休暇二日目の朝。清々しい朝。高い窓から差し込む光がとても眩しい。眩しすぎて目が焼かれそうになっている。
重い頭をどうにか持ち上げて、上半身を起こす。目の前には惨状が広がっていた。
私に挿れられたままの酒瓶、その上で私に抱きついて眠るサム、未だにびしょ濡れのまま臭いを発するシーツ。それに頭痛と吐き気が少々。
絡みつくサムの腕を剥がし、ゆっくりと瓶に手をかける。
「んっ…ううう…ぐっ!」
ヌメヌメしたガラスの感触に手間取りながら、なんとか瓶を引き抜く。なんで昨日の私はこんなものを突っ込んでいたんだろう。まるで理解が出来ない。
膣口の周囲を手で探ってみる。まだ当分閉じそうにない。こんなのを続けていたら本当に一生閉じないんじゃないだろうか。
昨日、サムが買ってきてくれてそのまま放置していたミネラルウォーターが目に留まる。開けてそのまま一気に飲む。乾いて荒れた喉に温い水が染み渡り、ちょっと痛い。
ベッドでぐっすり眠るサムを見つめる。全裸で汚れたままのベッドで寝ているという事を除けばとても可愛らしい寝顔だ。
二日酔いの頭痛が私を遅い、さらにそこへ良心と後悔が追い打ちをかけてくる。
自分の弱さにかまけて好きなだけ酔ってこの子に迷惑をかけた上、酒で釣って体を求めるなんて最悪という他にない。
今日という日はサムによって数少ない羽を伸ばせる時間であるのに、私の都合で振り回している。私がこの子を守って、癒やしてあげるべきなのに。
「あ~~~~、もう…」
吐き気とめまいが頭の中をぐるぐると回る。つられてネガティブなイメージばかり湧き上がってしまう。なんとか切り替えないといけない。
ひとまずシャワーを浴びよう。朝食は外で適当に買ってここで済ませる。そしてこのラブホテルを出て、本来止まるはずだったホテルへチェックイン。荷物を置いて二日目の休暇を楽しむ。無理やりにでもそうしないと気分は下がるばかりだ。
善は急げ。そうして急いだ結果…私の気分は更に下がることになった。
近くにコンビニがあったのは幸いだった。おにぎりとサンドイッチ、飲み物を適当に買ってサムの元へ戻る途中、最悪の出会いをした。
「よう!久しぶり。」
ホテルのロビー、下品にピカピカと光る電光板の前に男は立っていた。見覚えのあるその男は吸っていたタバコを無造作にビールの空き瓶にねじ込むと、そのままこちらへ向かってきた。
「…………」
相手をする価値のない男だ。呼びかけを無視して部屋に急ぐ。
「こんな所で会うとは思わなかったよ。元気してたか?いやぁお前もこんな所に来るんだなぁ~。」
ビニール袋がガサガサとこすれる音に集中する。こいつの声より雑音のがマシだ。
「なあ?相手は誰だ?上司か?っていうか、お前海軍に入ったって聞いたけどホントか?」
私の右肩に男の手がかかる。反射的に振り返りその手を払った。
「ッ!」
叫ぼうとして思いとどまる。こんな所。そう、こんな所だ。騒ぎを大きくするべきじゃない。
「あんたには関係ない。もう二度と関わらないで。そう言ったはずよ。」
「つれないなぁ。元カレの話ぐらい聞いていいんじゃないか?」
男の口角が釣り上がる。顔だけは端正な男。面の皮の厚い男。海軍高官のバカ息子。ゲス野郎。私の初めてを奪い、そして裏切った男。それが目の前にあった。
男の視線は私を向いている。でもそれは正確とは言えない。こいつは私を見ているのではなく、私がどの部屋に戻るか見ているのだ。
私なんぞにはもう興味すら沸かないだろう。なにせこの男の好物は艦娘だ。権力でもってして艦娘を従え、誑かし、弄ぶ。若い女にも目がなく、最終的に大本営の身辺調査では一般人女性三名、艦娘十数名がこいつと関係を持っていた。
当然、長続きするはずもない。手を出された部下の一人が恨みから暴発、あわや大惨事となる所だった。奇跡的に死者は出なかったものの、普段の素行不良も相まって相応の処分が下る。姿を見せなくなって海軍を追い出されただの、僻地に飛ばされただのと噂されていた。
そんな男がこんな所にいるのだから、大体なにをしに来たのかは検討がつく。朝起きてタバコを吸いに外に出ただけ。適当にあしらえば勝手に自分の部屋に戻るだろう。
そう、だから、焦る必要はない。罵倒する必要もない。落ち着いて言い聞かせる。
「なあ、怒ってるのか?悪かったよ。流石に動画はもう消してるって。もう誰にも見せてないよ。」
「悪かった?へぇ、悪いのはそれだけだと思ってるんだ?それ一つだけだと?」
「ああそうだね。他に女の子がいるのを黙ってたことも悪かった。ごめんね。」
「もういいでしょう。帰って。」
「なあ今一人か?相手が居ないんだったら俺達と―」
「もう話しかけてこないで!あんたとはもう関係ない!何も!あんたと話す理由もない!」
叫んだ。叫んでしまった。その瞬間、私の後ろでドアが開く。
「……ケイちゃん?大丈夫!?」
ワンピースに着替えたサムが心配そうな顔で私を見つめている。
目の前の男が歩き始める。私ではなく、サムに向かって。
「待ちなさい!違う!この子は違うの!やめて!」
私の手を振り払い、進む男。ダメだ。ダメだダメだダメだ。
サムは男の到着を待たずに部屋を飛び出し…私と男の間へ自分を挟み込む。
「Stay away!あっち行って!」
小さな体を大きく開いて私の盾になるサム。私とこれの険悪な関係は理解しているようで、毅然とした態度で立ち向かっている。
「へぇー…サミュエル・B・ロバーツかぁ。」
背筋が凍った。これがその名前を呼んだだけで虫酸が走る。
「ははっ、いい趣味してるじゃないか。艦娘相手もなくはないとは思ってたけどまさか護衛駆逐艦が相手とはねぇ。」
サムがジロジロと汚い目線に晒されている。値踏みでもするかのように。
「け、ケイちゃん?この人どういう人なの?」
「でも俺はすぐ飽きちゃったかなぁ。流石に子供すぎて―」
自然に手が出た。最初はビンタでも食らわせてやろうかと思った。でも無理だった。我慢が出来なかった。
結局、グーともパーともつかない不格好な拳を目の前のものに叩き込む。手首が悲鳴を上げた。
「なっ…」
当然ながら威力はなかった。しかしあれはそれなりに怯んだようで、後ろの壁にもたれかかる。そのまま追いかけ、今度は左手で肩を握り、今度こそ右手の拳を打ち込んだ。
「おいっ!ばっ…!やめろ!」
目、鼻、口、弱い所ならどこでもいい。無造作に狙うが中々当たらない。
「ケイちゃん!やめて!怪我しちゃうよ!」
