※この作品はR-18です。

PERSONA5 Osaka's Phantom Thieves   作:ボルメテウスさん

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Phantom Thief's Reaction

 全ての事件の始まりを聞いた。

 

 本来は願いを叶えるとされていた聖杯が、大衆の「誰かに全てを任せて、自分は特に何もせず何も考えず生きていきたい」という怠惰な願いで歪み、統制の神となってしまった。

 

 そのため人間に失望し、自らは人間を管理するための存在になり、最終的に人の自我を奪い現実世界をメメントス化させる事を目論んでいた。そのため人間の可能性を信じているイゴールに対して、それぞれが選んだ者たちを使って戦わせ合いながら、大衆の本意を見極めるための「ゲーム」を持ちかけた。

 

 聖杯が「大衆の歪みを煽る者」として選んだのが明智吾郎、そしてイゴールに選ばれる筈の「トリックスター」がジョーカーだった。

 

 しかし聖杯は最初からゲームをただ見守るつもりはなく、ベルベットルームに侵略してイゴールを封印し、本来の住人であるラヴェンツァを引き裂いて記憶を封じてカロリーヌとジュスティーヌにした。イゴールは封印される寸前に「トリックスターを導くもの」を生み出し辛うじて外界に逃がしたが、以降ベルベットルームは聖杯の支配下に置かれていた。

 

「その状況を打破する為にも、私は再びここまで来る必要があった。しかし、既に道が失われた以上、案内人が必要だった。」

 

「それが、俺という訳か」

 

 しかし、疑問だったのは。

 

「なんで、俺なんだ? 別に俺以外にもいたはずだが?」

 

「そうですね、あえて言えば、あなたの可能性に賭けたかった」

 

 そう、フィレモンは呟く。

 

「本来、瓜生龍臣が辿る道から外れたあなたは愛の為に生きた。愛は、時に間違いを引き起こしますが、互いに信じる道を向かっているあなた方ならば信じられる。そう感じた」

 

「なんか、聞いていると、痒くなるな」

 

 フィレモンが、なぜか俺の事をそう評価するが、あまりにそんな大層な人間じゃない。

 

「それに、面白いと思ったのは、あなた達です。聖杯は、おそらく始めから明智吾郎は切り捨てるつもりだったでしょう」

 

「どうせ、俺は最初から全て利用されていた訳か」

 

「だけど、そんな運命を、ジョーカーとあなたは変えた。その先はきっと、素晴らしい未来が待ち受ける。そうでしょう、イゴール」

 

「えぇ、私も、あなたから離れて、より深く知る事が出来ました」

 

「それは、良かった。何よりも、私には、あの戦いによって、力は不完全。だからこそ、これからも」

 

「えぇ、分かっております」

 

 イゴールとフィレモン。

 

 二人の会話を終えた後、俺達は頷く。

 

「最後の戦いだな」

 

「えぇ」

 

 それと共に扉が開かれた。

 

 扉が開いた先、そこは渋谷。

 

 だが、その渋谷の景色は恐ろしい光景だった。

 

 赤い空、渋谷の中にある巨大な木々を思わせる。

 

 それは、まさしくメメントスと現実が融合する世界。

 

「この先にいる訳か、聖杯が」

 

「あぁ、この先に奴がいるはずだ」

 

 俺達は改めて決意を固める。

 

「だったら、覚悟を決めないとな。行くぞ」

 

 その言葉と共に、木々の先に待ち受けているだろ聖杯。

 

 そんな聖杯は、俺達を待ち構えるように不気味に輝くのだった。

 

 それでも、俺達は、この先に待っているのは、聖杯が作り出した世界。

 

 そして、その世界の元凶である聖杯を倒さないといけない。

 

 そう改めて決意を固めたのだった。

 

 そして、俺達は、その木々の先にあるのを奪い取る為に。

 

 そうして、俺達は歩き続ける。

 

 その先で、待ち受けていた聖杯。

 

「反逆者共よ、あくまでまだ、足掻き続けるつもりか。ならば我も真の力を用いて貴様を打ち砕こう」

 

 その言葉と共に、待ち受けていた聖杯。

 

 その姿が変わる。

 

 超巨大な金属でできた三枚の翼を持つ天使のような姿。

 

 それが、おそらくは、聖杯の歪んだ正体。

 

 もはや、人の願いである聖杯の姿ではない。

 

「我は人間の無意識より生み出し管理者……ヤルダバオト」

 

 そう、聖杯は、その名前はヤルダバオトと名乗った。

 

