※この作品はR-18です。

盗みのチャンスは一度だけ BAD END   作:muzineki

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2:首輪

「うう……」

 

「お目覚めかホイ?」

 

「……っ!?」

 

嘲けるような声に反応して、瞳は顔を上げた。

気が付くと、後ろ手に手錠を嵌められた状態で、パイプ椅子に座らされている。

目の前には、ニタニタと笑う小太りの男がいた。

平山美術館の館長、平山であった。

 

「お前がキャッツアイかホイ。女とは聞いていたが、泥棒にしておくのが勿体無い美人だホイ」

 

「それはどうも、でもこの状況で褒められても、嬉しくは無いわね」

 

そう答えた瞳が、辺りを見回す。

平山の両隣には、ボディーガードらしき2人の大男がいた。

どちらもプロレスラー並みの巨体で、瞳の動きに目を光らせている。

 

「で、これから私を、どうするつもり?」

 

「まあ善良な市民の一般常識としては、警察に突き出すべきなのだろうなホイ」

 

平山の回答に、瞳の美貌が引きつる。

今日の警備担当は、彼女の恋人である内海刑事だ。

彼がこの場に現れれば、瞳は全てを失う。

 

「しかしワシは、お前を警察に引き渡す気は無いホイ」

 

「えっ?」

 

その言葉に驚く瞳だが、すぐに険しい目つきに戻る。

目の前にいる男が、ただで自分を解放するなど有り得ない。

 

「目的は、何?」

 

後ろ手に拘束されたまま、瞳は太った館長を睨みつける。

平山はその反応にニヤリと笑うと、太い指で女怪盗の顎を持ち上げた。

 

「ワシは美術館に忍び込んだ賊は、自分で罰を与える事にしているホイ。お前はこれから、ワシの私設刑務所に入るんだホイ」

 

「し、私設刑務所!?」

 

瞳の額に冷たい汗が流れる。

この平山には、一つの噂があった。

美術館で捕えた泥棒を、コレクションとして飼っているという噂が。

 

(じょ、冗談じゃないわ、それなら刑務所の方がまだマシよ)

 

瞳は首を振って、顎を掴む平山の手を払った。

こんな男にコレクションとして飼われるなんて、絶対に御免だ。

 

「ではキャッツアイ、まずは身体検査をさせてもらうホイ」

 

平山は昂奮した息を吹きかけながら、瞳の肩を掴んだ。

 

「やめてっ、触らないで!」

 

立ち上がって逃げようとする瞳。

しかしボディーガードに肩を抑えられ、身動きを封じられる。

 

「ヒッヒッヒッ、物を隠すとすれば、やはりここだろうホイ」

 

平山の手が胸へと移動し、V字カットされたキャミソールへと向かう。

そして大胆に露出された谷間へと差し込まれた。

 

「イッ、イヤァァァァァァッッ!!」

 

悲鳴を上げる瞳だが、平山はかまわず奥へと手を潜り込ませる。

そして柔らかな乳房の感触を楽しみつつ、レオタードの内側を探った。

 

「おっ、発見だホイ」

 

レオタードの中から、平山の手が抜かれる。

その手には、胸元に隠されていたキャッツカードがあった。

 

「これはキャッツアイの象徴とも言える道具、重要な証拠だぞホイ」

 

平山は机の上にカードを置くと、再びレオタードの中へと手を侵入させた。

 

「やめてっ、変態っ!!」

 

必死に声を荒げて抵抗する瞳。

だが後ろ手に拘束され、二人の男に掴まれては、逃げることなどできない。

無駄な抵抗は、男たちの加虐心を刺激するだけであった。

 

「また発見だホイ」

 

今度は胸の谷間から、ペンライトが取り出される。

 

「ここはどうかなホイ?」

 

腰まわりを丹念に探られる。

ウエストに巻いた黄色い布から、小型の催涙スプレーが奪われた。

 

「ここには何があるかなホイ?」

 

今度は太腿からつま先までを、徹底的に撫で回された。

そしてヒールの底に隠していた、小型の工具が奪われた。

 

「ヒヒヒヒ、まだまだタップリと調べさせてもらうぞホイ」

 

その言葉の通り、平山による身体検査は、時間をかけてじっくりと行われた。

いやらしい手が瞳の全身を這いずり回り、特に胸や太腿、尻などは念入りに探られる。

柔肉を揉まれる度に、瞳はビクンと身体を反り返らせ、男たちの目を楽しませた。

そんな恥辱の身体検査は、平山が満足するまで続けられた。

 

