藤原肇さんが枕営業で堕ちて近親相姦してしまったのを小日向美穂さんが見せつけられるお話 作:ふりーじ屋/家庭内禁書
原作:アイドルマスター
タグ:R-18 アイドルマスターシンデレラガールズ 藤原肇 小日向美穂
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ふの字が雑談したことのある戦前生まれの男性の一人称は、「俺」と「僕」が二大勢力で、「ワシ」はごく少数でしたね……。
しかし悪い人間という一種の人間が世の中にあると君は思っているんですか。そんな鋳型に入れたような悪人は世の中にあるはずがありませんよ。平生はみんな善人なんです。少なくともみんな普通の人間なんです。それが、いざという間際に、急に悪人に変るんだから恐ろしいのです。
――夏目漱石『こゝろ』上 先生と私 二八
※
「ねぇ……ねぇ、ねぇ、肇ちゃんっ」
「あ、はい、すみません、つい」
「あの……私たち、さぁ……スポンサーさんに《営業》に来てるんだよね?」
「えぇ」
「だから……ホテルで裸なのは、わかるよ」
「美穂さん、ほかのところの《営業》はご経験がおありでしたっけ」
「自分のスマホを持つよう言われたのは……撮るのかしら」
「どうでしょう、スマホだと撮りにくいので……手がぬるぬるしちゃったあととか滑り落ちるから」
アイドル・小日向美穂にとって、同僚アイドルの藤原肇にここまでひどく困惑させられた状況は初めてだった。
「そのスマホで、いま、夏目漱石を読んでるのは、なんで……?」
「それは、まぁ……ねぇ、お・じ・い・ちゃ・んっ」
「僕は君の祖父じゃないけれどね」
「若作りしちゃって、私の祖父より年上じゃありませんか」
美穂は、枕営業としてホテルに向かって、営業先のスポンサーと裸で同室していて、自分のスマートフォンで漱石を読んでいるはめになっている状況について、ほんの少しは理解していた。
ホテルに向かう前、肇から「しばらく私の手際を見ていてください」と妙に自信ありげに言われた。スポンサーの老人と肇はすでに馴染みで、美穂は初対面だった。
顔合わせで老人が「僕は……」と切り出したとき、美穂は意外そうな顔をして老人から「このぐらいの年寄りは“ワシ”とか言っておいたほうがサマになるかな」といじられた。雑談が始まった。美穂は営業前の雰囲気をほぐすためか、と思いてきとうに合わせた――「君ら、夏目漱石の小説を読んだことがあるかい」「……こ、『こゝろ』なら」「いいね! 僕の孫も高校で習ったって聞いてる。僕の実家って雑司ケ谷が近いんだ」「雑司ケ谷?」「あのKの墓は雑司ケ谷霊園なんだ。で、彼らはなんて会話してた?」――美穂も肇も、高校の現代文で読んだのは同作のうち「先生と遺書」の抜粋だけだった。
こうして美穂と肇は、各自のスマートフォンで青空文庫版の『こゝろ』を読んでいるのだった。
「まぁ、すぐ確かめられる……いまは便利なものだ、昔だったらいちいち本屋や図書館に行かなきゃならなかった」
「枕営業どころじゃなくなりますよね」
「えーと……“私”が“精神的に向上心のないものは、馬鹿だ”って言うと、Kが“僕は馬鹿だ”って」
「そう、そう、明治生まれでも僕、私なんだ、だから僕が僕って言っても若作りじゃない」
「そうですかねぇ」
「僕の地元じゃ、僕の父親たちもワシなんて言わなかったよ、ワシって……」
美穂は、老人が押し留めた言葉にだいたいの見当がついた――「ワシってのは年齢関係なく田舎者しか言わないよ」――そういえば漢字で書くと「亻(にんべん)」に「農」だっけ、肇ちゃんのおじいちゃんは“儂”だったっけ、などと連想した。
肇も同様らしく、老人の頬をつついた。
「なんですか、生まれ育ち東京のあなたと違って私のおじいちゃんが田舎者~って言いたいんですか~」
「それ言っちゃうんだ肇ちゃん」
「藤原先生に黙っていてくれないか……この年になってできる友達、しかも同年代って貴重なんだ」
