解放された瞳は、ひとまず喫茶店『キャッツアイ』へと戻った。
泪と愛にはカトリーヌと戦って敗れ、彼女のアジトに監禁されていたことを説明する。
そして隙を見て逃げ出してきたと嘘をついた。
凌辱された事実については、話す気になれなかった。
それから一週間後。
後見人である永石から、父の行方を知る男が日本にいるとの情報を得た泪と愛は、ホテルへと出かけた。
瞳は店番のため残っている。
怪我で入院中の婚約者、内海刑事の見舞いへ行きたいというのが理由であった。
カトリーヌに凌辱されたあの日から、瞳は欠かさず恋人の所に顔を出している。
「さて、そろそろ閉めても良さそうね」
ランチタイムが終わり、表通りの人もまばらになった頃、瞳は店に臨時休業の札をかけた。
俊夫の待つ病院へ行くためである。
「さて、お化粧しましょう」
カトリーヌに凌辱されてから沈みがちだった気持ちが、内海刑事の事を考えるだけで明るくなる。
とにかく彼の顔を見たかった。
それだけで救われる気がした。
「今日は何を話そうかな……」
恋人との甘いひと時を想いながら店のブラインドを降ろしていると、来店を知らせるベルが鳴った。
「すみません、実はこれから臨時休業でして……」
来客者に愛想笑いを浮かべる瞳だが、その顔みた瞬間、美貌を凍りつかせる。
店先に立っていのが、あのカトリーヌだったからだ。
「な、なにしに来たのっ!」
瞳は後ずさりながら、カトリーヌを睨みつける。
しかし金髪の女怪盗は気にすること無く、薄暗くなった店内へと入って来た。
「へぇ、泥棒の隠れ蓑にしては、なかなか趣味の良い店じゃないか」
「か、帰って、今日は臨時休業よ!」
「冷たいこと言わないでおくれよ、今日は平和的な話し合いをしに来たんだからさ」
カトリーヌはカウンター席に座ると、真っ赤なハンドバックを開いた。
そして写真を取り出し、瞳の前に差し出した。
「……!」
写真を見た瞬間、瞳の眉がピクリと跳ね上がった。
そこには全裸で椅子に座る、泪と愛の姿があった。
二人とも両腕を後ろ手にして縛られており、ぐったりと項垂れている。
「この二人はね、ホテルに先回りして部屋に来た所を叩きのめしてやったんだ。二対一だったけど、アンタよりずっと楽だったよ」
合成写真でないことを確認した瞳は、唇を噛みしめた。
(こんな事なら、一緒にホテルへ行けばよかった。いやせめて凌辱された事を正直に話していれば、姉さんや愛だってもっと警戒したはずなのに……)
後悔する瞳だったが、もはや後の祭りであった。
「こちらの要求は、アンタが私と手を組むこと。もし拒否すれば、その先は言わなくてもわかるよね」
瞳の背中を、氷のような冷気が滑り落ちる。
拒否権の無い瞳は、黙って頷くしかない。
「ふふふ……ようやく同盟成立だね」
カウンターの内側に入ったカトリーヌは、瞳の前まで歩みを進める。
そして細腰に腕を回すと、いきなり唇を奪った。
「ん……んむぅっ!」
突然のキスに何が起きたかわからない瞳は、身体を硬直させた。
その間にカトリーヌは、舌を瞳の口腔内に滑り込ませる。
瞳の口内で舌と舌が激しく交差する。
「むぅん……んむぅ……いやっ! やめてっ!」
ようやく正気に戻った瞳は、カトリーヌを両手で突き放した。
そして逃げるように、カトリーヌから大きく間合いを取る。
「な、何をするの!」
「ふふっ、日仏親善ってやつさ。私はね、生まれつき男に興味を持てない性癖なんだよ。だからパートナーになってくれる同業者の女を、ずっと探していたのさ」
微笑みながら、ゆっくりとカトリーヌが瞳との間合いを詰める。
後退る瞳だが、すぐに壁に追いつめられた。
「その整った顔に細い腰、大きくて柔らかいオッパイ、そして盗みの腕。フランスでその姿を見てから、私はずっとアンタに恋焦がれていたよ。日本に来た目的も、アンタを手に入れるため。わかったかい、キャッツアイ」
「そ、そんな……私はそういう趣味はないわ」
