やったあばとるかいだあ
あれっ、R18要素は?
焼けた針を突き刺されたような、激痛。
踏み込むごとに血が噴き出し、痛みも増していく。
モモンは一つだけで、ビークインに渡してしまった。毒消しはあるのだが、悠長にスプレーを吹き掛けてはいられない。そもそもバッグを漁る暇すらない。
「づ、っ、くそ……!」
走る。振り向けば木々を薙ぎ倒しながらアーボックが迫ってくる。だが、その速度は少しずつ落ちており、こちらが万全なら引き離せる。万全なら、ではあり、俺も足をやられて上手く走りきれない状態。
クロとイーブイが先を走り、退路を確保している。
それにどうにか足を進め、逃げ続ける。
そして森を抜け、潮風の道に出る。
木々の倒れていく音に、野生のポケモンたちが一斉にこちらを見る。そして俺の後ろから迫ってくるものを見て、彼らも我先にと散っていく。
「シュアァァアァァァァ!!」
「っ!?」
叫び声に何とか反応し、痛みを堪えながらその場から飛び退く。背中すれすれを毒塊が飛んでいき、それは草むらに着弾すると同時に、爆発的に広がっていく。
……このまま暴れさせれば、一帯が滅茶苦茶になる。
「………けど、逃げるしかないんだよな……!
クロ、町に戻って皆で撃退するぞ!!」
「きゅ!」
悔しいが、それしか方法がない。
先行するクロに指示を出し、方向を変えて町の方へと駆け出す。出た場所は潮風の道の丁度中間、ここから走るなら俺たちの町の方が近いし、もしかしたら森にいなかったジムリーダーが戻ってきているかもだ。
そうして町の方へと走り始めて、そのとき。
「イカリ!? それにクロに……!」
「先生!!?」
町の方から、なんと先生が走ってくる。
なんというタイミング、都合が良すぎる。先生は俺に気付くと同時に、そして背後の存在にも気がついたか表情を険しいものへと変える。
「すいません先生、話は後で!!
町の戦える人とポケモンを集めて下さい!!
それまで俺がなんとか引き付けます!!」
「…、分かった!!
すぐに戻る、死ぬなよ!!」
先生は一瞬の逡巡の後、そう言って踵を返す。
俺は足を止め、そして振り返る。
それに合わせてアーボックも動きを止め、その鎌首をもたげ、警戒するようにちろちろと舌を出す。
「シルルルルル……!!」
「クロ、時間を稼ぐだけでいい、やれるか!?」
「……きゅおぉぉんッ!!」
クロが後ろから飛び出し、強く吼える。
そして………
「………ぶいっ!!」
「!」
白いイーブイが、クロの隣に並び立つ。
「いいのか?」
「ぶいっ!」
「……ありがとう、行くぞ」
「シュルルルル………!!」
クロとイーブイが構え、対してアーボックがその首を大きく持ち上げ、そしてその腹の模様を見せながら、こちらを見下ろす。瞬間、ビリビリとひりつくような威圧感が、襲いかかってきた。
クロもイーブイも、その威圧感に気圧されている。
確かに恐ろしい。それは、勝てる相手ではないという事実を突きつけられているかのように。
だが。
「大丈夫だ、俺がついてる!!
