拷問部屋を出た瞳は、キャッツハンターに連れられて階段を登った。
そこで初めて、自分が地下室にいたのを知った。
「うっ……まぶしい」
ドアが開いた瞬間、陽の光が差し込んで来た。
レオタード越しに浴びる陽気が、今が昼だということを教えてくれる。
外は広大な洋風の庭園になっていて、周囲は高い壁で囲まれていた。
頑丈に施錠された入口からは、御影石の通路が伸びていて、中央にある大きな建物へと続いている。
建物には埃をかぶった『近代美術館』という看板が掲げられていた。
「こ、ここは……」
「ほっほっほっ、覚えていたか。そうだ、ここはお前たちキャッツアイのせいで休館中の、私の美術館だよ」
瞳が振り向くと、そこには瀬口がいた。
その脇には、金属性のトゲがついた武装犬を従えている。
「今のここは、私の犬の訓練場だ。キャッツアイ、今日からお前には、この犬たちと同じ躾を受けてもらうぞ」
そう言うと瀬口は、キャッツハンターから瞳のリードを受け取った。
銀髪の女は薄ら笑いを浮かべつつ、瞳の背中を小突く。
「ホラ、さっさと両手をついて四つん這いになりなさい。貴女の人としての人生は今日で終わり。これからはお望み通り、死ぬまで瀬口様のペットとして飼われるのよ」
「……ッ!」
瞳は怒りで震えながら、芝生の上に両膝と両手をついた。
瀬口は首輪のリードを握りながら、美しい身体のラインを露わにするレオタード姿のペットを、すみからすみまで舐めまわすよう視姦した。
そして突き出された尻肉を、じっくりと揉み込む。
「そう言えばお前には、まだ朝飯を与えて無かったな。調教の前にまずはエサをやろう」
瀬口が目配せすると、キャッツハンターが皿を置いた。
そして小ぶりな袋を開き、表面を見せつけるようにて皿に盛る。
瞳は袋に『Dog food』と書かれた文字を見た。
「お前にはキャットフードの方が口に合うと思うのだが、今はこれしか無い、すまんが我慢してくれ」
「まあ似たようなものだから、大丈夫ですよ。遠慮なく食べなさい、ペットらしく口だけでね」
二人の笑い声に腕を震わせながら、瞳はひじを曲げた。
そして文字通りの意味でのエサへと顔を近づける。
ドライフードに口をつける瞬間、瞳は地面の芝生をギュっと掴んだ。
パリッ……ボリッ……パリッ……
瞳の奥歯がドライフードを噛み砕く。
不快な味は付いていない。
触感は堅いビスケットといったところだ。
毒ではなく、むしろ多くの栄養価を含んでいる優れた食品でさえある。
それが人間ではなく、ペットの為に作られた物ということさえ除けば。
ブゥゥゥゥン
「はうっ!」
突然、瞳は嬌声をあげた。
瀬口がリモコンを使い、レオタードに埋め込んだローターを動かしたからだ。
瞳の腰がビクンと浮き上がり、地面に付いていた腕が折れた。
「ほらキャッツ、何をしているの。与えられたエサはちゃんと食べなさい」
叱責と同時に、バシッと瞳の尻が打ちすえられる。
今のキャッツハンターが使っているのは、先が広がっている騎乗鞭だ。
派手な音とは対照的に肌へのダメージは小さいが、屈辱感は大きい。
「ほら、まだ残りかすが残っているわよ。皿を舐めて綺麗に食べなさい、犬のようにね」
レオタード姿のペットに、キャッツハンターが非情な命令を与える。
乳首と陰部への刺激に耐えながら、瞳は皿に向けて大きく舌を出した。
そして舌と唇を使い、ドッグフードの残りカスを舐め取る。
「れろ……ちゅっ……れろ……ぺちゅっ……」
「フフ……お皿がピカピカだわ。よほど美味しいようね」
「次の食事では必ずキャットフードを用意するから、楽しみに待っていろ、ワッハッハッ」
楽しげな笑い声が、近代美術館の跡地に響く。
ペチャペチャと皿を舐める瞳の耳には、自分の中でガラガラと何かが崩れる音が聞こえていた。
「次は食後の散歩だ。行くぞ、キャッツアイ。」
リードを持った瀬口が、前からクイッと瞳の首輪を引っ張る。
首を引かれた瞳は、広大な近代美術館の跡地を犬の姿勢で歩き始めた。
万が一に備え、瞳の両手と両足には、鎖で繋がれた頑丈な枷が嵌められている。
重い枷と鎖の存在は、四つん這いで歩く彼女の体力を容赦なく削った。
だがそれ以上に女怪盗を悩ませているのは、乳首と股間のローターであった。
「はうっ!」
ビクンと瞳の腰が震える。
瀬口がローターの振動を、一段階強めたからだ。
「くぅっ……ひっ……うぅん……」
四つ這いになって歩く女怪盗を、瀬口がリモコンで操作する淫具は容赦なく責め立てた。
初めのうちは、くすぐったい程度の感触だった。
しかし今では、少しでも気を抜くと意識が乳首と陰部に集中してしまい、手足が止まってしまう。
すると後ろから目を光らせるキャッツハンターの騎乗鞭が、容赦なく瞳の尻に振り下ろされるのだ。
ビシッ!
