「時間操る系のチート能力」を手に入れた 作:あああああ
HRの最中、剛川への復讐を考ていた。
しかし、剛川本人に復讐するのはまだ早い。それどころかその取り巻きにすら、まだ早いと思っていた。
桃崎あけびに復讐した時、俺は多少ながらスっとしてしまった。俺の怒り、恨みがあの女への制裁だけで消費され、満足してしまうのか。
俺の中の黒い感情はその程度なのか。
俺は俺を試してみようと思う。
もし剛川たちと関わりの薄い人間に八つ当たり地味た――――しかしクラスメイトもいじめの黙認をしているのだから、クラス内の生徒なら誰に何をしてもある程度正当性はこちらにあるとは思うが。――――をして気分が晴れてしまったのあれば、もはや俺に凝った復讐をする動機はない。
さっさと剛川を殺してしまおう。
謝罪も受け取らず、塵や芥を払うように一瞬で。
5000年も剛川の時を加速させれば文字通りの塵芥と化すだろう。簡単な事だ。
「剛川グループ」から外れた、しかし俺が快く思わず、手酷い仕打ちをしても心痛むことがない人物。
そんな人間に激情をぶつけて、俺の黒い衝動の正当性を見つめてみよう。
俺は目の端で一人の女を見つめる。
「黒羽めるこ」……重い前髪をした陰気そうな女だ。
肩まで伸びた天然パーマが全体のボリュームをかさ増ししており、目の下には薄くクマがある。見た目からは、何者も寄せつけないモサっとしたオーラが漂っている。
いかにも「冴えない」感じの女だが、意外にも彼女は周囲から好意的に受け入れられている。それは彼女の無害さ。小動物的な愛嬌からなる社交性からであった。
クセがあるのは前髪ぐらいなもんで、彼女は人との会話を極度に恐れたり、妙な価値観を人に強制したりするような、陰キャ特有の負の側面が薄い。
その分、自己主張も薄いが、彼女の容姿とのギャップとで愛されキャラというか、マスコットというか。
個性的である事を真っ当に受け入れられて、いつの間にか冴えない組……俗に言う陰キャの象徴、代表格として扱わられていた。
そしてそれは多分、どこか意図的だった様に思う。
自分のキャラクターをブランディングして親しみやすさを演出し、
自分よりも「程度の低い人間」の中に溶け込んでゆっくりと君臨するような、そういう賢しさが、この女にはあった。
まあ、それ自体は別に。醜悪とまでは思わない。
浅ましいとは思うが。
俺はいじめが始まる前。進級したてでクラスの関係値が出来上がる前に、彼女とやや親しくなった。
見ているアニメや聞いている音楽の趣味が近くて会話が弾んだのだ。
もちろん、そんな関係はすぐに打ち切られた。剛川のいじめが始まってすぐ、彼女の方から疎遠になったからだ。
とはいえ仕方の無いことであるとも認識はしていた。彼女が俺の事を庇ったら彼女までいじめの火の粉が降りかかるかもしれなかったし、納得は出来なくとも理解はしていたのだ。
だが、決定的にこの女を憎むきっかけとなったのは、俺を笑った事だ。
彼女は俺が剛川にいじめられている時に、俺が裸に剥かれて鼻水や涙を流して許しを乞う様子を見て、遠くから俺を笑った。瞬間、彼女と目が合って、直ぐに彼女は顔を逸らした。
あの時、何を思っていたのだろう。安心か、優越か。趣味も価値観も近い、親しくした事もある人間に、そこまで残酷にになれるのか。
俺はその時、全裸を人に笑われるより、殴られるより蹴られるより、黒羽さんの心の内を想像する事がよっぽど痛かった。
あの瞬間に、彼女と俺の関係は二度と修復が出来ないほど壊れ、憎しみの対象となったのだ。
――――クラスが静まり返る。
誰も何も声を発さない。動かない。当然だ。この世界で時を過ごしている存在は、俺と黒羽さんの2人だけなのだから。
耳が痛くなるほどの静謐。だから、黒羽さんの動揺の声はしっかりと聞こえた。
えっ?えっ。えっ? と周囲を見渡して困惑を体現している黒羽を見つめて、言った。
「今から鬼ごっこをしよう。捕まえたら殺すから」
◾︎
時は現在へ戻る。俺は目の前で泣きながらこちらを見つめる黒羽さんを見おろしていた。