「あなたのこともこれから“先生”と読んでさしあげましょうか」
「僕は自殺なんてできそうもないけどね」
スポンサーの老人は、岡山まで赴いて肇の祖父と会ったことがあるらしかった。
「……さっきの、本気で黙っててほしいんだけど」
「それは、先生の心がけしだいで……んん、ふっ……」
老人が全裸の肇を抱き寄せ、形のよいバストをゆっくりともみだす。アイドル・藤原肇のプロフィール上では、身長161センチに対してバスト80、ウエスト55、ヒップ84と記している。現代文の授業で『こゝろ』を読んだばかり、というのがもっともらしく聞こえるつるつると瑞々しい乳房と肌である。それはほぼ同年齢の美穂にとって見慣れているものだが、それが老人の茶褐色の斑紋がところどころ浮いた手でもまれている。老若男女の対比が美穂の心底を波立たせる。
「藤原先生と……50年前に出会ってたら、仲良くなれなかっただろうな」
「んんっ、ぁ……そんな、昔の話を、されても……ぁ、んっ……」
「まぁ、いまは年寄りだから……手前どもが藤原先生のお孫さんにたいそうお世話になってます、と切り出して」
「しらじらしいことですね……んくっ……!? や、ぁ……つよぃ、です、それ、ぇ……」
「このあいだよりずっと敏感だ」
美穂は老人の言葉に心の中だけでうなずく。老人は、肇の乳房をやわやわ撫でてふくらみをほんの少し指先ぐらいゆがませたり、その先端で初々しく色づく桃色の突起をすりすりと撫でたり、大人しいばかりに見える。美穂自身に置き換えたら「じれったいなぁ」と感じるほどである。
対して肇は、態度ではスマートフォンで『こゝろ』を読みながら老人を適当にあしらっているようで、頬や首筋では肌が紅潮してきて愛撫にしっかり反応している。
「年寄りは寂しがり屋なんだ、仲の良かった人にも悪かった人にもどんどん先立たれるから」
「先生は……んっ……いまでも、お忙しいようですが……?」
「……まぁ、ほどほどだよ。どこぞの陶器……じゃない、セラミック……屋さんの社長みたいに、なんちゃら会の会長になるとか、なんちゃら塾をやり始めたら、違うんだろうけど」
美穂は老人がぼかして言及した“社長”は察せなかったが、“陶器”で肇の祖父を当てこすりかけたとは察する。肇の祖父は地元で有名な窯元を営んでいる。東京の実業家と岡山の窯元が“友達”になって何を話すのか、まで想像しようとしてうんうんうなる。
「年寄りどうしって何をしゃべると思う?」
「え、ぇと」
美穂の顔色を読んだように、老人が口にする。
「体にガタがきたとか、死ぬときはピンコロがいいとか、そんな話」
「んっ、ふ……私の話は……されないんですか?」
「肇ちゃんみたいにすごく出来の良いお孫さんの話になると……こっちとしては、うらやましいですね、しか言えなくて……すぐ終わってしまう。不出来な孫のほうがまだ盛り上がる」
美穂は横で笑いをこらえる。言葉じたいはともかくとして、それを“すごく出来の良いお孫さん”の乳房をもみながら傍で聞かされるとシュールで滑稽に感じる。
「あの、それで……体に“ガタ”がきているんですか?」
「美穂さんの言いたいこと、わかりますよ」
「いいクスリがあって……ムチャしてるんだよ」
「腹上死しないでくださいよ」
老人の股間が、言い草に輪をかけてシュールで滑稽に見える。ペニスがヘソに届く勢いで勃起している。それが皮膚にシミやたるみの目立つ老人の腹や胸に対して明らかに浮いている。
「僕らの若いころって……兵隊にとられたり空襲で焼け死んだり、病気になったり、飛行機や船の事故に遭ったり、核が飛んできたり……長く生きようとしてもしょうがないみたいな雰囲気があってさ」
「ええと……あれ、そんな年齢でしたっけ?」
「アメリカに負けて“戦後”って、まるであそこで戦争がすっかり終わったみたいに言うからおかしい……朝鮮のときとかこりゃもう確実に日本まで広がるなぁって雰囲気で」
