
サムと肉体関係はまだ続いていた。と言っても周囲の目や休みの都合があるので、入れ替わった時のを含めてまだ3回しかしていないが。
「うん!教えて!」
サムは今やパンフレットを放り出して私の方にグイグイと来ている。言質は取った。
「じゃあ、教えてあげる。」
そう、体に刻み込んであげる。
「サム?まだなの?」
執務室の扉の前で1人、棒立ちになっているサムに声をかける。
「う、うん。今、そっち行く…」
彼女は今、廊下のど真ん中に突っ立って、地面を見つめている。顔を赤くして、両手でスカートを下方向に抑えながら。
地面を見つめたまま、恐る恐る一歩を踏み出した。一歩。また一歩。その歩みはいつもの彼女とは比べ物にならないほどに遅い。
「どうしてそんなに遅いのかしら?」
彼女の耳元に、これ以上ないわざとらしい態度で囁く。
「えっと、だって、これ…」
スカートを握る手に力が入る。私はそのまま、無防備なサムのお尻を撫で、ついでにスカートを後ろからめくった。
「ひゃっ!そ、それダメっ!No!」
「どうしてダメなのかしら?ねえ?」
そうやってまた耳元で囁く。
「だって、あ、アレ、入ってるから…」
「どこに?」
「う~~。提督の意地悪。」
意地悪、その通り。否定する気はない。でも、こんな意地悪でもしない限りこの子の価値観は変わらないだろう。
サムが私を意地悪呼ばわりするなら、むしろ徹底的にやってあげよう。
「サムが黙ってるなら、これで遊んじゃおうかなぁ…」
そうして私はポケットからリモコンを取り出す。リモコンといっても片手に収まるような、ピンク色の小さなリモコン。
サムの前でそれをひけらかすと、彼女の顔は瞬く間に真っ赤になった。かわいい。
「さ、何がどこに入ってるか教えて?」
「………」
「じゃ、スイッチをー」
「わ、わかったから!言う、言います!」
「え、えと…わ、わたしの…ぷ、pussyに…ローターが、入って、ます…」
思わず、口が緩む。ここまで恥じらいを見せるサムは初めてだ。
「ふふふ…いい子ね。よく言えました。」
後ろからサムの頭を両手で包み、くしゃくしゃと撫でる。水色のキュートな髪はすぐ元に戻った。
そう、彼女にはローターが挿入されている。本体に小型電池が内蔵されている卵型の、遠隔用ローター。
"オトナの遊び"を教えてあげると提案したら、内容も聞かずにすぐにOKを出してくれた。
私は早速ローターを挿入した後で、このまま鎮守府の中を一周すると宣言。後出しジャンケンを食らったサムは珍しく狼狽していた。
それでも、私が言質を取ったのをいいことになんとか丸め込み、今こうして廊下に出ている。
「ねえサム?せっかくだから、入ってる所が見たいな。」
「でも…」
「大丈夫。誰も居ないわ。」
「うう~…」
スカートの端を握り、しばらく考え込んでいたサムだが、決心がついたのか勢いよくスカートを捲りあげた。
そこには少女の無垢な割れ目と…そこから伸びる輪っかが1本。ローターを取り出すためにあるストラップだった。
この子の小さい穴ではローターがすぐ顔を出してしまうかと思ったが、今の所は問題なさそうだ。
私が確認すると、サムは今度は勢いよくスカートを下げ、恥部を隠す。
「も、もういいよね?」
「ええ。」
「ねえ、提督。」
「なぁに?」
「わたし、やっぱりやめる!恥ずかしくておかしくなりそうだもん!戻るね!」
振り向いて執務室のドアに手をかけるサムだったが、私の手がそれを制する。
「ダメ。」
「な、なんで?」
「逆に聞くけど、サムはどうしてそんなに恥ずかしがってるの?」
「え、だ、だって…こんなエッチな玩具使ってるのがバレたら、は、恥ずかしいし…」
裸族のサムにも、そのような恥じらいはあるらしい。
「そう。恥ずかしいわよね?普通はそうなのよ。でも、エッチな玩具じゃなくても、普通はノーパンの時点で死ぬほど恥かしいのよ?」
「え?そうなの?」
うん。やっぱりサムはサムだ。何が悪いのかがわかっていない。やはり、これは矯正しなくてはならない。
「そうよ。普通はとっても恥ずかしいことなの。だからこうやってサムに恥ずかしい思いをしてもらって、ノーパンの恐ろしさを知ってほしいの。」
「サムがちゃんとパンツを履いてればどうなっていたかしら?」
「サムのお股に入ってるそれ、パンツを履いていればちゃんと隠せるわよね?もし落ちそうになっても、パンツがあればそこで止まるわよね?」
「でも、あなたは履いていない。ちょっと風が吹いただけですぐに見えちゃうし、外に出ちゃったらそのまま落としちゃう。」
「恥ずかしいでしょ?怖いでしょ?それと同じ気持ちがみんなにあるから。みんなはパンツを履くの。パンツを履く理由、わかったかしら?」
自分でも何を言っているのかわからない詭弁と屁理屈の嵐。ただまあ、ノーパンの怖さを知ってほしいのは本当に本当だ。
「よくわかんない…」
流石に言いくるめにも限界が来ている。ここは一つ譲歩して、サムを納得させるべきだろう。
「じゃあ、ゲームをしましょう。」
「ゲーム?」
「誰にもバレずに、それを落とさずに、一周してここに帰ってきたらサムの勝ち。それ以外は私の勝ち。」
「私が勝ったら下着を履いてもらうけど、あなたが勝ったら下着の件はもう忘れていいわ。」
もちろん、この子に勝たせる気はない。どれだけ大人気なかろうと。
「ほ。ホント!?わたし、やります!」
この子はなんでこんなにパンツを履きたがらないのだろう。本当に不思議だ。
サムは私の後に続いて、恐る恐る廊下を歩いている。時たま振り返って、彼女の姿を確認する。
普段の歩みに比べれば遅いが、先程のようなたどたどしい歩き方ではない。しっかりと足に地がついていた。
執務室の前の廊下をそのままずっと進み、突き当りの階段を下る。踊り場まで降りてみたものの、サムが後ろについてこない。
「サム、どうしたの?」
彼女は階段の上で、スカートを抑えて固まっている。
「ねえ提督、そこからさ…見える?」
「さて、どうかしら?」
今の所、スカートの中は見えていない。だがそれはサムが階段から離れた位置にいて、今も必死にスカートを握っているからに過ぎない。
