「まさか逃げたりは、しないよねェ」
ニヤーと邪悪な笑みを浮かべるカトリーヌの足元には、失神した泪と愛の姿があった。
姉と妹を見捨てる事など、瞳にはできない。
「くっ……てやぁぁぁぁ!!」
半ば悲鳴のような叫びをあげて、瞳はカトリーヌへ突撃する。
しかし自棄になった攻撃など通用するはずもなく、瞳はあっさりと右手を捻り上げられてしまう。
「あっ……くっ……」
「今度こそ誰がご主人様か、たっぷりと身体に教えてあげるよ」
「きゃっ!!」
瞳の悲鳴は、カトリーヌの右手により封じられた。
カトリーヌは瞳の顔面を掴むと、右腕だけで体を持ち上げた。
瞳のつま先が地面から離れる。
「ぐっ……ぐぅぅぅぅぅぅぅ!!」
頭蓋骨を締め付けるカトリーヌの腕に、瞳の両手が伸びる。
足をバタバタさせて必死に足掻くが、カトリーヌのアイアンクローは外れない。
瞳の耳にミシミシと鈍い音が聞こえ始める。
「どうしたんだいキャッツアイ、もっと抵抗しておくれよ」
右手一本で瞳を掴んだまま、カトリーヌは歩き始める。
しかし顔面を掴まれたままの瞳には、どこに連れていかれるかわからない。
アイアンクローを外そうと足掻く手足も、少しずつ弱々しくなっていく。
「あ……が……」
力尽きた瞳の両手が、遂にぶらりと下がる。
抵抗を諦めた瞳を掴んだまま、カトリーヌは短い階段を登った。
そして登り切った所で、半べそになった瞳を石ころのように放り投げた。
「あうっ!」
青いレオタードに包まれた身体が、コンクリートの床の上にどさりと落ちる。
ぜぇぜぇと肩で息をする瞳だったが、すぐに髪を掴まれ無理やり身体を起こされた。
「ひ、ひいっ!」
ビクッと震えた瞳の前には、停車中のジェットコースターが見えた。
コースターの乗り場に連れて来られたらしい。
「次のお仕置きはここでやるよ。さあ乗りな、キャッツアイ」
「がっ!」
背中を蹴とばされた瞳が、ジェットコースターの座席へと放り込まれた。
同時にコースターが動き始め、カトリーヌが飛び乗ってくる。
コースターの座席の上をゆっくりと歩くカトリーヌの笑顔には、残忍な色が含まれていた。
「い……いや……やめて、やめてください……」
コースターの上で立ち上がった瞳は、恐怖で顔を引きつらせていた。
カトリーヌがこの表情をした時は、決まって残酷な折檻が与えられる事を、今までの調教で嫌という程思い知らされている。
「もう逃げ場は無いよ、キャッツアイ」
カトリーヌが大ぶりのパンチを振るう。
まともに喰らったら失神は免れない一撃を寸前で避けた瞳は、カトリーヌの懐へと潜り込む。
そして鋭い肘で鳩尾を突いた。
「がっ!」
鳩尾への一撃に、カトリーヌが背後によろめく。
体重の乗った肘うちが、少しは効いたらしい。
「へぇ、やるじゃないか。窮鼠猫を噛むという言葉が日本にはあるらしいけど、追い詰められると猫も噛みつくんだねぇ」
反撃されたこと嬉しそうに言いながら、カトリーヌは再び瞳へと襲い掛かる。
走行中のコースターでの近接戦。
一発が全て必殺の威力を誇るカトリーヌの攻撃を、瞳は不安定な足場の上で必死に避け続ける。
そいて隙をついては、鋭い蹴りや手刀を叩き込んだ。
だがいくら攻撃を重ねても、タフなカトリーヌはかまわず攻撃を繰り出してくる。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
猛スピードで走るコースターの上で、瞳の息が乱れていく。
細く整った眉の横を、ツツッと嫌な汗が流れた。
(このままでは、最初にビルの屋上で戦った時とまた同じ……)
「もうお終いかい、キャッツアイ。なら、こっちから行くよ」
余裕たっぷりの表情で不敵な笑みを浮かべるカトリーヌは、首を狙った蹴りを放った。
まともに喰らったら、首の骨が折れかねない一撃。
瞳はさっと下がって蹴りを避けると、隙を狙って間合いを詰める。
だがそれを読んでいたカトリーヌは、瞳の腕に手を伸ばした。
(ま、まずい!)
