お久しぶりでございます。
ZA買って進行中。男主で女装プレイが楽しすぎる。
あとアーボック序盤から使えるの好き。
毒々と三色牙で大体の敵噛み潰してくれるの強い好き。
ランクマ報酬メガ石と一部新規メガシンカの話はするな。
スターミーは一週回って好きだよ。おもしれーヒトデ……
「………チッ」
崩れ落ちるボスゴドラをボールに戻すと、サングラスの男は強く舌を打つ。額に浮かぶ青筋と、見ただけで分かるほどの苛立ち。だがしかし、それはこちらには向けられていない。てっきり睨まれでもするとは思ったが………
「シュルルル……!!」
鋭い視線を向けたのは、アーボックだ。
その目線は、俺の方向……いや、俺の背後────!
「っ!?」
「っ……ひっ……!」
振り向けば、サングラスの男と共にいた男のうちの一人が、俺の背後でナイフを握っていた。だがそいつはアーボックの視線に、大きく怯む。そして。
「待て!!」
それを決定的に制したのは、サングラスの男の怒号。
男が驚いたように目を見開く。
「勝負は絶対。
俺は敗北した。その勝負に、泥を塗るな……!」
「っ、で、ですが……!」
「やめろ。そのナイフで、家族の名を穢すつもりか」
「~~~!!」
他のソルジャーの言葉も受けて、ナイフの男は怨めしそうに
俺を睨みつける。だが。
「っ……クソッ」
すぐに、そのナイフを懐に仕舞った。
ほっと胸を撫で下ろすも、今度は、またも後ろから足音。
前を向き直れば、サングラスの男がこちらへと歩いてくる。苛立ちは少しでも収まったのか、眉間の皺は消えていた。
彼は俺の少し前で足を止める。
怒りは、やはり俺には向けられていない。
「相手は子供………そう見誤ったのは俺だったか。
部下が余計なことをした。悪く思え」
「えっ、あっ……あぁ、うん」
ちょっとびっくりした。
まさか謝られるとは思ってなかった。割と誠実なのか?
キョドる俺に、彼はポケットからサングラスを掛け直す。
「俺はキンセイ。この名を覚えておけ」
キンセイ。そう名乗った男は、それだけ言い軽く手を上げ、俺の後ろにいたソルジャーたちを手招きするように振った。俺の横を抜けて、彼らが走っていく。彼らは軽く頭を下げてキンセイの後ろに並び立つ。怖い。
「最後に一つ聞かせろ」
「……なんだよ」
怖いんだっつーの。
警戒するように喉を鳴らしたアーボックにキンセイの後ろの二人が怯えるが、キンセイはそれを意にも介さないようで、コートの懐から一枚の紙を取り出し、俺に見せる。
描かれていたのは………ポケモン、か?
鉛筆で精巧に描かれている、が……見たことがない。
どうにも形容し難い……
それでも言い表すのなら、胎児のような姿。
長い尻尾に、丸みを帯びたフォルム。
「このポケモンを見たことがあるか」
「ない。ていうか……いるのか?こんなポケモン」
「さぁな。だが……ウチのボスは
コイツを、ファミリー総出で探している」
見つけてもお前らに言うわけねーだろ。
こんな絡まれ方しておいて情報なんぞくれてやるか。
苦い顔になる俺に、キンセイはフン、と鼻を鳴らした。
「見ただけでもいい。
情報があれば、今回の件も帳消しになる。
いや、それどころかファミリーが報酬金も出すだろう」
「………」
嘘を言うか……とも思ったが、後が怖い。
正直に言おう。
「本当に知らないポケモンだ」
「………そうか」
キンセイはやはりな、と小さく言葉を漏らし、こちらに背を向けた。強い風に、宵闇に溶ける黒いコートがバサバサと揺れて、なびく。
─────サングラス越しの眼光が、こちらを捉えた。
「その顔、覚えたぞ」
その言葉と同時に、キンセイは部下と共に歩き出す。
彼らが路地の闇に消えるより先に、俺も口を開く。
このままでは終われない。
どうせ追われるのなら、喧嘩でもなんでも売ってやる。
それに……また戦いたい。
今度は、クロやイーブイと共に。
「俺は……俺の名前は、イカリだ!
