PERSONA5 Osaka's Phantom Thieves 作:ボルメテウスさん
薄暗く、禍々しい雰囲気。
悪人の心によって形成されているパレスと呼ばれる場所へ踏み入るのは、これで4度目となる。
未だに慣れないながらも、俺はその腰に装着されている銃を確認しながら、ため息を吐く。
「それじゃ、作戦通りと行きますが、本当に大丈夫ですか、杉元さん」
これから向かうパレスにおいて、杉元さんが行うのは命懸けの特攻。
それはあまりにもリスクが高く、心配になる。
しかし。
「オタカラを盗む為には、どちらにしても正面突破が必要だ。だったら俺が正面で囮になっている隙にお前達がオタカラだったか? それを盗れば解決だろ」
そう、パレスに入った時に既に身に纏っていた軍服と共に、その軍帽を目元を隠すように呟く。
俺は、その言葉に対してどう返事すれば良いのか迷っていると、隣にいた千束が俺の肩を叩く。
「龍臣はそうやって心配になりすぎだよ、何よりも、そんなに心配だったらすぐに盗れば解決でしょ」
「俺の事が心配だったら、それこそ、早くオタカラを盗って来い」
2人の言葉を聞くと共に、先程までの心配だった気持ちが嘘のように消える。
同時に。
「だったら、さっさと解決しましょうか」
「それじゃ、さっそく行こうか!」
千束のその一言。
それと同時に、杉元さんは、そのまま前に出る。
処刑所を思わせるパレスの真ん中。
シャドウは既に杉元さんに気づいた。
「お前は、あの時の死に損ない」
シャドウは、杉元さんの顔を見た瞬間、顔を青ざめる。
前回の戦いによって、杉元さんの恐怖を骨身に染みたんだろう。
「よぅ、今度はきっちりとお前を殺してやるからな、そこで大人しく待っていろよ」
そんなシャドウの顔を見ながら、杉元さんもまた笑みを浮かべながら、走り出す。
「やっ奴を近づけさせるなぁ!」
杉元さんの行動を見て、シャドウは絶叫。
それと共に、多くのシャドウ達が一斉に杉元さんに襲い掛かる。
それらの攻撃に対して、杉元さんは、その手にある歩兵銃を真っ直ぐと一体のシャドウに向けて、引き金を放つ。
パンっと火薬が破裂するような音がして、影が吹き飛んだ。
「……!」
だが、それだけではなかった。
倒れそうになったシャドウに対して、歩兵銃の先端に突いているナイフで突き刺す。
突き刺さったシャドウと共に、そのまま周囲にいるシャドウ達に向かって突っ込む。
「うおおぉっぉぉ!!」
集団となって、襲い掛かるシャドウ。
それに対して、杉元さんはまるで怯む様子はなく、むしろ圧倒していた。
「なっなんだよっこいつはっ」
異常とも言える光景。
それが、シャドウに恐怖を植え付けていた。
「俺は不死身だぁ!!」
シャドウの攻撃は確かに杉元さんを傷つけた。
だけど、それは杉元さんを怯ませる事はなかった。
シャドウ達は杉元さんを囲んだ。そして一斉に襲い掛かった。
シャドウ達は、そのまま杉元さんにしがみ付くが、振り払われる。
「なんだよ、こいつはっ」
そう、シャドウが恐怖している間に。
「それじゃ、終わりにしようか」
「えっ」
杉元さんに対して、恐怖を感じている間に、俺達は囲んでいた。
「一斉攻撃だ!」
同時に、俺達はシャドウの集団に対して一斉攻撃を行う。
その攻撃に対して、シャドウは対抗する事が出来ず、そのまま倒れる。
「そっそんなっ俺はっ」
すると、杉元さんは、そのままシャドウに近づく。
「今すぐ、悪事を止めろ、でなければ」
そう、杉元さんの目を見たシャドウは恐怖で顔が歪んでいく……そしてシャドウは叫ぶように言った。
『やめろぉ!! 俺はこんなところで死にたくない!!』
その叫びと共にシャドウはその姿を消した。
「ふぅ、さて、どうにかなったか」
その言葉と共に、この戦いは終わった。