「アンタの趣味は聞いてないよ、私が欲しいから頂くだけ、それが泥棒の流儀だろう?」
そう言うとカトリーヌは、もう一度泪と愛の写真を瞳に突きつけた。
それを見た瞳は、肩を落とし抵抗を止めてしまう。
「自分の立場がわかったようだね、じゃあ仲良くさせてもらうよ」
カトリーヌは、棒立ちになった瞳のエプロンを脱がした。
そしてスカートのホックを外し、ファスナーを下ろす。
スカートが床に落ち、ベージュ色のショーツに包まれた白い尻が剥き出しになった。
「きゃっ!」
「いい形のお尻だね、引き締まっているのに、こう丸みがあって……」
瞳の尻を撫でながら、カトリーヌはショーツをゆっくりと下ろした。
そして瞳の秘部を割って、指を差し入れる。
「ひゃう!」
刺激と同時に、瞳の体から力が抜けていく。
カトリーヌは倒れていく瞳を抱きかかえると、ハンドバックから乳白色のバイブレーターを取り出した。
「手こずらせた罰として、今日はこれでイってもらうよ」
バイブレーターは、先端が曲がっていた。
カトリーヌは瞳を四つん這いの姿勢にさせると、その秘部に先の曲がったバイブの先端をあてがった。
「いやぁっ!」
バイブから逃れようと瞳が腰を動かす。
するとカトリーヌは、平手で瞳の尻を打った。
「ひいっ!!」
「誰が逃げていいと言ったんだい、逆らうなら姉と妹の命は無いよ」
叱咤された瞳は、ビクリとするとすぐに抵抗をやめた。
泪や愛の事もあったが、それ以上に暴力が怖かった。
戦いに敗北し凌辱された事で、瞳はカトリーヌを本能的に恐れるようになっていた。
瞳が大人しくなると、カトリーヌは曲がっている方を腹側にして、一気にバイブレーターを挿入した。
「んああっ!」
「そぉれ、スイッチオン!」
カトリーヌがリモコンのボタンを押すと、瞳の中に埋め込まれたバイブが振動を始めた。
「はあぁぁぁ!! や……やめてっ!」
たまらず股間からバイブを取り出そうとする瞳。
しかしカトリーヌは、素早くその手を捻り上げてしまう。
「ダメだよ、アンタは私の命令があるまで、それを取る事は許されないんだ」
カトリーヌは、瞳から剥いだエプロンを使って、後ろ手に縛り上げた。
身動きできなくなった瞳は、バイブの刺激により、すぐに絶頂への階段へと導かれる。
「い……いやっ! はぁん! はぁぁぁぁぁっ!!」
「Gスポットバイブは効かない人間もいるけど。アンタには相性バッチリみたいだね。さあ、そろそろパートナーとしての話をしようか」
カトリーヌはニッコリ微笑むと、長い指で項垂れている瞳の顎を持ち上げた。
「あうぅぅっ……と……とめて」
哀願する瞳だが、カトリーヌは意に介せず話を続ける。
「私は今度、南東京美術館のダイヤを狙う予定さ。でも一人じゃ少々骨が折れてね、アンタの手が借りたいと思っている」
「ううぅ……はぁんっ!」
「そこで、キャッツアイに協力して欲しいんだよ」
そう言ったカトリーヌは、瞳の乳首を吸った。
嬌声をあげる瞳の秘部からは、愛液は止まる事なく流れ出し、磨かれた床の上をビッチョリと濡らしている。
「わ……わかったわ……協力する……だから……止めて……」
快楽攻めに耐えきれず、屈服の返事をする瞳。
その言葉に満足したカトリーヌは、瞳にキスをする。
「素直でよろしい、そういう子は好きだよ」
「はうっ!!」
嬌声とともに瞳の身体が反り返る。
バイブレーターの震動がMAXにされたのだ。
「はぁっ! あぁぁぁぁっ! はぁぁぁぁぁっ!!」
陸に揚げられた魚のように、全身をビクビクと震わせ絶頂する瞳。
力尽きて床の上に倒れた彼女の身は、汗で桜色に染まっていた。
開いた脚はヒクヒクと痙攣している。
「ふふふ、カワイイ子猫ちゃんだねぇ」
カトリーヌはそんな瞳を愛おしそうに抱くと、再び唇を奪った。
そして飽きるまでディープキスにふけった。
喫茶店で散々いたぶられた瞳は、カトリーヌに車で連れ出された。
行き先は南東京美術館、次の盗みの下見のためだ。
「ここがターゲットのある美術館だよ」
