悪夢のようなパーティーから、5日後。
来週の再オープンを控えた近代美術館には、展示される予定の美術品が続々と搬入されていた。
館長である瀬口も、展示場内のレイアウトや、マスコミへの取材のため、忙しい日々を送っていた。
仕事がひと段落ついた瀬口は、気晴らしをするため館長室へと入った。
そして机にあるボタンを押し、本棚の後ろにある隠し扉から地下へと入る。
そこは大きなホールになっていて、非公式なルートで手に入れた美術品が展示されていた。
シンジケートの会合や、政財界の大物を接待するために作られた、美術館の裏の顔である。
「さて、当美術館の目玉展示品は元気かな?」
瀬口は奥にある、鉄格子に隔たれた部屋へと向かう。
そこには両手首を鎖で吊るされ、両足も開脚させられ、X字型で拘束された瞳の姿があった。
「むぅっ! んぅぅぅん!」
瀬口の足音を聞いた瞳が、喚き始める。
だが口にボールギャグを噛まされているため、声にならない。
目にもラバー製のアイマスクを被されており、何も見ることが出来ない。
「気分はどうだね、キャッツアイ」
瀬口は女怪盗の股間に顔を近づけると、特注の極薄レオタードの上からフゥッと生温かい息を吹きかけた。
それだけの刺激で、瞳はビクンと身体を痙攣させる。
「む……むぅん! うぅん!」
「おいおい、触ってもいないのに感じているか? 乳首は勃っているし、アソコももう濡れているぞ。まったくはしたないメスネコだ」
瀬口に言葉で指摘された瞳が、身体を火照らせる。
目の前にいる『飼い主』の調教により、瞳の身体はこの程度でも感じるほど敏感になっていた。
しかも朝からずっと瀬口に嬲られては、寸前の所で『おあずけ』を喰らっているのだ。
それは未だかつて経験したことが無い、凄まじい拷問だった。
「むぅん……うぅ……むぐぅ……」
いつまで経っても触ってもらえない事に業を煮やしたのか、瞳の息遣いが荒くなる。
瀬口は瞳に聞こえるよう、わざとため息つくと、口を塞ぐボールギャグを外した。
堰を切ったように瞳の口から、懇願の言葉が吐き出される。
「はぁ……はぁ……お願いします……瀬口様……そろそろイかせて下さい……このままだと、私……頭がおかしくなりそうで……」
息も絶え絶えに瞳は言った。
瀬口は舌打ちすると、レオタードの上から乳房と秘部を触り始めた。
待望の刺激に、瞳は口元から涎を垂らし、歓喜の喘ぎを絞り出す。
「んあぁぁっ……あぁん……はぁん……あぁん!」
「フフフ……目隠しをすると肌の感覚が鋭敏になるだろう。それに何をされるかわからんのも、きっと癖になるぞ」
瞳は愛撫にビクビクと身体を跳ね上らせ、激しく反応する。
瀬口の言う通り、どこを責められるか分からないため、手が動くたびにドキドキ胸が鳴る。
そのため尻や太腿、脇を撫でるだけで新鮮な快楽が得られた。
「んあぁぁぁぁ……はぁん! あん!」
確実に昇りつめていた瞳が、ビクビクと体を震わせる
瀬口が秘部を触ると、自ら快楽を得ようと腰を動かす。
だが瞳がもう少しで到達しようという所で、瀬口は手を放してしまった。
「……えっ?」
「朝に言っただろう、キャッツアイ。今日は『おあずけ』の躾をする日だと。これ以上は与えられんよ」
「そ、そんな……」
期待していたご褒美もらえなかった瞳は、ジャラジャラと手足を拘束する鎖を鳴らして駄々をこねた。
瀬口はその様子を楽しそうに眺めてから、話を切り出す。
「もし『おあずけ』をやめて欲しいのなら、自分の名前と、仲間の居場所を教えなさい」
「…………!」
その言葉を聞いた瞬間、瞳の頭が上がった。
快楽で溶けた頭に、僅かだが理性が戻り、目つきも瀬口のペットから、キャッツアイのものへと変わる。」
「そ……それだけは言えないわ。た、例え身も心もあなたのペットになったとしても、それだけは絶対に言えない!」
「そうか、強情だな。」
「あ……や、やめて……あひぃぃぃっ!」
体をくねらせた瞳が、嬌声をあげる。
膣とアナルへ挿入されたローターが動き始めたのだ。
