PERSONA5 Osaka's Phantom Thieves 作:ボルメテウスさん
「……」
大嶽さんからの提案。
それを、俺は、どう答えたら良いのか分からない。
「大嶽さんは、嘘をついているとは思えないけど」
大嶽さんが言う、東京の人が襲撃してくる可能性。
それは決して無視する事は出来ない。
けど。
「この力を、そんな事に使って良い訳ないだろ」
人の心の中に入り、その認知を変える力を、戦争を起こすきっかけの為に使って良い訳ではない。
だからと言って、大嶽さんの言うように、このまま放っておいた結果、東京からの刺客によって、大阪が滅ぼされるかもしれないというのなら。
「俺は」
そう、悩んでいた時だ。
「こうして会ってみれば、どこにでもいる普通の男子高校生じゃないか?」
その言葉と共に、話しかけたのは1人の女性。
金髪に紫色の瞳を持ち、顔の左側には前述の通り自身でつけた縦横2本の大きな傷跡がある女性だった。
その女性は、どこか見覚えがある。
「えっと、俺に何か用でしょうか?」
「ふむ、お前と会ったのは、曖昧だからな」
そう、女性はそう言った。
その言葉に、疑問に首を傾げる。
「私自身、不思議だがな。しかし、こうしてお前の正体も理解出来たのも、そのおかげかもしれない」
「何が言いたい」
俺は、思わず問いかける。
「お前と出会ったのは、正確には、私の中にいた私と言った方が良いか」
「もしかして」
先日の一件での、暗殺者。
まさか、それが目の前にいる女性なのか。
「月詠、まぁ、とある組織に属していたただの女だ」
そう月詠さんは言った。
「なんで、ここに」
「以前言っただろ、『やりたい事』をやる。その一歩が、それを教えてくれたお前達を助ける事だ」
そう、月詠さんは、そのまま俺の横に座る。
「さて、お前が悩んでいる事は、どうせ大嶽という男が戦争を促すように言われたのだろう」
「なんで、それをっ」
その事は、俺には驚きを隠せなかった。
「天王寺組の大嶽と言えば、そう予想する事は出来る。
だからこそ、心を変える力を利用するとなれば、そんな考えをするのは、予想なんて容易いからな」
それと共に、服から取り出した煙草を吸い始める。
「さて、結論から言うと、お前がこのまま東京の人間を改心しても、おそらくは戦争は起こるだろう」
「なんだって」
それには、俺は思わず聞き返す。
「例え、お前が改心させなくても、大嶽は次の策を考え、行動する。それをすれば、東京と大阪は戦争になるだろう」
「それじゃ、戦争を止める事は出来ないのか」
俺は思わず悔しさと共に、手を強く握り締める。
「大嶽の恨みは、それだけ深いという事だ」
それは、この事態が未だに解決しない事に、俺は。
「ならば、改心する相手は決まっているだろ」