頭をスッポリと覆うヘッドセットを装着し、ベッドに寝そべる。
妙に耳に残る起動音を発して意識がゲームの中に溶け込んで行く。
今からやるゲームのメニュー画面を開いて各種設定を弄る。
今回やるゲームはLiLiTHというアダルトゲームメーカーが創業100周年を記念して作られたお祭り作品である、カーニバル対魔忍です。
この作品は追加金額を払う事で様々な要素を追加する事が出来る様に成っています。
追加する要素はあらすじに書いた通り、その上で縛りプレイをしていきたいと思います。
まず縛りプレイの1つに娼館の運営及び利用の禁止。
そして魔薬の禁止。そして最後にキャラクターの隷属の禁止です。
娼館の運営及び利用の禁止についてですが、これは文字通り。
要するに、金策と好感度維持が出来なくなるという事です。
まあ、元がアダルトゲームなのでしょうがないね。
続いて魔薬の禁止についてです。
まず魔薬とは対魔忍における造語です、麻薬よりも依存度が高く金策の1つとして数えられています。
そしてこの魔薬には媚薬や惚れ薬、ステータスUPの消費アイテムも含まれています。
そして最後がキャラクターの隷属の禁止についてですが、このゲームには相手を問答無用で従わせる方法が無数に存在します。
代表的なのが催眠術や洗脳、魂を縛る契約書等です。それらを禁止する縛りですね。
つまり何が言いたいのかと言うと、カチコミでしかお金を稼げず、キャラに裏切られる可能性が高い内容と成っています。
方法は有りますよ、モチロン。
その上でクリア目標は三大勢力統一とします。
このゲームには三大勢力と呼ばれるものがこの国、リリス国に存在しています。
それぞれ魔の勢力、科学の勢力、忍の勢力として別れています。
その他にも大小様々な勢力も存在しています。
それらを打ち破る事がクリア条件です。
さて次にキャラクターメイクの時間です。
実はこのキャラメイク時の出身によりボーナスが付きます。
魔族ならレアアイテム獲得率UP、科学ならレア装備品獲得率UP、忍ならユニークスキルを1つ取得です。
レアアイテムには今回の縛りプレイに関わる魔薬や隷属アイテムも含まれる為必然的に無しです。
装備品には実は消耗度が設定されており、壊れたり修理する度にお金が掛かります。
今回の縛りプレイでは金策がカチコミしか無い上に、終盤には金が消し飛んで行くのでそこまで魅力的に感じません。
なので必然的に忍になります。
そしてこの忍で得られるユニークスキルの中にキャラクターの離反を防げるスキルが有ります。
ズバリ、房中術かその上位スキルのマジカルチンポです。
やってる事が洗脳や催眠術と大差ない?快楽堕ちは別ジャンルですから問題ありませんね。(個人的感想)
それと、なんでそんなスキル名かって?元が(ry
ですがこのスキル、房中術だけでも激レアスキルです。
その上のマジカルチンポなんて1000回やって1回出たら良い方です。
それくらい出現率が悪いです。
では早速やって行きましょう。
……………………やっと出ましたね、回した回数は数えたくありません。
途中房中術は出たのですがステータスがあまりにも低く回しました。
チンポだけで成り上がった男なんて呼ばれたくありませんからね。
後は忍の文字を弄って、カチコミする忍なので不忍[しのばず]とします、名前を設定してこれでOKです。
最後にパートナー、相棒の設定ですね。
このパートナーは絶対に裏切る事はありません、なら強いキャラクターを設定すれば良いじゃないかと思われるかも知れません、ですがそれは罠です。
対魔忍シリーズにおいて最強の対魔忍である井河アサギをパートナーにすると序盤から敵が強く詰みます。
その他にも鴇を設定すると嫉妬深さから他のキャラを排除しますし、不雪帰にすると出自による不安から操作キャラを他のキャラに奪われるのではないかと思って監禁してきます。
水城ゆきかぜを選ぶとその母親である水城不知火に序盤からコロコロされます。
なので強すぎず弱すぎないキャラを選ぶ必要がある訳です。
………決めました、今回はLiLiTH作品に出てくる黄龍で行きたいと思います。
彼女は原作だとマフィアのボスを勤めていた人物なので配役としてはバッチリですね。
彼女の末路?まあそれは原作をプレイしてどうぞ。
