※この作品はR-18です。

幻夢戦記レダ BAD END   作:muzineki

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前編

軽く痛む頭を押えながら、ゆっくりと朝霧陽子は立ち上がった。

薄暗い、地下室のような空間。

それほど広い部屋ではなさそうだ。

 

「ここは、いったい……」

 

辺りを見回すと、左右の壁には何かの計器類が所せましと並んでいた。

赤や緑や黄色の小さなランプが、音もなく点滅を繰り返している。

 

「まさか……実験室!?」

 

そこでようやく、陽子は自分の状況を思い出す。

浮遊城ガルバの戦いで、彼女は総統ゼルの催眠術の前に敗れたのだ。

幸いにも、拘束などは受けていない。

それどころか、剣すらも奪われていなかった。

 

「いったい、どういう事……」

 

訝しむ陽子だが、ゼルの意図を詮索している暇はなかった。

今は一刻も早く、ここから逃げ出さなければならない。

剣を握りしめ、鉄扉を開けて通路へと飛び出す。

するとそこには、冷たい目をした宿敵が待ち構えていた。

 

「お目覚めのようだな、レダの戦士」

 

「!?」

 

法衣を着た美青年を前に、陽子の足が止まる。

反射的に剣を構えた彼女に緊張が走る。

 

「気分はどうだね、身体に異変を感じたりはしてないかね」

 

落ち着き払った声でゼルは言った。

一度は勝っているせいだろう、妙に余裕がある。

彼の周りには部下すらいない。

戸惑いを感じながらも、陽子はゼルに切りかかった。

 

「たあっ!」

 

長い脚で跳躍した陽子は、一気にゼルとの間合いを詰める。

催眠術が発動する前に切り伏せるしか勝機はない、そう考えての行動だった。

 

「ふむ、どうやら身体に異常は無いようだな、結構」

 

そう言いながらゼルは、頭に装着した宝石を陽子へと向けた。

 

「しまった……催眠術!」

 

とっさに宝石を見ないよう、陽子は腕で目を覆う。

それを見たゼルは、笑みで口元を歪ませた。

頭の宝石が怪しく光った瞬間、強烈な快感が陽子の全身を貫いた。

 

「はぁん! あっ……あぁぁぁぁぁぁっ!」

 

バランスを崩した陽子の身体が、ゼルの足元へと崩れる。

体の芯から響いてくる刺激に膝を折り、立ち上がることができない。

 

「どうだね、面白いだろう?」

 

陽子を見下ろしながら、ゼルは言った。

床に腰を落とす陽子の呼吸は荒くなり、宿敵の顔を見上げるのが精いっぱいになる。

 

「い……いったい……何をしたの……」

 

ジンジンと疼く体を懸命に抑えながら陽子が叫ぶ。

心臓の鼓動が早くなり、ビキニアーマーから露出した肌からは、目にわかる速度で汗が噴き出していた。

 

「なに、簡単なことだ。君が眠っている間に、神経の中枢部分に特殊なチップを埋め込んだのだよ」

 

薄笑いを浮かべてゼルは答えた。

同時に陽子の背筋を、冷たい汗が流れ落ちる。

 

「君の中枢神経は、今や私の支配下にある。今の刺激は中程度だが、もしこれを高めたとすると……」

 

「うあっ! あっ……あぁん……あぁぁぁぁっ!」

 

陽子は悲鳴をあげて、床の上に倒れ伏した。

いきなり絶頂に達してしまったのだ。

 

「………くっ……はっ…はあっ………」

 

冷たい床に横たわったまま、陽子は息を弾ませ、熱く火照った体をよじらせる。

脳を貫くような快楽に、身体が言う事を聞いてくれない。

 

(そ、そんな……こんなのって……)

 

自分の身体に起きている事実に、陽子は絶望する。

これではゼルの玩具にされたも同然だ。

それでも怒りと屈辱の入り混じった瞳で、かろうじてゼルを見上げる。

 

「ほぅ、まだそんな眼ができるのかね」

 

「クッ……わ、私は貴方には、負けない!」

 

「さすがは伝説の戦士だ、そうでなくては面白くない」

 

ニヤリと陰惨な笑みが浮かべたゼルは、スッと左手を挙げた。

すると暗闇の中からロボットの兵士が現れ、陽子の身体を掴み上げる。

 

「いやっ! 何をするのっ!」

 

抵抗する陽子だが、チップで性感を操られた身体で反撃するのは不可能であった。

たちまちロボット達に両腕を掴まれ、引きずられるように連行されてしまう。

 

「い、一体、私をどうするつもり」

 

「決まっているだろう、君の身体に眠るレダパワーの秘密を調べるのだ。その後は奴隷として、ノアへの侵攻に協力してもらう」

 

「だ、誰が! あんたの奴隷になんて絶対に……がふっ!」

 

陽子の鳩尾にロボットの堅い拳が叩き込まれる。

言葉を遮られた陽子は、顔を歪め苦悶の息を洩らす。

 

「フフフ……その元気がいつまで続くかな? 愉しませてもらうぞ」

 

そう言うと、ゼルはくるりと背を向けた。

 

「その女は例の部屋へと連れて行け、大切な実験体だ、粗末には扱うなよ、クク…ククク……ハッハッハッ……」

 

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