※この作品はR-18です。

フランスから来た牝猫 BAD END   作:muzineki

4 / 10
4:屈服

次の日の深夜、南東京美術館。

そこで目玉となる展示品『冬の涙』と呼ばれる宝石が盗まれる事件が発生した。

犯人は、キャッツアイと名乗る女盗賊。

停電で警備員が混乱している隙を狙っての犯行であった。

 

「キャッツアイを探せー!」

 

刑事の声とパトカーのサイレンが、夜の街に響き渡る。

静かなはずの夜の街は、喧騒に包まれていた。

 

 

 

1時間後、警察の追っ手を撒いた瞳は、逃走用のスポーツカーを走らせていた。

行き先は、市街地から遠く離れた古びた野球場。

共犯者カトリーヌとの待ち合わせ場所だ。

 

「どうやら無事に逃げ切れたようだね」

 

バックネットの前で待っていたカトリーヌが、瞳を出迎える。

瞳は胸の谷間からダイヤモンドを取り出すと、カトリーヌに差し出した。

 

「お望みの物よ、確認して」

 

「うん、確かに冬の涙だ、約束どおりいただくよ」

 

ダイヤモンドを確認すると、カトリーヌは懐にしまった。

 

「私が警備を混乱させていたとはいえ、こうもあっさりと盗み出すとはね、さすがキャッツアイだ。やはり私の目に狂いは無かったよ」

 

「お褒めの言葉はいいわ、それより約束よ、姉さんと愛を帰して」

 

「わかっているよ」

 

そう言うとカトリーヌは、瞳の足元にメモと鍵を投げた。

メモに住所と手書きの地図が書かれていた。

 

「アンタの姉と妹はその倉庫にいる、鍵はそれさ」

 

「間違いは、無いでしょうね」

 

「もちろんだよ、だってアンタと手を組むための保険は、まだあるからね」

 

そう言うとカトリーヌは、スマートフォンを瞳の前に突き出した。

はっと瞳の動きが止まる。

そこにはダイヤを盗んでいる瞳の姿が映っていた。

 

「……!!」

 

「これをアンタの恋人に見せたら、一体どうなるんだろうね?」

 

「汚い……」

 

「フフフ……画像はこれだけじゃないよ」

 

続いてカトリーヌは、別の画像を出した。

それはディルドーに貫かれ、淫らによがっている瞳の画像であった。

 

「そ、それは……」

 

「恋人の正体が女怪盗で、しかも本性はこんな変態。刑事の恋人がそれを知ったらどんな反応をするか、興味深いと思わないかい?」

 

瞳の顔がサッと青ざめる。

そして次の瞬間、カトリーヌに飛びかかった。

 

「消してっ!」

 

スマートフォンを持つカトリーヌの右手に、瞳が掴みかかる。

 

「おや、懲りずにまだ私と戦る気かい?」

 

カトリーヌは力に任せて瞳を振り払うと、蹴りを放った。

かろうじて手でガードした瞳だったが、その威力に身体ごと吹き飛ばされる。

 

「ホラ、かかってきな、今日こそ誰がご主人様なのか、その身体に教えてやるよ」

 

そう言うとカトリーヌは人差し指で、おいでおいでと誘う。

立ち上がった瞳は、助走をつけ高々と跳躍した。

そして打点の高い飛び蹴りを炸裂させる。

 

「きゃぁ!」

 

しかし倒れたのは、蹴りを当てた瞳であった。

右手一本で受けたカトリーヌは、地面に転がった瞳を悠然と見下ろしている。

そしてもう一度おいでおいでと指で誘う。

 

「ホラ、今度はガードしないであげるよ」

 

唇を噛んだ瞳は、カトリーヌめがけて突進する。

そしてパンチとキックの連打を繰り出した。

 

「やぁっ! たあっ! せやぁっ!」

 

息もつかせぬ連続攻撃が、カトリーヌの全身に突き刺さる。

だがカトリーヌは手を腰に当てたまま、余裕の笑みを崩さない。

 

「そんな腰が引けている攻撃、いくら受けても同じだよ」

 

カトリーヌは正面を向いたまま右足を上げると、無造作に蹴りを放った。

いきなりの蹴りに対処できず、瞳はまともに食らってしまう。

 

「がはっ!」

 

くの字に曲がった瞳の身体が、真後ろへ飛ぶ。

鳩尾を蹴られた衝撃で呼吸ができなくなり、苦しそうに咳き込んでいる。

 

「アンタ、この前の夜より弱くなっているよ、そんなに私が怖いのかい?」

 

「くっ!」

 

瞳は地面に手を付くと、逆立ちの体勢から蹴りを放った。

しかしカトリーヌはそれを手で受けると、瞳の足首を掴む。

 

「遊びは終わり、ここからは躾の時間だよ」

 