瞳は何とか身体をよじって半身になって手を避けた。
カトリーヌの腕力は嫌と言うほど思い知らされている、捕まれば終わりだ。
だが無理に避けたこと、そしてコースターが急に下りに差し掛かったことで、瞳はバランスを崩してしまう。
そこにカトリーヌ得意のミドルキックが襲い掛かった。
「がはっ!」
重い一撃が瞳の鳩尾に突き刺さる。
それは既に息を乱していた瞳の体力と気力を奪うには十分すぎた。
腹を抱えたまま瞳の膝がガクリと崩れる。
カトリーヌは右手を振り上げると、手の甲で瞳の頬を叩いた。
「あうっ!」
美貌を叩かれた瞳が走行するコースターの上に崩れる。
振り絞っていた戦意も尽きたのだろう、瞳の美貌はみるみる怯える奴隷へと戻っていく。
カトリーヌへの恐怖で足が震え、立ち上がることさえできない。
「さあ、覚悟はいいね、キャッツアイ」
「ひっ、ひいっ!」
カトリーヌは無抵抗となった瞳の髪の毛を掴んで立たせると、乳房をギュッと掴んだ。
そして弾力を楽しむかのようにムニムニと、ピッチリとしたレオタードの上から乳肉を揉み始める。
「あっ、いやぁっ!」
「ほんと揉み心地のいいオッパイだねぇ」
そう言うとカトリーヌは、胸を揉む指に力を入れる。
青いレオタード越しに形の良いバストが変形し、瞳は苦痛の声が漏らす。
それは愛撫というより握り潰すという行為であった。
「い、痛いっ! 痛いっ!」
「ウフフ、痛くて当然だろう? これはお仕置きなんだよ」
カトリーヌは残忍な笑みを浮かべると、腕に力を入れる。
そして瞳の乳房を掴んだまま持ち上げた。
「ギャァァァァァァァッ!!」
つま先が地面から離れると同時に、瞳が絶叫を上げる。
カトリーヌに胸を掴まれたまま吊り上げられたため、瞳は自分の体重を、胸でのみ支える事となった。
「ひぎぃぃぃぃぃっ!!あぁぁぁぁぁぁっ!!」
泣き叫んで瞳がジタバタと足掻く。
脱出不可能なのは言うまでもない。
「や、やめて、やめて下さい、お願いします、カトリーヌ様!」
奴隷としての台詞で懇願を始める瞳。
だがカトリーヌは瞳を下ろすことなく、バストへ食い込んだ指の締めつけを更に強めた。
同時に二人を乗せたコースターがループへと突入する。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
獣のような悲鳴をあげる瞳。
乳房への苦痛に、コースターの遠心力まで加わったからだ。
「む、胸がちぎれちゃう! お、お願いです! お願いですからやめてください、カトリーヌ様!」
恥も外聞もなく必死に許しを請う瞳。
乳房への苦痛、そしてカトリーヌへの恐怖に、もはや心は完全に折れていた。
美しい女怪盗をひと通り痛めつけて屈服させ、ようやく満足したレズのサディストは、最後の作業へと取り掛かる。
「やめて欲しいなら、まず質問に答えな、キャッツアイ」
「は、はい、カトリーヌ様……」
「お前は私の何なんだい?」
「はい、私はカトリーヌ様の忠実な奴隷です」
全身をヒクつかせながら、瞳は媚びを売るような声で返事をする。
しかしカトリーヌはまだ奴隷の乳房から手を離すつもりはない。
それどころか、更に乳房を握る力を強めていく。
「ひっ………ひぃぃぃぃぃぃぃっ!!」
カトリーヌに更に高く吊り上げられ、瞳が絶叫をあげる。
「お、お許しください、カトリーヌ様、カトリーヌ様ぁ……」
眼からは涙がボロボロと流れ、カトリーヌにひたすら哀願のまなざしを向けていた。
「だったらもう二度と私には逆らわない、そう誓いな」
カトリーヌが瞳を睨みつけて言った。
「は、はい! 誓います! カトリーヌ様!」
「私の言う事は、何でも聞いてくれるかい。」
「はい! 何でも聞きます! カトリーヌ様!」
媚びて、すがった口調で瞳は返事をする。
「アンタは私の言う事だけを聞いていればいいんだ、そして私だけを愛するんだよ、いいね。」
「はい、誓います! 瞳はカトリーヌ様の奴隷です! カトリーヌ様だけを愛しています!」
涙と鼻水で顔をくしゃくしゃにして忠誠の言葉を口にする瞳。