サムが私の腰に抱きつき、後ろへ大きく引き下がらせる。普段のサムからはとても考えられない膂力で、私と触れ合っていた時にはセーブしていただけなのだと気が付かせられた。
「痛ってぇ!クソ…覚えてろよ!」
そう吐き捨てると、あれはフラフラと廊下のどこかへ消えていった。もう後ろ姿すら見たくない。
「はぁーっ、はぁーっ、はぁーっ…」
今になって息苦しくなってきた。怒りか安堵か、それとも別の何かか。
「ケイちゃん大丈夫?部屋戻ろ?ね?」
「…ええ。ありがとう。サム。」
それからすぐ部屋に戻り、荷物をまとめてラブホテルを出た。本来止まるはずだった別のホテルには暫くかかったが無事に到着。チェックインを済ませて部屋に荷物を置く。
その間、サムはさっきの事で何一つ聞いてこなかった。あれは誰なのか、何があったのか、どうすればよかったのか。その気遣いがかえって私の心を締め付ける。
後悔と過去。この子が明るさを発揮すればする度、自分の暗い影が大きくなっていく。
「ケイちゃん?大丈夫?顔、真っ青だよ?」
「え?うん、まだちょっと二日酔いが抜けない…かな。うん。」
嘘をついた。影がさらに深いものになっていく。
「今日は休む?わたしも疲れちゃったし、部屋の中でゴロゴロしてよ?」
サムの心遣いが刃となって私の心を刺す。拒絶するのは簡単だけれども、拒絶してしまえばもっと痛くなる。刺さった刃を抜いても出血多量で死ぬのと同じ。
「ごめんね。サム。もうちょっとだけ…甘えさせて。」
「…? どうするの?」
「お風呂、入ってないでしょ?あのホテルのシャワーじゃ物足りないし、今からここのお風呂入らない?露天風呂もあるの。」
「そうなの!?入る入る!」
どうせ同じ痛みなら、抱いたままの方がいい。きっと。
「ねえケイちゃん。」
「なに?」
「…泳いじゃダメ?」
「ダメ。」
「だって他に誰もいないし…」
「ダメなものはダメ。」
「それに、なんでわたし抱っこされてるの?」
腕の中でもぞもぞと動いていたサムが上を見上げた。不満そうな顔で私を見つめている。
石造りの露天風呂の広い湯船で二人、私達は朝風呂を堪能していた。サムはこの広い湯船を見て泳いだり潜ったりと遊んでいたのだが、流石に行儀が悪いのでこうやって抱きかかえて黙って入らせている。まあ、抱きかかえたいのは他にも理由があったけれど。
「悪い子が遊ばないように、よ。」
「むー…」
お湯の温度はそこまで高くない。こうして触れているサムの体温の方が高く感じるくらいだ。ずっとこのまま、この子を抱いていたい。
サムはずっと私に抱かれ続けている。かれこれ20分は入っているのだけど、この子が言う文句はさっきの泳ぎたいという程度で、早く上がりたいとか私を急かすような事は一切言わなかった。
こんな子供に甘やかされて、私はこの子の側にいる資格があるのだろうか。
今朝あった男を思い出す。その資格がなかった男。私もあれと同類なんじゃないだろうか。立場にかこつけて、自分の欲望を押し付けて。
昨日もそうだった。母子のように扱われて勝手に傷ついていた。覚悟はしていたはずだったのに。
他人の偏見も、自分の弱さも跳ね除けられずに結局サムに全てを押し付けている。こんなのが上司をしてていいんだろうか。
「ケイちゃん?泣いてるの?」
「えっ?…いや、大丈夫。泣いてない。ただの汗よ。」
滲む視界が嘘だと告げている。喉の奥から、鼻の奥から熱いものがこみ上げてくる。
「ど、どこか痛いの?」
サムが私の両肩に手を置き、心配そうな顔で覗き込んでくる。でもこの顔はきっと私に見せていなかっただけで、今朝からずっとしていたんだろう。
「サム。突然かもしれないけど、私…」
自分で何を言おうとしているのかもわからず、言葉を紡ごうとする。何がしたいんだろう。謝罪か、別れか、感謝か。その先が出てこない。何かを言わなきゃならない。この子を安心させるため?自分を安心させるため?フリーズしていた頭は、別の声を聞いて動き出した。
「はーい!清掃の時間でーす!上がってくださーい!」
室内浴場への扉から聞こえた威勢のいい声。この声にはどこか聞き覚えがあった。
「さっさと上がってくださいよ…北山サン?」
振り返って目に入った顔にも見覚えがある。船長の長田さん。短パンTシャツの上にホテルの名前が入った半被がよく似合っている。
「長田さん…?なんでここに?従業員だったんですか?」
「運送の仕事がない日は暇なんでね。知り合いの所でバイトしてるの。さ、上がった上がった!痴話喧嘩でもするなら部屋でしてくださいな。」
「痴話げ…い、いや、私とサムはそんな関係では…」
「朝っぱらから風呂で抱き合ってそれは通らないでしょ。黙っててあげるから早く出てってください。」
「あ、はい…。」
知り合いに、それもサムの正体を知っている人間に出くわすのは想定外だった。どうせ母子にしか見られないのなら、と半ば開き直り抱いたまま入ったのも裏目に出てしまった。今はとにかく彼女の事を信用するしかない。
重い足取りで湯船から出て更衣室に向かう。サムはずっと何も言わずに私についてきた。言葉の続きを待つかのように。
部屋に戻る途中、サムがトイレに行くと言って私の元を離れた。それから部屋でずっとサムを待っているのだが中々来ない。
迷子にでもなったのだろうかと考えていたがあの男の事がよぎった。良くない事があったかもしれない。そう思い、部屋の扉を開けようとしたら…開いた。ゴンという低い音が響く。
「痛゛ッ!…サム?」
「あっ!提督?いきなり開けちゃってごめんなさい!」
「ああ、いいのよ…探しに行こうと思ってた所だから。」
「そう?わたしもお話があるから、いい?」
そう言うとサムはそそくさと私の横を抜けベッドに腰掛けた。ツインベッドの片方で足をプラプラさせている。私は向かい合うようにもう一つのベッドに腰掛けると、サムは何故か私の横に座り直し、ぴったりと体をくっつけてくる。
「どうしたの?」
「わたしの方からお話、いい?」
「いい、けど…」
私の話を待ってくれるのではなかったんだろうか。一体何の話か検討もつかない。
「戦いが終わってさ、わたしが退役したら…提督の家族にして?」
「…えっ?何?どういうこと?」
この子は一体何の話をしているんだろう。
「艦娘って退役すると人間の…えーと、コセキ?に入るんでしょ?コセキに入れば家族になれるって聞いたから、ケイちゃんと一緒がいいなって!」
「それは、そうだけど…」
サムの言う通りではある。艦娘は退役・解体されれば人間と同じ扱いになる。艤装をつけても戦えないし、身体的能力も人間と同水準になり、人間と同じペースで歳を取るようになる。
