翌朝、レーナたちはシンファニー郊外の遺跡に立っていた。周囲には武装した通常部隊の兵士たちが突入準備をしていた。レーナは早朝に行われた朝礼でこの遺跡に変異少女の繁殖地となっていると伝えられ、早々に国防隊の大部隊はこの遺跡に部隊を集結しレーナたち第23特別小隊も招集されたのだ。すると背後からオリヴィアがレーナの肩を叩いて話しかけてきた。
「いい加減。そろそろ終わらせたいよな…」
「…なに?あんたは変異少女が撃てればそれでいいじゃないの?」
「まあそうなんだがな…少し飽きてきちまってよ」
「ふーん…」
レーナは内心で、珍しいわね。と呟きながらオリヴィアから視線を逸らした。
「ともあれ、ウチらはエルフィたちが戻って来んと動けんからね!今は準備して待つしかないよ」
「そうね」「んな事はわかってるよ!」
3人がそんな事を話している内に、指令所となっているテントからエルフィとシィナの2人が出てきて、3人の元へ駆け寄ってきた。
「先行部隊から連絡があったわ。私たちは遺跡に突入して、変異少女の残した卵を駆除するわよ」
「これからあの気持ち悪い卵を見ることになるって思うと、気が引けるなぁ」
「ならさっさと終わらせちまおうぜ!」
「そうじゃね!オリヴィアの言う通り、早う終われせてしまおっか!」
「(確かに面倒だし、さっさと終わらせてしまうに限るわね)行きましょう、エルフィ」
「ええ。第23特別小隊、突入準備!」
それから第23特別小隊の突入準備が足早に始まった。冷気放射器を背負い、手には身体構築阻害弾が装填されたX-93を携える。そしてメンバー全員の装備品チェックを相互に確認し、あっと言う間に突入準備は完了した。
「じゃあ行きましょうか」
そういうエルフィに続いて第23特別小隊のメンバーは指令所テントへと足を踏み入れた。
「第23特別小隊、これより遺跡内部に突入します!」
「……わかったわ。よろしく頼むわね」
「ハッ!」
第23特別小隊全員が揃ってレヴィナに敬礼をする。今回の作戦は規模が大きいため、司令官であるレヴィナも現場入りをしていたのだ。そして先にテントを出ていったエルフィたちの後を追ってレーナがテントを出ようとした時だった。
「レーナ」
レヴィナがレーナを呼び止めた。何でしょうか?と軍人モードの口調でレーナがレヴィナに問いかけた。
「気を付けて……また後で会いましょ?」
「はい。作戦後に…では」
再度レヴィナに敬礼をしてレーナはテントを出ていった。
その後、レーナたちは遺跡内に点在する変異少女の卵を駆除しながら遺跡の深部を目指していた。途中、他の部隊から救援要請を受けたエルフィとシィナが部隊を離れ、オリヴィアとユーリも作動した遺跡の仕掛けによって分断されてしまい、現在レーナはたった1人で遺跡の奥を目指していた。
「(まさかこんな事になるなんて…)はぁ…」
思わずため息がこぼれるレーナ。すると、目の前に両開きの扉が現れた。
(また罠なんてこと無いでしょうね…)
少し疑いの眼差しを向けながら、レーナは扉を開けた。扉を開けると、太い柱に支えられ、周囲を水路に囲われたとても広い空間が広がっていた。壁に窓は無く、積み上げられた石で覆われた空間がレーナの眼前に広がった。どうやら遺跡の一室のようだ。レーナの後ろで扉がゆっくりと閉まっていく。
(もぬけの殻…嬉しく思うべきかしら?)