彼女のスカートの丈なら、普通に見えてもおかしくない角度だろう。
「1階に誰かいる?そこから見える?」
他の子に見られるのを気にしているらしい。
「大丈夫。誰もいないわ。おいで。」
実際、誰もいないはずだ。私の頭にはここ一週間の鎮守府のスケジュールがギッシリと詰め込まれている。
あれだけ残業して組んだ哨戒スケジュール、忘れるはずがない。少なくとも執務室のある共用棟に、この時間帯で用のある子はいない。
サムはゆっくりと階段を下り始める。私に対して体を横に向け、絶対にスカートの中が見えないように細心の注意を払っていた。
別に、私になら見られてもいいだろうに。あれだけ勇敢な子が、これだけ臆病な姿を見せるのはなんだか面白い。
踊り場までたどり着くと、今度はじろじろとこちらを見つめてくる。先に行けということらしい。階段を下って、一階まで降りた。
サムはまた一段ずつ降り始める。なんだかじれったいので、こちらから仕掛けることにした。
彼女からは死角になっていた廊下の先を見る。誰もいない。
「あらジョン、何か用?」
あたかも、ジョンがそこにいるかのように語りかけてみた。
「え、あ、わ…」
呼ばれてもいないサムが狼狽し、足元がふらつき始めた。
「サムならこっちに居るわよ?」
「あ!ちょ、ちょっと待って!」
階段を登ろうとしたのか下ろうとしたのか。とにかくサムは足を踏み外した。
両手はスカートに張り付いたまま、足で踏ん張ろうと不器用にぴょんぴょん跳ねながら、こちらに倒れ込む。
「わっ!提督、ごめん!ぶつかー」
倒れ込んできた彼女の体を受け止める。足を踏み外したのは4,5段目くらいで、どうということのない高さ。彼女の体重なら余裕で支えられた。
「ご、ごめんなさい!」
「大丈夫よ。」
「え、えっとね、ジョン!これは…あれ?」
私に抱きついたまま、サムはキョロキョロと周りを見渡す。
「ジョンはどこ?」
「ふふっ。ウソよ、ウソ。ジョンは出撃しててここにはいないわ。」
「も~~~~っ!提督のイジワル~~~!」
抗議のつもりか、私の体を揺すっている。これだけされても意地悪呼ばわりで済ましてくれる。本当にいい子だ。
どこまでいい子でいられるか、試したくなってくる。
「じゃあ、ここからは宿舎の方に行きましょうか?」
今、私が居るのは共用トイレの前。あの夜、サムとぶつかった場所だ。ここから廊下を右に曲がると、宿舎への渡り廊下に繋がっている。
「え、そっち?」
「一周って言ったでしょ?最後にまわしてもいいけど、結局は通るわよ?」
「うう~。」
今、宿舎で起きているのは数名のみ。フレッチャーも部屋にいるはずだが、彼女はインドア派なのか中々出てはこない。他も似たようなものなので好都合だ。
しかしサムは勇気がでないようで、廊下から顔だけ出して誰もいないか必死で索敵している。
私はポケットに手を突っ込み、密かにリモコンを"弱"に切り替える。
途端に、サムがその場でぴょんと跳ねる。かわいい。
「て、提督!びっくりするからやめて!」
「ふふ、じゃあリモコンをいじるまえに言うべきかしら?サムの中に入ってるローターのスイッチを入れます、って。」
「うー、それは…」
「言ったでしょう?これはゲームなんだから、ただ歩くだけじゃつまらないわよね?こういうのには障害がないと。」
「わかってる、けど。これ、スイッチ入ったらなんだかむずむずして。」
「じゃあ、一気に走り抜けたらどう?それなら気にならないでしょ?」
「う、うん。やってみる。」
サムはゆっくり息を吸うと、廊下を走り始めた。といっても両手は相変わらずスカートを抑え、どことなくスピードも遅い。
しかし宿舎を走り抜けるには十分だろう。宿舎は中央を走る廊下の両隣に3つずつそれなりに広めの部屋があり、合計6部屋。
後ろから走り去るサムをゆっくり歩いて追いかける。サムはもう最後の部屋の前まで行っていた。
すると、いきなり最後の部屋のドアが開いた。サムとフレッチャー、ジョンが使っている部屋だ。
「サム?また廊下を走っているの?駄目じゃない。」
中から出てきた金髪の少女はフレッチャーだった。非番の彼女は今、私服のスカートとセーターを着ている。
「えっ!?」
目の前を塞がれたサムは急ブレーキをかけ、フレッチャーの目の前で止まった。
「もう!この間だってあなたが走ってなければ提督にご迷惑をおかけする事もなかったんですよ?ちゃんと反省しなさい!」
「え、えっと、あの、ご、ごめんさない。」
面白いことになってきた。サムは後ろからでもわかるぐらいに耳を真っ赤にしている。
後を歩いて追いながら、ポケットに手を突っ込み、"中"にスイッチを入れる。
「あら、提督もいらしていたのですか?何かわたくしに御用でも?」
「ジョンに用があったんだけど、今居るかしら?」
居るわけがない。それは私が知っている。
「ジョンストンですか?今出撃中ですが…。」
「ああ、そうだったわね。ごめんなさい。文化教育っていうの、私よく知らなかったから二人から聞いておこうと思ったんだけど。」
「ああ、そういうことでしたか。ではジョンストンが帰ったら伝えておきますね。」
「ありがとう。これから出かけるの?」
「いえ、廊下を走る音がしたのでもしかしたら、と。」
フレッチャーは再びサムに向き直った。
「いいですか?サム。わたくし達はステイツを代表してこの鎮守府に来ているんです。もっと自覚を持って…サム?」
彼女は今、見たこともないほどに顔を真っ赤にして震えている。フレッチャーのお説教も上の空だ。
「サム?顔が赤いけど、熱でもあるの?部屋で休んでいっても…」
まずい。サムがフリーズしている。助け舟を出したほうがいいだろう。
「ああ…さっきからお腹が痛いとか言ってて。やっぱり医務室に連れてったほうがよさそうね。」
「本当ですか!?ではやたりわたくしの方で医務室にー」
「いえ、いいわ。フレッチャーは今お休み中でしょ?私も暇だし、送るわ。いいわね、サム?」
ポンとサムの頭を撫でる。体温はいつもより熱く、汗で髪がぐっしょり濡れている。
