触手凌辱ファンタジー 作:山鯨
(あー、今絶対ヤバいことになってるよなー)
あれから、俺は考えるのが面倒になって引きこもった。
引きこもり先は少女の膣内だ。彼女には悪いと思っているけど、チ○コ型触手としての性なのか、ここにいるのが無性に落ちついてしまうのだ。
俺はなぜ見えているのか未だにわからない三人称視点を膣内だけが見えるように調整して、心を無にして引きこもっている。
感覚的に外が酷いことになっていそうだということは理解しているが、状況が俺の処理能力を遥かに凌駕してしまっている。目を背けたかった。
(……けどなぁ)
目の前の物事から目を反らして少しの落ち着きを得たことで、やっぱり、現実は受け止めなきゃいけないのだろうな、と思う。
そう、コレは夢ではなく、本当に俺はいつの間にか触手の身体となって知らない森の中にいて、森にはファンタジー世界にしかいないであろうゴブリンみたいな生き物が棲息していて、そのゴブリンたちの巣に連れ込まれた俺はそこにいた重傷者の少女にドラッグを使ったレイプをしているのだという現実を。
そして更には、
(う、うわぁ)
あれから身体に活力がたまっていく度に倍々で増えていった結果、六十四体にまで増殖した自身の触手が、少女の身体を全身くまなく粘液まみれにした上で穴という穴を陵辱し尽くしている、という現実を、俺は直視しなければならないのだろう。
(あー、あー、どうすんだよ、これ。いや、ほんと、真面目にどうすればいいんですか?)
「んあ❤ あ❤ ふあ❤」
三人称視点を膣内から外に向けてみると、無意識で動いて制御の聞かない触手たちにもみくちゃにされている少女の姿があった。彼女は粘液の危ない成分が効いているのか、重症を負っているというのに、触手が少し動くだけで甘い声をあげている。
その度に触手の身体には活力が湧いてきて、また分裂のためらしきエネルギーが溜まっていく。ただ、不幸中の幸いなのか、分裂するためのエネルギーは触手の本数が増える毎に必要量が増加しているようで、十六体を越えてからは分裂のペースは低下していた。
「あ❤ あ❤ ああ❤」
断続的に甘い声を漏らす少女は、重症を負っているので時折ビクリと震えるとき以外に動くことはない様子だ。触手の動きに反応するように声が出ているのだから意識があるとは思っているが、顔が腫れ上がっているから目が開いているのかわからず、それが正しいのかは確かめられない。
(ん、あー)
眼球に依らない謎の力で三人称視点的視力を確保している今の俺なら、視界を操作することでもしかしたら確認できるかもしれない、と思った。けれど、安易にそんなことをしたらまた変な影響が出てしまうかも、と考えると、ちょっと試す気にはなれなかった。
(はぁ、で、なにをどうしようか。……ん?)
現実を直視してみたはいいものの、結局なにをどうすれば良いのかわからず、ただ触手に埋もれる少女の姿を見ていると、蠢く触手の向こうに一瞬覗いた少女の顔に、少しの違和感を覚えた。
なんか、顔の腫れが少し引いていたかも、という、そんな違和感だ。
俺は抱いた違和感が本当かどうか調べるために視界を少し動かして、気が付く。
(やばっ)
一匹のゴブリンが巣の中に戻ってきていた。
そのゴブリンは俺の童貞卒業相手だった雌イノシシを思う存分に食べたのだろう、そうわかるくらいに全身を血に染めていて、食欲の次は性欲だ、とばかりに股間の一物を隆起させている。
(え、ヤバい、に、逃げ!? 隠れ!?)
俺は恐ろしくなった。
ああも躊躇なく雌イノシシの命を奪っていった存在がすぐそこにいるという事実が、今になって恐くなる。
俺も彼らによって簡単に殺されてしまう、という想像が脳裏をよぎり、全部の身体が硬直する。
どうにかして逃げなきゃ、隠れなきゃいけない、そういった思考が頭を駆け巡り、けれども恐怖でなにもできず、そうして、巣に入ってきたゴブリンは俺を見た。
(ひっ!?)
「グギャギャ」
死んだ、そう思った瞬間、やってきたゴブリンは小さな声をあげ、なぜか辺りを見回した。
その仕草は捜し物でもしているかのような様子で、まるで俺に気が付いていないかのように思わせてくる。
なぜ、どうして、弄んでいるのか。
そう思いながら、俺はゴブリンの様子に誘われて集中していた視界を僅かにずらした。
(え?)
そして、ずれた視界に写り込んだ光景に思考が止まる。
そこには俺がいた。
触手の身体となってなぜか分裂し、恐くなって硬直しながらも少女の全身を覆い隠している俺の姿だ。
けれども、なんか違っている。
見た目が、変わっている。
元々は薄橙色のチ○コみたいな見た目をしていた姿が、洞窟の中に入り込んでいる土と同じ色合い、質感に変わっている。しかも、それだけじゃない、洞窟の岩壁に接触している部分の触手は見た目が岩壁その物に変化していた。
どうやら、俺は擬態能力を持っていたらしい。
(は、はは、もしかして、これ、助かった?)
そう思ってゴブリンを再び注視すると、そいつはじっと、こちらを見ていた。
擬態している筈の俺の方を見て、雌イノシシに対して行ったように、奇妙な声を上げながら飛び掛かってくる。
「ゲギャギャ!」
(あっ)
今度こそ死んだと思った。
だから反射的に、人間だった頃の感覚で頭を庇うように腕が動くと――、
(は? え?)
分裂していた触手の群れが、飛び掛かってきたゴブリンを拘束し、その穴という穴へ粘液を纏いつつ侵入していく。
ゴブリンは触手によって空中に拘束されながら、耳、鼻、口、尿道、肛門と穴の大きさによって長さと太さを変えた他の触手に犯されていく。
最初は強く藻掻いていた彼だったが、しかしながら触手による拘束は解けることなく、その抵抗は次第に動きが弱まっていき、そうもしない内に、か細くて甲高い声を上げながら時折ビクビクと震えて射精するだけとなった。
「ギィィ❤」
(へ?)
その光景に、俺はまた理解を手放したのだった。