盗みのチャンスは一度だけ BAD END 作:muzineki
翌日、泪は始業より一時間早く平山邸へと出勤した。
セキュリティカードで事務室に入るが、まだ誰もいない。
すぐに事務室の中を見回し、警備ロボットや監視カメラが無い事を確認すると、辺りを探り始めた。
(秘書室長の瀬口なら、何か知っているかもしれないわ)
泪は瀬口のデスクに向かうと、痕跡を残さないよう引き出しを開けた。
上段の広い引き出しには、ノートPCが入っている。
(PCの中を見たいけど、履歴が残ったらまずいわ、今は手を付けない方が賢明ね)
PCを諦めた泪は、続いて右側にある3段の引き出しを調べた。
上の引き出しには文房具、中段には私物の栄養ドリンクや雑誌が入っている。
下段の引き出しを開けようとすると、ガタガタと音を立てて開かない。
鍵がかかっているようだ。
(つまり見られたくない物が、入っているというわけね)
泪はウェーブのかかった髪からヘアピンを取り出すと、開錠にかかった。
この程度のカギは、キャッツアイの前では無いも同然だ。
中にはインデックスシールで綺麗に整理されたファイルが3冊入っている。
その1冊を手にしてパラパラと中を確認した瞬間、泪の美貌が凍り付いた。
(ひ、瞳!)
それは瞳が晒し物にされたあの『審査会』で使われた資料であった。
最初のページには身長表の前で板を持つ瞳の写真があり、その下には本名や住所、年齢などが書かれ散る。
次のページには瞳の経歴や交友関係、キャッツアイとして起こした事件、そして平山美術館で逮捕された経緯などが写真付きで書かれていた。
(やはり、平山に捕まっていたのね)
泪が他のファイルを手にしようとすると、そこで足音が聞こえてきた。
急いでファイルを戻し、痕跡が残らぬよう細工する。
ここで他のファイルを見られなかったのは、泪にとって幸運であった。
そこには逮捕された瞳が、どのような「取り調べ」を受けて自白し、そして私設刑務所で「労働」や「懲罰」を与えられたかが描かれていたからだ。
それを見たら、さしもの泪も冷静さを失っていたに違いなかった。
(ふぅ、間に合ったわ)
自席に戻った泪は、落ち着いて仕事の準備をするフリをする。
すると足音は事務室の前で止まった。
おそらく瀬口が出勤したのだろう、そう泪は思った。
だが挨拶もせずに扉を開けたのは、予想外の人物であった。
「おはよう、誰かいるかね?」
「や、矢崎……先生」
顔を見た瞬間、泪は嫌悪の表情をするのを隠せなかった。
最も会いたくない人間が、いきなり目の前に現れたのだ。
「こ、こんな朝早くから、どうなさったのですか、矢崎先生」
「昨日は平山さんの家に泊めてもらったんだ。だけど迎えが来るまで暇でね、話し相手が欲しかったんだよ」
そう言うと矢崎は、泪に向かって手招きをする。
相手の都合など考えないその身勝手さに、泪は改めてこの男を軽蔑した。
だが同時に、これは千載一遇のチャンスでもあった。
(うまく行けば、瞳が監禁されている場所へ近づけるかもしれない、ここは我慢して付き合いましょう)
泪は感情を押し殺して笑みを作り、矢崎の手招きに応じた。
すると矢崎は遠慮なく、泪の腰に腕を回してきた。
遠慮のないボディタッチに忍耐しつつ、泪は事務室から出ていった。
同時刻の平山私設刑務所女子用独房8号室。
そこでは就寝中の瞳が、独房の中で横たわっていた。
「うぅ……」
小さく呻いて、瞳は寝返りをうった。
ロボット達に暴行され、矢崎にも激しいプレイを受けた身体は、未だ悲鳴を上げている。
限界を超えた疲労で深く眠る事もできず、体力はあまり回復しない。
それでも午前中の労働の免除と、房内での横臥が許されたのは救いであった。
男たちに媚びて奉仕し、平山に『模範囚』として認められた成果である。
少しでも彼らの機嫌を損ねていれば、激しい折檻を与えられたうえで、休むことなく労働を命じられていたに違いない。
プライドを捨てて男たちに尽くさねば、地獄の囚人生活を耐え抜くことは不可能であった。
「囚人番号WLA0116、出房だホイ」
声と同時にパッと起き上がった瞳は、独房の中央へと移動した。
そして照明が灯くよりも早く、両手を頭の後ろで組み、完璧な服従のポーズを作る。
「点呼だホイ、いつもの通り挨拶をしろホイ」
「はい、囚人番号WLA0116、来生瞳、窃盗罪で懲役10年。かつてキャッツアイと名乗り、世間に多大な迷惑をかけ、平山美術館にて無様に逮捕された泥棒猫でございます、ご主人様」
今日も自分を卑下した言葉で挨拶をする瞳。
少しでも平山に気に入られるよう、懸命に考えた口上だ。
電子ロックの扉が開くと、ニタニタといやらしい笑みを浮かべる平山が現れた。
ご主人様の機嫌が良い事を察した瞳は、服従のポーズを維持したままホッと胸を撫で下ろした。
「だいぶ囚人らしい態度が身に付いてきたなホイ、キャッツアイ」
「有難うございます、ご主人様」
瞳がそう言うと、平山は無防備な胸を揉み始めた。
もちろん瞳はそれに逆らわない。
それどころか美貌を上気させ、感じている事を隠さず息遣いを荒くする。