これで設定は完了です。
今回は此処まで、エロシーンまで行けずにすみませんでした。
また次回。
私の名前は黄龍。この国に存在する孤児院で世話になっている。
私の親は裏の組織のボスだと噂されているが本当かどうか分からない、むしろ私自身は嘘だと思っている。
もし本当にボスの娘だとしたらこんな所で生活していないからだ、もしも噂が本当だったとしても妾に産ませた娘なのだろう。
この孤児院には皆の兄貴分がいる、名前は不忍兄様。
いつも皆の精神的支柱と成っている人物だ。
下の子たちを不安にさせない様に気丈に振る舞い、朗らかに笑うそんな人だ。
この孤児院では夕方の6時以降の外出は禁じられている。
何故かというと、人攫いに会うかも知れないし、抗争に巻き込まれる事だってあるからだ。
この街では孤児に手を出す事は御法度とは言え絶対に安全とは言えない。
裏では当然の様に私たちの様に何の後ろ楯も無い孤児たちが拐われては消費されているのが現状だ。
この国の治安維持組織を自称する対魔忍たちや、正義の味方を自称する組織でも余りの組織の多さと街の広さに全部を対応する事が出来ていない。
毎日命の危険に怯えながら生きて、成長したらどこぞの組織で働いて死ぬ。そんな一生。
ある日兄様と新入りが外に出掛けた日があった。
なんでも新入りが親の墓参りに行きたいとダダをこねたからだ。
そうして夕方には2人とも帰ってきた、1人は物言わぬ体と成って。
兄様が血塗れに成って帰ってきた時は卒倒しそうになった。
それくらいビックリしたんだ。
どうやら墓参りは何の問題なく終わったそうだが、その帰り道どこぞの組織同士の抗争による流れ弾で即死だったそうだ。
あの日から兄様は変わってしまった。
表面上はいつも通りなのだけれど身体を鍛え始めたし、色んな勉強を始めた。
そんな日が続いたある夜、皆で寝ている大部屋から兄様が抜け出すのを目撃した私は後をつけている。
兄様が止まった場所は孤児院にある慰霊碑だった。
拐われた者や殺された者の名前が刻まれたそれの前で兄様は静かに目を閉じて手を合わせていた。
それが何分続いただろう、ふと兄様が私の名前を呼んだ。
突然の事に気がつかれていたのかとか、何か言い訳をとか、色々考えたけれど素直に出ていく事にした。
すると兄様は決意を秘めた瞳で私を見つめ宣言したのだ。
この国とは名ばかりの土地を統一すると。
「いつまでも争ってばかりだから孤児も無くならないし戦争も終わらない。
だからオレがこの国を統一してみせる」
この土地は多くの種族や組織が入り交じり戦争や外交をしている。
この国に存在する組織の全容は依然として知れず、どの様に成っているのかさえも検討もつかない。
そんな国を統一する等混沌無形だ、だが兄様の瞳には決意と覚悟があった。
その瞳を見つめているだけで胸の奥が高鳴り、お腹の奥が痛く苦しいほどに疼いてくる。
それから大部屋に戻り、しばらくすると静かな寝息が聞こえて来た。
布団を抜け出して兄様の隣に潜り込む。
あの時慰霊碑の前で見た顔が忘れられない。
兄様の顔を見つめ続ける。そして私は兄様の額から順番に音を発てない様に瞼、鼻、頬とキスをし最後に唇となった場面でビシリと固まってしまった。
「そこだけはダメ、兄様からしてもらわないと。
兄様、兄様、兄様。お慕いしてます、愛してます」
兄様があんな事を言い出したのは変わらないこの国の現状と、いつまでも争い続ける大人たちに対しての怒りからだというのは想像に難くない。
私からすれば大人たちはすでに見限っている、権力や権利に固執して自らの保身しか考えていない大人たち。
兄様の決断だって遅いくらいだ。
でも、いやだからこそ。なのだろう。
「変わってなくって安心しました。
優しい、優しい兄様。何処までもお供します。
此岸の先、三千世界の果てまでも。私、黄龍は兄様と共にあります」
兄様と何処までも共をするという誓いの言葉。
そう静かに宣言して兄様の布団の中に潜り込むのだった。
R-18展開は要りますか?
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いる
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いらない