ここで、こいつを食い止める!!」
恐怖で塗り潰された心を、今度は言葉で塗りかえる。
ただの虚勢だ。
本当なら今すぐ逃げ出したい。
それでも、笑う膝を引っ叩く。
顔を上げて、目を閉じる。
集中。
腰にまで広がり始めた痛みも、消え失せるまで。
それから、目を開く。
天候、晴れ。
敵はコブラポケモン、アーボック。
アーボックは毒単タイプ。
状態変化はない。
対するこちらはゾロアのクロ、イーブイの二体。
ゾロアは悪、イーブイはノーマル。
クロはともかく、イーブイだがスピードスター以外の技が分からない。そこはイーブイに任せるとしよう。二匹とも状態変化はない。あの巣で体力の消耗は多少回復出来ており、二匹に疲労も見られない。
………クロは微かに震えている。
まだトラウマが消えていないか。それにこの威圧感。動けなくなるほどの恐怖はどうにか出来たとはいえ、重圧のようなそれが身体の動きを鈍くする。これではダメージに期待出来ない。とにかく奴の体力を削って援軍を待つしかないか。
アーボックの覚えている技はヘドロばくだん、そしてワイドブレイカーを確認した。他にも技がある筈だが状況に合わせ対応する。
ビークイン、スピアーたちの戦い、そしてここまでの猛追で奴もスタミナをかなり消費している。どうにかそこを突いて、少しでも体力を削る。
「……覚悟を、決めろ」
立ち向かう。
どんな強敵であろうが、絶対に勝てない敵はいない。
倒せる、倒せないではない。
──────勝つ。勝利する。
「シュアァアァアッ!!」
「まずは動きを見極める!
イーブイ、スピードスター!!」
「ぶぃいっ!」
大気を震わせるような威嚇に怯まず、まず遠距離から攻撃できるイーブイに命令する。とにかく相手の技を把握して、盤面をひっくり返される可能性を少しでも潰していかなければ。
イーブイが身を震わせ、星型の弾丸を撃ち出す。
「シルルァァ………!!」
「!」
対するアーボックは、予想外にも迎撃の動き。
今までならば、スピアーたちのように攻撃に対しては反応を示さずに、近くにいる、もしくは最も厄介だと感じたものを優先して撃破していた。あの巣の攻防はビークインが先に倒れ、最後まであのスピアーたちが戦っていたように、自らの障害にすらならないような連中に対しては攻撃をしなかった。
ならば、敵として認識された。
もしくは攻撃を受けられるほどの余裕がなくなった。
「───────!!!」
「!! クロ、イーブイ、そこから離れろ!!」
「「ッ─────!」」
背筋が凍りつくような感覚。
アーボックの尻尾が揺れた、そう思った瞬間に叫ぶ。
星の弾丸が砕け散るのが見えた。
そして。
振り下ろされる、尻尾の一撃。
「(〝アイアンテール〟か……!!)」
衝撃波。
陥没した地面に亀裂が走り、周囲の地面が一気に隆起する。舞い上がる土煙は、衝撃波によって荒れ狂う竜巻のようにも見えるほど。だがそれは、互いの視界を奪い─────
いや、違う。
その追撃は視界を奪われたとしても止まらない。
「クロ、イーブイ!! 来るぞ!!」
………砂嵐!!
両腕で顔を覆い、すぐに復帰できるように目を守る。そして二匹に警告を飛ばし、自分も砂嵐の中へ目を凝らす。
「回避!!」
叫ぶ。
砂嵐の上空に、巨大な毒の塊が現れる。左右に割れるように二匹が飛び退き、その間に毒の爆弾が降り注ぐ。
恐らくこれは置き、本体が追撃に来るハズ……
「………! クロ、後ろ!
イーブイはスピードスター!」
「─────ッ!」
クロの回避と同時に、イーブイに指示を出す。
地面を抉り取る強烈な尻尾の薙ぎ払いをジャンプで回避し、イーブイの星型弾が、未だ舞う砂煙を切り裂きアーボックに直撃する、が。
「(効いてないか……!)」
「シルルル……!」
「クロ、ふいうち!!」
空中にいるクロに追撃か、アーボックの尻尾が再び揺れる。それに合わせて指示を飛ばす。やつとまともに撃ち合うのは危険すぎる、それに、なんとなく分かってきた。厄介な技を使い、またその一撃一撃こそ重いが、必ず何かしらの溜めがあるように思える。ヘドロ爆弾ならばゴボゴボという音が、アイアンテール、ワイドブレイカーなら尾が揺れる。
「─────!!」
「(良し……!)」
縦振りの一撃を間一髪で回避、鋭い爪の一撃がアーボックの頭を捉える。が。
「シュルルル………!」
「……!」
「(怯みもしないか……!) イーブ……!?」
一切の怯みも見せないアーボック。ゴボゴボと音を鳴らして鎌首をもたげ、爪を振り抜いたクロを鋭い眼光が捉える。それにトラウマを刺激されたか、クロは目を見開いて動きを止めてしまう。アーボックが動くより先にイーブイに指示を出そうとするが……
その姿が、一瞬にして掻き消える。
「ッ────!!?」
「ぶ、いッ!!」
「!」
目で追えない速度の体当たりが、膨れあがったアーボックの胴を打ち抜く。予想外、想定外の一撃に、アーボックはその持ち上げた首から、上空に毒液を吐き出して、大きく体勢を崩す。反動に跳ね返ったイーブイ、そしてクロが着地。
〝でんこうせっか〟か!