「キャッツアイ、お前が持って来た物は、これで全部かホイ」

 

そう言うと平山は、道具を入れたプラスチックケースを見せた。

瞳はこくりと頷くと、首を垂れたまま黙ってしまう。

話す気力も無いようだった。

 

「もう参ったのかホイ、もっと生意気なメスネコと思っていたが、意外とカワイイものだホイ」

 

平山はフンと鼻を鳴らすと、机から何かを取り出した。

それは銀色の鋲が打たれた、黒いバックル型の首輪であった。

 

「さあ子猫ちゃん、次はこの首輪を嵌めてもらうホイ」

 

「い、嫌ッ!」

 

屈辱のアクセサリーの装着を、瞳は全力で拒絶した。

だがすぐにボディーガードに両肩を掴まれ、動きを封じられる。

 

「これは囚人の証だホイ。いずれお前に似合うのをプレゼントしてやるから、それまでこれで我慢するんだホイ」

 

「やめてっ! やめてっ!」

 

イヤイヤと首を振る瞳に、かまわず平山は首輪を巻き付けた。

その姿にボディーガード達も興奮し、ニヤニヤと笑みを浮かべる。

 

ガチャリ

 

瞳の首に黒い輪が嵌められ、ワンタッチ式のバックルが閉められた。

平山は首輪のすきまに指を差し込むと、長さが丁度いいことを確認する。

そして後ろに一歩下がった。

 

「似合っているぞホイ、キャッツアイ」

 

囚人の証を嵌められた女怪盗を、平山が嘲笑する。

キャミソールで胸元が大きく開いたレオタード姿に、黒い首輪はよく映えた。

男達のギラギラとした視線が、鎖骨が映えるデコルテラインに集まるのを瞳は感じた。

 

「これからお前は囚人として生きてもらう、首輪はその証だホイ。罪を償い真人間に生まれ変わるまで、外すことは絶対に許さん、わかったなホイ」

 

鼻をヒクヒクさせながら、平山は言った。

瞳はフンと鼻を鳴らし、小太りの男へ軽蔑の視線を向ける。

 

「ん? なんだホイ、その態度は」

 

不機嫌になった平山は、机から黒皮の一本鞭を取り出した。

 

「言っておくが、ワシは犯罪者に人権があるとは思っておらん。態度を改めんと、痛い目に合うぞホイ」

 

鞭が空気を切り裂き、床をピシャリと叩く。

だが瞳は怯むことなく、平山を見据えている。

 

「良い覚悟だホイ」

 

ニヤリと笑いつつ、平山が鞭を振り上げる。

だが振り下ろそうとした瞬間、レオタード姿の女怪盗がフッと目の前から消えた。

 

「たぁっ!」

 

掛け声と同時に、瞳はボディーガードの手をするりと抜けた。

そして平山のたるんだ腹に掌打を叩きこむ。

 

「ぐげっ!」

 

間抜けな声を出しながら、平山の丸い体が床をゴロゴロと転がる。

 

「このアマッ!」

 

ボディーガードの一人が、背後から瞳に殴りかかる。

瞳は振り向くことなく拳を避けると、その腕を掴んだ。

そして勢いを利用して、男を一本背負いで投げ飛ばした。

 

「ぐわっ!」

 

堅い床に叩きつけられた大男は、ぐったりと伸びてしまった。

続いて瞳はクルリと身体を回し、もう一人の男へ鋭い回し蹴りを放つ。

 

「がはっ!」

 

長い脚が男の側頭部に命中し、鈍い音を立てる。

巨体がドスンと音を立て、床へと崩れた。

 

「油断したわね」

 

瞳は足元にある手錠を蹴飛ばした。

身体検査が始まる前、瞳は後ろ手に拘束された手の中に、ヘアピンを隠していた。

そして男たちの警戒が緩むのを見計らい、手錠を外したのだ。

 

「さあ、早く逃げないとね」

 

瞳は館長室から飛び出した。

本当は首輪も外したかったのだが、こちらは鍵穴が無くヘアピンでは外せなかった。

時が経てばいつメカドックや警備ロボットが現れるかわからない。

首輪を外すことを諦めた瞳は、出口へ向けて走り出した。

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

薄暗い通路を走る瞳。

捕まっていた場所は2階だったらしく、やがて長い下り階段が見えた。

ロボット達に痛めつけられた身体を奮い立たせ、一気に階段を駆け下りる。

 