「管理者の役目は人間を正しい発展に導くこと。そして人間の愚かさと退行が示された今、粛清するのは神の役目……」

 

「役目だと、そんなの、お前に決めるつもりはないぞ」

 

 そうしながら、構えていた。

 

 各々もまた、同じだった。

 

 ヤルダバオトは、そのまま攻撃を仕掛けていく。

 

 4つの腕。その腕から放たれるのは、やばい威力。

 

「あれらを食らえば、終わりだ。だからこそ」

 

「あぁ、各々で攻撃を仕掛ける!」

 

 それと共に、俺達はそのまま分散する。

 

 4つの腕は、仲間達に。

 

 胴体には、俺、ジョーカー、明智が。

 

 攻撃を仕掛ける。

 

 ヤルダバオトの攻撃。

 

 それは、これまでの敵と比べても、一番の一撃。

 

 やばいすぎる。

 

 そんな攻撃を受け止めながら俺は反撃のために、ペルソナを呼び出した。

 

「速攻で行かせてもらう」

 

 ヤルダバオトが刀を叩き込んだ。

 

 一撃で大ダメージを与えたはずだった。

 

 しかし、ほぼダメージを受けていない様子だった。

 

「何をやっても無駄である」

 

 そうヤルダバオトは宣言した。

 

「無駄ねぇ」

 

 そう、俺は笑みを絶やさない。

 

 ヤルダバオトの、攻撃。それを受け流していく。

 

 それは、どうだろうな。

 

「それは、俺のやりたい事じゃないからな」

 

「なに?」

 

 そう、呟いた。

 

「怠惰でいたい事もある。けど、俺にとってはな、どうしても太陽から目を離せないからな」

 

 怪盗をやっていると、暗い事が目のあたりにする。けど、そんな最中でも、あいつが一緒にいてくれた。

 

 だからこそ。

 

「俺は、てめぇを斬るよ、さぁ、来いよ、コウリュウ!」

 

 その言葉が、俺のペルソナに変化する。

 

 最初のペルソナであるナマハゲ。

 

 次に覚醒したイブキドウジ。

 

 そして、最後に現れたそれは、天を覆いつくす程の巨大な龍。

 

 そして、その龍と共に、ジョーカーのペルソナもまた変わっていた。

 

「なに」

 

 それと共にジョーカーと共に、頷く。

 

『奪え、サタナエル!』『照らせ、コウリュウ!』

 

 それが、全てを光に包み込まれた。

 

 それが、戦いを全て、終わらせる事になった。

 

 

数ヵ月後

 

 

全ての戦いに決着がついた。

 

結局、あれから世界が変わったのかと言うと難しい所だ。

 

「それにしても、まさか東京での豪華な生活から一変、まさかこんなバイト生活になるなんてね」

 

そうしながら、明智は呟く。

 

明智は、あれから東京にはいられなくなった。

 

認知の証明が出来ない以上、彼を罰する事は出来ない。

 

だが、確かに行った罪を償う為に、彼は探偵として稼いだ全ての金を天王寺組へと渡した。

 

彼なりの、大嶽さんへの賠償だね。

 

「ほら、そこぉ、さぼっていないでちゃちゃっと働く」

 

「いや、お前も仕事を手伝えよ、千束」

 

そして、東京でいられなくなった明智は、あれから大阪に来た。

 

幸い、天王寺組も、明智の才能を買っており、俺の所で監視を兼ねて、情報屋として、活動させるつもりだ。

 

「それにしても、君、彼女に対して不満を持たないのかい?結構無茶苦茶だと思うが?」

 

「それは今更だよ」

 

そう、俺は千束の行動を見ながら言う。

 

「けど、それもまたやりたい事だからな」

 

人間の欲望は、そいつが一番やりたい事。

 

それを理解して、どう動くか。

 

正しいのか、間違っているのか分からないけど。

 

「それが人生を楽しむコツだよ」

 

「そうか、ならば、僕の新メニューのパンケーキはどうだい?」

 

「後で食うわ」




今回の話にて、PERSONA5 Osaka's Phantom Thievesは最終回を迎えました。
ヤルダバオト戦に関しては、ほとんどやる事はないので、速足で終わらせてしまいました。
実際の所、獅堂戦の後はおまけ要素が強かった所もありましたので。
そして、ここまでの間、応援してくれた皆様、本当にありがとうございました。
何よりも、ここまで一緒に考えてくれたRKTXさん、本当にありがとうございます。
それでは、また、どこかで!
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