俺が、淫乱な肉人形に作り替えられてから調整は段々と過激になっていく。
俺の体がドMになったのをいいことに調整の締めくくりは必ずと言っていいほど腹パンが飾った。
膣は処女膜が残っているのに、最奥にあるポルチオは度重なる過激な衝撃で、調整係が拳を握るだけでキュンキュン言うようになってしまった。
足は使い物にならず、手も万全の働きをしなくなり、抵抗する気力などとうにないのに、俺の口は更なる過激な刺激を求めて『やめてほしい』と『もっと気持ちよくなってしまう』と男の嗜虐欲を揺さぶる言葉を漏らしてしまう。
脱出はもう無理だろう。
心は負けてないが、体に関してはいじめられるためのものに作り替えられた。
最近では調整の時間の方が長く、空を見ていない。
「はーッ…はーッ……」
「余韻を味わっているところ悪いのですが、あなたの買手が決まりましたよ〜?」
快感で痺れる首を上げてハルネアの方を見る。
その顔は恐ろしく幸せげで相も変わらず空気が読めていない感情表現をしている。
「あなたなら知っているでしょう?『魔王』の名を」
「…ッ!!」
俺が何もしなければカナリアの買手になっていた、ダタールの王。
ダタールは笛の力を用いて超人的な潜在能力を引き出すという魔法文化が存在する世界の中でも特異な国だった。
そんな国の王がカナリアの代わりとして俺を買った。
魔王がカナリアを名指しで欲しがった理由は分からない。
ただ、俺は魔王が買う予定だった人間を逃がした。
報復のつもりなのかもしれない。
拷問でもうけるかも。
こんなことしなければ良かった。
そんなろくでもない考えが鎌首をもたげる。
そんなことを考える自分が恐ろしくて、
自分はまだそんなに汚くないと思いたくて、
俺は涙が出ないように瞼で蓋をした。
そこからは、調整は無くなった。
もう十分だと、ハルネアは言っていた気がする。
調整がなくなり体は発情しなくなった。
それだけで救われたかのような気持ちになる。
調整無しでは生きていけない。そんなふうに嘘でも思いたくなかったのだ。
調整の代わりに奴隷としての礼儀や、体を綺麗にするためのアレコレを施された。
今までとは比べ物にならない豪華な食べ物、風呂から寝室まで、その過程で礼儀に関しても教えられる。
あくまで教えられただけ、足は動かず、手も親指がうごかない。
ハルネアも、俺に関しては肉人形以上の価値を見出していない。
ハルネアのメイドに世話される日々。
そんな日々を過ごしついに俺が買われる日がやって来た。
◇ ◇ ◇
「さてさて、あなたが売れたらとっとと撤収しなければ」
カナリアを俺が逃がしたことで、この奴隷商館に兵士がやってくるのは確実になっている。
だからこいつはここを逃げるしかない。
そんな事実に溜飲を下げるしかない自分に嫌気がさすが今はこいつの不幸を願うだけにする。
今、俺は手枷ではなく手錠で繋がれ椅子に座らされている。
手枷では仰々しく出迎えには向かないとか。
首枷もチョーカーで代用されている。
どれも一級品の魔法阻害がかけてある。
魔力を集めることすらできやしない。
コンコンコン。
扉をノックする音が聞こえ、ハルネアが入室を許すとメイドが入室し客の到着を告げる。
「失礼します。ダタール国国王、セナ様がご到着されました」
「それは重畳。お連れしろ」
「かしこまりました」
直ぐにメイドが部屋を出る。
少なくない足音が、部屋の外から聞こえてくる。
魔王と呼ばれる者が1人で来るはずがない、重い足音から考えるに恐らく鎧を着ているものが数人。
脱出するには、その全員の目を欺かなくてはならない。
つまり、俺がダタールとセムルスの国境を越えれば俺が脱出する機会は永遠に無くなる。
俺が狙うのは魔王と2人きりになった時。
短期決戦ってやつだ。
「どうぞ」
「……」
「セナ様。本日はご機嫌麗しゅう」
入ってきたのは、人間か疑わしい見た目をした男だった。
まず印象的なのは頭から生えた2本のねじれた角。
さすがの俺もこれだけでは人外判定を下さない。
信じられないほどに顔がいい。
男でも抱かれるならコイツと言ってしまえるほどに顔が良かった。
金色の瞳、濡羽鴉色の髪の毛。
陶磁器のように白い肌。
乏しい語彙力を呪うほどの美貌。
気づけば俺の顔は紅くなり下腹部はキューッと切なげな感覚を俺の脳みそに訴えかけている。
冗談じゃない。俺は逃げるんだ。
「御託はいい。こいつが俺の小鳥の代わりか?」
「ええ、貴方様のお后様を逃がしたのがこの少女です」
「ほう…面白い。ずさんな警備とはいえ環境の厳しいここから逃げ延びさせるとは。どんなからくりだ?」
「ワタシからは、この少女の牢屋から『光輝』魔法の痕跡が見つかったとしか」
「ッ?!」
光輝魔法。
その言葉を聞いて魔王セナは目付きを鋭くする。
冷気が立ち上がるような感覚を錯覚した。
「…お前…」
「……私としては、お買い得に思うのですが?手癖が悪いですから親指の神経を切り、足も動かないようにしてありますよ?」
「……………」
魔王は深く思考する。
顎を撫でる仕草すら色っぽい。
「…いいだろう。料金には口止め料も含ませておく。俺がここに来た記録を残すな」
「ありがとうございますぅ!契約魔法のスクロールでございます!おい、撤退を始めろ」
「かしこまりました」
ハルネアがメイドに指示をする。
切羽詰まった状況で大仕事を終わらせたハルネアはすこぶる上機嫌だ。
魔王がハルネアを見送り、こちらを見る。
色香に負けないように魔王を睨む。
愉快な拾い物をした。
そう言うように目を細めた魔王は、俺を抱えあげようとした鎧姿の護衛に対して手で制した後、セナ自ら俺を横抱きで抱きあげた。
俺が買われた日、運命に出会った日。
俺はただただ、逃げるための算段をかき集めるので必死だった。
if
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ある方が良い
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ない方が良い