「くうっ!」
「ホラ、早く歩きなさい。でないとあそこのワンちゃん達をけしかけるわよ」
瞳が頭を上げると、そこには全身に金属製のトゲを装備した十数匹の武装犬がいた。
瀬口が飼っているご自慢の武装犬だ。
みな前傾姿勢で低い唸り声を出し、四つ這いで歩く瞳を威嚇している。
「……ひっ!」
「さすがのお前も奴らは怖いようだな。あの犬たちにはお前の匂いを徹底的に覚え込ましてあるから、私が命令すればどこまでも追いかけるぞ。」
そう言うと瀬口はリードを引っ張り、瞳を武装犬の方へと連れて行った。
四つ足で歩く瞳は、必然的に武装犬と顔の高さが同じになり、彼らの威嚇的な目や鋭い牙をまともに見ることになる。
(キャッツハンターだけでも厄介なのに、こいつらまでいるなんて……)
もしこの武装犬に襲われでもしたらと考えると、瞳の背筋に冷や汗が流れる。
正体のことでキャッツハンターに脅迫されていることを差し引いても、ここから自力脱出できる可能性は極めて小さい。
そう瞳が絶望しかけた瞬間、ローターは更に振動を強めた。
「ひっ! ああっ……あぁん……はぁん……」
瞳の口から甘い声が漏れた。
ローターで擽り続けられた身体は耐えきれず、遂に変調の兆しを見せていた。
体の奥のほうから快感が湧き起こる。
瞳はそれを必死に食い止めようとするが、無駄な努力であることをすぐに思い知らされる。
「おやおや、何か匂うのかね」
瞳がはっと振り向くと、武装犬が自分の尻を嗅いでいるのが見えた。
犬はクンクンと嗅ぎながら頭を動かし、次第にクロッチへと鼻を近づける。
「どうやら牝の匂いを嗅ぎつけたようね。まあレオタード越しにも解るほどグッショリだもの。ワンちゃんが気にするのも仕方ないわ」
カッと瞳の身体が熱くなる。
自分では見えない場所の変化を指摘され、これ以上ないほどの羞恥と屈辱を感じた。
武装犬たちですら、自分を嘲笑しているように思えた。
「さてキャッツアイ、そろそろペットとしての躾を始めるぞ。『先生』の動きをよく見ていなさい」
瞳が頭を上げると、目の前にはリーダー格の武装犬がいた。
瀬口が『お座り』『お手』『伏せ』『チンチン』といった命令をすると、訓練された犬は忠実に素早く、その動きをやってみせた。
「次はお前の番だ。まずは『お手』からやってみなさい」
瀬口が瞳の前に左手を差し出す。
四つ這いの女怪盗は、屈辱に耐えながら手枷を嵌められた右手を挙げた。
その瞬間、またもローターが刺激を強めた。
「あうっ! ひっ……あっ……あぁぁっ!」
挙げられた瞳の右手が、再び地面に付く。
長時間ローターで擽り続けられた瞳の身体は、すっかり敏感になっていた。
刺激を少し変えられるだけで、全身の力は抜け、意識は全てそちらへ向かってしまう。
「どうやらこのメスネコの知能は、犬以下のようですわね」
ビシッ、バシッと音を立てて、キャッツハンターの騎乗鞭が瞳の尻を打つ。
瞳の頭がガクンと上がり、汗に濡れたうなじには髪が張り付く。
鞭打たれる度に、瞳は嬌声をあげた。
「くぅっ! はぁ……はぁ……あうっ! んあぁっ! はぁっ!」
次第に瞳の声質が変わって来た。
鞭打たれる度に尻は燃えるように熱くなり、屈辱的で惨めな気持ちになる。
だがローターにより敏感になった瞳の身体は、より強い刺激を求め、押し寄せる苦痛の中に未知の感覚を生み出していた。