将来的にはそうなるのかも、程度で漠然と考えてはいた。でも、サムにそれが来るのはずっと後の話だ。戦いなんていつ終わるのか想像もつかない。
「あ!もちろん親子じゃないよ!提督と一緒!対等なPartnerで!」
「うん…?話がちょっと見えてこないのだけど…?最初から話してくれる?」
「OK!えっと…まずは…ごめんなさい!トイレって言ったの嘘なの!ホントは長田さんとお話してたの。」
「…長田さんと?」
まあ、あの後露天風呂に戻って話していたというならそんな時間か。
「うん。ほら、長田さんって元艦娘じゃないかってお話があったでしょ?もしそうだったのなら、先輩として恋愛相談に乗って欲しいなーって。フレッチャーやジョンには内緒だったから、初めて相談出来る人だし。」
恋愛相談を受けたという話を、その相手の前でするのもなんだかおかしな話だ。サムはきっとそうは思わないのだろうけど。
「昨日の提督、なんだか元気なかったし、今朝あの男の人と会ってからますます元気じゃなくなったし…心配で、それで長田さんに相談したの。長田さんが言うには、あの男の人って提督の…モトカレ?Boyfriendなんじゃないかって言ってたけど、そうなの?」
口を開き、肯定しようとする。一瞬躊躇った。あれの事は出来る限りサムの耳には入れたくない。あれとの関係も、サムに知られたくない。
でも、黙っていてもそれは肯定を意味しただろう。サムはきっと、私が思っているよりもずっと聡くて、私よりも私を知っている。だから、応えなければならない。
「………そうよ、元恋人。前あなたに言った事あるわよね?私の…初めての…相手よ。」
「でね?私と一緒に居る時に昔の恋人に会っちゃって、なんというかこう…ナイーブ?になったんじゃないかって長田さんが言ってたんだけど、合ってる?」
そんな事、ド直球で聞くものじゃないだろうに。でも、この子にはそういう聞き方の方が合っているのかも。裏表のないサムにこそ出来る事だろう。
「まあ…そんな所よ。でも、何でそれが退役の時の話に繋がるの?」
「わたしは元恋人と違って提督と別れたりしないよ!っていうのを宣言したかったの!」
「…それだけ?」
「えっと、あの、うーん…」
「サム?」
さっきまで私を見ていた両目は壁を向いて泳いでいた。足のパタパタは更に激しさを増し、可愛らしい唸り声が上がる。何を悩んでいるのかよくわからない。
「サム?どうかしたの?」
「あの…あのね、さっきのやつ。ぷ、プロポーズのつもりだったんだけど…」
そう言ってこちらを向いた顔は真っ赤に染まっていた。恋人のような事も、恋人以上のこともしてきたつもりだったけれど、今まで見たどんな顔よりも赤かった。サムは初心でない方だと思っていたが勘違いだったらしい。
「ふっ…ふふふっ…ふふ…」
「あー!何で笑うのー!もう!」
前言撤回。もっと赤い顔が見れた。
「ふふ、ごめんなさい。でも…恋人が元気ないからっていきなりプロポーズする?この状況で?」
「だって、わたしだったら…とっても嬉しくて嫌な事なんて全部吹き飛んじゃうかなー、って…」
その目には涙が浮かんでいた。恥ずかしさもあるだろうけど、多分これはきっとサムの本当の涙だろう。好きな人のために何かしたくても、出来なかった悔しさ。その涙。
サムの小さな肩に両手を回してその涙ごと抱きかかえた。
「提督…?」
「うん。嫌なことは全部…いや、大体、かな?吹き飛んだわ。プロポーズも、受けてあげる。ありがとうね。サム。」
「ホント!?」
「本当よ、本当。でもね、私の話がまだでしょう?そっちの話していい?」
「うん!」
「サムの心配は…当たりよ。今朝あった男が、私にとってものすごく嫌な思い出でちょっと参ってたの。多分、これからも時々思い出しちゃう。」
私の背中に回されたサムの手がきゅっと握られたのを感じる。
「思い出す度にまたあの私に戻ると思う。サムと入れ替わる前の、自分の事を嫌いな自分に。今回また助けられちゃったわね。」
「えへへ…どういたしまして!」
「あなたが私の事を好きでいてくれるから、私も自分を好きでいられる。こんなに可愛らしい子に好かれるんだから、そりゃ自信つくわよね?」
サムの荒い吐息を胸に感じる。ドヤ顔をしているらしい。
「私も、あなたの事大好きよ。サム。私の娘でも妹でもない、可愛らしいパートナーさん。」
そう言い終えると、サムは私をゆっくり押し倒した。いつもよりずっと強い力で。
「…サム?」
私の両胸に顔を埋めて、目だけを器用に出した。モゴモゴという鼻息と不明瞭な声を私の心臓に押し付けている。
「聞こえないわ。どうしたの?」
「ん…ふぅっ!ねえ提督…えっちしない?」
「え?今から?また?」
「うん…。」
サムの顔はほんのりとピンクに染まっている。湯上がりが原因ではなさそうだ。
「急にどうしたの?」
「えっとね、長田さんがね、元恋人の事を忘れさせるのに手っ取り早い方法があるって教えてくれて。それに、提督のお話とか聞いたり、提督の匂い嗅いでたらわたしもなんか…したくなってて…ダメ?」
玩具をねだる子供のようなつぶらな瞳が私を見つめている。
「いいわ。サムのお願いなら断る理由なんてない。」
「ホント!?じゃ、アレ使お!アレ!」
サムは両目をキラリと光らせると、私の体をするりと抜けて荷物の方へ飛んでいく。そのまま山積みにしてあった荷物の山を掻き分け始めた。
「あれって…何のこと?」
「あった!これこれ!」
そう言ってサムが取り出したのは新品らしき厚紙の箱だった。小さめの家電なんかがよく入っているサイズで、パッケージにはピンク色の物体の写真が貼り付けられていた。
謎の物体に目を凝らしてみる。おおよそU字型の形状で、両端は丸みがあり蛇の頭のような瘤がある。U字型の曲がりくねった部分には内側に向かって突起が2つ付いている。U字と言っても左右で大きさに違いがあり左右非対称、大きい方はイボやら何やらがついていて…
「待って。待って待って待って。これどこで買ったの?」
「提督がホテル入る時に面白がって買ってたよ。覚えてないの?」
ああ、昨日の夜か。泥酔してサムに介抱されたままラブホに流れ着いてしまった夜に、ラブホので買ったらしい。記憶に全く無かった。正直、忘れたままでいたかった。
「…ダメ?」
また玩具をねだる子供の目でこちらを見つめてくるサム。子供の玩具でもなければ既に買ってしまっているのだけれど。
