Sideスズナ
「___よし!」
髪の乱れや身だしなみを整え、今度は服装に取り掛かる。
「少し寒いけどいつもより気温が高いからスカート履いちゃお!」
クローゼットの中にしまっていた白いスカートを履く。
「上はどうしようかな・・・1番可愛いの・・・」
鏡の前で色々と体に合わせていく。部屋着を脱いで下着姿のままクローゼットの中で服とにらめっこする。
そんな中、部屋の外から声が聞こえる。
〈スズナ?〉
「お母さん!!ちょっと聞きたいことあるから入ってきて!!」
ドアが開きお母さんが入ってくる。
「どっちが似合うと思う?」
私はそう言って赤と白のトップスをお母さんに見せる。
《今日はずいぶんと気合が入ってるのね。スズナが好きな方着ればいいと思うけど、強いていうなら・・・うーん。こっちかな!》
「やっぱりそう!?じゃあこっちにする!」
そう言って私は白のトップスを履く。
《あら?彼氏と会ってくるの?》
「ち、違う!!///」
《あらあら、顔が真っ赤ね。》
「そんなんじゃないってば!!」
私は慌てて服を着替え、家を後にしようとしたとき
《スズナ》
お母さんに止められた。
《あたって砕けろ・・・よ。》
「だ、だからそんなんじゃ無いって!!」
《うふふふ》
そして私は玄関を飛び出た。待ち合わせは噴水前。少し早かったかなと思いきやその5分後にスモモちゃんがやってきた。いつものスモモちゃんとは服装が違うため一瞬見間違えたかと思った。
(あ、あのスモモちゃんがお化粧してる!?)
化粧をバッチリと決めて、スモモちゃんの大人っぽさと相まって物凄く似合っている。
「スモモちゃん今日はいつも以上にオシャレだね!」
「スズナさんこそ・・・や、やっぱりスズナさんもノアさん狙ってる?」
「ふえ!?」
「やっぱりそうだよね!」
「ち、違うよ!今日はたまたまだって!!ノアさんとは別にそんなことないよ!!」
「本当に?」
「・・・本当だよ。」
「じゃあ、私が独り占めして良いですよね?」
「え・・・?」
「私、あれから考えたんです。まだ知り合って日が浅いけどこの気持ちを確かめてみたい。」
「スモモちゃん・・・それって」
彼女は、真剣な目で私を見ていた。スモモちゃんがノアさんを独り占め・・・あぁなんでだろう。胸がモヤモヤする。
___関係ありますよ。"恋人"なんで。
彼の言葉が私の脳内を駆け巡る。
「だからスズナさん。今日は私、本気でこの気持ちを確かめるためいきますから覚悟してくださいね。」
そう言ってスモモちゃんは私の腕を掴み___
「スズナさんも本気できてください。そうじゃないと取っちゃいますよ。」
「ごめん!!お待たせ!」
そして彼が来た。
………
……
…
(スズナもスモモも髪型というかいつもの服装じゃない。しかもなんだか2人ともいつもと違う雰囲気だ。)
俺は2人を見てそう思った。この目、ユウリやマリィ達に似てる・・・いや、まさかな。
スズナとスモモは俺が来る前に何かあったのだろうか。もし合ったのならば少しタイミングが悪かったのかもしれない。
「スズナ、スモモ・・・なんかいつもと違う雰囲気だけど何かあった?」
「別に?ねぇスズナさん」
スモモがスズナに目線を送る。
「う、うん!なーんにもないよ!行こっか!」
2人の空気は依然変わっていない為いつもの2人に見えるが___
(ん?)
