それから脱出の日までの間、瞳は瀬口から与えられる屈辱に耐えた。
昼間はローターで寸止め地獄を味わい、夜はベッドに拘束され朝まで抱かれる。
官能が研ぎ澄まされた瞳は、寸止めされれば泣き叫び、抱かれれば喘ぎ声を漏らすという有様だったが、それでも何とか正体を吐くことだけは避けられた。
脱出の準備が着々と整えられている事を、キャッツハンターから知らされていからだ。
銀髪の女は、瀬口がいない隙を見つけては、地下に現れては独自に瞳を調教した。
靴を舐めさせ、火照った身体を騎乗鞭で打ち、火照らされた身体を慰めてやっては、自分への忠誠を誓わせる。
さらに瞳にペットとして服従を誓わせる宣誓書を書かせ、ビデオカメラの前で瞳にそれを読み上げさせた上で、自分がキャッツアイである事を告白させた。
そして新たな脅迫の材料を作るのであった。
「今日もたっぷりと鳴かせてやるぞ、キャッツアイ」
「はうぅっ……あぁん! はぁん!」
いつものように地下のホールに来ていた瀬口は、両手と両足をピンと伸ばし、X字型に拘束された瞳を使って遊んでいた。
極薄の長袖レオタードを着せた女怪盗の胸を揉み、口を吸い、尻を撫で、秘部をバイブレーターで責め立てる。
そして絶頂寸前の所で止めて、瞳を尋問して楽しむのだ。
「ほら、イかせて欲しいのならさっさと正体を吐け。」
「あっ……あっ……あぁん……あん!」
瀬口の指が瞳の豊かな乳房に食い込む度に、瞳の口からは男を惑わせる甘い声が漏れる。
感じているのは事実で、瞳の身体は熱く火照り始めていた。
だがそれとは裏腹に頭の中は冷めており、キャッツアイとしての冷静さが戻っていた。
「そんなエロい声を出してどうした、イかせて欲しいのか? なら私を気持ちよく出来たらイかせてやるぞ」
瞳の変化に気が付かない瀬口は、鉄格子のそばにある壁へ行くとボタンを押した。
ジャラジャラと音を立てて、ピンと張られていた瞳の手枷の鎖が緩み、膝を付いて座れるところまで降ろされる。
すると仁王立ちになった瀬口が瞳の髪を掴んで、フェラチオを要求した。
「ちゅっ……れろ……ぺろ……ちゅぶ……」
瞳は瀬口の亀頭にチュッチュと音を立ててフレンチキスをすると、舌を大きく出して竿を舐め始めた。
唾液をたっぷりとつけた舌で竿を舐め、ウラ筋に舌を這わせ、亀頭を舌先でローリングさせる。
瀬口に征服感を与えるため、上目遣いで顔を見ることも忘れない。
捕まってから毎日仕込まれ続けたテクニックを総動員し、目の前の肉棒を少しでも満足させようと試みる。
目的は自分の性的奉仕に夢中にさせ、意識を他に行かないようにさせるためだ。
(まだよ……もう少しこの男を油断させないと……)
瞳は瀬口のモノを咥えると、中で舌を使いつつ、頭を動かしてストロークを開始した。
ここから逃げ出すために必要な演技とはいえ、捕まる前ならこんな事は瞳には考えられなかった。
だが今の瞳には、このような行為はさほど抵抗は無くなっていた。
瀬口に髪の毛を掴まれ、頭を上下に揺らされる行為に、被虐の愉悦すら感じてしまう。
(もう私、すっかり変わってしまったのね。もし外に逃げられたとしても、本当に今まで通りの生活に戻れるのかしら……)
口の中でビクビクとペニスが痙攣し、ドピュッと精液が放出される。
濃厚な雄の体液を飲み込むと、昂奮して身体がさらに疼く。
名残惜しげに唾液の糸を引きながら口を離した瞳は、舌で亀頭をペロペロと舐めて後始末をすると、上目遣いで瀬口を見上げ、切なそうな声を出した。
「も……もう我慢できない……私もイかせてください……」
瞳は立ち上がると、緩んだ鎖のおかげで少しだけ自由を得た身体を、瀬口に近づけた。