「わかった。OKよ。でも流石にここでするのは…」
「あ、そのことなんだけどね?長田さんがこのホテル防音性が高いからよほどの大声出さなきゃいいよって!」
「ああ…そう…」
頭を抱えてため息を吐く。そこまでバレているとは思わなかった。というか、もしかして長田さんもそっちの気がある人?そもそも昨日チェックインしていなかった事も知っているだろうし、ラブホに泊まっていたのまでお見通しなんじゃないだろうか。
次々に湧く疑問や心配事。それを無理矢理頭の外へと押し出して目の前のサムを見た。普段とは違う黒髪のサム。金色の瞳が私を映している。
「ま、いいわ。しましょう、サム。嫌な事…忘れさせて。」
「OK!」
「ねえ提督、こういうの使ったことある?」
ベッドの上で全裸になったサムが、まだ脱いでいる途中の私には目もくれず、箱から取り出した双頭ディルドを興味深く観察していた。
「ないわね。そもそも同性と付き合うなんてサムが初めてだし。」
「これ…大きい方が提督でいいよね…?」
サムは大きい方の頭を自分の小さな下腹部に当てて長さを測っていた。全部入ればこの子のへそぐらいまで届きそうなエグいサイズ。まあ、そこは仕方がない。
最後に残ったショーツを脱ぎ捨てると、そそくさとサムが目の前にやってきてディルドを私の下腹部に当てた。シリコン製のなめらかな感触が肌に伝わる。
「う~ん…こうして見るとやっぱり提督の体って大きいなぁ…」
「そんなものを物差しにして人の発育具合を探るのはやめて。」
サムは私のそんな抗議も気にせず、小さい方のディルドに自分の下腹部をくっつける。小さい方でもこの子の体にはやや大き目な気もするが、初めてというわけでもないし大丈夫だろう。
「ところで、これって提督が入れて使うの?わたしが入れて使うの?」
「どっちが最初に入れるかって事?」
「うん。」
つまり、主導権はどちらが握るのかという話か。それは当然私の方…だと思っていた。でも、グロテスクなディルドとサムの笑顔を見た今、別の答えが頭に浮かんでいた。
「今日はサムにリードして欲しいな。エスコート、してくれるんでしょう?それに…」
「それに?」
サムが両手で握る双頭ディルドを掴み、彼女のお腹にぐっと押し付ける。私はもう片方の手で小さな肩を抱き、耳元で囁いた。
「サムのこのおっきいオチンチンで、あいつの事、忘れさせて欲しいなぁ。」
可愛らしい肩が震え、熱くなっていくのを感じた。小さな体を大きく膨らませて、荒い鼻息を私の肌に吹きかけている。
「う、うん…わたし、頑張る!」
緊張と興奮で震える声が可愛らしくて、思わず口元が緩む。
「これ、入ってた箱はどこ?」
「箱?これのこと?」
双頭ディルドの入っていた箱を受け取り、中身を確認すると底に小さなパックが貼り付いていた。白いチューブ状の細いタイプが2本、両方取り出してサムに見せる。
「それ、なぁに?」
「ローションよ。こういうのには大抵付いてくるわね。」
「Lotion?お化粧するの?」
「これはそのローションじゃなくて…まあいいわ。サム、ここ座ってお股開いて。」
「こう?」
シーツが濡れないよう申し訳程度に敷いたバスマットの上に可愛らしいお尻が鎮座する。サムはそのまま足を開き、淫らなポーズで幼い割れ目を見せびらかした。そこにはまだ愛液も湿り気もなく、火照った肌があるだけだ。
私はローションのパックを開け、中身を自分の右手に絞り出す。粘性のある透明な液体が手のひらの上でぐにゃりと変形し、手のひらへと馴染んでいった。まだ冷たさの残るをそれをぴたりとサムの割れ目に当てる。
「ひゃっ…!冷たい…!」
「大丈夫、すぐ温まるから。」
実際、サムの体はとても温かい。熱を帯びた丸い体がとても愛おしくて、えっちな事を抜きにしてもずっと触っていたいほどだ。
子供に軟膏を塗ってあげるような手付きで丁寧にローションを伸ばし、肌と割れ目に塗り込んでいく。大陰唇の中に指を挟み、まだ小さい可愛らしいヒダを指で優しくつまみながら塗り込む。
「んっ…♡提督の指、きもちいい…♡」
サムのからっとした快活で元気な声に湿り気が混ざってくる。普段は聞けない声だ。
「指、挿れるわ。力抜いてね?」
「うん…♡」
中指を前後させながら、ゆっくりサムの中へと侵入させていく。指の腹で壁を撫でてローションを塗りたくるように。
「ふぁ…あ…♡」
指で壁を擦られる度にサムの口から可愛らしい声と吐息が漏れ、中がきゅっと締まる。
一度指を引き抜いてみると、中指の先には粘着質なローションではなく、サラサラとした液体が絡みついていた。
親指と中指でその液体をこすり合わせ、糸を引くか試してみる。それは糸を引く間もなく、私の手に馴染んでいった。
「うーん…ちょっと足りないかな。」
「どうしたの?」
お預けを食らった子犬のように、サムが私を見上げている。
「多分あれ…あなたが思ってるよりキツいと思うから、もう一本使うわ。足、開いたままで居てね?」
「…?うん。」
そうしてもう一本のローションの袋に手をかけ、封を開けた。一ついいアイデアが浮かんだ私は袋から絞り出すことをせず、そのまま開けた口をサムの割れ目へと持っていく。
二本の指で濡れた谷間を開き、ひくひくと動く小さな膣穴へ袋をあてがう。
「なにしてるの?」
「サムの中に出してあげる。」
袋の先端を中に挿れ、握る手に少し力を込める。袋を挿れただけでいっぱいになる小さな穴の中は見えなかったが、すぐにサムの反応があった。
「ひゃっ♡て、提督!?何したの?冷た…あっ♡」
性器の中で感じる始めての冷たさに体を震わせるサム。それでも私への信頼からか腰を引くことはなく、後ろについた手でしっかりとローションの注入に耐えていた。
すべてを絞り出した袋を抜くと、透明な糸が伸びて敷いたタオルへと吸い込まれていった。サムの割れ目からもトロリとした密が溢れ出す。
我を忘れその光景に見入ってしまう。あの透明な密は無味無臭のはずだが、なぜだかとても口に含んでしまいたくなる魅力があった。
「提督?」
「え?ああ、ごめんなさい。ちょっと…サムがエッチすぎて…」
「エッチなのは提督でしょ!もう!」
頬を膨らませてそっぽを向くが、ちらりと私を見るとすぐに笑顔に戻った。双頭ディルドを無造作に握り、私へと渡す。
「優しく…してね?」
恥じらいと不安と、信頼と期待の混じり合った眼が私を見つめる。ああ、どうにかなってしまいそう。
「じゃあ…挿れるわ。ちょっと腰を上げてくれる?」
「うん!」