彼女は言葉を発する代わりに、首を勢いよくブンブンと縦に振って肯定した。
「そ、そうですか?ではお願いします。」
「ええ。お疲れさま、フレッチャー。」
「は、はぁ…失礼します。」
フレッチャーは軽く礼をすると、部屋に戻った。サムは横目でそれを見届ると、無言のまま速歩きでその場を去る。
リモコンのスイッチを切り、慌てて追いかける。サムはそのまま廊下を直進して宿舎玄関から出ると、外に出てすぐ宿舎の壁に寄りかかった。
「はあああああ…♡」
大きく息を吐き出すが、そのため息はやけにトーンが高かった。今度は息を吸い始めるが、その呼吸は荒くなっている。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
「気持ちよかった?」
「……うん。すっごく…恥ずかしかったけど…なんか、気持ちよかった…」
サムの顔はまだ茹だったように赤く、そして惚けている。足を見ると、スカートの中から液体が太ももに伝っていた。
「あら、お漏らしかしら?」
クスクスと笑いながら指摘する。彼女は言われるまで気が付かなかったらしく、大慌てで私に尋ねる。
「こ、これ、フレッチャーにバレてないよね!?見えてないよね!?」
「大丈夫。バレてないわ。」
フレッチャーの初心な性格を見るに、気がついていればあのような怪訝な顔は見せなかっただろう。
「う~~~。でも、もうこんなので一周とか無理だよ!漏れちゃってるし。」
「じゃあ、一回出し切っちゃえば?」
「えっ?」
「一度気持ちよくなって、全部出しちゃえばすぐには出ないでしょう?そこらの茂みでしちゃえばいいじゃない。」
「し、茂みって…」
サムはロープで囲まれた敷地の外にある茂みに目を向ける。季節は梅雨が終わったころで、子供が身を隠すには十分に緑が濃い。
「それとも、このまま続ける?サムが廊下のど真ん中でお潮を吹いてもいいのなら。」
「…わかった。」
サムは、茂みの中でしゃがんでいた。股を大きく開けてしゃがむその姿勢は、傍から見れば茂みで花を摘んでいるようにも見える。
「ここ、本当に宿舎から見えないんだよね?」
「大丈夫。こっちに面した窓はないし、さっき出てきた玄関も閉まってるわ。」
私は念の為、木の陰に隠れながらサムを観察している。外でするのはやはり恥ずかしいらしい。
「提督も…見るの?」
「ええ。ローターを落としたらあなたの負け。忘れてないわよね?」
「う、うん。」
「じゃ、始めなさい。やり方はわかるでしょう?」
サムは、しゃがんだままスカートを片手でめくり上げた。少女の幼い割れ目からはローターのストラップが伸びており、かなり背徳的な光景だ。
小さな手が割れ目に伸びる。人差し指で割れ目に触れると、ねっとりとした愛液が糸を引いた。
そのまま、引いた糸に引き寄せられるように手が再び割れ目に触れる。
サムは、人差し指と中指で自分のクリトリスを刺激し始めた。2本の指の間にクリトリスを挟み、上下に擦っている。
「はぁ…はぁ…はぁ…あん…ぁあ…」
先程ので既に出来上がってしまっているようで、手の動きは最初から激しい。可愛らしい嬌声と水音は自然の中に消えていった。
「サム。イキそうになったら言ってね。」
「あっ…はぁ…イキそう…って、どこ…?」
「気持ちよくなって、それが最高潮に達した時にそう表現するの。まあ…行くっていう意味では、天国って事になるかも。」
「うん…あっ…いく…いく…。」
私の言葉を反芻している。無垢なサムを私の色に染める。思ったより愉しいかもしれない。
「はぁっ!あっ!はぁ…ふぅっ!」
手の動きが一層激しくなる。もはや指は2本だけでなく、手全体でひっかくようにしてクリトリスを掻いている。
力強いその手が割れ目を擦り上げる度に、ストラップがぶるぶると揺れ、滴った愛液を地面に撒き散らしている。
とても淫猥な光景だった。
「あっ、あっ、あっ!いく、い、いきまー」
サムが絶頂しようとしたその瞬間、ポケットに入れていた手で、リモコンのスイッチを"強"に入れる。
「あっーはああああああああっ♡」
しゃがんでいたサムの両足ががくがくと揺れ、前に崩れ落ちる。
「いっ!い…イくっ…あっ♡」
そのまま跪く形になるが、彼女の腕は止まらない。グチュグチュという水音と、嬌声が混じり合う。
「はっ!あっ! あああああああぁ…♡」
ビッという、鋭い水音が土を穿つ。それを最後に水音は聞こえなくなり、サムの可愛らしい喘ぎ声と、小さく洗い呼吸音のみになる。
「あっ♡て、提督、それ、止めっ…」
彼女の姿に見とれていて、スイッチを切るのを忘れていた。でも、もう少しだけ。このままでいいか。
「提督、やめっ…これ以上されたら、本当に、漏れちゃう。」
膝立ちのままずるずるとこちらに這って、私にもたれかかる。
「おしっこ、したいの?」
「するっ!しちゃうの!だから、やめー」
私はサムの後ろに周ると、その小さな体を抱き上げた。両手を膝裏にかけ、体重を私の上半身に乗せる。
体重と共に、心臓の鼓動が伝わってくる。太く、早く刻まれるその鼓動が私の胸を叩く。私まで鼓動が早くなる。
サムの真っ赤になった耳に齧りつき、甘噛をしながら熱い息を吹きかける。顔をサムの頭に突っ込み、髪と汗の匂いを吸い込む。
彼女は足をバタつかせるが、この体勢でその程度の抵抗に意味はない。彼女は今、私の目の前で強制的に排尿のポーズを取らされている。
「や、やだっ、おしっこやだ!」
「じゃあ、廊下のど真ん中でする?」
「そ、それもやだ!」
「我儘な子ね。まあ、そこが可愛いんだけど。」
私はより強く、サムを抱え直す。両足を閉じさせ、腕一本で両足を抱えた。
残る一方の手で女性器に触れる。クリトリスをきゅっとつまみ、指でグリグリと押しつぶす。
「やっ♡あっ♡」
ローターの振動は強いようで、サムの奥底に深く埋まっていても、手でその振動を感じることが出来た。
つまんだクリトリスを2本の指で擦り上げながら、振動の中心へと押しつぶしながら近づける。それと同時に、3本目の指で尿道付近をグリグリとマッサージ。
「イキなさい。サム。」
「うあ、あっ♡ ああーーーーーーっ!!!!!!」