「夏休みみたいですよ、おじいさんおばあさんに戦争のころの話を聞きましょう~って」
ついに美穂は吹き出してしまう――これじゃふつうの営業で老人ホームとか行ってるみたい――直後、失敗したかと動揺する。笑われると冷めてしまうのがセックス含めたいていの行為の常識である。
「あぅっ、うぐっ……せんせ、ぃ……? んぅぅぅっ、うんぅぅぅっ……!」
「お話も楽しいけどね」
しかし老人は、失笑の逆風で煽られたのか、肇の胸愛撫に本腰を入れはじめる。
「肇ちゃんの肌は、本当にきれいだ。玉の肌、とはこれのことか」
「ふ、むぅっ、んんっ……な、なら、もっと、やさしく……はぁっ、ぁうっ!? 先生は、悪い、人です……!」
「……玉を懐いて罪有り、か」
「それ、たぶん美穂ちゃんに通じな……んきゅっ♥ 人が、しゃべってるときは、てかげん、してくださいーっ」
「藤原先生にとっては、掌中の珠、か」
「ぷふっ」
肇のくちびるから、艶っぽい拒絶とゆったりした忍び笑いが交互に漏れ、ときおり重なって響く。
「は……ん、ふぁあぅ……♥ そ、こ……ちくび、ばっかり、いじめないで、ください……」
「肇ちゃんが、こんなにいやらしくなってくれるなんてね……お仕事中と別人みたいだ」
「別に……そういうときも、あります……ん、ぁ、はぁ……♥」
美穂は、老人と肇がかなり打ち解けているのか、と思う。“そういうときも、ある”のはともかく――清純派アイドルはオン・オフかかわらず常に「あいつは本当に清純なのか」という好奇の視線にさらされ値踏みされる人一倍うぶなふりを続けるので、人並みの性欲が人一倍に抑圧されて反動に衝き動かされたくなるときも――それを《営業》でほのめかすことは避ける。そうなると《営業》先のかけらばかりの遠慮がなくなって、アイドルからすればやりにくくなってしまう。
「だいたい、いやらしいといったら、いまの先生のほうがよほど……」
「ねぇ、あれを見たいな」
「……美穂ちゃんの前ですよ、恥ずかしい……」
「恥ずかしいと思えなくさせてあげればいいんだね」
「先生、本当に、悪い人……あっ、ゃ、あ、んんっ……!」
老人から肇の胸への愛撫がエスカレートする。バストを腋下からアンダーバストまでほぐすよう指圧し、ふもとから頂点までひたひたなぞり上げる。そうやって意識させられてから肇は乳首をつままれる。肇の下腹部が震えてとろりと熱い蜜をこぼすのを美穂は見てしまう。肇の肩がいやいやとすくめられたりヒジが振られたりする。しかし老人が乳首を意識させる愛撫をふもとから再開すると、その流れに飲まれるように抵抗が細かくか弱くなり、さきほどよりぷっくりふくれた乳首で終わってしまう。
肇の白い胴が“く”の字に縮こまったり、弓なりに反れたりする。乳房をゆらゆら波打たせ、浅い息を漏らし、じっとりした汗を浮かせている。軽いオーガズムを何分も味わわされているらしいが、肇の顔がまだふつうの営業中のように笑っている。
「ふぁぁっ……そ、そこっ……んっ、んくっ……! 先生、紳士ぶらないで、ください……じれったいだけ、ですー……」
「美穂ちゃんの前って初めてだから、僕も緊張してさ」
「そんなの……んっ……ぇう、んんっ……ふぅ……はーっ……♥」
肇の手は相変わらず私物のスマートフォンを握っている。何やらタップやスライドの操作をしているが、肇の吐息でモニターが半ば曇っていて、何の操作か美穂の視界から遮られている。やがて老人が手の指を広げて中指の先を肇の乳首に定め、乳首の勃起具合を味わうように撫でて擦る。やや小さな乳首が指先にこりこりと押し倒され、指先が離れるとすぐまっすぐに戻る。肇が何度もウエストをよじり腰を跳ねさせる。肇の太ももまでが、てらてらと濡れ光っている。
「先生が見たいものは、知ってます……ありますよ、がんばったんですよ、私……っん、ぁ……♥」