サムはベッドの上で膝立ちになると、両手をお腹の前で合わせてもじもじし始めた。小さい手が不安そうに揺れている。
自分に入るであろうゴツゴツとした瘤のある異形のディルドを握りしめながら眼の前の光景に息を飲んだ。サムの割れ目は指なら挿れた事があるが、流石にディルドはない。
サムに挿れるのはこのエグい方ではない、普通のよりもさらに小さめのサイズではあるがそれでも私の指よりは十分太い。指で処女を失ったというような言い方は聞いたことがないし、サムの処女はこのディルドに奪われたことになるだろう。
作り物でこの子の処女を奪うことに若干の抵抗はあるが、それでも他の男なんかにこの子を渡したくない。独占したい。そんな思いが抵抗を消していった。
「キツかったら言ってね?」
意を決してサムの割れ目に双頭ディルドをつぷりと挿入する。U字のエグい方を握り、底の曲線部分をもう片方の手で支えながら上昇させていく。
「ん…♡んんんぅ…♡」
震えるサムの割れ目から、ディルドに追い出されたローションが漏れて下に伝う。さっきまで冷たかったローションは熱く私の指に絡みつき、ディルドを支える手を迷わせた。
それでも抵抗らしい抵抗はなく、サムは挿入された小さな疑似肉棒をすべて飲みこんでいた。小さなお腹が僅かに膨らみ、接合部はたっぷりのローションに塗れている。
「入ったけど…どう?痛くない?大丈夫?」
「うん…ちょっと変な感じだけど…温かくて…ぼうっとして…」
ディルドを使っていないだけでサムとの行為が始めてなわけではない。そんなものかと安心して両手を離すと、幼い割れ目から生えたもう片方のグロテスクなディルドが頭をもたげた。
「あっ!待って!これ抜けちゃう!」
「えっ?ちょっと…」
急いで両手を戻してディルドを支える。確かに、最初に持った時と感じる重さが変わっていない。サムがこれを保持出来ていないのだ。
「やっぱり私が入れる?多分私なら大丈夫だろうし…」
「うー…」
「なにか不満?」
「だって、わたしも…わたしから、提督を気持ちよくさせてあげたいし、それに…」
「それに?」
「あの男の人にだって負けないって、その、証明したいし…」
舌足らずな口から囁かれるその言葉に背筋がゾクゾクする。こんな小さな子にも嫉妬の情があるのだと、それが私に向いているのだと、そう実感した。
「うふっ…ふふふふっ…」
思わず笑みが溢れ、口元が緩む。ああ、変な顔をしていませんように。
「じゃあ、もうちょっと頑張ってみましょう?力を入れるのはどう?」
「力?おしっこする時みたいに?」
「それだと出ちゃうから、そうね…おしっこを我慢する時みたいに、きゅっとお腹を締めて…出来るかしら?」
「むー、なんか子供扱いされてるような…」
実際子供じゃない、そこが可愛いけど。そんな言葉を心に留めつつサムがその場で体を…正確には筋肉を動かすのを見つめる。
サムが力の込め方を変える度、股から生えたディルドがぷるぷると震えている。そのグロテスクな見た目に反した可愛らしい動きが可笑しくて口が緩む。
手のひらに感じる重量が少しだけ軽くなったのを見て、両手を離してサムの後ろに回した。そのまま手に収まるような小さな双丘を抱きしめる。
「んっ♡」
「もっとお尻を締めて…そう、太腿から下ももうちょっと引き締めて…うん、いい子。」
両手でお尻を揉みながら力の入れ方を指導する。もっと前に力を込めるように、柔らかい筋肉を締めてしっかり耐えられるように。
それでもまだ足りなかったので、人差し指を双丘の奥深くまで伸ばし、窄んだお尻の穴を撫でる。
「わっ!提督、やめっ…♡」
ビクンとサムの下半身が揺れた瞬間、ディルドも大きく揺れて真上を向いた。組木細工がぴったり嵌ったかのように動かず、サムの呼吸に合わせてほんの少しだけ揺れている。
「これなら大丈夫かも。痛くない?気持ち悪くない?」
「んん…♡だ、大丈夫、大丈夫だけど…なんかすごくドキドキして…気持ち悪くもないけど…」
「気持ちいい?」
「わかんない…初めて提督に触られた時の感覚と似てるかも…」
初めて触れ合い、交わったあの日。それと同じ感覚らしい。顔だけではなく体まで赤く火照らせ、滑らかな肌には汗が伝っている。もう一度サムの顔を見ると、額から流れ落ちた汗が一滴、ディルドへとこぼれ落ちた。
私も、その一滴に吸い寄せられるかのように口をディルドへと近づけていく。両手でサムのお尻を掴んだまま、サムのおちんちんを咥えた。
「え?提督?ひゃあっ♡」
サムがディルドを落とさないようにお尻を抑えつつ、ピンク色の異物を飲み込んでいく。最初に味わった汗の塩気はすぐに消え、シリコンの無機質さが口の中を支配する。
何の味もしない。それどころか少しシリコンの臭みと苦みを感じるような気がする。それでも、本物の生臭さと気持ち悪さに比べればどうということはなかった。
何よりサムへの愛撫と考えれば嫌な気持ちは全くしない。舌はそう感じずとも、頭の中は甘露な感覚で一杯だった。
「なんか、それ、変な感じ…♡」
涎を絡めてフェラチオをしつつ、上下左右にサムのおちんちんを曲げてみる。ディルドがサムの中で動くのを、お尻に回した両手で感じ取る。なんて薄くて、なんて敏感な体。
サムはよろけて両手を私の肩に置いた。前からは口で、後ろから両手で責められた少女は腰を浮かし、体重を私に預けている。
「あっ♡提督が舐めてるの、んっ♡わたしの方にも、伝わって…んんっ♡」
それにしても、思ったより大きくて長い。先端だけなら問題ないけれど…もっとこの子の反応が見たい。眼の前に映る鼠径部と、皮の中で存在を主張する可愛らしい豆を見て、顎を限界まで開けた。
「んぐっ……ぐうううっ……」
サムのローションが押し出されたのと同じように、口の奥から勝手にくぐもった声が漏れる。おちんちんによって支配された喉は涎を飲み込む暇もなく、勝手に奥から涎か胃液かもわからない粘液を分泌させ始めた。
「提督♡それっ、気持ちいい…♡あっ…♡」
ぐちゅっ。じゅるる。じゅぽっ。
サムの喘ぎ声に答える暇などなく、喉が鳴らす淫猥な音で答えるしかなかった。私が口にしているのはただの無機物で、この子の一部ではない。それでも漏れ聞こえる嬌声と、眼の前にある瑞々しい肌から立ち上る熱気が私を錯覚させる。
「やぁっ♡だめっ♡抜けちゃうっ!」
大丈夫よ。お尻もこんなに力が入ってるし早々抜けないわ。そう心の中で答えながらストロークを深くしていく。唇からだらしなく泡を垂らし、むせ返る汗で鼻を濡らしながら。