「はあっん……くぅ……あぁん……」
「フフフ……そんなに気持ち良いのかホイ」
「は、はい……くぅ……ご、ご主人様……はぁん……」
服従のポーズのまま、艶めかしく赤らんだ顔で喘いで色香をまき散らす瞳。
これも平山を少しでも楽しませるための行為だ。
キスをされれば情熱的に舌を絡ませ、股を触られればいっそう強く喘ぐ。
平山に媚びることへの屈辱感は、既に消えていた。
「昨晩は矢崎先生にずいぶん厳しくされたようだが、体調はどうだホイ」
「はい、ご主人様のご慈悲のおかげで、だいぶ回復しました。今日もこの泥棒猫が罪を償い真人間に近づけるよう、厳しく躾てください」
「労役の前に、お前の反省の意志についてのテストをするホイ。4日前、お前が書いた『反省文』を暗唱しろホイ」
「はい、ご主人様」
すうっと瞳は息を飲むと、服従のポーズを維持したまま『反省文』の暗唱を始めた。
「この度は私、来生瞳、通称キャッツアイが平山美術館にて起こした窃盗事件について、ご主人様に多大なご迷惑をかけたことを、心よりお詫び申し上げます」
うんうんと頷く平山を見て、瞳はホッとする。
暗唱が一字でも間違っていれば、即座に電気ショックの懲罰が待っているからだ。
「この罪を償い、真摯に反省するため、私はあらゆる人権を放棄する事を誓います。どのような指導や懲罰にも従い、抗弁は一切行いません。殿方には最上級の敬意をもってお仕えし、口、胸、お尻、そしてオマンコといった身体の全て使ってご奉仕をします」
卑猥で卑屈な言葉が瞳の口からスラスラと出て来る。
これも囚人として毎日のように躾を受けた成果であった。
「この平山氏設刑務所での懲役を通じて、私は殿方に尽くすことのみを考える、礼儀正しい大和撫子に生まれ変わる所存です。こんな淫らで罪深いメスネコではありますが、少しでも真人間に近づけるため、どうかご指導をお願いします、ご主人様」
「よし、正解だホイ」
「ありがとうございます、ご主人様」
返事をした瞳だが、緊張はまだ解かず、服従のポーズを維持する。
指導を受けた囚人には、まだ大切な仕事が残っていた。
「この卑しい泥棒猫への指導に貴重なお時間を割いていただき、ありがとうございます。せめてものお礼として、この汚らわしい舌でご主人様に奉仕することをお許しください」
「うむ、許可するホイ」
そこで初めて瞳は服従の姿勢を解除する。
そして三つ指をついて、床に額をこすりつけるように頭を下げた。
「失礼します」
頭を上げた瞳は、媚びた目つきを作りながら平山のズボンを降ろした。
そして勃起したペニスを捧げるように持ち、先端にキスをする。
「チュッ……チュッ……れろ……ペチュッ……れろ……」
舌を大きく突き出して奉仕する瞳。
その舌使いは慣れたもので、平山の快楽のポイントを的確に突いていた。
下から上へ竿を舐めながら、時折上目遣いをしたり、甘い息遣いをして、少しでも平山を満足させようと試みる。
「れろ……ちゅっ……れろ……ぺちゅっ……れろ……」
「ふふふ……上手くなったなホイ」
仁王立ちの平山は、奉仕を行う瞳の頭を優しく撫でた。
このような征服感を味わう時が、平山にとっての至福の時だ。
「玉を舐めろホイ」
「はい……ちゅっ……れろ……ご主人様」
命じられたとおり玉袋を下から舐める瞳。
さらにカリ裏に舌を入れて恥垢の掃除をしたり、舌先で亀頭をローリングしたりと、仕込まれたテクニックで懸命に奉仕する。
厳しい囚人生活を少しでも楽にするため、主人である平山を満足させる。
今の瞳の頭の中にあるのはそれだけだ。
「そろそろ咥えろホイ」
「はい、ご主人様……ちゅっ……ちゅぶっ……むぅ……」
口を開いて肉棒をカポッとくわえ込む瞳。
そして唇を軽くすぼめて、前後に動かし始めた。
「ん、んっ……チュッ……んうっ、ふう……」
ストロークをしながら、瞳はレオタードの肩ひもを外した。
布から解放された豊かな双乳が露わとなり、ピストン運動につれてユサユサ揺れる。
これも平山の征服欲を満足させ、機嫌をとるためのテクニックだ。
瞳は硬くなったペニスに舌を絡ませると、刺激をさらに強くする。
「よし、出すぞホイ」
「う、ううっ……ぐぷっ……」
生臭いドロリとした白濁液を、瞳は全て受け入れた。
ペニスから口を離しつつ、媚びた目つきのまま上目遣いをして、喉を大きく鳴らしてごくりと飲み込む。
ここで微笑んだりして、ご主人様を満足させたことを誇ることは決して許されない。
囚人の分際で精神的に優位に立つような仕草をすれば、反省の態度が無いとして激しい折檻を受けるからだ。
「私のような泥棒猫に最高のご褒美を与えて下さり、ありがとうございます、ご主人様」
後始末を終え、一滴残らず飲み込んだ瞳は、三つ指を突いて再び頭を下げた。
そして床に額をこすりながら、平山の言葉を待つ。
「今日の奉仕は良かったぞホイ」
その言葉で緊張を解いた瞳は、指を付いたまま頭を上げた。
平山に頭を撫でられると、心底嬉しそうにする。
世間を騒がせ続けたキャッツアイは、今や平山の従順なペットであった。