サムの下半身が痙攣した次の瞬間、勢いよく尿道から液体が放出される。
やや黄色味がかったそれは、目の前に生えていた野木にひっかかり、周囲にアンモニア臭を撒き散らした。
女性器はまだ痙攣しているのか、ジョロジョロと流れる一筋のアーチは不規則に揺れている。
「あっ、はぁ、ああ…おしっこで…イっちゃった…」
膀胱が空になったのを見計らい、サムを地面に下ろした。
「サム、ちゃんと拭いた?」
「…うん。」
ふくれっ面でサムが答える。中身を使い切った空のポケットティッシュの残骸を突き返された。
「もう…提督のえっち。」
「ふふ、否定はしないわ。」
「でもこれで残りも大丈夫!絶対わたしが勝つんだから!」
結局、最後までローターは抜けていなかった。2度もイかせれば出てくるかと思っていたが、認識が甘かったらしい。
ただまあ、意地悪で大人げない、エッチな私の提案だ。そのまま勝たせる気なんて毛頭ない。最終手段はアレだ。
残りの道程は、つまらないほどに何も起きなかった。
鎮守府の正門前を横切り、埠頭を歩き、工廠を周る。誰とも会わず、何もなく。
執務室のある共用棟まで戻ってきた。サムはすっかり勝った気でいるようで、最初の方の恥じらいは今や全く見られない。
共用棟の一階、談話室の窓をちらりと見る。目当てのものはーあった。
「サム。私、談話室に忘れ物してたの。先に戻ってていいわよ。」
「ホント?じゃあわたし、先に行くね!」
そうしてまた廊下を駆け出した。私のいない間にゴールする腹積もりらしい。
私はリモコンのボタンを"激"に変更して、ゆっくりと談話室のドアを開ける。途中、何か甲高い声が聞こえた気がしたが気の所為だろう。
目当てのものを回収し、動くことも確認する。これでいい。談話室から出てドアを閉める。
サムはー階段の踊り場でうずくまっていた。かすかなバイブレーション音がこちらまで響いている。
「提督、こ、これっ!止めて!強すぎ!」
「ああごめんなさい。それ、止められないの。」
「えっ? ひぁっ♡」
「このリモコン、初期不良があってね。一度"激"まで進めるともう電池を抜くしか止める方法が無いの。これに気がついた時は大変だったわ…」
「う、うそ…」
「でもラストスパートよ?階段を登って、執務室の前まで行けばあなたの勝ち。違う?」
サムは暫くうーうーと唸っていたが、落ち着いたのか、あるいは決心がついたのか、ゆっくりと立ち上がった。
スカートを気遣う余裕がなかったのか、股の部分がしっとりと濡れ始めており、彼女がうずくまっていた所には水滴が滴っている。
サムはゆっくりと、一段一段登っていく。極力内股で、挿入したローターが抜けないようになんとか腰を引き締めている。
彼女が中段あたりに足を伸ばした瞬間、小声で語りかけた。
「サム、ジョンが来たわ。予定よりずっと早い!早く執務室まで行って!」
階段の踊り場から、下を覗くようなポーズで急かす。当然これもウソだ。
ただサムは引っかかったようで、慌ただしく階段を登り始めた。そしてやはりー最上段で足を滑らせる。
彼女は声を押し殺したまま、私に倒れ込んでくる。同じようにまたサムを抱きかかえると、談話室から持ってきたアレのスイッチを入れる。
それはー電動マッサージ機。明石が趣味で廃材からリサイクルして、鎮守府のそこかしこに置いてあった家電のうちの1つ。
最初から振動をマックスにして、サムの下腹部、ローターのあるあたりに押し付けた。
「ンンンン~~~~~~~~~~ッ!」
ジョンが本当に居ると思いこんでいるサムは、私のスーツに顔を押し付け、声にならない叫びを上げている。
足はガクガクと揺れ、全体重を私に預けている。それをいいことに、さらに電マをサムの股間に押し付けた。
彼女は力なく震える両足ではなく、私が支える電マに全体重を載せている。
「~~~~はぁっ♡、んぶっ!」
サムが顔を私のスーツから離した瞬間、唇を奪った。逃げるサムの頭を片手で抑え、彼女の息を奪う。
最初はジタバタしていたものの、すぐに抵抗はなくなった。まるで助けを求めるかのように私の唇に吸い付いてくる。
サムの体は震えっぱなしだ。ローターと電マの振動だけではなく、彼女もまた上下に揺れ、電マを股にこすりつけている。
少女の温かい吐息に紛れ、血の匂いと味が混ざってくる。また、興奮で鼻血を出したようだ。
私はトドメに、サムの体を電マで押し上げる。
「ひ、あっ、あああああああああ!!!!」
けたたましい振動音が響く。どうやらローターが出てきたらしく、下で出口を塞ぐ電マとぶつかり、ガタガタと音を鳴らしている。
「イク!イク、イクから、これ、止めて!おねがい、お願いします!」
私は構わず、電マをさらに突き上げた。衝突音の感覚が更に狭まる。少女の小さい膣の中で、ローターが二重に振動して快感を撒き散らしている。
「やっ!やあっ!ダメっ!ジョン、見ないでっ!あっ!」
「ふあああああああああっっっ!!!!!!」
サムの割れ目から、2,3度、鋭い勢いの潮が吹き出される。それは階段から踊り場にかけて派手に撒き散らされ、快感の激しさを物語る。
「あっ、あっ、あっ、あ…」
イった後も、サムはうわ言のように喘ぎ声を吐き出している。電マのスイッチを切り、ゆっくり離すと、少女の可愛らしい割れ目からピンク色の卵が顔を出した。
容赦なく激しく振動するそれは、少女の小さい穴をずるりと滑り落ち、階段を転げ落ちる。
そのままカタカタと床を跳ね、サムの出した潮をさらに床に拡散させている。
「よ、ようやく、出たぁ…」
まだ時折ピクリと震えるサム。力なく私にうなだれ、全体重を預けた。その下半身はスカート毎ずぶ濡れになってしまっている。
私はサムを抱きかかえたまま、ストラップに指を通してローターを拾う。
そのままストラップのついた部分をくるりと回し、蓋を開けた。電池の接続が切れ、振動が止まる。
「はぁ…あれ、ジョンは?」
「またウソよ。引っかかったわね。」
「んもぉ…提督、ズルばっか…」
「でも、これで私の勝ちって事でいい?」
「もういい、知らない。」
サムはぷいと横を向いてしまった。
