PERSONA5 Osaka's Phantom Thieves 作:ボルメテウスさん
「ここが強盗団のパレスか」
俺達は、目的地へと向かった。
今回のターゲットとなる強盗団のリーダー格。
そいつのパレスだと思われる場所へと、俺達は辿り着く。
「にしても、これは一体」
そうしながら、俺達は、そのパレスの内部を見渡す。
パレスの入り口部分はどうも巨大な穴が空いているらしく、それがそのまま洞窟のようになっていたのだ。入り口部分から中に入ると、そこには石造りの廊下が伸びていた。
まるで、古い冒険映画にでも出てきそうな内装である。
だが、そんな洞窟のような内部を進む。
その道中で罠や魔物を思わせる人間が見える。
「なぁ、これって一体」
「強盗団にとっての認知だとすると、奴らにとって、この街は」
「宝を盗む為の街として、認識されているのかしら?」
そういうことだとすると、この先にいるリーダー格というのは、どこまでも巫山戯ている。
それを思ったのは、俺だけではなく、この場にいる全員だった。
特に。
「……ぐっ」
狛治さんはそれが特に強く感じただろう。
その手はあまりにも強すぎる握り締めのせいで震えていた。
そして、それはこの場の全員が同じ反応だった。
それはそうだろう。
こんな馬鹿げた、ゲームみたいな話をして。
狛治さんにとっては大切な人達を傷つけた。許せない相手なんだ。
それこそ、今すぐにでも戦いに行きたいぐらいに。
同時に感じた気配に、俺達はすぐに物陰に隠れた。
「っ」
俺は、そこにいた存在を見る。
それは、おそらくは強盗団のボスのシャドウ。
巨大な人型の影のような姿に見える。
しかし、それは虚栄だろう。
まるで虎の毛皮を被った小人のようだ。
だからこそ、その姿を見た時にある意味納得することが出来た。
なるほど、だから強盗団なのかと。
いや、それだけじゃない気がするが。
とにかく。
あの男が、今回の騒動の元凶だ。
間違いない。
あの存在が、全ての元凶であり。
狛治さんの大事な人達に手を出した悪魔。
「あいつがぁ!」
同時に狛治さんの身体に入れ墨が現れる。
憎しみに支配されたようなそれと共に、真っ直ぐとシャドウへと向かって走る。
「狛治さん!」
止めようとするが、もう遅い。
まるでダンプカーのように勢いよくぶつかると、そのまま壁に叩きつけられる。
だが、それでも止まらない。
壁を破壊しながら、何度も激突し。
最後には、地面へと投げ出される。
「狛治さん!」
「放せ! 俺はぁ!」
おそらくは暴走している。
それがペルソナの力なのかどうかも分からない。
だけど、このままじゃ不味い。
「あんたは! あんたが守りたかった人は、こんな事を望んでいるのか!」
似たような境遇であるからこそ、俺は狛治さんに問いかける。
「っ」
それで、一瞬止まる。
それは自分の手の、血をまき散らしながら拳を振り上げた状態で止まった。
その目は真っ赤に染まりながらも、少しだけ理性の色を取り戻す。
「……悪かった」
「なら、落ち着けるか?」
「ああ。大丈夫だ。落ち着いた」
「ならばいいんだが……」
まあ、なんというかかなり危なかった気はするけど。
ともあれ、狛治さんが落ち着く。
同時に、狛治さんの身体にある入れ墨が消えていく。
やがて、それは一つの犬を思わせる形になる。
「これは」
「ペルソナなのか」
「ペルソナ」
それを見て、狛治さんは驚きを隠せなかった。
同時に、そのペルソナはそのまま現れる。
まさしく犬であるが、それはまさしく守護する者を思わせる雰囲気。
「君達が言う、宝、確かに見えた」
「それは」
「シャドウの懐に、先程殴った時に見えた」
「ならば撤退だな」
「あぁ」
そして、狛治さんは構える。
「さぁ、道を拓け、コマイヌ!」
同時に、周囲を凍らせながら、俺達はそのまま脱出する為の道を作ってくれた。