豊かな乳房を顔に近づけられた瀬口が、鼻の下を伸ばす。
「それはダメだな、イかせて欲しいのならお前の正体を教えろ」
瀬口の左手が胸を掴み、右手が股間を撫で回し始める。
性感帯への刺激に瞳が喘ぎ声を漏らす。
「あん……あぁん! や、やめてぇ……あん!」
「ヒヒヒ、そんなに気持ちいいのか。だが吐かなければイかせてやらんぞ。」
舌を舐めずりまわして身体を弄ぶ瀬口は、瞳の手が動いている事に気が付かなった。
その刹那、目にも留まらぬ速さで腰の入った右拳が、瀬口の鳩尾に叩き込まれた。
「ぐはっ!」
身体のバネだけで放った一撃だったが、その威力は凄まじかった。
床に倒れた瀬口は目が眩み、膝から崩れる。
瞳は素早く瀬口の肩を掴むと、身体を入れ替えて背後を取った。
そして腕で首を締め上げる。
「がっ……がはっ!」
呻いた瀬口の太い首が、グイグイと絞めつけられる。
瞳の細い右腕は、瀬口の顎の下にガッチリと入り、それを左腕がホールドしている。
腕を掴んで振りほどこうと足掻く瀬口だが、運動不足の男の腕力では、鍛えられた瞳の技から抜けるのは圧倒的に力不足だ。
「こ、このメスネコめ! こんなことをして、タダで済むと思っているのか!」
虚勢を張る瀬口だが、もはや状況は如何ともしがたかった。
今のキャツアイが自分に逆らうなど思ってもいなかったため、部下の男も近くにはいない。
意識が一瞬遠くなり、手足から力が抜けて行く。
「誰か! 誰か来るんだ! 頼む! 私をこの盗賊から助けてくれ!」
足をジタバタとさせながら、牢屋に設置されている監視カメラに瀬口は必死に訴える。
だがその先に居るキャッツハンターと、その部下たちは何も反応しない。
彼女たちは新しい雇い主が、横柄で醜い男を締め上げるのを、冷ややかな目で眺めていた。
「がっ……がはっ……ぐぇ……」
ヒキガエルのような情けない嗚咽を漏らし、瀬口の両手がぶらりと下がる。
パチパチパチと拍手が鳴り、鉄格子の外から女の姿が現れた。
牢屋の中に入ったキャッツハンターは、鍵を使って瞳の四肢の枷を解くと、今度はその枷を瀬口に嵌めて自由を奪ってしまった。
「さすが、見事なお手並みね。油断していたら、私もいつかその男のようになりそうね」
「そんなことはしないわ……あなたを敵に回す気は、無いから……」
「ならば、その証を見なさい。」
瞳は女の前で四つん這いになると、赤いブーツにキスをした。
そしてペロペロと舐め始める。
『飼い主』となった女との間で決められた、ペットとして服従を示すための儀式であった。
「れろ……ぺろ……ちゅ……れろ……」
「よろしい、そうやって素直なペットでいる間は、あなたの秘密は守ってあげるわ。ちゃんと家にも帰してあげるし、今まで通りの生活もさせてあげる。優しい飼い主で良かったわね、来生瞳さん、ウフフ……」
本名を呼ばれた瞳は、暗澹たる思いになった。
確かにこれで身体は解放される。
だがそれは自由を得たことを意味していない。
この女はこれから自分をどうするのだろうと考えると、気分が滅入って来る。
「さあ、舐めるのはもういいわ。早くここから逃げましょう。外の警備は私の部下が発煙筒を巻いて混乱させてあるけど、武装犬が来たら厄介だからね」
「は、はい……」
返事をした瞳は、飼い主の背中を追って地下のホールから脱出した。
その細い首には、見えない首輪と鎖がついていた。
「う~ん、気持ちいい。お金があるって最高ね、今日もいい気分だわ。」
都心にある、芸能人や投資家が多く住まう高層タワーマンションの最上階。