サムの筋肉がピンと張った瞬間を狙って、再び奥底までおちんちんを飲み込んだ。そのままサムの下腹部まで顔を突っ込み、鼻先でお豆さんを擦る。
「それ駄目っ♡だめぇっ♡」
初めてサムの腰が後ろに引かれるが、両手できっちりと引き戻した。私の肩を強く握り、前かがみになったサムの秘所を執拗に攻め抜く。サム自身の愛液と漏れ出たローションでもうびしょ濡れになっていて、甘い香りが液体ごと鼻へと入ってくる。
「あっ♡ああああーーーッ♡」
顔に勢いよく飛沫がかかると同時に、腰を大きく曲げたサムが私に覆いかぶさってくる。初めての『おちんちん』で絶頂したサムは、そのまま震える体でしがみついて声を上げていた。
…
……
………
サムはそのまま余韻に震えている。方や私は喉奥までおちんちんを突っ込まれたまま彼女に抱えられ、汗と愛液で鼻も効かずに酸素を求めてズビズビと音を鳴らしている。まずい。息が出来ない。
「んーっ!んーっ!」
「てぇーとく、今喋ると…ああっ♡」
残り少ない酸素で呻いてみたが、サムは上の空だ。お尻をペチペチと叩いてみる。
「んんぅっ♡お尻も、すごく、へぁ…♡」
こちらもプルプルと震えるだけで、むしろ喜んでいるらしい。流石に限界が来たので両手を腰にやって強引に引き剥がした。
「わっ!提督!?」
「ぷはっ!う゛っ…げほっ!ごほっ!っ!」
「……あっ!ごめんなさい!大丈夫?」
ベッドに押し倒されたサムはすぐ私の状態に気がついて隣に腰掛けた。優しい手つきでびっしょりと濡れた私の背中を撫で、心配そうな目つきでこちらを覗く。
「いや、大丈夫よ。ちょっと調子に乗りすぎたかも。」
ベッドの横にあったティッシュに手を伸ばし、口やら鼻やらを拭いていると、サムがぼうっと私の顔を眺めていることに気がついた。
「…やっぱ私、変な顔してる?」
「ううん!全然!すごい…色っぽい!」
ふんす、と鼻息を荒げたその顔を見れば、それが嘘ではないことはすぐにわかった。目線を下に向けると、生えたままのサムのおちんちんはまだ元気に上を向いている。
自分の涎でぐちゃぐちゃになったその先端にそっと指を乗せ、可愛らしい少女を誘惑する。
「じゃあ続き、しましょう?」
「うん!」
「わぁ…提督、すっごいお尻大きい!」
「それ、褒め言葉のつもりなら他の女性に言っちゃ駄目よ?」
「どうして?」
「普通は太ってるとか、だらしない体とか、そんな感じに思われちゃうから。」
「提督、太ってるの?」
「…………太っては、ないわ。」
うん、多分そう、きっとそう。とにかくサムは褒め言葉だと思っているようだし、そう受け取っておこう。
「それで、後ろからこれを入れるの?」
「ええ。」
今、私はベッドの上で四つん這いになっていた。サムにお尻を向け、その…ちょっと…大きいお尻を両手で掴ませている。
「いつものじゃ駄目なの?」
「いつものって?」
「わたしか提督がベッドに仰向けになって、お互い向き合って…」
「まあそれでもいいけれど、今回は『それ』がついてるんだから普段しないやり方でもいいでしょ?それに…」
「それに?」
「あの男のこと、忘れさせてくれるんでしょ?」
「う…うん!」
困惑の混じっていた目に、途端にやる気が戻っていた。ああ、サムが男の子だったらそれはそれで楽しそうだなぁ…。
そんな一つの可能性に思いを馳せながら、片方の手を股に伸ばした。上に反り返ったサムのおちんちんを掴み、ゆっくり自分の割れ目へと誘導する。
おちんちんは涎でドロドロになっていたけれど、股はもっと酷かった。サムの可愛らしさ、えっちな姿、向けられてくる率直な慕情、そのすべてが触れずにして私の性器を焦がしている。
「ね、サム。挿れて…♡」
二本の指を自分の蜜壺に差し込み、こじ開けてその酷い中身を見せつけた。あのおちんちんをグロテスクな形だと自分では思っていたけど、サムから見た私のあそこも同じくらいグロいかもしれない。なんとなく恥ずかしくなって目を伏せた。
「い、いきます!んっ…♡」
私のビラビラと、V字に開いた指の間を異物がゴリゴリと進んでいく。
「あっ♡はぁっ…♡これ、やばっ…♡」
口に含んでいた時よりも大きく感じる。いや、サイズ自体は変わっていない。でも表面にあるゴツゴツとした瘤が曲者だった。硬直した膣壁を的確に、そして強引に擦り上げて奥までの道を開いている。
ぶわっと全身から汗が吹いた。頭をぶらんと投げ出すと、しっとりと濡れた髪がベッドに張り付く。黒髪のカーテンと白いシーツの代わり映えのない空間の中で、下半身の感覚だけが目まぐるしく動いている。
「わ、わたしも…♡これ、すごい…♡お腹が、お腹がへそまで破れそう…♡」
「待って、待ってサム…私も、これ、お、奥まで行きすぎて…ああ♡」
これより太い物も挿れた事はあるはずなのに、何故か今までよりもずっと刺激が強い。お腹がえぐられるような、背中まで貫かれるような感覚。
「あ…♡」
快感に揺られたサムが、ほんの僅かに背中を反らした。見てはいなかったけど、そう直感した。
「うぐぅっ♡サム、待って、やめて、後ろに倒れないで!」
そこまで来てようやく理解した。私達はU字の双頭ディルドを無理やり使っていたのだった。私は水平、サムは垂直、つまり角度は直角。本来は向かい合って使うはずのU字の道具をL字の形で使っているのだから、ディルドが肚の中で暴れるのも当たり前だ。
考えればすぐわかる事だったのに。バカだ。ああ、でももうバカでいいや。
どっぷりと自分に沈めていた2本の指を抜き、まだ全部入りきっていなかったおちんちんに触れる。そのまま手のひらで強引に抑えながら、お尻をサムの方へと進めた。
「あ゛っ…♡はぁーっ♡ああああぁっ…♡♡」
「提督っ♡それ、深いっ…んんっ!」
おちんちんを入れれば入れるほど羞恥心と知性が抜けていく気がする。情けない声が勝手に上がる。サムの肌と私のお尻がくっついたその瞬間、下半身にこつんと音が響いた。気がする。幻聴かもしれない。
でも、その瞬間スイッチが入ったかのように私の下半身に電流が走る。この双頭ディルドが電動式かと勘違いしたほどの衝撃。
「がっ…♡あぁ…♡あー…♡完全に、入っちゃった、かも…♡」
「てぇとく…わたし、も、もう我慢できない…♡」
「いいわ…さっきみたいに滅茶苦茶にして…♡その…サムの…おちんちんで♡」
重い頭をどうにか上げて後ろを見た。サムの顔はもう真っ赤で、ぼうっとした目で私と、私の肉体を見つめている。鼻筋からはまた鼻血が溢れ落ち、真下にある私のお尻を熱く焦がしていた。