「ねえサム。サムは沢山気持ちよくなったと思うんだけど…私はまだなのよね。」
彼女に耳元で色っぽく囁いてみる。
「付き合って…くれるかしら?」
サムは横を向いたまま、目だけこちらを向く。しばらく置いて、にっこりと笑った。
「しょうがないなぁ~。わたしでよければ、付き合ってあげる!」
ああ。ちょろい。こんなに可愛くて、えっちで、お人好し。この子を好きになれて本当によかった。
「先に私の部屋で待ってて。」
そう呟いて、サムを行かせた。二階の清掃室からモップを無造作に取り出し、適当に踊り場を拭う。
片付けるのも面倒になって、踊り場の壁に投げ捨てた。
シャツの前を開けながら、自室へと向かう。
部屋では、裸のサムが既にベッドの上でしげしげと電マを眺めていた。
スイッチを切り替えたり、肩や胸に当てて感触を試している。
「これ、えっちな玩具だったの?」
「本来の用途はただのマッサージ器具よ。えっちな事にも使える、ってだけ。」
上着を脱ぎ捨てながら答える。
「ふ~ん…」
「どうかした?」
「フレッチャーがさ、これ持ってたんだけど、使ってるのを見たことないからどうやって使うのかなって。」
それは…サムに使う所を見せられないからではないだろうか。多分。
シャツと肌着を脱ぎ、ズボンも椅子に掛ける。あとは下着。
「わぁ~かっこいい~…」
「かっこいい?」
「その黒い下着!かっこいい!」
サムからすればかっこいい、なのだろうか。フレッチャーやジョンもこんな下着だったはずだが。
とにかく、黒い下着で正解だった。サムの乱れる姿を見て…かなりキている。下着はもうずぶ濡れだ。黒以外だったらどうだっただろうか。
ブラジャーのホックを外し、パンツを脱ぐ。べっとりと濡れたパンツが糸を引いていた。
「今日は…サムに色々意地悪しちゃったから、今度はサムに意地悪してもらおうかな。」
「わたしに?」
「ええ。今日は何がしたい?」
「わたしと同じやつ!」
そう言ってサムは笑顔のまま、さっきまで使っていたローターと電マを差し出した。
「ふふ。いいわ。じゃ挿れてくれる?」
私はベッドに座ると、そのまま足を大きく開き、サムに女性器を見せつける。
「じゃあまずこれを…」
ローターを持ったサムが、そのまま手を私の下半身に持っていく。小さな指と、卵型の何かを感じ取った。
「それで…スイッチ!」
私の中で、ローターが乱舞し始める。いきなり"激"を選んだらしい。
サムの体にとっては大きいかもしれないが、私にとっては小さい。ランダムな振動で私の膣の中を転がりまわる。
「これ、すごいね…」
サムの温かい両手が私の下腹部を撫でる。上からでも振動が伝わっているようだ。
そのまま、ローターを上から手でゆっくりと押してくる。
「んっ!?」
膣内を暴れまわるだけだったローターが固定され、振動がダイレクトに伝わってくる。
微細な振動が壁を揺らし、かき分けるように深く深く奥へと入り込んできた。
続けてサムは電マのスイッチを入れ、私のクリトリスに当てた。
「あ…♡」
電動マッサージ機での自慰は、何度か経験がある。その気持ちよさはわかっていたのだが、他人の手でしてもらうのは違いらしい。
ふらふらと慣れない手つきでクリトリスを刺激してくる。当てたり、離したり。焦らされているような感覚。
「サム、もっと押し付けちゃっていいわ。こっち。」
「え?う、うん!」
電マを両手で握る可愛らしい腕を掴み、クリトリスに押し付ける。痺れるような、甘い感覚。
痺れを共有したくて、サムの頭を抱え得て抱き寄せる。そのままキス。唇、頬、顎、首。温かく滑らかな肌を味わう。
サムも真似をしようとしているのか、夢中で私の肌にキスをする。吸うということはなく、単に口づけをしているだけだが、それでも愛らしい。
「サム。下がおろそかになってる。もっと押し付けて?」
「ん、んふ。OK。」
押し付けられた電マが、ローターにぶつかる。肉越しにぶつかったその2つは共鳴するようにガリガリと音と快感を撒き散らしてくる。
電マの振動でローターがさらに跳ね回る。逃げ場のないローターが、膣内を荒らし回る。
「もっと、もっとよ。私がやったみたいに、下から押し上げて。」
サムは腕をやや下に伸ばし、電マの曲面をぴったりと女性器のくぼみに密着させる。
心臓が揺れ、呼吸が乱れる。それらを振りほどくように、サムの肌に吸い付く。
それでも足りない。腰を揺らして自分から電マにこすり付ける。自分の体重でクリトリスが潰れ、振動の餌食になる。
腰を前後させながら、サムにすり寄る。腰を浮かせ、サムに覆い被さるようにジリジリと距離をつめる。
「サム、もっと、もっと、もっと!もっと強くやって!」
「えっと、じゃ、じゃあ…はいっ!」
ずる、と何かが入り込む感覚があった。私の膣がなにかを締め付けている。
「サム、これ、入ってー」
次の瞬間、膣内からけたたましい衝突音が響く。電マとローターの衝突音。
「あ、サム、あっ、これ、やばっ…」
私の膣に、電マの先端が入っている。その感覚がある。なにより、衝突音がそれを物語っている。
肉越しの衝突ではない。器具同士でぶつかっている。下から当てられた電マが、ピンボールでもするかのようにローターを膣内で跳ね回らせている。
電マのサイズはサムの手よりは小さいが、入るとは思っていなかった。でも…気持ちいい。
「提督?」
「あっ、すごっ、あっ!ああああっ!」
奥まで入れたら、どうなるだろう。子宮まで届いたら、どうなるだろう。
サムを両手で押し倒し、仰向けに寝かせる。
「あっ♡はぁ、サム、そのまま、両手で、持って、てー」
「う、うん。」
今、電マはサムの太ももの間に両手で保持されている。先端は私の中にあり、上を向いている。
このまま体を沈めれば、入る。
「はぁっ、はぁっ、はぁ、あっ…」
口はもう開きっぱなしだ。息のむ暇もない。サムはそんな私を驚いたような目で見上げている。
「ふっ…」
息を吐きながら体を下ろしていく。逃げ場のないローターが電マに押し上げられ、衝突音がさらに多く、細かいものになっていく。
「う、うっ、ああああああ…♡」
今にも腰が抜けそうだ。頭に押し寄せる快感と浮遊感を処理しながら、ゆっくりと下ろす。
