PERSONA5 Osaka's Phantom Thieves 作:ボルメテウスさん
俺の名前は瓜生龍臣。
「頼む、妹をっ、救って」
最後に妹の事を思う兄の声を聞いた高校生だ。
巷では最近になって怪盗団と呼ばれる連中が現れたらしい。
ピーちゃん経由で知ったが、どうやら俺達と似たような手段でパレスに入る事が出来るらしい。
これまで、そのような事を知らなかった俺達にとっては寝耳に水だったが。
「彼らの目的は分からないが、基本的に改心、つまりは我々と似た行動を取っている。
ならば、それを隠れ蓑にして、行動をすれば良いだろう」
「それはそれで、なんだか悪い気がするけど」
「別に我らは悪事を働いている訳ではない。ならば、このまま続けるのも一つの手だろう」
「まぁ、確かにな」
この大阪では現在は天王寺組と呼ばれるヤクザにほとんど支配されている。
構成員と思われる人達とは知り合いという事もあり、色々と世話になっている。
「よぅ、やっているか」
「おぉ、馬渕さんじゃないか」
そうしていると、寄ってきたのは、馬渕春斗。
彼もまた天王寺組の一員である事は知っている。
彼とも、彼が所属している所のリーダーとも知り合いだ。
「いやぁ、眠気がヤバくてな、ここの珈琲を飲みに来たんや」
「えぇ、それって、珈琲が不味いという事ですか?」
「ちゃうちゃう、反対や、美味すぎて起きれると思って来たんや、あと千束ちゃんのウェイトレス姿を見たくてなぁ」
「もぅ、褒め上手ですからぁ」
馬渕はそう言いながらも雑談をしている。
彼らはヤクザではあるが、決して悪い人ではない。
むしろ、一般人である俺達からしたら心強い人である。
同時に、彼ら程の大きな組織でも、この町の胸糞悪い奴らに対抗するには数が少なすぎる。
すると、馬渕さんは何かに気づいた。
「・・・なんや、この物音は」
「どうしたんですか?」
「なんか、聞いた事のない音や」
すると、馬渕さんはいきなり周囲を見渡した。
俺は、それに対して疑問に思うと、馬渕さんはゆっくりと周囲を探る。
「馬渕さん?」
「瓜生君は、少し下がっとき、もしかしたら」
そう、音の発生地である茂みに近づく。
怪しげな茂みであり、同時に馬渕さんもまた、武器を取りだそうとした。
だが、そこで俺達が見たのは。
「なっ」「なんだこれはっ」
そこにいたのは血塗れの青年だった。
歳としては、馬渕さんと同年代ぐらいだと思うが。
「ナオトっ!?」
すると、馬渕さんは驚いたようにその人物に寄り添う。
「千束!すぐに治療出来るのを!それと救急車を!!」
俺はそのまま叫び、身に纏っている物で血を縛る。
「春斗か」
「あぁ、そうや!お前、なんでここにっ」
そう、馬渕さんは血相を変えた様子で見つめる。
「妹が、カレンがっ」
「カレン?」
その名前に、俺は聞き覚えがあった。
確か、俺の学校でも優等生として有名だったはず。
「カレンちゃんって、確か生き別れのっ、その子がどうしたんだっ!」
「カレンを引き取った奴らがっ、カレンを政治の道具にっ!頼むっこんな事を頼むのは筋違いだと思うけどっ、カレンをっ」
その一言と共に、彼は。
「なっナオトっしっかりせい!救急車はっまだかっ!」
先程まで和やかな雰囲気であった公園。
だが、突然の惨劇によって、大きな騒動へと変わっていく。