チビ殺し 作:時村ニレ
――『泣いてはいけない』・『慈悲を求めてはいけない』・『謝ってはいけない』。
絶対的な指示を3つ、頭に全て叩き込んでからわたしはうなづいた。返答を声に出すことはできない、気管を多少圧迫されているからだ。
暗黙の了解として『命令してはいけない』、『叫んではいけない』くらいの含意はあるだろう。もちろん『逃げてはいけない』も。少なくとも、奥さんの方は、わたしが泣き叫ぶと火に油を注ぐことになる。『黙って耐えて死んでいく報いの器たれ』、――自分に言い聞かせてもう一度首を縦に振った。
奥さんの手足が離れる。
「……。ありがとうございます。虫の良すぎることでも、検討して頂けて……、ゲホッ」
どうにか言い切り、なるだけうつむいて咳き込んだ。
右足は親指が完全に潰れている。まだこの程度だというのに、わたしはとんでもなく冷や汗をかいて震えている。
目を閉じる。じっとする。
辛うじて補助監督になれる程度の呪力しかなかった。術式などあるはずなかった。父は三級術師で、その実力に逆らえない程度の弱さしかなかった。
御夫婦と比べてわたしは脆い。御二人が、やりたいことをやりたいようにやりとげるだけの強さが、果たしてわたしにあるだろうか。
「あなた。私が思うに、……総監部で勧められた通り、念のためでも
「……。いいのか?」
「ええ。私は許容する。この状況なら、不貞なんかじゃなくて、必要な拷問というか処置だと思うの。逆に、血筋の呪いとか、そういうことをちょっとでも気にする余地が残る方が、絶っ対的に馬鹿馬鹿しい」
「そうか。なら、俺とコイツの体格差がネックになるな」
「え?」
「モノが物理的に入らないかもしれんという事だ。コイツ、どう見てもチビだろう?」
「…………。無理しても入りそうにないなら、穴の方を切って大きくするとかどうかしらね。あの箱の中に都合のいい刃物が無いかしら」
下を向いて静かに
『俺のモノが使えるのが大前提だ』と妻は言った。
『使える』という言葉には、
「座らせたままだと犯りづらいな。拘束を外すぞ」
「はい」
腕の拘束を外して無理矢理立たせる。
女はたたらを踏んだ。さっき潰された右足の親指のためか。本人が数秒浮かべたしかめ面と傷跡からの出血を、俺は意識的に無視する。
死装束の袖を荒く掴む。歩かせるというよりむしろ身体を引き摺らせる形で、呪符だらけの壁に、ずっと小柄な背を押し付けた。
「おい、上はともかく下は完全に脱げよ。肌着が邪魔になるだろうが」
「……は、はいっ!」
言われて初めて気づいたように、女は慌てて帯を解いて下着を脱ぎ出した。
あんな事をしでかしておいてギャーギャー騒がれるよりはずっとマシだが、妙に殊勝だと、俺はそれはそれで癪に障るらしい。
己のベルトを外す、ズボンを下ろす、下着を下ろす。――そしてつい今しがた晒された女の秘所に俺は指を向けた。
「――!!」
目の前の小さな肩が跳ねて震えて、その動きを俺は力づくで押しとどめる。
コイツに俺が気遣うようなことは一切したくない。俺が屈んで相手の背丈に合わせるよりは、相手を持ち上げてから俺の股間に宛がう形で下ろす方がいいと思う。自重の圧が掛かる分、拷問としての意味があるだろう。
女の身体は、想像通り軽々と持ち上がった。
「歯は食いしばっとけよ。舌噛んで死なれるなんて笑い話にもならないからな」
「……」
俺の顔の真横、無言のうなづきと息遣いを悟る。
「両腕は俺の背中に回せ、――そう、それでいい」
もう俺のブツは勃っている。妻の前で女にしごかせるのも、拷問のために妻にやってもらうのも、どちらであっても違う気がして、気合で何とかした。
触れた時から知れた事だが、予想通りその場所は硬く、狭く、きついらしかった。
とはいえそう濡らした訳でもない相手の場所に、俺のモノは、――よし、先端だけでも入りはした。とすれば、後の問題は『全部収まるかどうか』だ。
無意識であろう、女の足が俺の足に縋るように纏わりつく。俺はそれを拒絶する。……女の体重を、なるべく、呪力強化した俺の怒張のみが支えるように。俺の腕も、壁も、女の背をそっと支えるだけ。
小柄な股関節そのものを割り広げるような気がした。
血と粘液と、体温と、強い締め付けと、ついでに至極どうでもいい呻き声と息遣いを伴いながら、ともあれ刃物抜きでも俺のモノの挿入は成った。
できるだけコイツが痛い思いをしているならいいと思う。心からそう思う。
人は、時に『犯される』ことで生命を落とすことがある。例えば、強い衝撃による心臓の発作や、挿れられた際の出血が死因になった場合だ。一般社会の刑法での『強姦致死』という罪は、そのようなケースが事実として存在することの裏返しでもあるだろう。
さっき総監部で、あの家系の当主からは射精した方がいいと勧められた。やろうと思えば
『首を絞めれば、女のナカも締まる』、――どこで聞いた知識だったか。どこかの呪詛師の供述だった気がするけども。
俺は、コイツを死にたくなるほど苦しめたいとは思っているが、今殺したいとは思っていない。
一級術師の俺と、この女との力の差は大きい。加減を誤れば死なせてしまう。
今一度、女を抱え直してから少しだけ腰を落とした。俺の左腕は女の背に回したまま、右手で女の首を掴み、顎を多少上げさせる。眼鏡を掛けた若い顔をちらりと見下ろす。ひどく汗だくで紅潮しているらしい。
そんな女の頸動脈は、俺の指先に位置していた。早鐘を打つような脈拍が、その存在を主張する。
俺のモノも真っ直ぐに屹立し、大きく脈を打っていた。この女のナカで。
愛撫も何もなかったなりに濡れてはいるようで、少し動かせば締め付けと、おそらく血が混ざっているであろうぬめり気が伴った。
頸動脈の位置を見失わないようにしながら、気道への圧をほんの少し強めた。
……。確かに、昔聞きかじった知識は正しかったらしい。
首を締め付ければココも締まる。この状態で抜き差しすれば、……『
――快楽ではなく痛みを。あの子らを殺めた代償を……!!
意思を抱えたまま半ばほど抜いて、すぐに突き上げる。
ずちゅりっ、ずちゅり、ずちゅっずちゅっ……
2往復でボルテージを上げて、更に2往復。俺にしがみ付く女の腕の圧が上がる。
――そうだ妻の言う通りお前は罰を受けるだけの器であればいい、俺が吐き出すのはその罰の発露だ……!!
俺が抉じ開け、擦った、最奥の場所。報いのための胤を俺は一気にぶちまけた。
この作品をどのタイミングで知りましたか?
-
あにまんで連載中に知った
-
あにまんで完結後に知った
-
ハーメルン掲載中に知った
-
その他・答えたくない