カトリーヌは瞳の足首を掴んだまま回転し、ジャイアントスイングを始めた

 

「キャァァァァッ!!」

 

棒切れを振り回すような勢いで、瞳の身体が振り回される。

そして勢いがついたところで、カトリーヌは瞳を放り投げた。

 

「きゃぁっ! あぁっ!」

 

遠心力で飛ばされた瞳の身体が、ゴロゴロとグラウンドを転がる。

すぐに立ち上がった瞳だったが、回転で平衡感覚を失い足元がふらついている。

そこへカトリーヌが突進し、右手を突き出してラリア―トを仕掛けた。

 

「あうっ!」

 

カトリーヌの太い腕をまともに受け、瞳の身体が吹き飛ばされる。

再び地面に倒れた瞳の腹に、カトリーヌは膝を落とした。

 

「ぎゃっ!!」

 

「これはご主人様に逆らった罰だよ、ギブアップは無いから覚悟しな」

 

カトリーヌは潰れた瞳の背中の上に座ると、両足を脇に挟んで折り曲げた。

 

「ギャァァァァァァァァァァァァァッ!!」

 

深夜の野球場に、逆エビ固めで背中を反らされた瞳の絶叫が響く。

両足を掴んだまま、カトリーヌは更に力を入れた。

身体の柔らかい瞳とはいえ、背中を逆に曲げられる痛みには耐えられない。

技を外せない瞳は、ただひたすらに悶え続けた。

 

「がっ! がはっ!」

 

次第に苦しそうな呻きが、瞳から漏れるようになった。

背中を不自然に曲げられている上に、カトリーヌの体重により胸部が圧迫されているため、呼吸困難に陥ったのだ。

 

「もう限界かい、つまらないねェ」

 

カトリーヌは舌打ちすると、瞳の両足を離して技を外した。

ごろりと地面に転がった瞳は、身体を震わせ苦しそうに呼吸をしている。

 

「この程度では終わらせないよ、アンタにはもう少し躾が必要だからね」

 

カトリーヌは右足を大きく上げると、瞳の鳩尾を踏みつけた。

 

「がはっ!」

 

苦しそうに呻く瞳の腹に、さらにカトリーヌは体重を乗せる。

瞳はカトリーヌの足首を掴んで抵抗しようとするが、全く動かすことが出来ない。

 

「がはっ! がはっ! ぐぇ……」

 

「ふふふ、苦しいかい、でも休ませないよ」

 

カトリーヌは瞳の髪の毛を掴んで立ち上がらせると、強引に抱き寄せて首に手を回した。

そしてコブラツイストをかけた。

 

「キャァァァァァァァァッ!!」

 

凄まじい力で全身を締め上げられ、瞳が絶叫する。

首筋から肩、背中、腰と上半身のあらゆる箇所が悲鳴を上げ、瞳の目から涙が流れる。

 

「も……もうやめて、許して……」

 

涙目でカトリーヌに許しを乞う瞳。

心はもはや完全に折れていた。

カトリーヌは技を解いて瞳を突き飛ばすと、平手で打った

 

バシッ!

 

「ひ、ひいっ!」

 

頬を打ち鳴らされた瞳の口から、情けない声が漏れる。

パンチやキックに比べれば威力は低い。

しかしカトリーヌに呑まれていた瞳は、その一撃で固まってしまった。

 

「ご主人様に逆らった罰が、この程度で終わるわけが無いだろう。アンタが自分の立場を理解するまで、今日は徹底的にやるよ」

 

「い、いやぁっ!」

 

ツカツカと歩み寄るカトリーヌに、瞳は後ろ向きになって逃げ始める。

もはや彼女に戦意は無い。

あるのはカトリーヌへの恐怖だけだ。

 

「ほら、逃げるんじゃない!」

 

瞳を追いかけたカトリーヌは、背中にドロップキックを炸裂させた。

 

「ギャァッ!」

 

背後からの打撃にバランスを崩した瞳は、無様にゴロゴロ前転して転倒する。

そんな瞳に近寄るったカトリーヌは、キックの乱打を浴びせた。

 

「がっ! あうっ!!」

 

頭に、背中に、脇腹に、脚に、カトリーヌの蹴りが何度も突きささる。

キックの嵐から這って逃げようとする瞳だが、カトリーヌに背中を踏みつけられてしまう。

 

「はうっ!」

 

「逃がさないよ、キャッツアイ」

 

カトリーヌは俯せの瞳に馬乗りになると、両手を彼女の顎の下に差しこんだ。

そして顎を思いきり持ち上げる。

 

「ギャァァァァァァァァッッ!!」

 

キャメルクラッチで背中を弓なりに反らした瞳が悲鳴をあげる。

力任せに引き絞られた身体は、90度近くにまで曲げられた。

その激痛により瞳の折れた心はさらに砕かれ、遂に禁断の言葉を口にしてしまう。

 