「どっちが気持ちよかった?」
「……それは、きょうの先生しだい、ですね……?」
「じらしてくれるね」
美穂の見る限り、肇の上半身だけが老人をじらせている。下半身を見れば、秘所は陰唇がぽってり赤らんで、老人から乳首を刺激されるたびにぎゅうと収縮して合間合間に弛緩する。その繰り返しがいつになくハイペースで、まるで秘所の奥にもうひとつ心臓が拍動しているようだ、と想像する。紙や薄い刃物でぱっくりやられて血が流れるように、愛液がたらたらと跡を絶たず垂れる。下腹部の痙攣と合わせて泣きじゃくっているように錯覚しかける。あまりにはっきりした痴態で、傍にいるだけの美穂の乳首や秘所までうずいてしまう。
「ん……ンっ♥ ああぁああ……っ!? あ、ぅ、あぁ……んんっ……♥」
ついに肇がスマートフォンを取り落として、ちょうど端末のモニターが彼女の下腹部にぺったりくっつく。いきなりの冷たい感触のせいか下腹がひときわ激しく長く波打つ。肇の乳房まで老人の手からあふれんばかりにぷるぷると震える。
「……僕と、美穂ちゃんにも見せてくれるね?」
「せんせぃ、本当に……んっ……!」
震えが収まって、肇は老人の体にしなだれかかる。老人が肇のスマートフォンをつかんで何やら操作しかけ――「あの、指紋認証です」「はい」――ロックを解除して、写真一覧を表示させる。
「……これは……!」
「美穂ちゃん……」
「肇ちゃん、の、えっち……ですね」
美穂はサムネイルでも肇の顔を見て取る。作務衣姿だが、それを脱がされ胸をもまれたり、誰のものか不明な勃起ペニスを1本くわえさせられたり、太ももを開いて指で陰唇を広げさせられたりしているところまで理解する。
「補足がいるみたいだね」
「スマホは撮りにくいんです……二人きりだったから、他の人にも頼めませんし……こんど先生が撮ってくださいます?」
「いやだよ」
「あの……これは……」
「肇ちゃん、説明してあげて。僕の口でしゃぶりながら」
「……またいじわるなことを……私の口は一つですよ」
肇はくちびるを尖らせつつ、勃起を保っている老人のペニスのカリ首にくちづけする。美穂は肇の顔との比較で、写真の中のペニスと老人のそれが同じぐらいと気づく。写真の光景が老人と肇のセックスかと思う。
「はうぅ、んぷっ……ちゅっ、ちゅう……美穂さん、これは……私と……おじいちゃんの、セックス、なんです……」
「え」
「藤原先生、お元気そうで何より」
さすがに美穂の思考が真っ白になる。
「私、先生に言われて……おじいちゃんを、誘って……」
「どんなふうに?」
「おじいちゃんの家で二人きりのとき……ブラ、つけないで、作務衣のうえからちょっと……あと、少しチラって……♥ それだけなのに、おじいちゃんが……ど、どうして……♥」
「“いいクスリ”があったんだろう」
「ひ、ひど、ぃ……」
美穂はしばらく絶句して、そのあいだ肇が彼女の祖父を誘惑してセックスに及んだ顛末を、スマートフォンの画像一枚ごとに聞かされるままになる。肇の祖父が、孫の乳房や尻をどのようにもみしだいたか、勃起したペニスをどのように触らせしゃぶらせ精液を飲ませたか、肇が語り老人の相槌をうち、ずるずると聞かされる。肇と祖父がただ男と女でセックスしているだけになってしまった、と理解させられる。二人の痴態を収めた写真が下手で、肝心なところが見切れていたりピンボケしていたり接写しすぎだったりなせいで、かえって妄想がたくましくなってしまう。肇が“あととかから滑り落ちるから”と言ったのが実体験だった、と気づく。
「んぢゅ、んぷ、ちゅう、んぷ、ぱぁ……先生、どうでしたか……私、の……って、聞くまでも、ありませんね……♥」
「真に迫るご報告のおかげで興奮しちゃって……」
「あの……」
「先生の、おじいちゃんよりおっきくて……しゃぶりにくいですよ」
「僕とのこと藤原先生に聞かせたら、あっちももっと大きくなるかも、こういう話を聞くと興奮してしょうがないからね」