そう言ってレーナは室内へと足を踏み入れた。水路を流れる水の音だけが支配する静かな空間だった。レーナは慎重に移動していく、すると―――
「あらあら、ようやく到着かしら」
「っ!?」
静かだった空間に声が響き渡る。ほんの少しだけ低い女性型ヒューマンノイドの声を聞きレーナは咄嗟にX-93を構えた。すると、奥にある柱の影から胸元を強調したシャツとタイトスカート姿の紅梅色をした左に流れた前髪を持つロングヘアーの女性型ヒューマンノイドが姿を現した。レーナは咄嗟にその女性型ヒューマンノイドにX-93の銃口を向けた。
「今この遺跡はシンファニー国防隊の作戦区域、一般人は……いや、お前は
「ウフフ♡流石、頭の回転が速いわね。ご名答よ♡」
薄ら笑いを浮かべたその女性型ヒューマンノイドは身に着けていたシャツとタイトスカートを粘液へと変え、あっという間に全裸となった。やはり変異少女ね。とレーナが内心で呟く。しかも、目の前にいる変異少女は今まで戦ってきた子種とは違う。
「会話が出来るという事は、親種ね」
「あら、そこまで見抜かれているとは思わなかったわ!」
わざとらしく驚きの表情を見せる紅梅色ロングヘアーの変異少女。レーナはそんな変異少女に銃口を向け唸る。
「親種ならここで捕り逃すわけにはいかないわっ、覚悟してもらうわよ!」
「ウフフ♡怖いわねぇ…でも、これは見抜けなかったようね!」
紅梅色ロングヘアーの変異少女がそう言った直後更に奥の柱から、胸の谷間まではだけた薄紫色のオフショルダーワンピースを着用し、桜色の髪をポニーテールにしたピンク色の瞳をした青年層女性型ヒューマンノイド、首に巻いたとても長いマフラーの両端を肩から垂らして胸だけを隠し、腰に留め具で止められたとても短い青いスカートを履いた腰まである黒いストレート髪のピンク色の瞳をした青年層女性型ヒューマンノイド、バニースーツのような肩出しの裾が胸下数シーチ*1なシャツと、秘所がギリギリ見えない所まで下げた白のミニスカートを履いた蒼いショートヘアーにピンク色の瞳をした青年層女性型ヒューマンノイド、淵をピンク色にした白地のビキニの上に黒のパーカーを羽織って腰に黒色のパレオを秘所が見えないギリギリの所で巻いている金髪セミロングヘアーにピンク色の瞳をした青年層女性型ヒューマンノイド。4体の女性型ヒューマンノイドが姿を現し、現れた直後に身に纏う衣服を粘液へと変え全裸となって自分たちが変異少女である事をレーナに見せつけた。
「なっ!?」
「アハハ♡流石に驚いちゃうよね!」
桜色ポニーテールの変異少女があざとく笑ってみせる。
「そーだね~、いきなりこの数は驚くよね~」
蒼髪ショートヘアーの変異少女はふわふわした口調で小さく笑う。
「ともあれ、これで形勢逆転ね」
黒髪ストレートの変異少女が口元に笑みを浮かべる。
「さあ、どうするのかしら……
「クッ!」
レーナは歯をギリッと鳴らして険しい表情となった。だが直後、レーナはあることに気づいた。
「っ!?何でお前たちが私の名前を―――」
レーナが変異少女たちに問おうとしたその時。レーナの背後、先程勝手に閉まった扉が開いた。レーナは扉が開く音に釣られて顔を扉の方へ向けた。するとそこには―――
「お、お姉さま!?それにエルフィたちも!」
レヴィナを先頭にしてエルフィ、シィナ、ユーリ、オリヴィア、そして国防隊の隊員たちが大所帯で室内へ入ってきたのだ。思わずレヴィナの事を、お姉さま。と呼んでしまう程驚いてしまったレーナだったが、やがてそれは安堵へと変わった。これだけの部隊であればいくら親種の変異少女が5体居ようと、物量に物を言わせて勝てると思ったからだ。
「良かった!親種の変異少女を5体確認したわ、殲滅に協力し―――」
レーナは喜びを必死に抑えるようにレヴィナたち後続部隊に訴えた。だが返ってきたレヴィナの言葉はレーナの理解の域を超えていた。
「ウフフフ……」
追い詰めたわよ、レーナ♡
「え?」
レーナはレヴィナの言葉に、鳩が豆鉄砲を食ったような表情となった。そしてその言葉をレーナに投げかけたレヴィナの顔は―――
2人で愛し合っている時の淫靡な笑みだった
「お…ねぇ…さま?」
困惑で頭の中が一杯になったレーナはその場で凍り付いたように固まってしまった。それを見ていたレヴィナは唐突に口を開いて一言呟いた。
「シィナ」
「はーい♡」
レヴィナに呼び掛けられたシィナが笑顔で右手の指を、パチィン!と鳴らした。
「グウッ!?」
すると、レーナを突然の頭痛が襲った。頭痛によって一瞬頭を抑えて悶えるレーナだったが、痛みはすぐに引き顔を上げた。自分の目の前に映し出された光景がさっきと違う物になっていたことにレーナはすぐに気づいた。
「う…そ?」
エルフィたち第23特別小隊の背後に立っていた国防隊の兵士全てがそれぞれに、レヴィナ、エルフィ、シィナ、ユーリ、オリヴィアたちとそっくりな顔をした全裸の少女になっていたのだ。
「これは…どういうことなの!?」
思わずレーナが大声をあげる。するとシィナが笑いながら答えた。
「簡単だよレーナ♡今日ここに集まった国防隊の兵士たちはみぃーんな―――」
私たちが産んだ娘たちなんだよ♡
「私たちがって……まさか!」
「そう言う事!ね、みんなっ♡」
シィナの合図を待っていたかのように、エルフィ、ユーリ、オリヴィア、そしてレヴィナは淫靡な笑みを浮かべた。そして―――
「そん……な…」
レヴィナ、エルフィ、シィナ、ユーリ、オリヴィアの身に着けていた国防隊のトレンチコートや背中に背負っていた冷気放射器が薄い桃色の粘液へと変化し5人の四肢を伝って地面へと流れ落ちていき、5人の瞳の色が変異少女の瞳の色であるピンク色へと変色していく。身体に纏わりついていた粘液が地面に全て流れ落ち瞳の色が完全に変色した時、そこには全裸となった
「さあレーナ―――」
みんなで1つになりましょう♡
と……