そんな俺の服の裾を引っ張る・・・いや正確には俺が着ているパーカーの端っこを控えめにちょこんと引っ張ったスモモが居た。そして少し恥ずかしそうに顔を赤らめ__
「今日、寒いですよね。待ってる間手が冷たくなったので温めてください!」
そう言って彼女は、手を握る。そのまま互いの指と指を絡ませる。いわゆる恋人繋ぎだ。
「す、スモモ?」
「寒いので。」
そして、俺に向かってあざとくウィンクをしてくる。その仕草に俺はドキッとしてしまう。
もしかしてスモモに好意を寄せられているのかもしれないが、ハッキリとそうだとは断定できない。
「の、ノアさん!!早く行きましょ!」
「あ、ああ・・・っとその前にスズナ、スモモちょっといいか?」
「ん?なに?(なんですか?)」
「2人共、服凄く似合ってる。可愛いよ。」
「ふえ!?///」
「!?」
2人は同時に頬を真っ赤に染める。
「え、え〜とじゃぁ、行こっか?」
「う、うん!!」
「は、はい!」
そして俺達はキッサキシティを、回り始めた。
………
……
…
___一方その頃。
3人の様子を影から見守る3人組がいた。
「キッサキシティ、寒いとね・・・」
「あのスモモちゃんって子自分の気持ちに気付いてるね。でもスズナちゃんも気づいてるには気づいてるけどなんかもどかしい!!」
「ユウリ、あの距離で聞こえてるの!?」
「ふっふ〜ん。こういうこともあろうかとノアさんの襟に盗聴器を付けておいたんです!!」
「ユウリ、それ普通に犯罪だから」
「何なら私達もアウトよりに近いからね。あの子達のあと尾行するなんて」
「まぁまぁ・・・あ、これどうぞ。」
ユウリは2人にイヤホンを渡す。盗聴器から聞こえた会話を3人で聞く。
こうしてこの3人による尾行が始まるのであった。
………
……
…
Sideスズナ
(手を繋いでる・・・)
ノアさんとスモモちゃんは互いに手を繋いでいた。
(わ、私も・・・で、でも拒絶されたら・・・分かってる。自分の気持ちが・・・けど___怖い。)
「__ナ。__ズナ!」
繋ぎたいけど、彼がもし拒絶したら私は立ち直れるのか。
今のままの関係で十分じゃないのか?いや、それ以上を望むことは___
「スズナッ!!」
「ッ!?ひゃ、ひゃい!」
「やっとこっち向いた。どうしたの?具合悪い?」
「だ、大丈夫です!ごめんなさい!」
「なら良いんだけど・・・」
___もしこの関係が崩れてしまったら。
(やっぱりこの関係が1番・・・なのかな?___嫌だ。嫌・・・だよ。)
___あたって砕けろ。
今朝、お母さんが言ってくれた言葉を思い出す。
(怖い。けど・・・このまま終わらせたくない!!何もしないままは嫌だ!)
そして私は___彼の手を繋いだ。
………
……
…
Sideノア
スズナが何故か手を繋いできた。
(これ・・・もしかしなくてもそう・・・なのかな。)
2人が俺に好意を持ってる。これは間違いないと思う。俺は鈍感主人公ではないのだ。
いや、可愛い子からの好意は素直に嬉しい。___だけど・・・既にユウリとマリィのお腹には俺の子どもがいる。シロナさんとルリナ、ソニアの計5人の恋人がいる。
(前世だと5股・・・ハーレムが許されてるからと言って2人が増えれば7股か・・・)
なんて、ゲームのやり過ぎだと笑われるかもしれないが、ゲームでは無くリアルなのだ。
現にユウリ達は俺が他の子と仲良くしても嫉妬することがない。(若干怪しい)そんなご都合主義みたいなのあるかと思うだろ?あるんだよこれが・・・
だからこそ俺はこの子達の思いに応えてあげないといけない気がするのだ。
(___もしここで断ったら彼女達はどうなる?今まで通りに過ごせるのだろうか?)
そんなの彼女達次第なのだが。もし、俺が断り、恋愛というものにトラウマを持ってしまったら。彼女達は一生心に傷を負ってしまうかもしれない。
それは、嫌だな___ だから俺は___2人の手を少しだけ強く握り返した。
………
……
…
キッサキシティをぐるりと回り、ちょうどお昼時になった。
「スモモ、スズナ。少し早いですけどご飯にしようか?」
「そうですね。どこで食べましょう?」
「それなら私近くに行ってみたいお店があるんです!!」
スモモは俺の手をクイッと引っ張る。彼女に引っ張られながらついていくと途中で止まり、指を指した。
「_____あそこで!」
「……うん?」
彼女の指の先を目で追うと___【カップル専用♡】という文字がデカデカと飾られているお店があった。
「ふぇ!?か、かかカップル!?」
「スモモ!?あ、あそこはカップル専用で・・・」
(いや、確かに心のなかで凄く固い決意したけど!!)
「ノアさんは私達とご飯食べたくないんですか?」
「いや、そういう訳じゃ・・・けどやっぱりここは・・・」
___ちょっとハードル高くないか?
「駄目・・・ですか?」
上目遣いで彼女は俺を見てくる
「ッ・・・す、スズナは?ここで良いのか?」
「わ、わわわ、私はべべ、別に・・・どどど、どこでもいいですよ!!!」
スズナはキョドりながら顔を真っ赤にして言う。
「じゃあ決定ですね!」
スモモはグイグイと俺の手を引っ張り店に入る。
「いらっしゃいませ。」
「カップルシートで。」
スモモはなんの躊躇いもなくそう言う。
「かしこまりました。___では、カップル証明をお願いします。」
「カップル証明ですか?」
「はい。今、ここでキスをして下さい。」
「「は?」」
店員の爆弾発言に俺達は間抜けな声を出してしまった。
(え、何?キスしないと入れない感じですか!?)
