※この作品はR-18です。

フランスから来た牝猫 BAD END   作:muzineki

6 / 10
6:怪盗

午後11時50分。

九段美術館を見下ろす木立の間に、2つの影が息をひそめていた。

 

「あと10分で戦開始だよ。準備はいいね」

 

「はい、カトリーヌ様」

 

双眼鏡を持つカトリーヌの傍らで、レオタード姿の瞳が跪く。

カトリーヌの忠実な奴隷となった瞳は、小型の赤外線ゴーグルを顔に掛けて状況の報告を行う。

 

「正面玄関と裏口、そして窓には全て侵入探知センサーが設置されています。それと、庭にも赤外線の反応があります」

 

「屋根はどうだい?」

 

「人感センサー式のライトが2つです」

 

「じゃあアンタなら問題ないね。屋上の換気ダクトから中へ入るんだ」

 

言いながらカトリーヌは、瞳の身体をいきなり引き寄せた。

そして貪りつくすような激しいキスを始める。

 

「むっ……んっ……」

 

カトリーヌの舌が、瞳の歯茎や頬の内側をなぞる。

女同士でこんな事をするのは、瞳はたまらなく嫌だった。

しかし積極的に交わらなければ、後で激しい折檻を受けることになる。

カトリーヌを恐れている瞳は、自らも舌を出して淫らに絡ませた。

 

「ふっ、はうっ」

 

舌と舌が淫靡に絡み合う。

カトリーヌは舌先を潜らせ、瞳の舌裏を愛撫する。

瞳の息の温度が上昇するのを感じた所で、乳房と陰部を愛撫しはじめた。

生理的な反応で、瞳の乳首は自然と勃ちあがる。

 

「んむぅ………ふぅ…………あぁ……」

 

やがて二人が唇を離すと、唾液が二人の間で糸を引いた。

 

「フフ……私とのキスでこんなに感じてくれた。嬉しいよ、キャッツアイ」

 

レオタードの上から勃起した乳首を撫でられ、瞳は真っ赤になる。

 

「裸に首輪も良かったけど、やっぱりこの格好の方がエッチだね」

 

金髪のフランス女は、日本の中年男のような事を言いながらリモコンを取り出した。

そしてスイッチを入れる。

 

「はうっ!」

 

瞳の腰がビクンと動く。

 

「う、動かさないでください……」

 

レオタード姿で悶える前と後ろの穴には、ローターが挿入されていた。

もちろんカトリーヌの命令によるものである。

 

「お願いです。せめて盗みに行く間だけは、これを外させてください」

 

「ダメだね、今日はそれを入れたまま盗みをするんだ」

 

奴隷の哀訴に、金髪の女主人はそっけなく返す。

そして乳房を掴んで揉みあげながら命令した。

 

「さあそろそろ時間だよ。今日も愛する私の為にお宝を盗んできておくれ、キャッツアイ」

 

「……はい、カトリーヌ様」

 

カトリーヌに尻をポンと叩かれて木立を出た瞳は、闇の中へ消えて行った。

 

 

 

木と木の間を飛び移って移動した瞳は、音もなく美術館の屋上へと着地する。

そしてキャッツカードの投擲により、人感センサー式ライトを破壊すると、狭い換気ダクトへするりと潜入した。

その動きは、キャッツアイの名のとおり、猫のように俊敏だ。

 

ダクトを這って抜けた瞳は、美術館の廊下へと降りた。

図面は当然頭に叩きこんである。

ターゲットまで迷う事は有り得ない。

だがその足どりは、少しずつ淀みが出ていた。

 

「はうっ!」

 

壁を背にして周りの様子を伺っていた瞳が、小さく声を漏らした。

すらっと伸びた脚はやや内またになり、びくびくと震えている。

前と後ろの穴に挿入された、ローターのせいであった。

表面に無数のイボがついたローターは、瞳が動く度に肉壁を刺激していた。

 

ヴヴヴヴヴ

 

「………っ! あぅぅ……うっ……」

 

再び、ローターが振動を始める。

瞳は漏れそうになる声を、必死にかみ殺す。

無意識のうちに太ももはすり合わせ、肌の色は官能に染まっていく。

 

