触手凌辱ファンタジー 作:山鯨
(……あー)
ゴブリンたちを制圧して、彼らの巣を完全に占拠してから、おそらく数時間。
日はすっかり暮れ、ただでさえ薄暗かった森は暗闇に満ちていた。山の緩い斜面に空いている浅い洞窟内も、外から差し込む光がほぼなくなって真っ暗となっている。
そんな視界の効かない苗床と化した洞窟内では、いくつもの音が漏れ出ていた。
それは、粘液を纏った無数の触手が蠢くねちゃねちゃとした水音であり、『あっ❤ あっ❤ 気持ちい❤ 気持ちいの❤』という少女の快感にひたっているであろう声であり、「ギャッ❤ ギャッ❤」という捕獲した十匹のゴブリンたちの甘くか細い嬌声だった。
(……落ち着く、落ち着いてしまう)
本来なら決してそうなるはずがないし、なってはいけないと頭では理解している。けれども、身体が勝手にこの状況に対して安らぎを得てしまう。それはまるで徹夜明けに横たわる心地の良い布団のように、芯から冷えた身体で入る暖かな湯槽のように、触手の身体がこの地獄みたいな状況で精神を強制的に癒してくるのだ。
(このまま寝て起きたら夢から覚めないかな)
俺は少女の膣内という心地の良い環境でじゅぶじゅぶと蠢きながら、そんなことを思う。
今更この状況を夢だと思ってはいないけれど、たゆたうような心地良さに願望が思わず漏れていた。
(でも、さっきから一向に眠くなってない気が――)
眠ったら、なんて思ったものの、そういえば暗くなってからしばらく経つのに眠気を覚えないことに思い至る。これだけリラックスして心地よくなっているのだから、感覚的には眠くなってもおかしくない筈なのに、全くそんな気配はなかった。
また一つ余計なことに気が付いてしまったかもしれない。
(……マジでなんなんだろうな、この身体)
振り返ってみれば、この触手の身体は不思議な、というか、意味のわからない事ばかり起こしている。
なんか物凄い勢いで分裂するし、役に立たなかったけど擬態できるし、粘液は危険薬物染みた媚薬効果に加えて、肉体の再生能力すら持っていて。
(やっぱ、ファンタジー的なあれこれなのだろうか)
「んあっ❤ んああっ❤ ん❤ んんん❤ んむーっ❤」
俺は触手に埋もれて全身を犯されている少女の声を聞きつつ、痙攣する彼女の膣壁の動きを身体で感じ取りながら、新たに発覚した再生能力について思い返す。
再生能力。
それは日が暮れる前、ゴブリンたちとの全面戦争を終えた後に発見した粘液の新たな効果だ。
その効力は瀕死の重傷を負っていた少女をほぼ完全に治癒してしまうという、とてつもないものだった。
それにより彼女は顔の腫れが痕すら残さず回復し、折れていたはずの片手片足は最早不自然なほど自然に繋がっていて、破壊されていた性器と肛門は出入りするのにキツさを覚えるくらいには治癒し、また、ついでとばかりに折れていた歯ですら復活していた。
ただ、唯一治癒していない所もあって、どうも彼女は視力を失ったままでいるらしい。見る限り彼女は瞼を開いても虚空を見るばかりで、視覚によっては周囲の状況を認識できてないようだった。
『ああ❤ 好き❤ 気持ち良いの好き❤ もっと❤ もっといっぱいしてっ❤ んんんっ❤』
少女は俺が全くと言って良いほど聞き覚えのない言語で何かを口にしながら、全身をギュッと硬直させる。それによって膣内を満たす粘液と少女の愛液が混じった液体がコポリと漏れ出し、ムリムリと肛門に侵入していた触手が粘液と共に押し返されていった。
(彼女のこと、どうしよっか)
俺は活力が身体に大きく溜まっていくのを感じながら考える。
少女のことは、この苗床から開放するべきなのだと、人間として生きて培ってきた倫理観から強く思う。思っている。
けれどもそれと同時に、いや、その思いを遥かに超えて、この少女の身体を思う存分永遠に貪りたい、という欲求を俺は抱いてしまっていた。
この欲求は到底押さえ込めるものではなくて、我慢すら思うようにはできない。我慢しようとしても、気が付いたらごく当たり前のように俺は彼女のことを犯してしまう。しかも、そのことについて俺は既に罪悪感すら感じられなくなっていた。
『んをっ❤ お尻っ❤ またっ❤ ズルズルって❤ すごいのっ❤ んあっ❤ すごっ❤ すごいいぃ❤』
(せめて言葉がわかれば、なんか変わるのだろうか)
少女のことは開放したい。しかしながら、理性を塗り潰してしまうほど強い本能的欲求が彼女のことを決して離せなくしてしまっている。
だから、度々彼女が口にするようになった言葉を理解して、意思疎通までは難しいにしても、彼女の意思を確認できるようになれば理性ももう少し抵抗できるようになるんじゃないか、なんてふと思った。
けれど、俺は昔から外国語が苦手で、英語ですら全く扱えなくて、そんな人間が聞いたこともない言語を理解できるとは到底考えられず――、
(なにも考えたくなー)
「んぐっ❤ んむっ❤ んあっ❤ んひゃっ❤ んむあっ❤」
「グギィ❤ グギャ❤」、「ググガ❤ ギュギャ❤」、「ギャッ❤ ギャッ❤」
現実を直視するのが嫌になった俺は、粘液を纏った触手が蠢く水音と、少女とゴブリンたちが漏らす喘ぎ声を聞きながら、考えることを止め、全身を優しく包み込むような心地良さに意識を委ねたのだった。