この孤児院でイザコザを起こしまくり、孤立している俺だが一部の奴らは俺にすり寄ってくる。
自分で身を守る自信がない奴が、俺の庇護下に入ろうとしているらしい。
特によくすり寄ってくるのは、意識が定着した時にも俺の後ろに庇われていた山羊の角が生えている女の子だ。
「あたるくん、いつもまもってくれて、ありがと!」
「その分俺が困ったときには、助けてくれるよね?」
「え! あたるくん、こまることあるの? どんなこと?」
「そうだな…………。犯罪が起こった時に、アリバイがない時とか、困るかも」
「そのとき、わたしは、なにをすれば、いいの?」
「君は…………、えーっと、名前何だっけ?」
「ひどいよ! さかや おとこ! わすれないで!」
坂屋 音子かな…………。
乙子もあり得るかもしれない…………。
というか山羊が名前に入ってないのか。
身体特徴的に個性『山羊』だと思ってたんだが、それも怪しくなってきたな。
「まぁオトコちゃんは、俺がオトコちゃんと一緒に居たって、警察とか先生に言ってもらえればいいよ」
「うん! わかった! …………そ、それいがいにも、いつものおれい、あげる!」
「え、なんかくれるの?」
お互いに施設にいるんだから、個人の持ち物とかないと思うんだが…………。
そう考えていると、頬にチュッ、とオトコちゃんがキスをしてきた。
「えへへ、あたるくん、うれしい?」
「お、あ、ああ、嬉しいよ。嬉しいけど、他の人にもこういう事してるの?」
「あたるくん、だけだよ! もう!」
そう言うと音子ちゃんはどこかへ行ってしまった。
やべぇよ、
今回のは特殊な事例だけど、俺にもチカラ無しでエロい事が起こりえるんだなぁ。
驚きだぜ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
オトコちゃんがどこかに行ってしまったので、この時間で俺以上に危険視され、孤立している子を懐柔しようと思う。
孤立している子なら、万が一関係が拗れそうなときは
「よお、鋏ちゃん! 一緒に話そうぜ!」
「こ、こないで……」
ヨロヨロと此方から遠ざかろうとする女の子。
5歳以前の俺もこの子のことだけは警戒しており、名前を憶えていた。
志沢 鋏。
名前がもろに鋏で、鋏に関連する個性なのかと思いきや、ニアミスしており、両手の指が鋭利な刃物になっているという個性である。
なんで鋏? とも思うが、刃物繋がりなのかもしれない。
彼女の個性はオンオフ不能で、常に手が刃物であり、人を簡単に気付付けることができる。
そのせいで、施設の人間も彼女にあまり近づくことは無い。
標的としてはこれ以上ない相手である。
「まぁまぁ、そう言わずに……」
「ど、どうして、わたしにかまうの……」
部屋の隅に追い詰められ、これ以上逃げられないにもかかわらず、こちらに刃を向けてくることがない。
臆病なのか、優しいのか分からないが、攻撃性が低いのは好都合だ。
「俺は友達が欲しいんだけど、怖がられていてね……。同じように、怖がられている鋏ちゃんなら大丈夫かと思って」
「……」
「鋏ちゃんもどうかな? 何か困ってることがあるんじゃないの? 友達になったら助けてあげられるけど?」
そう言ってオーラで全身の守りを固めておく。
何が地雷になってキレられても怖いからね。
というか久しぶりにオーラを扱って思ったが、この世界の人間、生命力をオーラに変換できないみたいだ。
前世からの引継ぎ分しか感じ取れない。
なんか使用感も扱いずらい感じだし…………。
「ごはん…………」
「え?」
そんなことを考えて思考が脇にそれていると、鋏ちゃんの方から話しかけてきた。
「ごはん、じょうずにたべれない…………」
「おぉ、そりゃそうだよね、俺が食べさせてあげるよ」
「あと、おふろで、からだあらえない…………」
道理で臭いわけだ。
「分かったよ、俺でよければ洗ってあげる」
指の刃物の部分さびたりしないよな?
「…………わたしのゆび、あぶないけど、それでいいなら、ともだち、なる」
「おぉ! 良かった! 友達になってくれるんだ!」
戦闘に使えそうな個性持ちの下僕1匹ゲットだぜ!
その個性じゃ、到底自活できそうにないし、俺の下僕として末永く仕えてくれるだろう。
そうして彼女を友達(下僕)にしてから生活し始め、彼女の生活力の無さと、この施設の手の足りなさを実感した。
「ほれ、あーん」
「あぐぐ」
彼女の普段のご飯の食べ方は完全に犬食いだった。
…………いや、飯食うのぐらい職員が手伝ってやれや。
まじで人足りないんだな。
「ほら、もういっちょ、あーん」
「んぐむぐ」
「はさみちゃんって、こんなかんじのこ、なんだね。こわいとおもっていたから、びっくりしたよ」
それは俺も思った。
性格的には、草食動物寄りだよ。
食われる側だ。
「むぐ…………。あなたは、あたると、いつもいっしょにいる…………」
「さかや おとこ だよ! わたしもいっしょに、はさみちゃんのおせわしたじゃん! おぼえておいて!」
「おとこちゃん、うん、おぼえた」
「…………それきいたの、2かいめ…………」
これはまた忘れますね……。
そして着替えの時も。
「あたる、てつだって……」
「はいはい」
そう言って男の俺が、彼女の服を着替えさせる。
指の刃物のせいで袖口がボロボロなんですけど。
タンクトップしかまともに着替えられないんじゃない?
「…………いつもはどうやって着替えてんの?」
「…………あんまり、きがえてなかった」
あぁ、道理で臭かったわけだ。(2回目)
お風呂とかでたまに着替えさせてもらったとき以外は、そのままだったということか。
「…………羞恥心とかは無いのか……」
「しゅう……? なに…………?」
「だから…………」
そういって履いている薄汚れた短パンと汚れの付いたパンツを一緒にずり下した。
「こうやって、お股を見られて恥ずかしいって気持ち」
…………一応周囲に人はいないことを確認しているが、施設の職員に見つからないかこっちがドキドキするな。
「……? よくわからない……」
「そうか、それじゃこれは?」
そう言って彼女の秘部に手を這わせると、未知の感覚だったのか少し声を上げるが、特に嫌がる素振りを見せることは無い。
「これも特に嫌じゃないのか?」
「よくわからない、けど、てで、さわられるの、すきかも……」
その後も彼女の全身をその後も手で触り、感触を楽しんでいるとその肉の層の薄さが手に伝わってくる。
……楽しむにはもうちょっと飯を食わせないとダメだな。
最後に入浴の時。
これはさすがに男女が完全に分けられているので、俺が手伝うことができなかったので、手駒1号のオトコちゃんにお願いした。
「あ、あたるくんの、おねがいならやるけど、あぶなくないよね!? ふたりになっても、あばれないよね!?」
「…………あばれないよ……」
隣にその危険視している奴がいるのに、よくそんなことが言えますな。
考えなしなのか、よほど俺を信頼しているのか…………、よくわからないな。
そうして出てくると、2人は割かし仲良くなって出てきた。
「はさみちゃん、こまったことがあったら、わたしにいってね」
「え、いいよ、あたるに、たのむから…………」
「もう!」
…………仲良くなったよな?
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