「あ、あの」
「あぁ、美穂ちゃんごめんね、失礼を……」
美穂は当然の疑問を――「どうして、肇ちゃんとおじいちゃんをセックスさせるなんて」――言いかけて、もぐもぐためらう。言葉にするのもはばかられる背徳であるし、老人のいかにも聞いてほしそうな表情が見るに堪えず顔をそむけてしまう。
「あ、美穂さん美穂さん」
「肇、ちゃん……」
助け舟のように肇が口を挟む。
「この人……先生の話、長いんで、30秒で終わらせるように言ってください」
「そりゃ藤原先生に比べたら長いけど」
「ぁ、ああ、はい……じゃあ、30秒でお願いします」
絶対に助け舟ではない、と理解しながら、肇の口ぶりに合わせてしまう。
「昔、こういうことしてた手合がいてさ」
「はい」
「とんでもない輩だと見下していたんだが、バチも当たらず大往生しやがって」
「そうなんですって、この人……先生、昔はまともだったんですって」
「いっそ僕も連中にあやかってみようかと」
「自分が楽しんでいないみたいな言い方するんですね。はい30秒終わりです」
「……肇ちゃんには、藤原先生に中で出させたことまでしゃべってもらったのに」
「しゃべらせたかったんですよね?」
断ち切るように肇がフェラチオを再開する。奉仕している側であるが、さきほど胸を愛撫されているときと同じぐらい肌が波打ち秘所や内ももが濡れている。信じがたいが、絶頂しているようにも見える。現実離れした光景が続き、美穂は何を見聞きさせられているのかわからなくなってくる。
「あ、あの、もしかして……肇ちゃん、以外、も……」
「そうだね……例えば、神崎蘭子ちゃんとか、新田美波ちゃんとか」
「そんな、ありえ……」
「彼女らとか、肇ちゃんとか、まっすぐな子のほうが多いね。堕ちるときもまっすぐに堕ちる気がする。これがてきとうな子だと、堕ちるときもあちこち寄り道しながら、のろのろ……んひゃっ!? 何、肇ちゃん」
「んぢゅっ、ちゅ、れぅ……んふふ、さっきおしゃべりを邪魔してくださったお返しです……ほらっ、お話続けてください」
美穂は、肇が祖父をたぶらかして近親相姦させたことを半ば信じかける。映像だけなら疑えたが、肇が現にこうして老人に奉仕しながら興奮している場面に直面して、会話までして、どんどん意識を引きずりこまれていく。老人のペニスをくわえた肇と見つめ合う。濡れた目に吸い寄せられる。
「美穂ちゃんも、興奮してる?」
「そ、そんな……っひゃあっ♥ い、いきなりっ」
「肇ちゃんをもんでるときから、物欲しそうに……んえふっ……していた、もので……ちょっと肇ちゃん」
「はふっ……んむ、ぢゅぽっ……♥ 私にしゃぶらせながら、美穂ちゃんを気持ちよくできるんですか?」
美穂は老人の手で乳房をもまれ、肇に劣らぬ勢いで弾ませる――実際、トップとアンダーの差は彼女ら自身でも見分けがたいほどわずかで――肇の痴態が乗り移ったかのように反応してしまう。乳首を指先で軽く転がされただけで、めまいがするほどの快感に襲われる。舌が勝手に泳いで喘ぎ、秘所をさもしげに濡らしびくびくと震わせてしまう。
「興奮してるでしょ、美穂ちゃん」
「こ、こんなの、おかし、ぃ……そうですっ、あなた、私たちにも、怪しいクスリを……」
「……いつ?」
「……いつの間にか」
「ぶふぉっ」
「あばっ!? 人の大事なところしゃぶりながら笑わないで……」
「なんですか、人にしゃぶってっておねだりしておいて……そんな人は……いいんですっ、美穂ちゃんにやってもらえば」
肇がぷうっと邪険に吐き出した老人のペニスは、なるほど亀頭部分がうっすら傷つき血が滲んでしまっている。肇がわざとやったのかどうか美穂は考え、すぐ嫌になって投げ捨てる。
「……じゃあ、私が、おしゃぶりするのでよろしいんですね?」
「よろしく頼むよ」