「最近多いんですよ。男女で来店してカップル割で食べようとする輩が。ですので当店ではカップル証明のためにキスをしていただく、そういうルールになっております。」
(この店、容赦ねぇえええええええ!!)
「あ、もちろん口と口でお願いしますね。まぁそれが無理なら当店では入室を許可することはできません(ニヤリ)」
「そ、そしたら2人共他の店に・・・」
俺がそう言おうとした瞬間スモモが俺の目の前までやってきて___
___チュッ___
軽く、口と口が触れ合う。彼女は俺から離れると、えへへ・・・と恥ずかしそうに笑った。
そしてスズナを見ると彼女は顔を赤くしながらも羨ましそうに見ていた。
(あぁ・・・やっぱり2人共___)
「はい。そちらの方は入室オッケーです。では、残るは・・・」
店員は、スズナの方を見る。すると彼女は、意を決したように
__ ___チュッ___
スズナはスモモと同じく軽く触れるだけのキスをした。すると今度はスズナが顔を赤くする。そして____ ギュッ!
彼女は俺に抱きついてきた。それは力強く、けど優しく抱きしめられていた。
(やっぱり2人共・・・俺の事好きなんだ)
「はい。カップルの確認ができました。ようこそ、"キューピット"へ。お席の方へご案内します。」
こうして俺達は店の奥の席へ案内された。
………
……
…
Sideスモモ
私はノアさんと初めて会った日から彼のことを考え始めた。悪質なナンパから私を守ってくれて、その際彼と密着したとき、彼の匂いや温もりを肌で感じたとき胸がキュッと締め付けられる感じがした。その後何回か一緒に遊び___この感情の正体が分かった。気付いたのは今日じゃないと思う。多分その前から・・・
___私・・・ノアさんが好きだ。
だから今日、私はスズナさんに言った。
___じゃあ、私が独り占めして良いですよね?
___スズナさんも本気できてください。そうじゃないと取っちゃいますよ
スズナさんは自分の感情に気付いてるはず。けど、何か彼女を押し殺すなにかがある。だから私は彼女の前でノアさんと手を繋いだりくっついたりした。
するとスズナさんは意を決したように手を繋ぎ始めた。
街をぶらぶらと歩きながら過ごしているといつの間にかお昼になっていた。私は前日に調べたお店に向かう。そこはカップル専門のお店でノアさんを意識させる絶好のお店だった。評判も良く、メニューも豊富だった。ただ、1つだけ計画から外れてしまったのがキスだった。口コミにもお店の情報にも書いていなかった。少しだけ焦ってしまったが、更にノアさんを意識させるため意を決し彼にキスをした。初めてのキス。それはとても甘かった。
スズナさんもノアさんにキスをした。彼女はキスした後、顔を赤らめながら彼に抱きついた。少しだけ羨ましいと感じてしまった。あんなに来る途中、触れ合ったけど他の人がやってるのを見るとちょっとだけ嫉妬してしまう。
そして私達は"キューピット"というカップル専用の店に入ることができ、お昼を過ごした。
(今日、私の想いを伝える!!)
こころの中で私は決意した。
………
……
…
一方その頃ユウリ達は___
「あぁ!手繋いだ!!繋いだよ!!うわ〜甘酸っぱい!!」
「楽しんどるけんね・・・クチュん」
3人は街中を歩いて、手を握り合うスズナ達を見て興奮していた。
因みにユウリが1番楽しんでいる。
「あ!店の中に入ったって・・・カップル専門!?なにそれ!!私も入りたい!!」
「ユウリが入っていったら尾行がバレるでしょ!!」
「あ!そっか・・・スモモちゃん達は私達の存在に気付いてないかな?」
「どうだろ?バレてたらスズナのあの表情は出せないでしょ」
ユウリがスズナの表情を覗きこむとスズナは恋する乙女のように、顔を赤らめながらノアにくっついていた。
「あぁ〜初々しい!!青春だよ!!___ぐへへ」
ユウリはニヤニヤしながらそれを見守っていた。
パルデアで見たいのは?(上位3つ書く予定です)
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