次も、俺が勝つからな!」
名乗る。
キンセイは歩みを止め、もう一度こちらを横目に捉えた。
だがすぐに視線を戻して、再び歩き出す。
「──────いいや、今度勝つのは俺だ」
その頬には、笑みが浮かんでいたように見えた。
闇に消えていく彼らを見送る。
因縁は始まってしまった。だが、望むところ。
来るなら来ればいい。
全部、俺たちの強さの糧にするまでだ。
────
───────
「ふぃいぃぃ………」
腰が抜けそうになる。
なんとか、なんとか勝った。啖呵も切った。ちょっと情報量多すぎる。ファミリーに喧嘩を売られ喧嘩を売って、それでどうにか追い払えた。ふらつきながら近くのブロック塀へと背中を預け、そこにアーボックが近寄ってくる。
「シルルル……」
「お前のお陰だよ……助かった。ほんと強いな」
手を持ち上げ、アーボックの腹を撫でる。
目を細めてそれを受け入れてくれるのが、ちょっと嬉しい。一緒に戦って、言うこともちゃんと聞いてくれた。ていうかあの夜のこともだし、なんか割と素直でいい子じゃないか。なんであんな暴れてたんだろなぁ……
「……!」
「えっちょっ、え!?」
そんなこと考えていると、突然身体を震わせたアーボックが腰のホルスターに収まっているボールを尻尾でつつき、そのボールの中に入ってしまう。えっなんで!?お腹嫌なの!?
突然のことに驚いている、と。
「ばぁ!!!」
「うぉおぉぉっ!!?」
いきなり目の前に顔が出てくる。
びっくりして後ろに逃げようとするも、当然塀は動かない。じたばたして目を白黒させていると、その顔がぴょんっ、と目の前にジャンプ、着地する。
「にしし、びっくりした?
スッゴイ勝負、見てたよ!」
「な、なんだよお前!?
マジでびっくりしたんだけど!?」
現れたのは、ポケモン……ではなく。
水色のショートヘアに、深い青の眼の女の子だった。
口元に手を当てて笑う姿は可愛らしい。
彼女は俺の言葉にまたもや、にしし、と笑う。
「ねえねえ!
キミ、あの子ととっても仲良しなんだね!
こわーい人も、あのおっきな子と仲良しだし!
見かけによらないんだね、きずな、って!」
「……ま、まぁ、そうかもだけど……」
子供か?いや、子供なんだろうけど。
舌足らずな喋り方も含め完全に幼稚園児にしか聞こえない。歳は、パッと見た感じでも俺より少し下くらいだ。
つーかやはり絆呼びは罪悪感が凄い。
絆……絆でいいのかなぁこれ。
「ねっねっ、キミの名前、イカリって言うの?」
「うおっ、あ、あぁ……」
ぐいっ、と一気に距離を詰められる。
消毒液みたいな臭いがする。顔が近い!距離が近い!
ドキドキするんだけど!?
「スゴいね!トレーナーなの!?」
「お、おう……成り立てだけど……」
「スゴいスゴいっ!
じゃあっ、旅もしてるの!?」
「こ、この前に始めたばっかりだけど……」
「わぁあ!いいないいな、楽しそう!」
テンションたっか!
なんなのこの子!?感性が幼女すぎるだろ!
身体が近いっ!やめろやめろやめろ!不味いって!勃つ!
「キミなら……ねえっ!!」
「は、はひ……」
「ボクねっ、記憶がないの!!」
「はいっ!?」
どういうカミングアウトなんですかそれ!?
それ言われて俺にどうしろと!?
つか記憶喪失!?大変なことではないですか!?
「だからっ、ボクを旅に連れてって!!」
「なんでそうなる!?」
「記憶がないから!」
滅茶苦茶だ!こいつ人の話聞いてねぇ!
クソッ距離感バグってるだろ!完全にいきり勃ってるわ!
初めてだよ人間相手にこんなになったの!
と、とにかくコイツを引き剥がさねば………!!
押し退けようと手を伸ばして…………正面から指を絡まれる。
ぱあぁぁあ!!?
「いいのっ!?」
「いやなんも言ってないんですけど!?
とっ、とにかく、ポケモンセンターだ!
そこに行けばお前のこと知ってるやつもいるだろ!」
「やったあ!それじゃ行こっ!!」
「なんっうごごごごごっ!!?」
そのまま腕を掴まれて顔面を引きずり出された。
ポケモンセンターへ。
「いらっしゃいま──あら?」
「おん?」
「ただいま!!」
「か、かおが…………」
出迎えの言葉もない。
逆になんでお前はただいまなんだよ。ようやく腕が離され、びたんと冷たい床の上に痺れた腕が落ちた。優しくしろ。
「おかえりなさい、ユナちゃん。
……あら、あなた、大丈夫だったの!?」
「あいつらに連れてかれた兄ちゃんか!
