PERSONA5 Osaka's Phantom Thieves 作:ボルメテウスさん
俺の名前は瓜生達臣。
「……それで、質問ですけど、杉元さんは一体どういう経緯で怪我をしたんですか」
現在、眼前で、笑顔で凄い圧で見つめているしのぶ先生にどう言い訳をしたら良いのか分からないただの高校生だ。
この病院に訪れる少し前、パレスでの戦いにおいて、杉元さんがシャドウのナイフによる一撃によって、腹部に大きな傷を負ってしまった杉元さん。
杉元さんを助ける為に、すぐに病院へと連れて行った俺達。
怪我をした杉元さんに対して、しのぶ先生は特に気にした様子もなく、治療を行ってくれた。
そこで安心し、油断してしまった。
「いやぁ、それはその」
「あれ程の怪我、日常生活で負う事はありません」
俺がどのような言い訳をしたら良いのか迷いながら、目を逸らした。
それに対して、しのぶ先生は、先に俺の言葉を遮るように言った。
「実は包丁が誤って、刺さってしまって」
「明らかに人を殺すような刺され方をされていました」
次に千束もまた言葉を挟むように言う。
「私、こう見えて、裏の世界の人達を治療する事もありますので。
それと似た傷口をしていました」
しかも、まさか裏の世界の関係者だとは、予想外であった。
どうすれば良いのか、迷いながら、俺と千束は目を合わせる。
確かに裏の世界と関係を持っているんだったら、そう考えるのは無理はないだろう。
だが、杉元さんの怪我の原因は、パレスで会ったシャドウ。
そのシャドウによって刺された怪我と言っても、おそらくは信じてくれないだろう。
どうすれば。
「……最近話題になっている奴に襲われた」
「杉元さん!?」
そう、俺達が悩んでいると、杉元さんが起き上がっていた。
「杉元さん、安静しておいてください。今のあなたの身体はかなり重症です」
「これぐらい平気だ。治療をしてくれたおかげで、動ける程度には回復した」
「そういう問題ではありません」
杉元さんはベッドから起き上がる。しかしまだ本調子ではないのか、足取りはおぼつかない様子だった。そんな状態で動くなんて無謀すぎる。俺は杉元さんの肩を掴む。
「いいですか? あなたはまだ治りきっていないんです。無理をして動けば悪化しますよ?」
「……お前達には迷惑をかけたな。すまなかった」
杉元さんは頭を下げる。
「いえ、元々は、俺達のせいですし」
「だとしてもだ。だからしのぶ先生、こいつらの事は責めないでやってくれ」
そう、杉元さんはそのまましのぶ先生にもまた頭を下げる。
「はぁ、瓜生君」
「はっはい!」
「今度、メロンパンを一つ、奢ってくれればいいですよ?」
そう言ってくれたしのぶさんは優しかった。
こちらの事情を察してくれた様子だ。
「勿論です、今度、奢らせてください」
「えぇ、楽しみにしています」
そうして、しのぶ先生には悪い事をしてしまった。
「とりあえず、俺には説明してくれるよな」
「まぁ、そうですね」
だが、杉元さんには事情を話す必要は変わりない。