そして、電マとローターが膣の奥底にぴったりと嵌った。ローターが私の一番深い所でビートを刻んでいる。
その振動を周囲の膣壁に100%の力で伝え、電マがそれを増幅する。
「あっ、あっ♡ささ、刺さっちゃた♡あっ♡」
「て、提督?大丈夫!?」
「大丈夫じゃっ!ないっ♡」
ああ。これはダメだ。本当にダメだ。おかしくなる。直接、脳の快感のボリュームをMAXにされているみたいだ。
サムは両手を電マから離していた。下を見ると、私の女性器から電マの持ち手部分が僅かに生え、宙でブルブルと震えている。
「こ、これ抜いたほうがいい?抜くよ?」
電マに手をのばすサムの両手を奪い、ベッドに叩きつけた。
「ダメっ!それはダメ!あっ♡」
ダメ。そう。ダメだ。ここまで来たらバカになってやる。どこまでいけるか試してやる。
腰をさらに落とし、電マの持ち手をベッドに突き刺す。
「っ!あああああああああああああああああああっ!」
今まで使った中で一番大きいのはサムの腕だ。太さだけなら、サムの腕だろう。でも、これは違った。
長さが、長さがすごい。今まで使ったどんなものよりも深く私を責め立てている。ドリルで穴を空けられているみたいだ。
振動がドンドンと、子宮と内臓を叩く。絶対、健康に悪い。でも、気持ちいい。
持ち手を見る、ベッドに深く突き刺さったそれは、私に快感を与え続けていた。
目線を上に伸ばすと、そこにはサムの体があった。私のそれを同じようにびしょびしょに濡れ、ピンク色の粘膜が顔を出している。可愛らしい少女の蕾。
「はあっ♡サム、私ね、生えちゃったみたい…♡」
「えっ?」
「この、おちんちんで、サムも、気持ちよく、してっ…♡あげるわ…♡」
「え、いやあの、わたしはもう…」
腰を前に突き出し、持ち手をサムの割れ目に押し付ける。
「ひっ!提督、やめー」
そのまま腰を突き抜けさせ、持ち手の先端で強引にサムのクリトリスを下から引っ掻いた。
「あっ!」
今なら、私も男の気持ちがわかるかもしれない。自分の持っている棒が、柔らかな少女を犯す背徳感。
そしてその棒は、今も私の快楽と欲望のスイッチを連打しまくっている。もう止まれない。
サムの片足を持ち、ぐいと上に持ち上げ、その足の隙間に斜めに寝かせた下半身を挟む。松葉くずしの体勢。
「やっ!提督、それ、怖い!」
「すぐっ!気持ちよくなるから!んっ♡」
そのまま、私から飛び出た電マの持ち手の先端を、サムの秘部に挿入した。
私の膣はもう快感でオーバーフローを起こしていて、サムの膣にどれだけ抵抗があるのか、ちゃんと入っているのかすらわからない。
でももうそんなことどうでもいい。持ち上げたサムの片足を舐めながら、腰を叩きつけた。
「あっ、これ、すごいっ♡提督、すごいよっ!」
サムの小さい足を太ももに挟み、腰を揺らす。既に大洪水の私達の太ももはヌルヌルと滑り、摩擦はもはや感じられない。
腰で円を描き、挿入された電マの持ち手で彼女の膣を責める。時折抜いて、今度はクリトリスに突き刺す。
サムの足を更に引き寄せ、女性器同士を密着させる。もう、外からは電マが見えない。両足を揺らし、クリトリスをサムの太ももにこすりつけた。
「サムっ♡そろそろ、限界、くるから♡」
「来てっ!あっ♡、提督、来て♡」
「あっ♡サムっ!サムっ!サムっ!あっ!あっ!ああああああああああああっ!!!!!」
「ふ、あああああああ…♡」
びくん、と体に電流が走った後、快楽の大波が押し寄せた。
稲妻のようなビリビリとした痺れと快感が脳を襲う。体は震え、呼吸もままならない。
サムも似たような状況のようで、私に預けた足をピンと伸ばし、筋肉を硬直させている。
「あっ!出るっ♡あああああああああああああああ!!!!」
何かが出た、気がする。私が男だったのなら、精子が出たんだろう。
でも実際に出たのは、私のとも、サムのものともわからない。潮吹きなのか、失禁なのかもよくわからない液体。
とにかく、温かい液体が接合部からジョロジョロと勢いよく漏れ出しまくっていたのはわかるが、感覚が麻痺して何なのかはよくわからない。
「へ、あ、て、てい、とく…それ、ぬいて…」
鼻血と涎、涙で顔をぐしゃぐしゃにしたサムが、なんとか言葉を絞り出す。
ずぐずぐになっていた私達の接合部で、まだ電マが動いていた。
ゆっくりと、サムから体を離していく。持ち手部分をサムから引き抜くと、その持ち手を掴んで引きずり出す。
「う、ああああああ…♡」
電マとともに、私のなにかが口から抜け出ていった。二人の間から出産されたそれは、液体と泡に塗れ、ベッドの上に産み落とされた後でもブルブルと動いている。
「はぁっ♡これ、すごかったわね…」
息も絶え絶えにサムの方も見る。彼女もそう感じていたのか、言葉はなくゆっくりと頷いた。
二人の荒い呼吸と、ベッドの上で震え続ける電マの音だけが流れる。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」
おかしい。どれだけ深呼吸しても、まだ心が落ち着かない。サムを犯したという達成感か?いや、違う気がする。
ベッドの上で揺れる電マを見て、気がついた。
「あれ、ローター、どこ…?」
ベッドの上を見渡す。そこにはローターのストラップがあった。
ストラップだけが。
「えっ…」
私の下腹部は未だ快感の余韻が残り、痺れ続けている。本当に?痺れているのは本当に余韻のせいだろうか?
恐る恐る、手を下腹部に当てる。そこには、私の中で揺れるものがまだ確かにあった。
「えっ、これ、やばっ…」
リモコンを探す。見つかりはしたが、スイッチは"激"に入れられている。
一縷の望みをかけてスイッチを切るが、故障していた事実は治らない。今もなお、私の中で振動を続けている。
血の気が引いた。興奮状態から覚め、現実に引き戻される。
このローターは、初期不良に気がついてすぐに使用をやめたものだった。サムに使った分も差し引いても電池は新品同然と言っていい。
あと何時間残ってる?少なくとも、日付が変わるまでは持つだろう。それまでずっとこのまま?