ひでぇ傷だな、大丈夫か!?」
「うん!ボク、この人と旅に出る!」
「はなしが、かみあって、ねぇ………」
名前あるし、ただいまおかえり通じてるし、なんなんだ。
どうにか顔を上げ、傷と泥を腕で拭う。
ジョーイさんとマスターがこちらに駆け寄ってきて、やっと立ち上がる。
「どうしたの、ユナちゃん。
自分探しはどうするの?」
「旅しながら見つけるよ。
この人、とっても強いトレーナーなんだ。
あのこわーい人たちを一瞬で倒しちゃった!」
「……兄ちゃん、そんなに強かったのか?」
「たまたま勝てただけです……
それより……お宅の教育ですか、この子」
「元々だよ」
「元々ですかあ……」
服についた土を払いつつ、渋い顔になる。
横目でジョーイさんにわちゃわちゃしてる件の女の子、名はユナと言っていたが、本当になんなんだ。先に記憶喪失とは言ってたが、ただ事じゃなさすぎるだろ。
「ジョーイさん、ユナちゃんを頼むよ。
兄ちゃん、ちょっと話させてくれ」
「分かりました」
背中をバシバシ叩かれながら、マスターとカウンターへ。
丸椅子に座ると、マスターが冷蔵庫から瓶を取り、俺の前に差し出した。白い瓶のラベルに描かれたミルタンクの絵。
モーモーミルクだ。
「期限がギリギリなんだ。
飲んでくれ、タダにしておくからよ」
「ありがたく頂きます」
「悪いね。
それで話ってのは……まぁ、ユナちゃんのことだ」
「………記憶喪失とか言ってましたけど」
牛乳と一緒に押しつけられそうになってる彼女か。
本当なら女の子と一緒に旅とか喜ぶ場面なのだろうが、さて俺の旅の目的といえばポケモンと情事を楽しむことである。我ながら最低過ぎるが、それに女の子同伴は駄目だろ。俺の楽しむ時間がなくなってしまう。そもそも自分で慰めるのも出来そうにない。
「まぁ、そうなんだよ。
ジョーイさんがひと月くらい前に拾って来てな。
どうも記憶がないらしくて、自分の名前もねぇときた。
放っておくわけにもいかないから、
ポケセンの部屋を一つ貸してるんだが……」
「その感じだと、シエンには」
「あぁ、伝手に聞いて回って貰ったんだが、
シエンどころか周りの町にも情報が全くないんだ」
「引っ越しか観光客では?」
「女の子一人で、ってのはありえねぇだろ。
カランの船着き場でも聞き込んだんだがな……
あの子を見たやつは一人もいやしないんだよ」
「…………待って下さい、一人も?
誰も見たことないってのはそれこそ……」
「有り得ない、よなぁ。
だがこりゃ本当のことなんだよ」
………そうだ。
せめて見たことある人くらいはいるはず。それすらないのはあり得ない。家族の一人もいないというのか?
「だが、一つ小耳に挟んだ話があってな。
それこそ与太話の類いではあるんだが……」
「……どういう話なんです?」
「空に開く穴、ってのは知ってるか?」
空に、穴が?
ポケモンの見間違いか何かではなく?
「アローラ地方で確認された現象らしくてな。
そこの博士が研究してるらしい。
まぁおれも詳しくは知らないんだが……
確か……〝ウルトラホール〟とか言ってたか」
「ウルトラホール……」
「なんでも、誰も知らねぇ人やらポケモンやらが
そこを通って来ることがあるらしい。
アローラじゃ〝ビースト〟っつうのが
各地に出てきて大惨事になりかけたみたいだ」
成程、つまりそのウルトラホールを通ってきたかも、か。
しかし、ウルトラホールやらビースト云々は初めて聞いた。だがそうか、そんなことがあるなら、そのショックで記憶を飛ばすこともあるかもしれない。
「ま、本題はここからだ。
兄ちゃん、あの子を連れてってくれないか」
「……ここに置いておくのが安牌では?」
「兄ちゃんなら信頼できる。
自分のポケモンのために戦って、
それにファミリーの連中まで気にかけてやれる人柄だ。
何より、あのユナちゃん本人が選んだんだ。
きっと間違いないとおれは思う」
「………」
「一つ、頼まれちゃくれないかい。
兄ちゃんとの旅での刺激もありゃあ、
もしかしたら何か思い出せるかもしれん」
そこまで頼まれては、断れない。
あの無知さなら情事は隠れてやればバレんだろう。それに、もし断って黙って出て行っても勝手についてきそうだ。まぁ仕方ない、仲間が増えるのも、旅の醍醐味かもしれない。
クロやイーブイ、アーボックも頼りになる。その辺はまぁ、うまく察してくれるだろう。
「……分かりました」
「頼んだぜ、兄ちゃん」
不本意ながら、こうして仲間が増えたのだった。
ユナ
……年齢不詳、経歴不明。一応ヒロイン。
ポケモンメインなのに人間出すな?
確かにそうだね……(目を逸らす)
プロットの都合だから許してクレメンス……