PERSONA5 Osaka's Phantom Thieves 作:ボルメテウスさん
「異世界に、パレスね。
実体験がなければ、とてもじゃないが信じられない内容だったな」
俺は杉元さんに対して正直に言った。
あの場で巻き込まれた以上、嘘をつく事は出来ない。
何よりも俺達の事を察して、しのぶさんから庇ってくれた杉元さんには嘘をつきたくない。
それが、俺の本音である。
「それで、貴様はどうするつもりだ? まさかとは思うが、彼らを止める為に行動するのか」
同時にピーちゃんは杉元さんに対して問いかける。
これから俺達が行う事はある意味人間の心を変える事。
それは犯罪である可能性がある。
「正直に言えば、大人としても、お前らのバイト先の責任者としても、お前達の行動は止めるべきだと思っている」
杉元さんの言葉は間違いない。
そう、不安に思っている間に。
「まぁ、けど、どうせ俺がここでお前達を止めてもやるつもりだろ。
ならば、付き合ってやるよ」
「杉元さん」
そう呆れながらも、一緒に戦ってくれる事を意味していた。
「ふむ、ならば杉元、貴様に聞きたい事がある。
この辺に武器になりそうな物はないか?」
「武器だと?」
ピーちゃんは、そう杉元さんに問いかける。
「貴様のあの身のこなし。とても素人の動きではなかったが、何かの兵士だったのか?」
ピーちゃんの問いかけに対して、一瞬だけ杉元さんは顔を曇らせたが。
「別に、ただ少しだけな」
それと共にこちらに視線を合わせようとしなかった。
その事もあり、俺達はそれ以上の詮索はしないでおこうと考える。
「だが、武器と言われてもな、そんなのがこの周辺にあるのか?」
「別に本物じゃなくても良い。見た目だけでも良い」
「というと?」
「あのパレスという世界はいわば認知によって形成されている。
つまりは、その武器の見た目が本物に近ければ、その武器が本物になる」
「ようするにリアルなごっこ遊びが出来れば良いという訳か?」
「そうなるな」
俺はそう言うとピーちゃんも頷く。
すると。
「だったら、あてがある。
ついてこい」
すると、杉元さんはすぐに歩き出した。
疑問に思いながらも、俺達はその後ろへとついていく。
やがて、辿り着いたのは、路地裏。
そこからすぐに辿り着いたのは、ミリタリーショップとバーが合わさった店。
「ヘルシング?」
「ここだ」
そう、店を開ける。
そこにはバーを経営していると思われる物腰は極めて穏やかそうな老人が1人立っていた。
「いらっしゃいませ、おや、これは久し振りですね、杉元さん」
その老人は杉元さんを見ると、尋ねる。
「久し振りだな、ウォルターさん。悪いんだけど、さっそくだけど一つ仕事を頼めるか?」
「ほぅ、仕事ですか」
杉元さんの言葉を聞いて、バーのマスターだと思われるウォルターさんは目を細めながら笑みを浮かべた。
「それで、どのような物を」
それと共に杉元さんはすぐに注文する。
その銃の内容に関して、俺達には分からなかった。
だが、そうしている間にも用意されたのはモデルガン。
俺と千束の分も用意されており、それを見つめる。
「うわぁ、本当にこれモデルガンなのか」
「本物にしか思えないよね」
そう、俺と千束はそれらの銃を見て正直な感想を言う。
「それで、これを何に?」
「ちょっと、悪者退治にな」
そうして、杉元さんが歩兵銃を受け取りながら、言う。
「そうですか、それと瓜生君だったけ?」
「はぁ、なんでしょうか」
そのまま俺の方にウォルターさんが話しかける。
「また、何か必要な物があれば言いなさい。用意しておいてあげましょう」
「……あの、それは嬉しいのですが、正直に言うとなんで協力を」
俺は疑問に思い、そう問いかける。
すると、ウォルターさんは。
「なに、君達が何か面白い事をしようとしている。
それが気になっただけだよ」
そう、先程までの穏やかな雰囲気からは考えられない何かを、彼から感じた。
決して油断をしてはいけない相手だと、その時になって、改めて自覚した。