いや、電池が切れたとして入っている事実は変わらない。取り出さなければ。
指を入れ、ローターを探る。振動を便りに指先を伸ばす。かなり奥まで行っているらしい。
中指の先端がローターに触れた。まだ元気に振動している。
「あー…」
どれだけ指を奥深く突っ込もうとしても、先端でしか触れることが出来ない。
中指で引っ掻く程度の事しか出来ず、いくら引っ掻いても動く様子が微塵もない。
さらに悪い事に、冷静になったからか体の感覚が戻り始めた。心臓は再び踊りだし、呼吸は乱れ、下半身からじわじわと熱が上がってきている。
まずい。本当にまずい。
「さ、サム!起きてる!?」
「なぁに~?」
度重なる絶頂で体力を消費しきったのか、サムは先程の体勢のままだらんと力なく項垂れていた。
私が声をかけていなければそのまま寝ていたかもしれないというぐらいにはリラックスしている。
「ローターが抜けないの!」
「ろーたー?」
「あなたが入れたピンク色のやつ!」
「あれ?輪っかがついてなかった?」
私はストラップを拾い上げ、サムに見せる。
「えっ…えええ!?」
緊急事態であることを理解したのか、目を大きく見開いて体を起こした。
「えっと…出てこないの?指を入れたら?」
「ギリギリ届かないわ。引き出すのは無理。」
二人共無言になる。部屋に響くのは私の中のローターと、そのまま置き去りにされっぱなしの電マの駆動音。
試しに、立ち上がって体を揺すってみたり、お腹側から手で押してみる。効果はなく、ローターの振動が私に快感を与えるだけ。
「じゃあ、わたしが取ってあげる!」
そう言って、まだ鼻血の滲んだ顔でニコリと笑った。
私は今、ベッドの上で四つん這いになり、サムにお尻を向けている。
この前、彼女に腕を入れてもらったときはもうー大変だった。そして今回はローターまで入っている。
正直そんな気分ではないのだが、体にある性感帯が放つ熱には叶わない。全身が熱く、汗を吹き出している。
「サム、ローター見える?」
「う~ん、それっぽいものは見えるかな?」
「じゃあサム、お願い。」
「うん、まかせてまかせて!」
サムの小さな手が、私の中に入っていく。
「うっ…ふううううう…」
落ち着いて、ゆっくりと息を吐き出す。冷えた手が私の下半身を静める。
そう、これは別にそういう行為じゃない。いや、サムにそういう事をされるのは好きだ。
でも今は違う。ここでヘンに気持ちよくなって本来の目的を見失ってはいけない。
冷静に、静かに。冷たく。冷たい…手が気持ちいい。ダメだ、サムの手が頭から離れない。
私の中をかき分けて、サムが入ってくる。途中でそれが止まった。
「ちょっと待ってね提督、もうちょっと奥まで…」
彼女の腕に力が入る。グリグリと左右に回され、膣壁が擦られる。
「いっ、あっ、も、もうちょっと、ゆっくり!」
思わず前に逃げるが、サムは逃してくれない。
「提督、もうちょっと我慢して!そろそろ届きそう!」
「いや、も、もっと慣れてからーああああああああああっ!!!」
こつん、と私の中でサムの指がローターを突いたのがわかった。ローターの振動が奥深くを襲う。
「あっ!届いた!多分これだと思う!」
サムは届いた指先でなんとかローターを掴もうとするが、掴めない。
指先でローターをなんとかひっかけようとするが、愛液に満ちた膣はローターを一箇所に留めることはなく、指先で掴もうとすればするほど、するりと逃げる。
「ダメっ!サム!やめて!転がさないでっ!」
「だ、だって上手く掴めなくて…」
「あっ♡ああ♡ ダメ!一回抜いて!」
「もうちょっと入れれば他の指も届いて…ふんっ!」
サムの腕が、さらに数センチ入り込む。
「あっ!ああああああああああああああああああっ!?」
ダメだ。前入れたときより深く入ってる。ダメだ。ダメだ。ダメだ。体が危険信号を発している。
「えっと…これかな?」
深く入れた時にローターを見失ったようで、サムは再び指先で丸そうなものをつまむ。
そしてそれは、ローターではなかった。
「~~~~~~~~~っ!」
今まで感じたことのない快感の波が私を襲う。サムが、彼女が私の中にある何かを擦って、それがダイレクトに快感になって襲ってきた。
まともな呼吸がもう出来ない。私の体はサムの腕に押しつぶされ、叫びと一緒に酸素までが口から流れ出ている。
「このぷにぷにした奴でいいんだよね?」
そうしてまたサムが触る。それと同時にまた快感の波が二波三波と襲ってくる。
「あっ!違うっ!ダメ!それ違う!やめて!」
「え、この丸っこいのじゃないの?」
「やめてっ!触ら…あっ!触らないで!それ子宮!」
「しきゅう?」
「違うの!それローターじゃないから!おかしくなるっ!あっ!」
サムが手間取っている間にも、ローターの責め苦は続いている。彼女の腕と指が与える快感を、ローターが増幅している。
もう既に、自分でも膣が絶え間なく痙攣しているのがわかる。お腹と太ももの血管がドクドクと動き、快感を全身に駆け巡らせている。
「えっと…じゃあこれ?」
サムはローターを見つけるが、また指先が滑って逃してしまう。
「また滑った!ん~一旦押し付けて…」
もう指で滑らせまいと、サムはまずローターを押さえつけた。それはいい。
問題は、彼女がそれを実行したのが、私の子宮口のど真ん中ということだった。
「ああああああああああああああああああああああっ!?」
「我慢して提督、もうちょっとで掴めそう!」
「やめでっ!無理っ!入る!子宮にはいっぢゃう!やめて!許して!」
泣き叫んでサムに許しを請う。それでも彼女は止まってくれなかった。逃げようとして前に出るが、手足がついてこない。
「あ゛っ!?」
その勢いのまま、ベッドにうつ伏せで倒れ込む。衝撃で、サムの腕がまた私の子宮を突く。
「んぐっ、ううううううううううう~~~~~!!!!!」
私の下半身は震え、サムの手を離さない。全身が痙攣してもう感覚がない。頭だけが鮮明で、バチバチと電流が流れている。
もうまともな言葉も話せずに、ぐしゃぐしゃのベッドシーツに噛み付く。
「あっ!掴めたよ!抜くね!」
待って、という言葉は発せなかった。次の瞬間、私の膣に衝撃が加わる。
サムは…ローターを握ったまま、握りこぶしのまま、私から手を抜こうとしている。
そんなもの、抜けるはずがない。通るはずがない。入れた時だって、手を窄めて、私の頭を焼き切ってようやく入ったぐらいだ。