「あの、裏切りってなにを…」
そう。裏切りだ。黒羽めるこから俺に受けた裏切りはより強度をもった裏切りで彼女を辱め、達成される。
「まず、服はいらないよね」
俺は黒羽さんに手を翳し、服の時間を加速させた。あっという間に服が朽ちて砂のように飛んでゆく。
「わっ。えっ。わっ」とちいかわのように鳴く彼女の動揺は、恥じらいへと変わり、身を守るように屈んで、アワアワとした様子で平たい胸と秘所を腕で隠す頃には全裸になっていた。
「貧相な体だね。ハリガネみたいっていうか、子供っぽいっていうか」
あえて露悪的に言う。あなたに性的な魅力はありませんよ、と印象付ける目的だ。実際、彼女の肉体は年齢からしてみても未成熟で不健康に見える。
あまり外で遊ばないのか病的に白いし、アバラが薄く浮くほど痩せていて、太ももから下の脚のラインも殆ど直線と言っていいほど細かった。おっぱいもない。
ニッチな需要は満たすのかもしれないが、彼女の不健康を心配する感情が先にきそうな躰だった。
「その姿勢じゃ意味ないから。気をつけの姿勢で立って」
彼女はみるみる顔色を変えた。青くなったり、赤くなったり、羞恥やら恐怖やらでいっぱいいっぱいといった感じだ。滲むように汗も出てきている。
ぷるぷると震えるだけで屈んだままの彼女に低めの声を出す。
「立てよ。申し訳ないって思ってんだろ?」
緩慢な動きで、彼女は気を付けの姿勢を取り始める。やっと気を付けの姿勢になった時には、
目が涙で潤み、白い肌に羞恥の朱色が差し込んでいた。耳までタコのように真っ赤だった。
改めた見た胸はやはり平たかったが、完全な無乳という訳ではなく、ややふくらみがある。
全体的に色素が薄いのか、乳首の色も薄く主張する程度。
陰毛も生えていたが、薄かった。
処理したような形跡もないから単純に薄いんだろう。
ガッツリ生えているか、なにも生えてないことを想像してたから、なにか意外には思った。
未成熟で、痩せぎすな体。しかし、そんな彼女が昼間の校舎の一角で恥じらいながら全裸になり気をつけをしている。
未成熟。校舎。恥じらい。3種のインモラルが混ざったエロさが、そこにはあった。
「大丈夫だよ。犯したりしないから」
努めてなにも感じてない風に言う。陰茎は痛いくらいに張っていたが、ズボンと腹の間に挟んでいるので一見して分からないだろう。
これからする事に、彼女の恥じらいは邪魔だ。
これから彼女が行う事を考えたら、自分はゴミか、それ以下の存在だと思ってくれていた方がスムーズに進行できると思った。
用意してきた油性ペンのキャップを外した。
彼女の白いキャンバスに卑猥な言葉や記号を書き入れてゆく。
ペンが肌を走る度に痛いのか、こそばゆいのか、呻くような声を上げていた。
潤んだ目に、困惑の色が見えたが、無視して全体に満遍なく書き入れる。遠目からでも変態だと分かるように。……よし、できた。
エロゲーでよく見るような変態女か、それを越した何かが今ここに誕生した。
乳首にオメコマーク、太ももに正の字、下腹部に子宮の記号なテンプレートから、
「おまんこ大歓迎♡」「肉便器無料セール♡」等の書き文字。
少し考えて、背中には「私は裏切り者です♡」と書いておいた。中々に自信作だ。
小動物的な雰囲気のある彼女に、下卑た卑猥な落書きがよく映えて、淫靡な魅力さえ発していた。
これは芸術だ。
前に話した感じ、彼女もややオタクが入っている。どこかで見たり聞いたり位はした事があるだろう、その書き文字をやはり恥ずかしそうにしていた。
しかし文字入れの時に沢山見られた事と、俺の満足気な様子をみて羞恥もやや和らいだ様な気配だった。
「あ。あの、これで……?」
ああ。なるほど。終わりだと思ったからだ。
これで終わりだと思ったから、解放されて許されると思ったから、その感じを出せるわけね。ウケる。
こんな程度で満足する訳ないだろ。
「その格好で校舎全体を走り回れ。私は変態女ですって叫びながらな」
そう伝えた黒羽めるこの表情は本当に笑えた。
エロ描写にたどり着くまで結構かかっちゃった。