そして……今こそ好機だ。
「一気に畳み掛ける!!」
呼び掛けに応じて、二匹が顔を上げて走り出す。
ここで仕留める!
「駆け抜けろ、イーブイ!!」
指示とほぼ同時に、イーブイが地を蹴った。
一歩。
地面を踏み締める足が、強く、強く、飛ぶ。
二歩。
その踏み込みが、更に速度を上げる。
三歩。
体勢を崩したアーボックの眼下で、強く、踏み込む。
そして反撃を狙う尻尾が、揺れる。
「ぶ、いぃいッ!!」
遅い、そう言わんばかりに小柄な身体は、尾の一撃を抜け、その懐へと潜り込み、そして。
〝とっておき〟
「─────────ッ!!!」
その腹へ、渾身の一撃が叩き込まれる。
電光石火を利用した超加速から放たれた切り札は、このとき初めて、あの頑強なアーボックへ明確なダメージを与える。その白眼を剥き、大きく仰け反ったアーボックは尾の一撃を外したことも重なり、その全身を大きく揺るがす。
「行け、クロ!!!」
まだ、終わらない。
アーボックも無防備では終わらない。
凄まじい威圧感が空気を震わせ、空振った尾が自分を打って無理やり意識を浮上させる。強烈な眼光が、イーブイでなく追撃を仕掛けようとするゾロアを、確実に捉えていた。
〝へびにらみ〟
大気すら怯え、震えるような強烈な威圧。
それは衝撃波となって、強力な技を使い終えた反動に動きを止めていたイーブイを吹き飛ばし、地面に転がす。
ビリビリと全身に針を突き刺されたような、そんな痛みすら錯覚するほどのそれに、クロの動きが止まる。
「立ち向かえ!!!!」
何よりも早く、叫んでいた。
全身を震わせた相棒に、届くように。
地面を蹴る、その大きく見開かれた瞳が、鋭く尖った。
「こきゅあぁぁッ────────!!」
殺された勢いを取り戻すように、高い咆哮が響き渡る。
体勢を整えたアーボックに、飛び込むようにクロが駆ける。
その爪が、黒く輝く。
「─────────〝ナイトバースト〟!!!」
黒い閃光が、弾ける。
〝暴君〟アーボック
個体値6V、種族値670、努力値全能力252(限界突破)
化物なんじゃないか? 特性はいかく、プレッシャー
どうして睨んだだけで衝撃波まで起こしてるの?
技構成
ワイドブレイカー ヘドロばくだん
アイアンテール へびにらみ
白いイーブイ
色違い。君さぁ、タイプ一致技三つ(先制技と必中技)で
とっておきってガチなの? すごい殺意高くない?
暴君の反撃を全部封じてるのは特性の危険予知。有能か?
「とっておきだァ……(威力140命中100)」
技構成
でんこうせっか スピードスター とっておき
クロ
トラウマ克服。嘘泣きに代わりナイトバースト習得。
ゾロアよりゾロアークのえっちが書きたい。
悪いけどゾロア小さいから書きにくいんだよ……
挿入るんかこれ……70cmあるなら挿入るか……?