PERSONA5 Osaka's Phantom Thieves 作:ボルメテウスさん
「ここが、禪院扇のパレスか」
俺は呟きながらも、眼前にある光景に対して、思わず呆れてしまう。
奴自身の当主になりたいという欲望。
それを象徴しているのか、この屋敷は和風の屋敷だった。
瓦屋根に障子や襖など、時代劇に出てくるような建物だ。
俺達が今いる場所は、その屋敷の外。
まだ、入り口から入ったわけじゃない。
ここは、とある屋敷の庭先だ。
そこには、屋敷の門がある。
そして、そこにいたのは……
それは人影のようなモノだった。
しかし、ただの人ではない。
まるで幽鬼のように輪郭がぼやけている。
顔も身体もはっきりとしない。
ただ分かるのは、それが人間では無いということだけだ。
「……これが、あいつの認知か」
「自分以外は人間じゃないという事か」
ここが認知の世界と考えれば、それが扇から見た人間の姿なのだろう。
それにしても、これは酷いな。
まるでホラー映画でも見ているようだ。
こんなものが現実だと考えている奴がいるとは。
「本当、あの糞親父が考えそうな事だ」
それを見て、あまり動じない様子の真希さんは、そのまま進む。
それに対して、俺達もまた続く。
屋敷の内部の構造を既に知っているのか、真希さんは迷い無く進む。
「やっぱり、家だから」
「そうじゃないよ、私は、この家で奴隷みたいに暮らしていたから、そういうのを知っているだけだ」
現代日本では考えられないような話だが、どうやら真希さんの家は本当にあったらしい。
道中でシャドウ達に通り過ぎながらも、特に問題なく進んでいく。
そんな時だった。
俺達が、進んだ先に見えたのは扇。
その格好はかなり豪華な着物を身に纏っている。
まさしく、当主を思わせる格好であり、それが奴の身勝手さがまさしく形になっただろう。
同時に地面を見れば、そこには2人の女性の死体。
その内の一つは、真希さんに似ていた。
おそらくは。
「踏み台にされたってことか」
真希さんとよく似た女性。
それが認知上の彼女達だろう。
それに対して真希さんは。
「そうだよな、糞親父、てめぇはそういう奴だ」
同時に真希さんは、湧き上がる怒り。
それと共に真希さんは、地面を強く踏む。
「真希さん」
「分かっているよ、ここではやらない。けどな」
同時に、血管が浮き上がる程に怒りに震えているのが分かる。
「けどよぉ、聞きたいけど、これは一体何なんだ?」
「っ」
同時に見れば、それは何時の間にか真希さんの手の中にあった。
そして、それは気配で分かった。
「ペルソナ」
まさか、ペルソナに覚醒していたのか。
だが、これは、武器なのか?
「名前は、なんとなくだが、分かる。にしても、まさかこんなのがいるとはな」
「名前は一体」
そう、俺は思わず問いかける。
「カマイタチ」