東京佐川お兄さん事件 引きこもりお嬢様の誰にも言えない秘密 作:馬門戒明/輪島ライ
仕事が休みだったある日の昼過ぎ、俺はスマホに志信さんからの着信が入っていることに気づいた。
「はい、佐川です」
「お兄さん、突然すみません。実はお兄さんに会いたくなっちゃって、今から家に来て貰えませんか……?」
「志信さん……今すぐ行きます。待っててください」
志信さんはただ単に俺に会いたくなったようなことを言っているが電話口の向こうで彼女が過呼吸になっていることは話し方からすぐに分かって、俺は仕事が休みでよかったと思いつつ彼女のマンションまで自家用車を走らせた。
以前渡されていた合鍵で玄関ドアを開けて入ると志信さんは玄関先で倒れていて、俺は慌てて彼女を抱き起こした。
「志信さん! しっかりしてください、もう大丈夫ですから」
「ありがとうございます……ちょっと不安定になっちゃって。ODとかはしてないので安心してください」
志信さんが精神科に通院してお薬を貰っていることは本人から聞かされていたので、少なくとも処方薬を一気飲みしたりはしていないと分かり俺はほっと安心した。
「私、お兄さんがいないともうだめです。こんなに依存してしまって、本当にごめんなさい……」
「いいんです、俺は志信さんが望んでくれるならいつでも結婚して一緒に暮らしますから。そんな風に泣かないでください」
志信さんは俺の腕の中でしくしくと泣き、俺はやはり不安定な彼女をどうか支えてあげたいと思った。
職場には明日の朝一で行けばいいので今日はこのまま泊まってあげることにして、ようやく立ち上がった志信さんは自分と俺にアイスティーを入れて持ってきてくれた。
「どうぞ、実家から送られてきた専門店のアイスティーです。私も結構好きなんですよ」
「ありがとうございます。志信さん、今日はもう本当に大丈夫ですからね。晩ご飯は注文できますし」
「そんな、私全然お料理できますから。お茶うけのお菓子を持ってきますね」
「お気遣いありがとうございます。志信さんはいつも優しいですね」
喉が乾いていた俺は志信さんがお菓子を持ってくる前にアイスティーをぐいと飲み干してしまい、後でもう1杯入れて貰おうかと考えた。
しかし、その瞬間に俺は猛烈な眠気に襲われ、そのままテーブルの上に突っ伏して眠り込んでしまった。
「お兄さん、これでやっと……」
志信さんは眠りに落ちた俺を両腕で抱き上げ、そのまま寝室まで引きずっていったらしい。
そして、ベッドの上で目覚めた俺は……
「……ぁっ、く、か……」
「お兄さん、本当にごめんなさい。でもずっとこうしたかったんです」
「ぁ、ぁ……」
突然の激しい苦痛で目覚めた俺は自分に馬乗りになっている志信さんに太い縄で首を絞められていて、逃げ出そうにも両手両足をベッドの脚にくくりつけられていて身動きが取れない。
志信さんは両目から涙を流しながら俺の首を縄で絞めつけ、俺は今日ここで志信さんに殺されるのだろうと思った。
「私は今からお兄さんを殺してバラバラにします。それからお兄さんを料理して食べて、私は死ぬまでお兄さんと一緒にいます」
「な、ぁ……ぁ……」
「お兄さんは私を優しい女性だって言ってくれましたけど、これが私の正体なんです。いつも好きになった人を食べたくなってしまって、お兄さんのことは初めて会った瞬間から食べたいと思っていました。だから、死んでください……」
志信さんは狂気を孕んだ表情でそう言ったが俺の首を縄で絞める強さは次第に弱くなっていて、俺は辛うじて動く膝で彼女を蹴ればこの状況を抜け出せるのではないかと思った。
しかし、俺はこの状況に至っても彼女を傷つけたくないと思った。
「どうして抵抗しないんですか。こんな頭のおかしい女に殺されそうになって、お兄さんはどうしてそこまで優しいんですか」
「……しのぶ、さん……」
「あ、ああ……」
両目から涙を溢れさせ、かすかな声で自分の名を呼んだ俺に、志信さんは何も言えなくなって縄から両手を離した。
首を絞めつけていた縄がほどけ、俺はようやくまともに呼吸ができるようになった。
「あ、あああ……」