貞操帯などで固定されていない為、レオタードを脱げばローターは取り出すことはできる。

だが瞳にとって、それは不可能であった。

無線ローターのリモコンの射程はさほど長く無い。

ローターが動いているという事は、カトリーヌが近くで瞳を見張っている事を意味している。

 

「あっ………ぅ……」

 

しばらくすると、ローターの振動は止まった。

落ち着くために、瞳は一度大きく深呼吸をする。

カトリーヌの命令によりインナーショーツの着用を許されない為、レオタードの陰部にはシミが広がっていた。

 

「ふふふ……またいい絵が撮れたよ」

 

物陰から隠れていたカトリーヌは、カメラを片手に楽しそうに瞳の姿を眺めていた。

そして後の脅迫に使うための写真を、パシャパシャと撮影した。

 

「ここ、ね……」

 

目的地の展示室に辿りついた瞳は、赤外線ゴーグルを掛けてそうっと内を覗き込んだ。

視線の先には、網のように張り巡らされた赤外線ビームに囲まれる、一枚の絵があった。

 

赤外線ゴーグルをかけたまま、赤外線の間へ体を潜らせる瞳。

足元のビームを飛び越え、腰の高さのビームは潜り、慎重に絵に近づいて行く。

ほんの少しでもビームに触れれば、警報が鳴り、入り口の扉が閉まる仕掛けだ。

そうなれば、瞳はこの展示室に閉じ込められることになる。

僅かなミスも、少しの身体のブレも許されない。

 

「……あうっ」

 

ビームをまたぐため、胸の高さまで足を上げた時、瞳は声を漏らした。

ローターのイボが肉壁を刺激したのだ。

 

ビームの隙間は先へ進むほど狭くなり、まるでヨガをするような滑稽なポーズを強いられる。

その都度、ローターのイボは容赦なく瞳を責め立てた。

次第に瞳の呼吸が荒くなる。

意識は刺激を受ける前と後ろの穴に向けられ、時々うわの空になってしまう。

 

(ダメだわ……意識をしっかり持たないと、イってしまう)

 

その事に瞳は恐怖を感じた。

ここで絶頂に至れば、ビームに触れて警報を鳴らすことは避けられない。

そうすれば最高に情けない姿を、警備員に発見されることになる。

そんな形で逮捕されるのだけは、絶対に御免だ。

 

「くっ……うぅ……」

 

瞳は歯を食いしばり、慎重にビームの間をすり抜ける。

そして何とか、絵の前へと到達する事ができた。

端整な美貌を火照らせながら、瞳は丁寧に絵を油紙に包むと、来た道を戻るために振り返った。

 

「後は絵を持って逃げるだけね」

 

瞳が再びビームの森の中へ入ろうとする。

しかしその時、瞳が最も恐れていた事が始まった。

 

ヴヴヴヴヴヴ…

 

「ひっ!」

 

瞳の中で、再びローターが振動を始めた。

 

「はぅっ………あぁぁぁぁっ!」

 

急いで瞳は絵が展示されていた場所へと戻る。

赤外線ビームの網の中、瞳は盗んだ絵を持ったまま床に力無く倒れ込んだ。

上気した美貌は快感にゆがみ、半開きの唇から熱い喘ぎがもれる。

 

「んあぁぁぁぁ……だ、だめ………」

 

ローターは刺激を少しずつ強めていく。

瞳は両脚を固く閉じあわせて、挿入されたローターを少しでも締め付けようとするが、全くの無駄であった。

 

「あうぅ…………ああっ!!」

 

強烈な電撃が走り、瞳は床の上でのたうつ。

長時間ローターのイボで擽り続けられ、すっかり敏感になっていた肉壁は、瞳の意志に反して刺激に反応した。

 

「あっ………ああっ!!」

 

遂に瞳の身体がビクビクと痙攣する。

最高の芸術品を飾る場所で、瞳は絶頂に達してしまった。

そしてその様子は余すところなく、カトリーヌのカメラに収められた。

 

 

午前4時、カトリーヌのマンション。

盗みを終えた瞳はこの場所へ逃げ込んだ。

そして両手に黒皮の手枷を嵌められ、天井から万歳をする格好で吊り上げられていた。

 

パシィ!!

 

「んむぅぅぅぅ!!!」

 

瞳の背中に、カトリーヌの鞭が振り下ろされた。

 

「全く、盗みの最中にイクなんて情けない。おかげで巡回中の警備員に見つかったじゃないか」

 

ビシィッ!!