自棄混じりに進んでフェラチオを申し出て、肇のおかげで少し鉄くさい老人の亀頭に舌を這わせる。進んでしたいわけではないが、フェラチオしていればしゃべらないで済むし射精させれば老人が腑抜けになるだろう、と算段をつける。
「はぷっ、んはぁ、あんっ……ちゅるぢゅ、んふ、ちゅ……♥」
老人のペニスをしゃぶってみて、よく肇があそこまでしゃべれたものかと美穂は驚く。老年に比して異常に肥大した亀頭であごが疲れてしまう。舌の動きもままならない。
「肇ちゃん、それ、取って」
「とる? 私が撮らなくていいんですか」
「肇ちゃんだと、うまく撮れるか……」
「……美穂ちゃん、おしゃぶり上手ですよ、お射精がまんしながらちゃんと撮れます?」
それでも美穂はフェラチオを続ける。老人の亀頭から血が薄れ、美穂の唾液や先走りで濡れそぼって、舌やくちびるになじんでくる。
「えぇと……はい、これでだいじょうぶです」
「これは指紋とかいらないんだ」
「ロックされてても撮影だけはできるんですって」
「……ふぇええへぇっ、わ、わらひのれっ!?」
「んぐうっ!? くっくわえたまま、しゃべられたらっ」
美穂は彼女自身でも驚くほど動揺する。この背徳的な老人にフェラチオしている自分の姿を、自分のスマートフォンで撮影され――「まぁ、《営業》で撮られたこと、あるけどさ……」――とにかく射精させて勢いを奪ってしまおう、と割り切る。
「ほらぁ、手が震えてますよ先生、私に撮影が下手なんて言えた手ですかこれが」
「く、ぐぅ、あ、あっ……これは、み、美穂ちゃんが、お上手で……」
「私がおしゃぶり下手って言いたいんですかぁ」
「肇ちゃ、ぁ……んんっ……おっぱいだけじゃなくって、その、中身もこのあいだと一味違って……」
「ふふ、おじいちゃんを手玉にとる、って愉しいんですねっ」
肇の言葉がますます老人を興奮させている。それが美穂への助けにも妨げにもなっている。ペニスが興奮で敏感になって反応がよくなるものの、びくびくと震えて狙ったところを責めにくく加減も難しくなる。
「はうぅっ、く、うっ……お、あっ……は、ァ……や、やっぱり肇ちゃんに、頼む……」
「良いですけど……」
「な、なにさ」
「これから先生は、自分のこと“ワシ”って言って、語尾を“じゃ”にしてください」
「なん、で……ぉ、あ……! ぎゃうっ!?」
美穂もあえなく、うっかり歯を立ててしまう。肇より痛いかどうかは推し量れない。
「はい、こっちに渡して……撮りますよ……あと、おっぱいどうぞ」
「あ、はい」
「うれしいですか?」
「う、うれしい……え、違う?」
「“ワシ”はうれしいの“じゃ”」
「そ、そんな言い方は……あ、く、ぅ……肇さんの、お心遣い、ワシはたいへん痛み入る、の、じゃ……」
「いいですね♥ 話してるだけでイッちゃってるぐらいうれしいです♥ 私がそうなっちゃって、おじいちゃんもうれしいですよね♥」
美穂は二人の会話を聞かされて、脳天を見えない棒で殴られ無痛の痛みを感じているように意識が朦朧とする。フェラチオはなんとか続けているという具合で、おそらく射精には遠い――「おかしいよ、こんなの……いっそ、へたっぴ、って文句でも言ってくれれば、雰囲気が冷めて」――それがむしろ、老人にとって心地よいらしい。
「先生、おじいちゃんがこんど私のおっぱいの型で焼いてくれるんですって」
「は、はぁ……マリー・アントワネットのボウルみたいだ……あ、みたい、じゃよ……」
「おっぱいと焼き物ってちょっと縁があるんですよ? 例えば……備前ではありませんが……ほら、陶器成形で使う石膏ありますよね? あの技術を使っておっぱいを作ってるところがあるんです」
「お、おっぱいを、作る……?」
「人工乳房です。乳がん患者向けの」
「肇は……ぁ、うっ、物知り、だねぇ……ぉ……」
「おっぱいの型を作るの難しいんですよ? こう……私のおっぱいをそのまま型取りしてもぜんぜんだめで……聞いてます?」