そこでようやく瞳の乳房は解放され、身体がコースターの上へと落とされた。
同時にコースターのスピードが落ちていき、元の乗り場へと戻っていった。
「ううぅっ……うぅっ……ひっ……」
瞳は嗚咽を漏らしていた。
それはかろうじて守られていた、最後のプライドが砕かれた涙だった。
だが冷酷な主人は、自分の奴隷に嘆いている暇すら与えない。
「ほら、さっさと降りな、キャッツアイ」
「あうっ!」
乱暴に蹴り飛ばされた瞳の身体が、コースターの乗り場へゴロゴロ転がる。
ようやく涙が止まった瞳が見上げると、仁王立ちになるカトリーヌの姿があった。
その視線は怯えと媚びが混じったものになっている。
「キャッツアイ、まずは奴隷であることを行動で示してもらうよ」
「は、はい」
カトリーヌが差し出したブーツに、瞳は躊躇することなくキスをした。
「ん………ちゅっ………ぺちゃ………」
「キャッツアイ、今回の反逆には相応の罰を与えるよ、いいね」
「はい……んちゅっ……カトリーヌ様の愛の鞭……れろ……喜んでお受けいたします……ぺちゅっ……」
瞳はブーツを舐めながら返事をする。
そこに凛とした女怪盗キャッツアイの面影はもはや無い。
カトリーヌは更に威圧的に命じる。
「靴を舐め終わったら、次は裸になるんだ」
「はい、カトリーヌ様……」
瞳はゆっくりとレオタードを脱いだ。
そして全裸のままカトリーヌの後をついてくるよう命じられる。
夜の遊園地とはいえ屋外で全裸になるのは恥ずかしかったが、主人の命令にはもはや逆らえない。
全身に夜風を浴びながら歩いて行くと、折り重なって倒れている泪と愛の姿があった。
「姉さん……愛……」
全裸のまま最愛の姉妹の名を呟く瞳。
カトリーヌからの支配から抜けるために力を尽くしてくれたのに、こんな結果になってしまったことに、瞳の心が締め付けられる。
そんな瞳にカトリーヌはさらに残酷な命令をする。
「キャッツアイ、アンタの姉と妹を縛ってアジトへ連れて行くから、手伝いな」
「えっ……」
その命令にはさすがに瞳も躊躇した。
だがカトリーヌにギュッと乳房を掴まれると、恐怖で身体が硬直して動けなくなってしまう。
金髪の主人への恐怖は、姉妹の愛情さえも上回っていた。
「わ、わかりました、カトリーヌ様」
腕組みするカトリーヌの前で、瞳は泪を後ろ手に縛り上げた。
それが終わると次は愛。
瞳は心の中で何度も謝罪しながら、姉と妹の両手両足をきつく縛り上げる。
(ごめんなさい、泪姉さん、愛……私、もうこの女には逆らえないの……)
罪悪感に潰されそうになりながら姉妹の緊縛を終えると、瞳の中で何かが壊れた。
それは最後の一線をさえも越え、カトリーヌの支配から抜けられなくなった瞬間であった。
「よしよし、拘束が終わったね。じゃあ次は私がキャッツアイを完全屈服させた記念のビデオを撮るよ。アンタは泪と愛の上に座ってオナニーをするんだ」
「はい、カトリーヌ様……」
屈辱的な命令に従い、瞳は全裸のまま縛られた泪と愛の上に座った。
そしてビデオカメラを構えるカトリーヌの前で開脚する。
「それでは瞳の醜いオナニーをご覧下さい、うん……あふっ……うっ……」
失神した泪と愛の上で、屈辱的なオナニーを始める瞳。
激しく乳房を揉みしだきながら、その頂上ですでにしこり立った乳首を指で転がす。
もはや瞳の頭の中には、どうすればカトリーヌを怒らせずに済むか、どうすれば愛されるかしかない。
「ふぅん……あふっ……あん! ああっ……」
股間をまさぐる右手の指がクリトリスに触れた途端、その口から吐息がこぼれた。
愛液が失神した泪の首筋に垂れても、瞳はその行為を止めなかった。
「ウフフ、アンタは本当に可愛いねえ。これからは一生、かわいがってあげるよ」
ビデオで撮影をしながら満面の笑みを浮かべるカトリーヌ。
瞳の心を完全に砕いた事実に、金髪の女怪盗はご満悦だ。
3度の敗北で完全に屈服し、姉妹さえも裏切った瞳には、もはや居場所はどこにもない。
この日、瞳は本当の意味でカトリーヌの奴隷となった。