「キャッツアイ、次は『おすわり』だ。先生と同じようにやってみろ」
美しい女怪盗の被虐美に昂奮しつつ、次の命令を与える瀬口。
ローターと鞭から与えられた感覚に困惑しつつ、瞳は前にいる武装犬を見習い、両手と尻をぺたんと地面に付けた。
長い脚は犬のように真っすぐ折り畳めないため、膝から下を左右に広げ、正座を崩した座り方になっている。
いわゆる女の子座りというやつだ。
「ほぅ、これはこれは……なかなかそそる恰好ではないか」
瞳を見下ろしながら、瀬口は鼻息を荒くした。
手錠を嵌められた両手を、崩した両足の間に付いて前屈みになる瞳は、熱っぽく焦点の定まらない視線を瀬口へと向けていた。
ローターの刺激を受ける度に身体はビクッと震え、息をつくたびにボリュームのある乳房がユサユサと揺れる。
「もう我慢できん……また舐めてもらうぞ、キャッツアイ」
瀬口はズボンを脱ぐと、瞳の前にペニスを突きつけた。
ㇺッとした異臭が、瞳の鼻先に広がる。
だが身体を火照らせきっていた女怪盗は、目の前の怒張したペニスを凝視したまま目を離さない。
「さあキャッツアイ、フェラチオよ。犬以下の貴女ができる唯一の芸なのだから、早くしなさい」
命令された瞳は、息遣いを荒くして顔を近づけた。
そして自らの意志で竿に手を置き、唾液で濡らした舌を大きく出す。
二度目のせいか、屈辱はあまり感じなかった。
「ちゅっ……れろ……ぺちゅっ……れろ……」
亀頭にキスをした瞳は、舌を丁寧に亀頭に這わせた。
そして先端部をペロペロと舐め、尿道口に舌先を差し込む。
瀬口のモノはそれ自体に意思があるようにピクン、ピクンと反応する。
「先だけでなく、カリの裏も舐めるのだぞ……そうだ、上手いぞ……」
熱い吐息を吐き出しながら、漏れ出すカウパー液を舌で舐め取る瞳。
相変わらず生臭い臭いがきつい。
だが不思議なことに、今度はあまり不快とは感じなかった。
「れろ……ちゅっ……ぺろ……ちゅぷ……」
「あらら、美味しそうに舐めているわね。ドッグフードより、こちらの方がお好みみたい。」
クスクスと嘲笑するキャッツハンター。
その手には、ビデオカメラが握られていた。
撮影されていることに瞳も気が付いたが、行為を止めることなく唇でペニスを挟みつつ、ハーモニカを拭くように竿を舐める。
その間もローターは卑猥な振動を続け、瞳の股間の熱さはさらに上昇していった。
(か……身体が熱い……こんな事をするのは嫌なはずなのに……止められない……)
ビクッと身体を震わせながら、瞳は下からペニスに舌を這わせた。
そして瀬口を見上げながら、唾液をたっぷりと含んだ舌で裏スジを下から上へと舐め上げる。
自分に損害を与え続けた女怪盗が、上目遣いで奉仕を続ける様に、瀬口は嬉しさをこらえきれなくなる。
「グフフ……ではそろそろ、しゃぶってくれ。ご主人様を気持ちよく出来たら、次はお前を気持ちよくしてやる」
「つ、次は私って……まさか……むぅっ!」
唾液と分泌液でヌメヌメと光る亀頭が、瞳の唇に押し付けられた。
瞳は抵抗することなく、限界まで口を開いて竿を奥まで咥える。
「やり方は解っているな。今度は頭をサポートしないぞ、ストロークは自分でするんだ。口の中で舌を使うことも忘れるなよ。」
「ん……ちゅぶ……んう……ちゅっ……」