「はぅ、ほぁっ、ぁ……!? わ、ワシは、そういう、こと、は……ぁ、っ……」
「おじいちゃん、昔は焼き物だけで食べていけなくて、塑像や彫刻もやってたそうです。そのとき先生から……どうやら人間の目って、生身の人間の形は実際の形以上に“盛って”見てしまうクセがある……と」
「そ、そう……藤原先生も、最初は教わる側だったん……ぁ、くあっ」
「粘土などでヒトの形を正確に取ると、なんだか違う感じに見えてしまうのです。だから自分の目で見て、頭の中で組み立て直して作りなさい、と……祖父も私に」
「ひ……他人さまから、感心してもらえること、身内から教えてもらって……うらやま、ぁ……」
フェラチオしているすぐ上で世間話のような声音を聞かされ、ペニスの熱と生臭さで粘膜の奥まで犯され、美穂は見失ってはいけない境目がぼやけるのを感じる。
「肇ちゃんは……本当に、おじいちゃんと、焼き物のことが、好きで……」
「はい♥」
「……ね、ねぇ、やっぱり“ワシ”とか、もう……」
「私みたいな子をたぶらかして近親相姦させるのが、先生のご趣味なんですよね~」
「んぉ、それ、ぁ……ぉお、ッほおぉ……!」
「なんで先生が苦しそうにしてるんですか~、気持ちいいのでしょう? 私、わかりますっ」
「ぉ、男が、気持ちいいとき、こうなる……っぐっ、ぉ、あ」
「難儀ですね~、私はこうしてるだけでイッちゃってるみたいに愉しい……本当ですよ?」
早く射精させなければ――「何か、何かが、手遅れに」――ペニスがますます猛り狂い、それにすがりつくように美穂は追い込みをかける。亀頭をくちびるではさみ、舌で裏筋をくすぐり、指では竿や陰嚢を刺激する。かたく、熱く、びくびくと脈打つペニスが、美穂の顔を容赦なく叩く――「射精して、早く、もう……」――念じながら、亀頭をねぶりまわし鈴口を舌先でほじる。老人の腰ががくがく震えだす。射精の予感に美穂は目を閉じる。口をすぼめて亀頭をくわえこむ。
「あ、よかったですね、先生」
「なに、が……ぁ……で、出る、から、ぁっ」
「美穂ちゃんは飲んでくれます……あと」
「ふぁ、ぉ、あ、で、でっ……ぐ、ぅう、う……っ!」
「……しゃぶりながら濡らしてくれてます♥」
精液を口腔とノド奥にぶちまけられ、くちびるの端や鼻から垂れ流しながら、また美穂の思考が真っ白になって何度も揺れた。
「……美穂さん、美穂さん」
「ご、ぇ……んぐっ……ごめ、ちょっと、精液、いっぱい、で……」
美穂の視界はまだ星が散ったようにチカチカ白んでいて、不意に肇から手首を握られてもされるがままだった。人差し指に何か固く平べったいものを押し付けられた。
「よし……動画の送り先、美穂さんのお父さんでいいですか?」
「……ふぇっ? ……え、あ……ちょ……ぉ……」
「あっ♥ 送られるの想像して、イッちゃいました?」
「い、イって、なんか……!? これ、は……あやしい、クスリの、せい、で……っ……」
「それ、肇ちゃんのおしゃべりも録られてるんだよねぇ」
「……肇は、悪い子です、おじいちゃんのお墨付きももらってますっ♥」
肇は老人のペニスを奉仕で手早く再勃起させ、上にのしかかって騎乗位でセックスしはじめた――「ほらっ、私が腰使いますから、がんばって♥」「ぼ、僕……これ、ほんと、死ぬんじゃ……!」「いいですね~、死んじゃうぐらい気持ちいいって……おじいちゃんが死んじゃったら悲しいけど、先生は……ふふっ♥」「んぐうっ、あお゙……ぉお゙、あ、あっあ゙ッ……!」「ピンピンコロリって死にたいんでしょう♥」――美穂はその光景を肇のスマートフォンで撮影させられ、彼女の祖父などの親戚へ送信させられた。撮影しながら、粘膜がそこにない男性器をしゃぶる動きをとめられなかった。
「ねぇ、先生……自分より悪い人が……その人のせい……って……」
美穂は、老人から聞かされた言葉がすべて真実である、と信じざるを得なくなっていた。
(おしまい)