「も……もうやめて……降参よ……あなたには逆らわない……何でも言う事聞くから……許して……」

 

涙を浮かべ、屈服の言葉を吐く瞳。

だがカトリーヌは許さず、更に強く瞳の身体を引き絞る。

 

「キャァァァァァァァァッ!!」

 

「止めて欲しいのなら、これからは私の奴隷になると誓うんだよ」

 

「わ、わかったわ……ど、奴隷になります……だから……許して……」

 

そこでようやく、カトリーヌは技を解いた。

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

「全くバカな野良猫だね。最初から素直に従っていれば、痛い目に会わずに済んだものを」

 

口元に笑みを浮かべながら、カトリーヌは瞳の頭を踏みつけた。

 

「あうっ!」

 

「これからは私の奴隷になって、何でも言う事を聞く。そのことに間違いはないね、キャッツアイ」

 

カトリーヌは足に体重を乗せ、瞳の頭をグリグリと地面に押し付ける。

 

「は、はい……間違いありません……これからは奴隷として……カトリーヌ様の言う事は……何でも聞きます……」

 

瞳が誓うと、頭を押し付けていた感触が消えた。

ホッとした瞳だったが、カトリーヌは休むことなく冷酷な命令を下す。

 

「だったらそのカワイイ舌で私のブーツを綺麗にするんだ、それで今回の件は許してやるよ」

 

「……!!」

 

瞳の顔が凍り付く。

あまりに屈辱的な命令だった。

カトリーヌのブーツを目の前に、瞳は金縛りにあったように動きが止まる。

 

「ふぅん、できないのかい」

 

「あうっ!」

 

カトリーヌの重いローキックが、瞳のわき腹に突き刺さる。

打撃に息を詰まらせた瞳が、横向きになって悶絶する。

さらにカトリーヌは、つま先で瞳の乳房を蹴った。

 

「キャァァァァ!!」

 

「どうやらまだ、躾が足りないようだね」

 

「や……やめて!! 舐めるわ、舐めますから許してください!」

 

瞳はのろのろと身体を転がすと、カトリーヌの足元に腹這いになった。

そしてカトリーヌの足に顔を近づけ、遠慮がちに舌を出す。

 

「ん、ちゅ……ぺちゅっ」

 

控えめに出された舌先で、瞳はカトリーヌのブーツを舐め始めた。

 

「そうそう、私がもういいと言うまで続けるんだ、止めたらお仕置きだよ」

 

「は、はい……ちゅっ……ん……れろ……れろ……」

 

苦い土の味が、瞳の口内に広がる。

死にたくなるような屈辱だった。

だが2度目の敗北は、瞳の心を完全に打ちのめしていた。

荒い息をつきながら、懸命にカトリーヌのブーツに舌を這わせる。

 

「……ん……ちゅぶっ……」

 

つま先から側面まで、瞳は丁寧に舌を這わせた。

右足が終わると、今度は左足。

時を経るごとに、瞳は靴を舐めるという行為に慣れてきた。

靴の先端を咥えて唾液を塗し、唇で口づけながら側面へと移動してゆく。

 

「なかなか上手いじゃないか、その調子で、次はここを綺麗にするんだ」

 

カトリーヌは足を擡げて、靴裏を瞳の顔に押し付けた。

さすがに躊躇する瞳だったが、観念して靴裏を舐める。

 

「んぅぅ……ん……ちゅ……れるっ……」

 

泥と砂の苦い味が口腔に充満する。

吐き気のあまり、意識に霞がかかってきた。

人間扱いされない事を、甘んじて受けなければならない屈辱。

それは、瞳が靴裏を全て清め切るまで続けられた。

 

「よし、終わりにしていいよ」

 

「はぁ……はぁ……っく、ぅ……」

 

屈服の儀式を終えた瞳は、地べたに座り込んでいた。

口内に残る砂と泥が与える吐き気はまだ残っている。

すぐに気分は落ち着かなかった。

瞳は胸に手を当てて、ひたすら呼吸を整えていた。

 

「よく頑張ったねぇ、今回はこれで許してやるよ」

 

カトリーヌは瞳に近づくと、指で顎を持ち上げた。

泥と砂にまみれた瞳の顔は、完全に怯え切っていた。

 

「いいかい、今日からアンタは私の奴隷だよ。呼び出しがあったら、何があってもすぐに私の所へ来るんだ。もし逆らったら例の画像はアンタの恋人の所さ、わかっているね」

 

「は、はい」

 

ほとんど反射的に瞳は頷いた。

卑屈になり、カトリーヌに媚びるような態度になっている自分が情けなくなる。

だが勝てない事を思い知らされた瞳は、もはや金髪の女怪盗に逆らえなくなっていた。

 

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