サムの小さな指が私のお尻に食い込んだ。サムのお尻は私の両手に収まったけど、私のお尻はサムの両手には収まらない。サムが小さいだけ、というには少し駄肉が多かったかも。
そんな駄肉を掴んだサムはゆっくりとおちんちんを引き抜く。子宮と内臓をズルズルと引っかかれ、わけのわからない声が勝手に漏れる。
「あ゛あ゛あ゛あ゛……っ♡」
頭を上げている余裕なんてなかった。ベッドに顔を沈み込ませ、おちんちんを抑えていた手は勝手にクリトリスへと伸びている。
「ケイちゃん…♡ケイちゃん…♡んんぅっ…♡ケイちゃ…あっ♡」
サムはもう夢中になって私へ腰を叩きつけていた。愛する少女の甘い声と、下半身から登ってくる電撃が私の頭をおかしくさせる。
作り物のはずなのに、サムのおちんちんは生きているみたいに私の中で暴れまわっている。とても暖かくて、ぴくぴくと揺れて、サムと繋がっているのがわかる。
「もっと…♡サム、もっと…♡私を、犯してっ…♡」
全て捧げたい、全て見せつけたい。私のどんな淫らで醜い姿でも、サムはきっと受け入れてれるから。
「ケイちゃんっ…♡わたしっ…♡わたし…あっ♡はぁっ♡」
サムの動きがよりいっそう激しくなる。私にしか見せないサムの獣としての一面、私だけが知っているこの子の一面。とても、愛おしい。
ふと背中にボタボタと液体がこぼれる感覚を感じた。汗か鼻血か、もしかしたら涎かも。私に覆いかぶさって必死に腰を降るサムはどんな顔をしているだろう。ああ、やっぱりバックは失敗だったかもしれない。
「んっ…ぐうううっ♡」
そんな考えはサムの腰が私の奥底を捉えた時に吹き飛んだ。ああ、ここまで深く穿たれたのは初めてかもしれない。
「はぁー♡あーっ♡はぁっ♡はぁっ♡」
私の名前を呼ぶでもなく、ただ只管荒い呼吸で腰を降るのに夢中なサム。終わりが近いかもしれない。手のひらをお腹に当てると硬いものが動いているのを感じ取れた。
そのままクリトリスを指で潰し、前後に動く硬い感触へと押し付けた。ゴリゴリと削れる感触の中で、激しく擦り上げる。
「あ゛あ゛っ♡♡♡サムッ♡♡♡あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!!!!!」
「はぁー♡あーっ♡ケイちゃんっ♡はぁっ♡ああああああっ♡♡♡」
絶頂はわずかにサムの方が早かった。びくりと震え放出した潮は湾曲したディルドの表面を滑り、繋がっていた私の性器を直撃する。
その刺激で私もイってしまった。背中を反らせ、ありったけの声を上げて溢れ出る快感を処理しようとする。子宮を捉えたおちんちんは本物かのように震え、クリトリスを擦る手は止まらない。声も快感も全て吐き出してまたベッドに顔を投げ出すと、サムもまた力尽きた。
私の膣からずるりとおちんちんが抜け、サムの上半身がお尻に落下してくる。幸い、子供の体重なので問題はない。弱々しい呼吸と、それでもまだ私の名前を呼び続けているのが肌から感じ取れる。
そのままお互い不格好な姿で数十秒、無言でベッドに横になると、サムは私の隣へと駆け寄ってきた。
「はぁ…はぁ…、提督…これ、すごいね…♡」
「ええ、想像…以上だったわね。」
サムの色っぽい姿を見る。笑顔はそのままに口が緩んで涎が垂れ、温かい吐息を私に吹きかけている。小さな胸は精一杯上下を繰り返して、その平坦な曲線から汗が流れ落ちていた。
そして…その下半身では未だにピンク色のディルドが上を向いている。目を瞑って休んでいるサムの横顔を見ながら、それに手をかけた。
「きゃっ!て、提督?まだするの?」
「サムのここ、まだ元気みたいだし。」
「わたし、わたしは…ちょっと疲れちゃった。」
そう言って腕で額を拭うサム。黒く染めた前髪がぴたりと肌に張り付き妖しく光っている。
「じゃあ、サムは動かなくていいわ。今度は私がしてあげる。」
重い体を起こしてサムに跨った。眼の前の少女はほんの少しだけ恥じらいながら、両手を胸の前で組んでもぞもぞと動いている。
「わたし、どうすればいいの?」
「何もしなくて…いや、私の事、好きって言って貰える?」
「…すき♡」
「ありがと。」
右手でサムのおちんちんを掴み、腰を下ろして体重を全てそこにかけた。
「んあぁっ♡ああぁ…♡」
下腹部にアッパーでも食らったかのような衝撃だった。先程までとは真逆の方向にかかる刺激。へその下まで来た異物が、私の膣をフックで前へと引っ張ろうとしている。
手のひらで腹を撫でると確かに突起物がそこにあった。表面の凸凹さえも感じ取れる。同じように、もう一つのディルドが入っているはずのサムのお腹を撫でた。
「ぁあ♡提督、やだぁ♡それっ、コリコリして…♡んんん…♡」
こちらも私より小さいものではあるけど、その先端が感じ取れた。汗で濡れた柔らかいお腹を指ですっと撫でる度に甘い声が響く。
これだけ乱れ、疲れ果てたサムの割れ目はそれでもディルドを離してはいなかった。単純に、普段使わない筋肉がパンパンになって逆に固くなったのかもしれない。足腰が立たなくなる、とよく言うけれど明日のサムはそうなるかも。
少しだけ、体重をかけてみる。腰を沈めて足を浮かせ、サムのおちんちんに寄り掛かる。サムの両足がきゅっと強張って、おちんちんが震えた。かわいい。
「はぁーっ♡て、提督、それ、おかしくなっちゃう…♡」
「じゃ、抜いてあげる。」
今度は先程とは逆の動き。足を沈めて腰を浮かす。私の緩みきった膣はすぐにおちんちんを吐き出した。そして完全に膣口からおちんちんが排出される前に、再び腰を落とす。
「あっっ♡はぁぁ……♡」
サムを見ると、胸に手をあててきゅっと握り、快感に耐えていた。甘い息を吐いて目を細めながらもその両眼は私の姿を捉えている。
「ケイちゃん…♡すき…♡」
弱々しい口から漏れ出る愛の囁き。ライクもラブも全部ひっくるめたであろうその言葉がより一層燃え上がらせる。
両手をサムの両脇に立てて上半身で小さな少女を覆い隠す。私の捻れた黒髪がべっとりとサムの体に張り付いた。
黒髪のカーテンの中、私達のむせかえるような汗の匂いが支配している。ポタポタと流れ落ちた私の汗がサムを汚していく。
「ふっ…んっ…んんっ♡」
ゆらゆらと腰を上下に揺らす。自分の鼻息、ベッドの軋み、トーンの高いサムの声がどんどんと大きくなっていく。全部が全部混じり合い頭の中で反響した。
「サムっ…どう…?気持ちいい…?」
「いいっ…すきぃ…♡」
なんだか物足りなくなって、小さな胸で縮こまっているサムの手を引いた。上半身から垂れた汗でべっとりと濡れる私の乳房に触れさせる。