「はぁん……ゆ、許してぇ! もうこれはイヤぁ! ローターはイヤぁ!」
「グフフ……そう嫌がるな。このローターは前も後ろもお前の身体に合わせて作った特注品。それにお前の身体に合わせて作ったその極薄レオタードにも、仕掛けがあってな……」
瀬口がリモコンを操作すると、レオタードに埋め込まれたローターが動き始めた。
薄型のローターは、瞳の両乳首とクリトリスを的確に刺激する。
「はぁぁぁぁん! ひ、ひぃっ……いやぁぁぁぁっ……あぁぁぁぁっ!」
極薄のレオタードを汗と愛液で濡らした瞳が悲鳴を上げる。
陥落寸前の疲弊しきった体に、中と外からのローター責めは、耐えられるものではなかった。
あっと言う間に瞳は昇りつめてしまう。
だが調教により瞳の身体を知り尽くした瀬口は、またしても絶頂寸前という状態で、瞳への刺激を止めてしまった。
「な……なんで……このままじゃ……私……狂っちゃうわ……」
「それなら正体を言いなさい。でないと本当に気が狂うまでするぞ。」
瀬口はリモコンを見ながら、ピッピッとボタンを押して、何かを入力した。
するとローターの動きが突然強くなったり、弱くなったりして瞳を刺激し始める。
「ひっ! い、いやぁっ! あん! あぁん! な、なにっ、これ」
「ローターが自動で動くよう入力したのだよ。お前が最後までイけないタイミングで、強弱を繰り替えすようにな。」
「そ、そんな……イヤぁっ! わ、私そんなの耐えられない!」
「だったら正体を言いなさい。」
ローターの刺激にビクビクっと身体を震わせながら、瞳の中で葛藤が起きる。
しばらくした後、彼女は首を横に振った。
「仕方ないな。」
そう呟いた瀬口は、瞳の口の中にボールギャグを押し込んだ。
口を封じられた瞳は、何か言いたげな表情で呻き声を漏らしつつ、飼い主である男へ哀願のまなざしを送る。
だが飼い主はペットの視線を無視し、牢屋から出て行くと鉄格子を閉じてしまった。
「むぅん! むぅぅぅん! むふぅん!」
両乳首とクリトリス、そして膣内とアナルの4か所をローターで責められながら、瞳は懸命に瀬口へ呼びかける。
だがその姿はすぐに小さくなり、地下のホールから消えて行った。
キャッツアイの調教を終えた瀬口は、上機嫌で館長室へと戻って来た。
そして簡単な事務作業を始める。
(あれだけ敏感にされた身体で『おあずけ』をされたら、耐えられるわけが無い。あの調子なら今日中に秘密を吐くかもしれんな。)
瀬口は領収書や報告書に適当に目を通すと、しまりの無い顔でそれらをファイルに綴った。
(キャッツの正体さえ解れば、残り2人はどうにでもなる。捕まえた後はあの女と同じように調教して、私の性処理用ペット兼、この美術館の裏の目玉展示品にしてやるわい、ヒッヒッヒッ)
淫猥な思考に興奮する瀬口であったが、その楽しいひと時を中断する声がかけられる。
「瀬口様、また一人でキャッツアイの所へ行っていたのですか?」
キャッツハンターの問いかけに、瀬口は露骨に不機嫌な表情を作った。
「牢屋に閉じ込めて、拘束もしているのだ、問題は無かろう。何よりあの女の調教はほぼ完成している。君が睨みを効かせなくても、もう私に逆らったりはせんよ」
「しかし相手はあのキャッツアイですよ。油断はしない方がよろしいとは思いますが」
銀髪の女の諫言に、瀬口はフンと鼻を鳴らした。
「人に忠告するのも良いが、君はいつになったらキャッツアイの仲間をここに連れて来るのだね。最初の一匹を捕まえてから、何も話が進展してはいないではないか。」
そのことを言われると、キャッツハンターは言葉が詰まった。
瀬口は椅子に深々と座り、さらに横柄な態度で言葉を続ける。
「君に残された時間は、あと3日だ。それまでに成果を出せなかったら、もう契約は打ち切る。無能に大金を払えるほど、私は気前が良くないのでな。」
そう言うと瀬口は、椅子を回して後ろを向いてしまった。
キャッツハンターは冷たい目で礼をすると、館長室から出て行った。