サムの手が私の中でひっかかる。ひっかかるだけならどれほどよかったか。彼女の拳骨は、握ったローターの振動をそのまま私に伝えていた。
もう体が動かない。全身が痙攣して、力が入らない。ただ私の頭と、女性器の感覚だけが繋がっているだけだった。
「んんんんんんっ!もうちょっと~~~!!」
「あっ!抜けそうっ!」
サムの拳が、私の一番狭い所を暴力的に擦った。ローターの振動を伴って。
「んんんんんんんんんんんんんんんんんっ!!!!!!!!!!!!!」
シーツを噛みちぎりそうな勢いで噛み、快感に耐える。バチバチと頭が鳴り、鼻水やら涎やらが呼吸をゴボゴボと阻害する。
体を巡る快感を逃がす場所がわからず、その場でジタバタと醜く藻掻く。頭を自分でバンバンとベッドに打ち付ける。
それもすぐに息切れし、ふわっとした高揚感に包まれた。下半身に温かいものが流れる感覚が伝わってくる。
痙攣はまだ続いている。快感も全身を巡っている。魂が抜けたように体が軽く、多幸感がしよせてくる。
「て、提督…大丈夫?」
サムが心配そうな顔で覗き込んでくる。
うん。一回だけ首を縦に振った。
「大丈夫?起きれる?」
いいえ。何もできない。
「えっと…喋れる?」
声を出そうとするが、口から出るのは枯れた声と涎、少しの泡だけだった。
「だい…じょぶ…」
サムはますます心配そうな顔をしている。こんな状況で何が大丈夫というのか。
「ね…サム…」
「なぁに?」
「わたし…だっこして…」
「OK!」
サムはゆっくりと私の体を起こし、まずは仰向けにする。そのまま背中に腕を差し込んでゆっくりと私の上半身を持ち上げた。
力なく、首をだらんとサムの方にもたげる。サムは私の上半身を引き寄せると、背中に手を回して抱きかかえてくれた。
小さい。とても小さい。しかしその小さな体が私を支え、抱きしめてくれている。温かく優しい肌。
サムの肩に顎を乗せて…目を閉じた。浮遊感に身を任せる。
目を覚ますと…そこは浴室だった。私は今、バスタブに背中を預けている。
お腹のあたりまでお湯が張ってあり、温かい。目の前には特徴的な、水色のお団子頭が揺れていた。
「サム?」
「あ?起きた?」
つやつやの元気そうな笑顔がこちらを振り向いた。彼女は私の膝に乗るような形で、同じように半身浴をしている。
「提督、あのまま寝ちゃったから、わたしの方でベッドは片付けておいたよ!」
ベッド、ああ、あのまま寝てしまったのか。
「片付けたって…シーツの下に敷いてたやつはどうしたの?」
「ああ、あれ?何なのかわかんないから、一応ビニール袋に入れておいたけど…何なの?」
「ペットシーツよ。」
「ペット?」
「水とかをよく吸収するの…マットの方は大丈夫だった?」
「うん、大丈夫だった!」
「そ、ありがと…」
まだ力の入らない手で、サムの頭を撫でる。
「これ…体洗ってくれたの?」
「うん!あのままじゃ風邪引いちゃうし!」
「そう…」
両手でサムを抱きしめ、引き寄せる。私が使っているバラのシャンプーの匂いだ。
「半身浴なら寝てても大丈夫かな~って半分くらいお湯入れてたんだけど、どうする?お湯足す?」
「うん、そうして。」
サムは蛇口をいじり、お湯をバスタブに追加していく。
「どのくらい寝てた?」
「んー、一時間、くらい?」
「ありがとね、サム。」
「どうしたしまして!」
「ね、サム。お願いがあるんだけど。」
「なぁに?」
「お風呂上がったら、一緒に寝ましょ?サムと一緒なら、いつもより眠れる気がする。」
「いいけど…フレッチャーにはなんて言えばいいの?」
疲れ切った私は、もう正直フレッチャー達にバレてもいいかなと思い始めている。
ただこれは、余韻と高揚感からくる気の迷いなんだろう。でも、身を任せちゃっていいかもしれない。
「急な出撃が入り込んで帰りは朝とか、適当でいいわ。」
「えへへ…」
「どうしたの?サム。」
「お泊りなんて、始めてだから。」
「そう…ね。サムが言ってた外出、泊まりでもいいわよ。付き合ってあげる。」
「いいの?」
「ええ。いいわよ。」
「やったー!Thanks!ありがとう提督!」
ひときわ大きい、サムの歓喜の声。狭い浴室には大きく響いた。
夜。風呂から上がって、今は自室のソファーでうつらうつらしている。眠い。
自室のドアを開け、サムが入ってきた。可愛らしい水玉のパジャマとナイトキャップを被っている。
「提督、フレッチャーには言っておいたよ!」
「ええ、ありがと。じゃあもう寝ましょ?今日はものすごい疲れちゃった。」
実際、まだ体に力が入らない。多分、明日は酷い筋肉痛になりそうだ。
部屋の電気を消し、既にサムが入り込んだベッドに潜り込む。サムは私の腕を握ると、抱きしめるように両手で抱えた。
それを横目で見た私は、サムの体を掴み、なんとかして自分の上に乗せた。
「提督?」
そしてそのまま、両手でサムを抱きしめる。
「こっちの方がいいでしょ?私も、こっちの方が好きかな。」
「えへへ、私もこっちの方が好き!枕より提督のおっぱいの方が柔らかい!」
「ふふっ。」
両腕でサムの体を強く抱きしめる。あるべきものが、なかった。
「…サム。」
「なぁに?」
「下着は?ブラジャー、つけてないみたいだけど。」
「………」
「サム。」
「きょ、今日ぐらいいいでしょ?」
「わかった。許してあげる。でも、また履いてなかったら…わかるわね?」
「う、うん!」
サムを抱いたまま、目を閉じる。彼女の体は温かくてちょうどいい重さだ。抱きつくにも大きすぎず小さすぎないいいサイズ。
「ねえ、提督。」
「どうしたの?」
「パンツ、履いてなかったらさ、今日みたいな事…してくれるの?」
サムは、首を上に向けて私の顔を見つめている。
暗くて、どんな顔色をしているかはわからないが、きっと赤いのだろう。
「もっとすごいこと、しちゃうかも。」
「き、聞いてみただけだから!」
サムは私から目を背け、天井を見始めた。しかし、サムの心臓の鼓動が早く事を、両手を通じて私は知っている。
サムはきっと、それに気がついていない。
可愛くて、エッチで、お人好しでー爪の甘い子。最近はちょっと悪い子になりつつある。
彼女を抱き寄せて、その耳元にそっと告げた。
「私は…サムがどんな子でも好きだからね。」
わたしも、という声がかすかに聞こえた。
今日は、よく眠れそうだ。