ダンまち入れ替わり二次創作 作:Nistlabe
「覚悟はできとるんやろうなぁ、ベル・クラネル!」
ロキ・ファミリアの主神ことロキの怒声が、その場に響き渡る。
「うちのアイズたんキズモノにしただけやなくて孕ませたやと? 潰してやろうかぁ!?」
「ちょっと待て、ロキ!」
口を挟むのは我が子を守ろうとするヘスティア。
彼女は机を叩きながら、その大きな胸を揺らしつつ反論する。
「そもそもベル君と体が入れ替わったからって好き放題したのはヴァレン某くんの方じゃないかっ!むしろベル君は孕まされた被害者だぞ!?」
「そんな理屈が通るかぁ、ドチビっ!」
「いやロキ、こればかりは神ヘスティアの方が正しいよ」
ロキ・ファミリアの団長であるフィンが、冷静に告げた。
マジックアイテムで体が頻繁に入れ替わるようになっていたアイズとベルは、主にアイズのせいで爛れた生活を続けていた。男の快楽に目覚めたアイズが、頻繁にベルを抱いていた。二人の子供、新たな命がその体に宿ったのは、ある意味当然の結果だった。
「責めるべきはアイズなのだろうが......まさか私は、信じて送り出したお前が自分を孕ませて帰ってきたとは思わなかったぞ」
リヴェリアが、頭痛を堪えるようにため息をつく。先程まで久々に元の体に戻ったアイズは、愛しそうに自分のお腹を撫でていたが、唇を尖らせる。
「私の好きな人は自分で決める」
「つまり、お前は、お前自身が好きだというわけか?アイズ」
「違う。かわいいのはベル」
「体はお前のものだろう?」
「私の体に入ったベルは、私のものとは思えないほど、かわいい」
「否定はしない」
リヴェリアの言葉に、自分で言っておきながらアイズが頬を膨らませる。
「あれほど素直なアイズは正直見たことがなかったし、むしろあれくらい素直であってくれた方が、私の心労も大分減ったと思うのだが......」
「リヴェリア......うるさい」
「それはそれとして! お前はいくら入れ替わった自分が相手だからといって、その子供はどうするつもりだ。ファミリアとしての問題もあるが......」
「生むよ。そして......ベルと一緒に育てる」
リヴェリアの視線が、ずっと怒号のなかで縮こまっていたベルへと向けられる。緊張からビクッと姿勢を正したベルは、やがて決意を固めた顔で答える。
「はい。僕は......許されるなら、父親としての責務を果たしたいと思います。こんな未熟な僕が、ロキ・ファミリアの皆さんに許してもらえるかどうか、わかりませんけど......」
「暴動がおきかけていたよ」
主神を納得させるのを諦めた団長のフィンが口を挟む。
「何せ、アイズだ。ロキ・ファミリアの幹部にしてアイドル的存在。僕もレフィーヤに会うときは注意した方がいいと忠告させてもらうよ」
「あ、あはは......」
「しかしフィン、この場合どっちを叱るべきだ?私はアイズを奪っていく男にはそれ相応の報いを与えるつもりでいたが......」
「ンー、二人の性格を考えるに、手を出したのは入れ替わったアイズの方だと考えるべきだね」
ベルの顔が一気に赤くなる。対照的にアイズは、胸を張る。
「ベルはかわいい。我慢できなくても、仕方ない」
「その調子でベル・クラネルをこれからも孕ませるつもりじゃないだろうな、アイズ?」
「......ダメなの?」
手に負えんとばかりに天井を見上げるリヴェリア。苦笑するフィン。ガレスはそもそも、子供が生まれるなんてめでたいことだ、と一歩引いたスタンスで接している。
後はずっと、舌戦を続けている両ファミリアの神々だろうか。
「とはいえ、こちらも想定外だったとはいえ、アイズを長らく君に預けていたわけだけど......アイズがいなければ、ファミリアの遠征が滞る。それは理解しているね?」
「は、はい」
「フィン。この際、ラビット・フット......ヘスティア・ファミリアと遠征を共にするのはどうだ?」
「ギルド次第かな。やはりランクの違いで共有するべき情報が変わってくるだろうしね」
そこへ、ぷっと頬を膨らませたアイズが口を挟む。
「......私はもう少し、ベルとエッチなことがしたい」
その言葉に、部屋の中が静まり返る。頭痛をこらえる、フィンとリヴェリア。
胸に手を当てながら、アイズは言う。
「ベルの体で、私の体に入ったベルと、ずっとエッチなことがしたい」
「......子供を宿しただけではまだ足りんのか?」
「足りない」
「本来異なるファミリアの幹部同士の結婚と言うのは、色々とトラブルが付き物なんだけどね......」
「ベルはすごいし、優しい。私が何を求めても叶えてくれる。私は、ベルがほしい」
「完全に男の欲に呑まれてるな......」
ベルは乾いた笑みを浮かべる他ない。そんな彼の手をとるアイズ。
「ね。早く、またエッチなことをしよう?やっぱり私は、ベルを女の子みたいに喘がせたい。ベルはかわいくて、エッチだから」
ベルはかわいくてエッチ。
繰り返されるその言葉に、すべてが詰まっている気がする。
「待てアイズ、話は......」
リヴェリアが止めようとすると、アイズはわざとらしくぷいと顔を背け、ベルの唇を奪う。入れ替わり続けたせいか、そんな些細なことでも入れ替われるようになっていた。
ちゅぽんという音を立てて離れる唇と唇。つながった銀の唾液の橋を、大人びた顔の少年がぺろりと舐めとる。
「え、ええ!?アイズさん、僕の体......」
「じゃあ、行こっか。ベル」
少年に引っ張られ、少女が部屋を出ていく。後に残された面々は、呆れと、ちょっとした敗北感を味わいながら、この事態にどう収拾をつけるか考えていた。