「私がサムのおちんちん、ぐちゃぐちゃにしてあげるから…」
「サムも私のおっぱい、ぐちゃぐちゃにしていいわ。」
「んっ♡わかっ…た…♡」
サムの指が、私の乳房に絡みついた。五本の小さな指が駄肉を切り裂いて星型の溝を作る。
ドロドロになった汗がローションのように作用し、性感帯となった敏感な頂点が思いのまま愛撫されている。時に優しく、時に激しく。
「サムはぁ…♡優しいのが好きかしら…♡」
腰を一番下まで下ろしてサムの下腹部に自分の下腹部をぴったりくっつけた。サムの割れ目も、クリトリスもその肌で感じられる。そうして肌で繋がった状態のまま、上下左右に動かして割れ目の感触を味わう。
「うん…♡やさしいの、すき…♡」
「じゃあ、激しいのはどう?こういう…のっ!」
身体を後ろに反らしながら、より大きく、より深くストロークを始めた。背中に体重を預けるにつれ、靭やかに曲がる双頭ディルドが更にお腹を突き上げていく。U字の底辺はベッドにめり込み、私達はディルドに貫かれながら淫らなシーソーゲームに耽っている。
「ああああっ♡それっ!すごいっ!ああっ♡」
私が体勢を変えても、胸に食らいついた両手はそのままだった。別れを惜しむかのように乳房を揉んでいたそれは、急にその先端、乳首を握りつぶして私を前に引っ張った。
「ん゛ん゛っ♡痛ッ…!サム、やるじゃない…♡」
思わずイってしまいそうになり背中を反らせた。なんとか耐えて、再びサムを見下ろすと、そこにはグズグズに溶けたサムの顔があった。
本当に、物理的に溶けているように思えた。サムのお団子頭がいつの間にか解け、汗で濡れた黒髪がベッドに吸い付いていたのだ。さらにそこへ垂れ下がった私の黒髪が混じり合う。
「Sorry…♡でも、やっぱり、ケイちゃんの顔、見ながらイきたい…♡」
誰の体液かわからないもので顔を汚しながら、八重歯の残るキュートな口でにっこりと笑って見せる。
「ケイちゃ…あっ!あっ♡はげしっ♡あっ♡」
もう、サムにかけられる言葉はない。もうそれは言葉に出来ない。だから、代わりに腰を振った。
サムの目を見ながら、表情を見ながら、大きく音を立てて揺れるベッドの上で彼女だけを見つめて身体を動かす。
「ケイちゃんっ♡わたしっ♡キスっ♡してぇ♡」
倒れ込むようにしてサムの唇を奪った。言葉も吐息も喰らい尽くしてそれを糧に更に腰を振る。
「ケイっ…ちゃ…んちゅ…んふっ…♡」
その瞬間、体に最後の電流が走った。クる前兆。ベッドに寝転がったままのサムに抱きつき、足を絡める。
「サムっ!うっ♡うううううううううううううううっっ……♡♡♡」
「わたしっ!あっ♡ああああああああぁぁ…♡♡♡」
全身が硬直して、快感と痙攣だけが体中を駆け巡っていく。頭も、胸も、子宮もぶるぶると震えている。
震えているのはサムも同じだった。私の背中に手を回して力強く私を抱きしめている。その腕に力は入っていないが、それでも離れることはなかった。
体が熱い。とても熱い。サムと交わっている部分は特に。震えた筋肉同士がぶつかり合いお互いを愛撫している。
「サム…うっ…ふぅぅぅ…♡」
私もサムも、流石に限界が来たらしい。後ろから聞こえるぶちゅっという汚い音と共に、中へ入っていたものの感触が消え失せた。
「ケイ…ちゃん…♡」
サムの小さな割れ目はまだ可愛らしく震えている。おちんちんで繋がっていなくても、肌でわかる。
「んんっ…♡サムぅ…♡」
腰をくねらせ、自分の割れ目でサムの割れ目を探る。ずちゅずちゅという水音が響いている。
「ん♡まだするの…?」
「いえ…ちょっと…余韻に浸らせて…もうちょっと…」
「いいけど…んっ♡えっち…♡」
「人のこと、言えない癖に…」
眼の前にあるサムの顔を舌で舐める。体を擦り付けたまま、ゆっくりと。これ以上する気はない。でももっと、この瞬間を味わっていたい。
「んー…」
サムが目を閉じ、唇をこちらに向けている。可愛らしい唇を奪い、その味を確かめた。
「ん…♡ふぅ…♡」
そのまま数分、私はサムの体の上でそれを繰り返した。自分達の行為を確かめるように。肉体だけでなく心も浸れるように。
「はあぁ~~~疲れたぁ~~~。」
風呂から上がったサムはろくに体も拭かず、全裸のままパタパタと走りベッドへと突っ込んでいった。
「こら。それじゃシーツが汚れちゃうでしょ。拭きなさい。」
「でもさっきした時に結構濡れちゃったよ?」
「それはまあ…うん。いいの。」
流石にタオルケットを敷いただけでは足りなかったようで、先程まで乱れていた方のベッドはしっとりと濡れていた。
言い訳は…サムがこうやって濡れたまま寝転んだということにしておこう。うん。
使い終わったバスタオルを籠に入れ、下着を取り出す。ふとサムの方を見ると、部屋に備え付けの浴衣に興味を示しているようだった。
「これ、浴衣?着て良い?」
「いいけど、昼間から着るようなものじゃないわよ?大体寝巻き代わりにするものだと思うけど。」
時間はまだお昼を回った頃で、あの後すぐ風呂に入り直してまだ昼食も食べていない。
「和服って下着着なくていいんでしょ?着たい!」
「ああ、そっちか…」
どうやら合法的にノーパンでいられる服装がいいらしい。本当にこの子は…
「下着は無くていいけど、それじゃ外出は駄目よ?明日には帰るんだし他の観光スポット観なくていいの?」
「ん~疲れちゃったし。このホテルの中にも遊ぶ所あるみたいだから、わたしはそこがいい!」
「ご飯はどうするの?回転寿司にする?」
「ホテルの中のお店!」
少し意外だった。食べ物はてっきりファストフードにしか興味ないものだと思っていた。それに普段はアクティブなサムが今日はやたらインドアを推している。
少し考えて、思い出したくない奴の事を思い出した。もしかするとアレと私を会わせたくないのだろうか。
「…ふふ。」
「…?どうしたの?」
「なんでもない。じゃあ、ランチ行きましょ。お腹すいちゃった。」
「うん!」
答え合わせはしないでおく。きっとサムにとっての精一杯の気遣いなのだろう。それなら、私は黙ってそれを受け止めたほうがいい。
二人で浴衣に着替えて廊下に出る。ご機嫌そうに歩いていくサムの後ろ姿を、部屋の前で立ったまま眺めていると、サムがこちらを振り返る。
「提…ケイちゃん?行かないの?」
不思議そうに首をかしげるサムに向かって手を差し出す。
「今日は『Escort』してくれるんでしょ?お願い。」
「…うん!任せて!」
サムは満面の笑みで、私の手を取った。