「姉さんと愛、心配しているだろうなあ」

 

瞳の頭に姉妹の笑顔が浮かぶ。

だが次の瞬間、首輪から放たれた電撃が全身を貫いた。

 

「ギャァァァァァァァ!!」

 

激痛と同時に、瞳の視界がグルリと回転する。

レオタード姿の女怪盗は、そのまま階段を転がるようにして落ちた。

 

「首輪をしておいて、助かったホイ」

 

瞳を追って来た平山が、階段の上に現れる。

逃げようとする瞳だが、既に周りはロボットに囲まれていた。

 

「手錠を外して逃げ出すまでは、見事だったホイ。だが最後の詰めが甘かったなホイ」

 

ポケットからリモコンを取り出した平山は、瞳へ向けてボタンを押した。

 

「ギャァァァァァァァァァァ!!」

 

悲鳴を上げ、全身をのけ反らせて悶える瞳。

5秒ほど悶絶した後、ようやく電気ショックが止まる。

糸が切れた人形のように、瞳は膝から崩れ落ちた。

 

「がはっ! はあっ、はぁっ、はぁっ……」

 

「スタンベルトという物を知っているかホイ。生意気な囚人に遠隔操作で電気ショックを与える、素晴らしい発明だホイ」

 

平山は説明しながら、ゆっくりと階段を降りる。

そして右手に持ったリモコンのボタンを無造作に押した。

 

「キャァァァァァァァッ!!」

 

瞳の絶叫が美術館に響く。

 

「そしてこれはワシが開発した、首輪タイプだホイ。遠隔操作だけでなく、脱走や命令違反をカメラが察知して、自動的に罰を与えることもできる。どうだ、凄いだろうホイ」

 

自慢げに説明しながら、平山は階段を下まで降りる。

足元では、瞳が肩で息をしていた。

電気ショックの余韻で、立ち上がる事さえできない。

 

「さあキャッツアイ、取り調べを再開するホイ。まずは脱走の罪を謝罪し、二度と逃げないと誓うんだホイ」

 

命令する平山に、瞳は返事が出来ない。

両手を床に付け、苦しそうに身体を震わせている。

その様子を見た平山は、再びリモコンのボタンを押した。

 

「ギャァァァァァァァ!!」

 

瞳の身体が床に転がり、海老のように反り返る。

 

「やめてぇぇぇぇぇッ!! もうやめてぇぇぇぇぇッ!! お願いぃぃぃぃぃッ!!」

 

絶叫し許しを乞う瞳。

だが平山はかまわず、リモコンのボタンを押し続ける。

 

「わ、わかったわ!! ごめんなさいっ! もう二度と脱走しないと誓うっ! だからっ! 許してぇぇぇぇぇッ!」

 

涙を浮かべて悶えながら、瞳は必死に謝罪の言葉を口にする。

美しい女怪盗の無様な姿に満足した平山は、ようやくリモコンのボタンを押すのを止めた。

 

「かはっ! はぁっ、はぁっ、はぁっ……」

 

瞳は床の上に転がったまま、喘ぎとも取れるような声を漏らしていた。

半開きになった口からは、だらしなく涎が垂れている。

全身が弛緩してうまく動かせず、呼吸することさえ辛い。

 

「ではキャッツアイ、今度は服従の態度を行動で示すんだホイ」

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

苦しそうな呼吸を続ける瞳。

その様子に平山はチッっと舌打ちすると、リモコンを瞳に向けた。

 

「やっ、やめてっ!」

 

ビクッと反応した瞳は、俯せになり両手を背中に回した。

すぐにロボット達に両手を掴まれ、細い手首に幅広の頑丈な手錠が嵌められる。

 

ガチャリ

 

「それは電子ロック式の特殊手錠だホイ、もう自力では外せんぞホイ」

 

ロボットに手錠を掴まれた瞳は、無理矢理立たされた。

しかし電気ショックの余韻で膝が震え、うまく歩くことができない。

 

「さあ行くぞホイ、館長室へ戻ったら、まずは脱走の罰を受けてもらうホイ」

 

バシッ!

 

乾いた音と同時に、平山の平手が瞳の尻を打つ。

屈辱に美貌を歪ませる瞳だが、リモコンを見ると逆らう気力が萎えてしまう。

逆らえなくなった瞳は、諦めきった表情でトボトボと来た道を戻らされた。

 

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