 

「んぅぅぅっっ!!」

 

ボールギャグを噛まされた口から、再びくぐもった悲鳴が漏れる。

 

「アタシが警備員を半殺しにしてなきゃ、危うく顔を見られる所だったよ。ローターごときに耐えられないなんて、アソコの鍛え方が足りないね」

 

カトリーヌは瞳の前に回ると、乳房へめがけて鞭を振り下ろす。

 

バチィィィッッ!

 

「むぐぅっ!!!」

 

身体を反り返らせ、激しい痛みに息を詰まらせた瞳は、がっくりとうなだれた。

鎖に吊られた身体はゆっくりと回転し、荒い息には苦鳴が混ざっている。

カトリーヌは、鞭の柄で瞳の顎を持ち上げた

 

「反省はできたかい」

 

哀願の表情を浮かべた瞳が、頭を縦に振る。

ようやくボールギャグが外され、瞳の身体は床に下ろされた。

 

「なら罰に耐えたご褒美をあげるよ。準備をしな、キャッツアイ。」

 

「……はい、カトリーヌ様」

 

瞳はカトリーヌの前に跪くと、腰に装着されたディルドーの先端にキスをした。

そしてディルドーを捧げるようにして持つと、それに舌を這わせ、疑似フェラチオを始める。

 

「ん………ぺちゅ………ちゅっ………」

 

「そうそう、アンタも解ってきたじゃないか。そうやって円滑油を塗れば、ディルドーの挿入も楽になるよ」

 

躾た通りの行為をする瞳を見て、カトリーヌは調教が進んでいる事に満足する。

そして瞳がディルドー全体に唾液をまぶしたところで、四つ這いになり、尻を突き出すよう命じた。

 

「次の盗みの打ち合わせは、明後日だからね。今度は頼むよ、キャッツアイ」

 

カトリーヌは、瞳の腰を掴んでディルドーを埋めていく。

自分の唾液にまみれたディルドーに犯されながら、瞳は苦悶と快楽の混じった声をあげた。

 

 

 

散々いたぶられた瞳は、昼になってようやく帰宅を許された。

心身ともにズタボロであったが、一つの知らせが彼女に元気を取り戻させた。

監禁のダメージから回復した泪と愛が、退院して帰ってくるというのだ。

 

タクシーで帰宅した姉と妹を出迎えた瞳は、台所で紅茶と菓子を用意する。

そして三姉妹でのささやかなお茶会を始めた。

 

「全くさ、病院のご飯はマズくて。あれじゃ逆に病気になるよ」

 

明るい声で話ながら、愛が菓子を頬張る。

 

「普段から塩分やカロリーの高い物ばかり食べているからそうなるのよ。これからはもっとヘルシーな食生活をしないといけないわね。」

 

微笑みながら、泪が母性的な優しい目で受け応える。

ふわりと広がるベルガモットの香りに、瞳も柔らかな笑みを浮かべる。

カトリーヌと出会ってから常に緊張を強いられてきた瞳は、久しぶりに心の平穏を得ることができた。

しかしその安らぎの時間は、何気なく愛がつけたテレビのニュースにより終わりを告げる。

 

「次のニュースです。本日、都内の九段美術館で発生した『春風の少女』の盗難について、警察は広域連続窃盗犯、通称キャッツアイの犯行と断定しました――――」

 

眼鏡をかけたキャスターが読み上げるニュースに、泪と愛は釘付けとなり、瞳は顔を伏せる。

 

「これでキャッツアイによる犯行は、今月だけで9件となります。どの事件も金髪の女により多数の負傷者が出ており、警視庁はこの凶悪な強盗団に対して注意と警戒を――――」

 

「くそっ!」

 

愛がテレビにクッションを投げつける。

 

「偽キャッツの奴、好き勝手しちゃって………これじゃ僕たち大ワルじゃないか!」

 

立ち上がり、声を荒げる愛。

 

「確かに、これ以上は放ってはおけないわ。何とかしないとね。」

 

静かな口調で言う泪も、その目つきは険しかった。

瞳はそんな二人を見て、ただ俯いて、黙っていた。

脅迫されていたとはいえ、本物である自分が偽キャッツの仕事を手伝っていたなど、とても言い出すことはできなかった。

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