「志信さん、俺はあなたに殺されたくないけどあなたを傷つけるようなことは絶対にできない。志信さんが満足してくれるならここで殺されたっていいけど、あなたが犯罪者になって牢屋に入れられるのをあの世から見たくない!!」
「お兄さん、お兄さん……あああっ……」
志信さんは涙でずぶ濡れになった顔のまま俺にすがりつき、両手両足を縛られた俺は彼女を抱きしめてあげられないことを心から申し訳なく思った。
それから志信さんはすぐに俺の両手両足をベッドの脚にくくりつけていた縄をほどいてくれて、俺はその瞬間に彼女を全身で抱きしめた。
「ごめんなさい……ごめんなさいお兄さん……私、お兄さんを食べたいけど殺せなかった……」
「志信さん、俺を殺そうなんて思わないでください。俺のためじゃなくて、あなたの人生のために」
「私、お兄さんのことを本当に好きになっちゃったから……お兄さんが苦しむ顔を見たくないから……」
「志信さん……」
それから志信さんは過去に起こった事件のことを語り始めて、俺はベッドの上で彼女を抱きしめたまま話を聞いた。
志信さんは都内の女子大に通っていた頃にテニスのインカレサークルで出会った慶應大学の医学生に恋をして、付き合う中でカニバリズムの欲求から今日のように彼氏を殺害して食べようとした。
その時は彼氏が必死で抵抗したため殺害には至らず、殺人未遂で訴えると言った彼氏に志信さんのお父さんは数千万円単位の賠償金を個人で支払って訴訟を取り下げて貰った。
志信さんはそれから1年間精神病院に入院して、以降はカニバリズムの欲求を抑えるためにお父さんの後輩の精神科医に外来で治療を受けていたという。
「私はお兄さんとなら素敵な家庭を作れると思っていたけど、結局はだめでした。お兄さんは私をずっとそばで支えてくれたのに、私はお兄さんを食べたい欲求を抑えきれませんでした。こんな頭のおかしい女のことは、もう忘れてください……」
「……そんなこと、できるはずないじゃないですか」
「えっ?」
驚いた表情で言った志信さんに、俺は彼女の身体をベッドの上に押さえつけた。
そのまま有無を言わせず彼女の部屋着を脱がせ、自分も服を脱ぎ去って全裸になった。
「お兄さん……」
「俺は志信さんと幸せな家庭を築きたい。だから今からあなたを俺のものにします」
「……」
俺は志信さんにのしかかるといつものように彼女の豊満な乳房に舌を這わせ、そのまま彼女の脇腹を両手で撫でつけた。
「はっ……はあっ……」
「今は快楽だけを味わいましょう。カニバリズムや殺人なんかよりずっと楽しいことに身を委ねるんです」
「お兄さん……んんっ……」
俺は両手の指で彼女の乳首をつまむと激しく刺激し、喘ぎ声を上げる志信さんの秘所に勃起したペニスをこすりつけた。
そしてコンドームを着けないままのペニスを彼女の秘所に押し当て、そのまま勢いよく挿入した。
「あ、ああ……」
「志信さん、俺の精液で孕んでください。今日はあなたが妊娠するまで何度でも射精しますから。これが志信さんの贖罪です」
「……はい……」
志信さんは覚悟を決めた表情で両脚の力をゆるめ、俺はそのまま怒張したペニスを彼女の秘所に何度も打ち付けた。
その勢いで激しく揺れる志信さんの豊満な乳房を両手で揉みしだき、彼女の首筋に必死で吸い付く。
「俺は志信さんのことがこの世界の誰よりも好きです。これから付き合っていく中でまた首を絞められたって殺されそうになったって、俺は志信さんからずっと離れません。あなたが死ぬ時は俺も地獄までお供します」
「お兄さん……大好きです……」
志信さんは涙声でそう言うと自分の首筋に吸い付いている俺を両腕で抱きしめ、俺は彼女の両腕の温かさを感じながら全身に力を込めて射精した。
ドロドロとした半透明の液体が志信さんの膣内に流れ込み、俺は彼女が受精する確率を少しでも上げようとペニスをぐりぐりと彼女の膣内に押し付けた。
俺はそれから全身を脱力させた志信さんを再びベッドに押し付け、思うままに愛撫を繰り返した。
そして再び怒張を取り戻したペニスを今度は後背位で志信さんの秘所に挿入し、彼女が苦しさに喘ぐのも構わず膣内に射精した。
志信さんとベッドの上で激しく抱き合いながら、今の俺と彼女は野生の本能に身を委ねているのだろうと感じた。
そして……