「あうっ!」
車から降りた瞳が嬌声をあげる。
身体の中で、バイブレーターが振動を始めたからだ。
前だけでなく、後ろの穴にまで挿入されている。
しかもそれらは、ゴム製の貞操帯で抜けないよう固定されていた。
「早くしな、モタモタしていると逆に目立つよ」
「わ、わかったわ……」
駐車場を後にすると、二人は美術館の中へ入った。
都内でも屈指の美術館は、平日でも客が多い。
その中でも金髪で長身のカトリーヌと、誰もが振り返る美貌を持つ瞳の2人組は、目立つ存在であった。
(み、見られている……)
周囲からの視線を感じる度に、瞳の体がカッと熱くなる。
前後の穴にバイブレーターを入れた状態で、公共の場所を歩く異常さが心を追い込む。
「ほら瞳、あそこにも赤外線警報装置があるよ」
カトリーヌに肩を叩かれ、はっと瞳は頭を上げた。
そして周囲に悟られぬよう、小型カメラで館内を撮影する。
今度の作戦はカトリーヌが外からバックアップし、中に潜入するのは瞳の仕事だ。
捕まるリスクは、当然ながら瞳の方が高い。
羞恥を感じつつも、瞳は懸命に美術館の防犯体制を頭に叩き込む。
「じゃあ、そろそろ帰ろうか」
2時間ほど調べた後、二人は美術館を後にした。
(ようやく帰れるわ……)
美術館の玄関を出た時、瞳は羞恥から解放される事に安堵した。
だが気が緩んだ瞬間、バイブが振動を強めた。
「はうっ!」
突然の嬌声に、客の視線が集まる。
続いて出そうになる声を、瞳は必死にかみ殺した。
すぐに駐車場に向かい、車の中へ逃げ込もうとする。
だが前後の穴へ与えられる刺激が、それを許さない。
「お、お願い、ここではやめて」
哀願した瞳は、倒れないようカトリーヌにぴったりと寄り添う。
だがカトリーヌは瞳を無視して、スタスタと駐車場へ歩いて行く。
「ま、待って……」
必死にカトリーヌに付いていく瞳。
その間もバイブレーターの振動は、どんどん強くなっていく。
瞳は声をかみ殺すのに必死だった。
駐車場までのわずかな距離が、異常に長く感じられた。
「全く、あんな所で声を出すなんて恥ずかしいね。アンタそれでも泥棒かい」
「……ごめんなさい」
車の中に入るなり、瞳はカトリーヌに叱責された。
瞳はすまなそうに俯きながら、謝罪の言葉を口にする。
「ほら車を出すよ。ちゃんとシートベルトをしな」
「わ、わかったわ。」
言われるままシートベルトを締める瞳。
するとカトリーヌは、バイブレーターのリモコンをポケットから取り出した。
「恥をかかせた罰として、アンタには私の好きな音楽を奏でてもらうよ」
「えっ……あぁぁっ!!」
車が動き出すと同時に、瞳の喘ぎが車内に響く。
いきなりバイブレーターの振動がMAXになったのだ。
「あっ! はぁっ! ああんっ! はぁっ!!」
「いい声」
「や……やめて! お願いだから止めて!」
喘ぎながら、瞳は必死に訴える。
「ダメだね。アンタは帰るまで、喘ぎ声を聞かせるんだ。もしバイブレーターを外そうとしたら、お仕置きだよ」
「はうっ……うぅん……」
シートベルトをした状態は磔に近かった。
瞳は助手席の上でバイブレーターの振動に悶え続ける。
「あうっ……あうんっ……くうっ!」
突然、瞳の声が一段と高くなる。
バイブレーターの振動に、路面の凹凸による振動が加わったのだ。
助手席で悶える瞳の声を聴きながら、カトリーヌは幹線道路から街中へと車を進める。
「いい声を聴かせてくれるのは嬉しいけど、あまりボリュームが大きいと外にも聞こえるよ」
カトリーヌの言葉に、瞳はかっと赤くなった。
車の中とはいえ街中を走っていれば、声は多少なりとも聞こえる。
歩道から車内の様子も見えるだろう。
意識すればするほど、全員が自分を見ているような感覚に陥る。
(は、恥ずかしい……)
羞恥が高まる度に、瞳は自分が更に感じているのがわかった。
そのことは、瞳の心をさらに卑屈にさせた。
女怪盗キャツアイは、もはやカトリーヌの掌の上であった。