愛しい男のモノにするかのように、瞳は丁寧に舌と唇で奉仕を始めた。
唇の先をペニスに密着させつつストロークし、口の中で舌を左右に動かし裏スジを刺激する。
その行為で瞳の股間はさらに熱く滾り出し、鼻の奥から喘ぎ声を漏らし始めた。
「ん……んふぅ……んっ……」
「おやおや、人のペニスをしゃぶりながら感じているのかね。はしたないメスネコだ。」
ペニスを咥える瞳の黒髪を、瀬口は愛おしそうに撫でた。
それに応えるよう、瞳もペニスを深く咥え、よりストロークを大きくする。
口内で舌を絡ませ、たっぷりと溜めた唾液で卑猥な水音をたてながら、ゆっくりと。
キャッツハンターはビデオカメラを近づけ、その様子をアップで撮影した。
「ちゅぶ……んふっ……ちゅぶ……んっ……」
父の敵を満足させる為、口とペニスを密着させて懸命に奉仕をする瞳。
地面にぺたんと尻を付けた身体は、ローターが動く度にビクビクッと反応した。
ペニスを咥え、口の中で亀頭に舌を絡ませながら、瞳は切なそうな顔で瀬口を見上げる。
その瞬間、昂奮が頂点に達した瀬口のペニスから、勢いよく熱い粘液が放出された。
「んっ……むぅっ……」
口内へ放出された粘液を、瞳は全て受け止めた。
そしてためらうことなく飲み込んでいく。
「ん……こく……ごく……」
「よし、次は後始末だ」
瀬口に命じられた瞳は、ペロペロと亀頭の周りをなぞるように舐めた。
そして残滓を残さず舐め取る。
「なかなか良かったぞ、キャッツアイ。」
「あっ……ああっ!」
突然、ローターの振動がMAXへと引き上げられた。
瞳は耐え切れずに、芝生の上に倒れ込んで、身を悶えさせる。
手足に繋がれた鎖が擦れ合い、チャラチャラと金属音をたてた。
「ほら、立ちなさい!」
瞳の背中へ、キャッツハンターの騎乗鞭が振り下ろされる。
「はうっ! あぁん! はぁん!」
「あらら、鞭で叩かれているのにエロい声で鳴いちゃって。そんなに刺激が欲しいのかしら?」
キャッツハンターは薄く笑うと、つま先を瞳の秘部に押し当てた。
そしてグリグリと回すように踏みつける。
「ひ、ひぃっ! ……や、やめて……これ以上続けられたら……私……」
苦しそうに上気した顔で訴える瞳。
両手を両腿でしっかりと挟み付け、身体を丸めて横たわっている。
長時間ローターで擽り続けられ、雄の臭いを染み込まされた身体は、より強い刺激を求めていた。
23歳の女盛りの身体が求める欲求の前には、怪盗として鍛えた精神力も、恋人への愛も、あまりに無力であった。
「どうやらこの女、瀬口様におねだりしているようですわ。これは昨日みたいに止めたら可哀想よね」
瞳の顎に騎乗鞭を当てがいながら、キャッツハンターが薄く笑う。
言葉の意味を察した瞳が、ビクッと身体を震わせる。
「なら飼い主として、ペットの期待に応えてやらんといかんな。昨日お預けをした分、今日はタップリと可愛がってやるぞ」
「あぁ……」
小さくため息をついた瞳の首輪を、瀬口がクイッと引っ張る。
首を引かれた瞳は起き上がると、四つん這いになった。
抵抗する気力は、もはや湧いては来なかった。
「さあ行くぞ、キャッツアイ」
瀬口はリードを引っ張ると、建物へと歩みを進める。
瞳は焦点の定まらない視線を泳がせながら、犬のようにその後を歩いて行った。