大きな窓から下界を見下ろしながら、銀髪の女は髪をかきあげた。
「では次のニュースです。今月、再オープン予定であった近代美術館の地下室から、火災や窃盗により失われたと思われていた多数の絵画が発見された件について、警視庁は同美術館の館長で日本美術連盟の代表である瀬口広幸氏を、盗品等関与罪、および放火と窃盗の示唆で逮捕したと発表しました。調べに対して瀬口氏は容疑を否認しており……」
昼のニュースが瀬口の逮捕を伝える。
脱出の時、キャッツハンターは警察にも通報をしていた。
そして発煙筒を使って警察官を誘導し、地下の不正に入手された美術品を発見させるよう仕込んでいたのだ。
「瀬口は以前も同じ容疑で捕まっているし、今回は起訴される見込みらしいわね。シンジケートもずいぶん打撃を受けたらしいし、私っていい仕事したと思わない? ねえ、キャッツアイ。」
キャッツハンターが右手に持つリードをクイッと引っ張る。
彼女の足元には、全裸に首輪という姿で四つん這いになっている瞳がいた。
脱出の後、家に帰る事は許された瞳であったが、それからほぼ毎日キャッツハンターに呼び出されては、こうしてペットとしての調教を受けていた。
「お願い、そろそろ家に帰して……でないと、こんな事をしているのが泪姉さんにバレちゃ……あうっ!」
瞳の言葉は、キャッツハンターの鞭により遮られた。
「別にいいじゃない、バレても。優しいお姉さんがこれを知れば、貴女の代わりを名乗り出てくれるかもしれないわよ。」
「そ、それはやめて! 私がペットになるから、二人には手を出さないって約束……くぅっ! あうっ! ひぃっ!」
立て続けに3発、鞭が振り下ろされる。
瞳は四つん這いのまま、フカフカの絨毯に爪を立てて耐えた。
「フン、まあ今日はここで家に帰してあげてもいいけど……その代わり、私と部下の生活費を融通してもらうわよ」
「ま、またなの……」
瞳の顔が青ざめる。
瀬口から救出された日から、銀髪の女は理由を付けては、瞳に金をせびっていた。
キャッツアイである証拠、そして瀬口に奉仕している姿を撮影されている瞳は、言うがまま脅迫者に金を支払っていた。
「い、いくら何でも、これ以上払うとなったら、姉さんや永石さんに相談をしないと無理よ。せめて少し時間を……はうっ!」
嬌声をあげる瞳の膣に、ローターが押し込まれる。
キャッツハンターはアナルにもローターを挿入すると、瞳にゴム製の貞操帯を履かせて、鍵をかけてしまった。
「これは飼い主に口答えをしたお仕置きよ。次にここへ来るまで外すことは許さないわ」
「そ……そんな……この状態で家に帰るなんて……あっ……あん! はぁん!」
ローターがブゥゥンと低い音を立てる度に、喘ぎ声を出す瞳。
それを見ながらキャッツハンターは、クスクスと嘲笑する。
「すぐにお金を用意できないのなら、銀行にでも行って盗んで来ればいいじゃない。キャッツアイならそのくらい、朝飯前でしょう」
「ひっ……あん! そ、そんなことは……はぁん! で、できない……ひいっ!」
「ああそういえば、お金の為に盗みをするのはイヤだったのよね。なら売春を斡旋してあげるわ。一晩で億って金を払ってくれる金持ちがいるの。拷問大好きのサディストらしいけど。」
魔女のような笑みを向けられた瞳は、背筋を凍らせた。
「それが嫌なら、獣姦鑑賞が趣味の金持ちなんてどうかしら。ブタって5分以上交尾ができるらしいわよ。エッチな貴女には最高の相手だと思わない?」
キャッツハンターの残酷な視線を見た瞳は、その言葉が嘘では無い事を悟った。
捕獲され、ペットにされてしまった瞳の地獄の日々は、まだまだ始まったばかりであった。